COLUMN

電動キックボード免許不要に/ESG達成度でボーナス決定

就職面接で「最近の気になるニュースは?」と聞かれたら何と答えますか? 「今週の就活×ニュース」では毎週月曜日、学生のみなさんに知ってほしいニュースを厳選してお届けしています。就職面接や将来の意思決定に必要な情報収集の習慣化にご活用ください。

SECTION 1/3

法改正の壁を超え、電動キックボードが普及へ?

第1問:電動キックボードのシェアリングサービスの世界市場規模は、2025年に何円に成長する見込みでしょうか?

 (1)約1~2兆円

 (2)約2~3兆円

 (3)約3~4兆円

 (4)約5~6兆円

企業がイノベーティブな事業を興そうとする際につきまとうのが法規制の問題です。例えば、ライドシェアサービスのUberは海外諸国では一般化していますが、日本では道路運送法の規制が1つの要因となり、あまり普及していない印象です。

しかし19日、ある国内スタートアップを中心としたロビイング活動が実り、法改正が可決される事例ができました。

電動キックボードLUUPを運営する株式会社Luup代表の岡井氏は、道路交通法の改正案が可決されたことについてTwitterで言及しました。今回の法改正により、免許不要で時速20kmで走行可能となり、日本で諸外国と近い条件で電動キックボードが活用できる見込みです。

そもそも、なぜいま電動キックボードが注目を集めているのでしょうか? その理由は、各国政府が頭を悩ませている「都市部で深刻化する渋滞」「自動車等の移動手段によるCO2排出」などの問題に対し、解決の一手となりうるからです。アメリカやドイツ、フランスでは3〜4年前から電動キックボードに関する規制が整備され、移動手段として普及しているそうです。日本でもファミリーマートでの貸し出しが決定し、普及へ着々と歩みを進めています。

また、ビジネスとしても注目度は高く、ボストン コンサルティング グループが発表したレポートによると、電動キックボードの市場規模は2025年に約5〜6兆円に達する見込みとのことです。Luup社が日本の電動キックボード界のトップランナーとして成長企業になっていくことにも注目です。

新たなことを実行するにはそれ相応のハードルがあります。みなさんも「なぜこういうサービスってないのか」「こう改善されればより便利なのに」と不満を感じたときには、もしかして法規制のハードルがあるのかも?と思考を巡らせてみると、良い発見につながるかもしれません。

SECTION 2/3

米マスターカード、全社員のボーナスをESG連動に

第2問:デロイト トーマツ グループが調査した日本企業1,042社のうち、ESG指標を役員報酬決定に活用している企業は何社?

 (1)27社

 (2)47社

 (3)87社

 (4)167社

みなさんは企業のボーナスがどのように決まるかご存知ですか? 基本的には支給するかどうかも含めて企業が自由に決めることができますが、ボーナスを支給する企業の場合「基本給の◯ヶ月分」と定めているところが多いようです。

そんな中、アメリカのマスターカード社は19日、ESG目標の達成状況を全従業員のボーナスに連動させると発表しました。これまで同社は、CO2排出量の削減や男女の賃金平等の目標の達成度を役員報酬と連動させていましたが、「私たち一人ひとりがESGを守る責任を共有している」として、今後はこの取り組みを世界中の全従業員に拡げるといいます。

そもそもESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字を組み合わせた言葉で、企業が長期的に成長するためにはこの3つの観点が重要だという考え方です。

ESGが重視されるようになった背景には、企業の短期的な利益追求による悪影響に目が向けられたことが挙げられます。これまで企業価値は、企業の業績や財務状況を見るのが一般的でした。しかし企業が短期的な利益ばかりを追求すれば、環境破壊や労働環境の悪化、統治不全などの問題を引き起こし、長期的に見れば、社会、ひいてはその企業自身の利益を損ねてしまうという認識が広がったのです。

マスターカードのようにESGを全社員のボーナスと連動させる取り組みはかなり珍しいですが、役員報酬と連動させる例は増えてきています。デロイト トーマツ グループが日本企業1,042社に対して実施した調査によると、役員評価を実施している企業730社のうち、ESG指標を役員報酬決定に活用している企業は6.4%の47社で、前年調査時の5.4%から1.0ポイント増加しました。ESGが私たちの仕事や給料に直結することが、今後は珍しくなくなるでしょう。

SECTION 3/3

企業に人的資本の開示求める動き

第3問:アメリカで義務化された「人的資本の情報開示」で、実際に開示しなくてはならない項目はどれでしょうか?(複数選択可)

 (1)従業員の雇用形態ごとの人数

 (2)従業員の給与水準

 (3)従業員の健康状態

 (4)企業から従業員に対するスキル向上の支援状況

企業の4大経営資源「ヒト・モノ・カネ・情報」を聞いたことはあるでしょうか? このうち、日本企業が決算発表を通じて開示しているのは、主にモノ(製品やサービス、またはそれらを生み出す設備、機械など)とカネ(資金)です。

20日、政府が人的資本(ヒト)の開示を進めるべく今夏を目処に指針を作っていくことが、日本経済新聞にて報じられました。2020年に人的資本の開示を義務付けたアメリカなど、欧米諸国を追う形で導入を進めているようです。

なぜ、いま人的資本の開示が世界で進められているのでしょうか? 大きな理由としては、2番目のニュースでも取り上げたESGが、投資家の関心を集めていることが挙げられます。今回の人的資本の開示は特にSocialの文脈として、男女・雇用形態別の賃金水準や育成方針などを開示することで人への投資に積極的な企業なのかを判断するための施策といえます。

ちなみにアメリカでは、具体的に以下8つの項目の開示が義務付けられています。日本ではこれから項目の指針を決めていく段階ですが、参考にしている部分も多いかと思います。

(1)労働力の人口統計情報(従業員の数など)

(2)労働力の安定性の情報(自発的離職率や非自発的離職率など)

(3)労働力の構成(多様性に関するデータやポリシーなど)

(4)労働力のスキルと能力(トレーニング、訓練コストなど)

(5)労働力の健康、安全、ウェルビーイング(怪我、病気、死亡の頻度など)

(6)労働力の報酬とインセンティブ(給与と賃金、有給休暇など)

(7)労働力の採用とニーズ(学位を必要とする仕事のシェアなど)

(8)従業員の関与と生産性(ワーク・ライフ・バランスのイニシアチブなど)

※ 参考:日経BP「米国で進む人的資本開示の法制化、8つの開示項目と法規制の根拠に迫る

みなさんも企業選びの際に、人材に対してどのような投資をしていっているのかを見てみるのも良いかもしれません。実際に開示の指針が策定されるのはまだ先であるため、人事や経営者から直接聞く必要がありますが、引き出しの一つとしてぜひ覚えておいてください。

正解  第1問:(4)約5~6兆円  第2問:(2)47社  第3問:すべて

【お知らせ】5月2日・9日の「今週の就活×ニュース」はお休みします。

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