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【IT業界ニュース】VTuber「にじさんじ」上場、代表は弱冠26歳

面接で「最近の気になるニュースは?」と聞かれたら何と答えますか? 「今週の就活×ニュース」では毎週月曜日、学生のみなさんに知ってほしいニュースを厳選してお届けしています。今週はIT業界志望の方にぜひチェックしてほしいニュース3選です。就職面接や将来の意思決定に必要な情報収集の習慣化にご活用ください。

SECTION 1/3

残業削減だけじゃない働き方改革

「IT業界は残業が多い」というイメージを持つ学生の声を聞くことがあります。確かに、以前はIT業界は「きつい、帰れない、給料が安い」の「新3K」とネガティブに言われたことがありました。

しかしパーソルキャリアがまとめた職種別の平均残業時間の調査によると、20代のIT/通信系エンジニアは18.2時間/月と、全職種平均の16.8時間/月と大差はありません。また、同じくパーソルキャリアの調査によると、ITエンジニアの平均年収は452万円と、全職種平均の409万円を大きく上回っています。

デリバリーコンサルティングにGoodfindが取材した記事で、同社グループ長の長岡氏は「IT業界で残業が増える大きな理由として、システム開発時に何らかのトラブルによって予算や納期が足りなくなる『炎上プロジェクト』が多発することが挙げられ」ますが、デリバリーコンサルティングでは、そもそもプロジェクトを炎上させない仕組みがあるため残業がほとんどないと言っていました。

日本経済新聞の記事によると、IT業界では現在、残業時間の削減からもう一段階上の、多様な働き方やキャリア設計の実現まで進みつつあるようです。例えば伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、家族の介護などの事情をもつ社員向けに居住地とテレワーク場所を自由に選べる制度を設けました。またBIPROGY(旧:日本ユニシス)は、育児休業中の社員向けにも資格試験の学習や受験料を支援します。こうした一社一社の努力の積み重ねが、今のIT業界の働き方改善につながっていそうですね。

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SECTION 2/3

次に来るのは「ITでヘルスケア課題解決」

一口に「IT」と言っても、注力分野はSaaSやゲーム、FinTech、AIなど、企業によって様々です。では今後伸びていく領域はどこなのでしょうか?

そのヒントとなりそうなのが、日本経済新聞の「GAFAM、ヘルスケア特許出願10倍」という記事です。日経新聞がGAFAMと呼ばれる米IT大手5社の特許情報を専門家の協力を得て分析したところ、ヘルスケアのデジタル化を見据えて技術を蓄積する姿が浮き彫りになりました。関連の出願は2000年代に比べて10年代には約10倍になったとのことです。

特に特許出願数が多かったのは「バイタルセンシング」。生体情報をセンサーによって測定する仕組みのことで、例えばAppleの「Apple Watch」では心拍数や睡眠データなどを計測することができますよね。

医療・ヘルスケアは実は超巨大産業です。ビジュアライジングの市場規模マップをみると、「医療」は日本で約4番目の規模を誇る市場だとわかります。みずほ銀行調査部の資料によると、医療・ヘルスケアは2040年には市場規模100兆円超となる見込みで、これは現在の日本の国家予算に相当します。こんなにも大きな市場があるにも関わらず、現状デジタル化が遅れている医療・ヘルスケアは、今後大きなビジネスチャンスがある領域だと言えますね。

SECTION 3/3

ANYCOLOR上場、時価総額はフジテレビ超え

IT業界の成長領域として今注目されている「メタバース」。なかでも急激な成長を見せているのが「VTuber」です。

2DCGや3DCGで描かれたキャラクターなどを用いて配信を行うバーチャルYouTuber、略してVTuberの市場は、2016年頃の「キズナアイ」登場後に急拡大。ユーザーローカルの調査によると、VTuberの人数は2021年10月19日時点で1万6,000人を突破しました。またYouTubeの投げ銭機能である「スーパーチャット」の2021年全世界総額ランキングでは、1〜9位を「ホロライブプロダクション」所属のVTuberが占めました(PLAYBOARD調べ)。

そんなVTuber界の人気プロダクションの一つ「にじさんじプロジェクト」を運営するANYCOLORは8日、東証グロース市場に上場しました。ITmediaによると、16日時点のANYCOLORの時価総額は2714億円で、フジ・メディア・HDの時価総額である2667億円を50億円近く上回ったといい、株式市場の期待の大きさがわかります。

ANYCOLOR創業者で代表取締役社長の田角陸氏は、現在26歳。早稲田大学在学中に、ガイアックスにて長期インターンに参加した後、大学在学中の21歳でいちから株式会社(現ANYCOLOR)を設立しました。Forbes JAPANのインタビューによると、田角氏は創業時、YouTubeやSNSのニューメディアへと活躍の場を広げて存在感を高める人物が増えていたことから「アニメ業界にも、YouTube配信の時代がやってくる」と確信したといいます。

起業を考えていなくても、学生のうちからニュースや講演、記事、本、映像など、様々な手段を用いて興味・関心の幅を広げることは、キャリアの選択肢を最大限に広げる上で大切です。興味・関心を持った領域をこの記事でお伝えした「時間軸思考」を取り入れて見ることができれば、より多くの事象をより多面的に捉えられるようになり、最大限に広がった選択肢の中から、筋の良いキャリアにつながる道筋を選ぶことができるでしょう。

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