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COLUMN

ミッション経営が凄い会社に学ぶ。なぜ事業や組織が成長するのか?

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Spoken by 森 宏記

Written/Edited by 原田 奈津子

Sponsored by パーソルキャリア株式会社

将来「事業を創りたい」「仕事を通じて成長したい」と考えて企業を探す人は多いですが、意思決定の段階では「ビジョンやミッションへの共感が大事」と言われます。しかし皆さんにとって、ビジョンやミッションは事業より抽象度が高く、「存在する意味」や「事業との繋がり」が曖昧ではないでしょうか? そこで今回は「ミッション経営」で事業や組織を成長させている企業から「なぜ事業創りや個人が成長をしていく上で、ビジョンやミッションが大事なのか?」を学びます。

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ビジョン・ミッションとは? ミッション経営とは?

編集部:Goodfindでは、就活において「成長機会」や「事業創り」など、貪欲に活躍のチャンスを求めている学生によくお会いします。一方で、皆さんは企業を見るときに「ビジョン」や「ミッション」に注目していますか? ビジョンやミッションへの「共感度」は、採用選考の過程はもちろん、入社後の働き方や事業創りにも関わるため、1年目から成長したい人ほど、実は深い理解が必要です。定義から見ていきましょう。

まず 「ビジョン」とは、実現を目指す、将来ありたい姿のことです。多くの企業では「10年後に実現したい社会」といった中長期的なビジョンを掲げていますが、ビジョンは時代や状況によって変わりうるものです。

次に「ミッション」とは、企業が果たすべき社会的使命であり、存在意義です。自社は「何のために存在し、誰にどのような価値を提供するのか」を明確にしたもので、日々遂行し続けます。また利益追求のみならず、顧客を通じて社会貢献の実現も目指す考え方を「ミッション経営」※1 と言います。

また、ビジョンとミッションのベースとなる「経営理念」は、その企業の経営者が大事にしている価値観・考え方で、会社の判断軸であり個性とも言えるでしょう。※2

そもそも、なぜ企業はビジョンやミッションを掲げているのでしょうか? 理由は、企業が成長していく際の「羅針盤」であり、組織文化を醸成する「拠り所」になるからです。ただ、このように定義や一般論を聞いても「働く上で、自分や入社先の事業とどう関わるのか」イメージが湧かない人も多いでしょう。

そこで今回はパーソルキャリア社の事例から、ミッション経営をする理由や、具体的に「ビジョン・ミッションと事業」の関係を読み解きます。そこから「事業創りや、個人として成長する上で、なぜビジョンやミッションが重要なのか?」を理解し、企業を「ビジョン・ミッションから見る視点」を学びましょう。

※1 ミッション経営とは: 「社会について考えながら仕事をすること」であると同時に「顧客のための仕事を通して、社会に貢献する」こと。すなわち、「顧客を通じて社会に貢献する、顧客の後ろに社会を見る」という考え方。
出典:根来龍之「ミッション経営:事業活動を通じた社会貢献」

参考: ※2 わかりやすく解説 | 2020 ビジョンを実現するキャッシュフロー経営

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不況時に強く意識した「顧客志向」とそこから生まれた事業間の連携

今回は、パーソルキャリア社の経営戦略において、キーパーソンである森さんに編集部がお話を伺いました。現在は全社の戦略や事業計画など経営を担う森さんですが、法人営業時代にはリーマンショックを経験。不況下でも顧客に貢献して売れる仕組みをつくったことが、事業間の連携が進むきっかけになったと言います。

森 宏記

パーソルキャリア株式会社 経営戦略本部 本部長

2007年に新卒でパーソルキャリアに入社。転職メディア事業部にて営業を経験後、事業企画へ異動し、人材紹介事業をはじめ数事業を牽引。その後、主幹事業部の事業企画およびCHQ組織(管理部門)の立ち上げを行い、現在は経営戦略本部長として、パーソルキャリアの経営/事業戦略を担っている。

経営戦略本部長 森氏

──今回は「ミッション経営」をされる理由や、ミッションと事業の繋がりなどについてお話を伺います。まずは理解するための前提知識として、パーソルキャリアの事業について教えてください。

森:パーソルキャリアは、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョン、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションのもと、はたらく個人には豊富な「はたらく」の選択肢を、企業には「採用」を切り口とした多様な人・組織の課題解決を行っています。

中でも、当社の事業の特徴は、主要事業が横に連携をとっていることです。今回は、連携のきっかけとなったリーマンショック当時を踏まえてお話します。

パーソルキャリアの代表的な事業には、「人材紹介」と「転職メディア」があります。人材紹介は、法人営業担当であるリクルーティングアドバイザーが企業のニーズをヒアリングし、ニーズに合った転職希望者をご紹介するサービスです。

一方で転職メディアは、当社が運営する転職メディア「doda」に対して、企業が求人を掲載し、ユーザーがメディアを通じて求人に応募することで、採用活動および転職活動をサポートするサービスです。この転職メディアは、リーマンショックの時には一時的にお客さまからの需要が減少してしまいました。でも、採用に関する需要がすべて無くなってしまったわけではなく、人材紹介のサービスには、「自社のニーズに合う転職希望者を紹介してほしい」というお客さまからお声掛けがあったんです。

だったら、需要があるお客さまに対して、「人材紹介だけでなく、当社のサービスを幅広く活用して採用活動のサポートができないか」について検討しました。というのも、当時人材紹介で採用が成功している企業は限られ、ほとんどの企業が人材紹介のみで採用を成功に導くことが難しい状況にあったからです。

そこで人材紹介事業部の営業が求人広告の提案もすることができるよう、それぞれの事業が連携できる仕組みを作ることにしました。こうして、お客さまに「パーソルキャリアが持つサービスを総合的に提案する」という当社事業の強みが生まれました。

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業界他社との違い。強みの根幹は「ミッション経営」

──2つの事業の連携から派生する「強み」について詳しく教えてください。また人材業界の他社との違いは何でしょうか?

森:同じ業界内での違いは、やはり事業間の横の連携と社員一人ひとりの提案力だと思います。当社では、お客さまにとって最適なサービスを提案することを意識しています。そのため、リクルーティングアドバイザー(人材紹介の法人営業)とリクルーティングコンサルタント(転職メディアの法人営業)が一緒に営業に行くこともありますし、時にはグループ会社も巻き込んで、一緒に営業に行くこともあります。これは他社と比べた時の強みと言って良いと思っています。

──逆に、他社ではなぜあまり一緒に提案しないのですか?

森:ミッションをはじめとした経営思想の違いだと思います。他社では分社化して事業ごとにカンパニーを分けていることも多く、総合力というよりも、各事業の営業が個々で「プロダクトそのもの」を届ける方針をとっています。実際に、そうした企業は優れたプロダクトで差別化を図っていると思います。

もちろん他社を意識しないことはないですが、シェアを奪い合ってる感覚もないんです。もちろん、お客さまから選ばれれば嬉しいですが、「はたらく」というマーケットは「あそこの敵陣を倒すぞ」というゲームじゃなくて、共にお客さまに価値を提供し続け、マーケットそのものを広げていくものだと考えています。

なので、個々のプロダクトで他社に勝つというよりは、他社よりも幅広く世の中で使ってもらえる仕組みやエコシステム※3 をつくりたいと思っています。

たとえ、一つの案件や単体のプロダクトでは収益にならなくても、それがお客さまの課題解決になることで、まわりまわって他のお客さまにもいいことがあるとか、別のプロダクトで収益化するのであれば良いと思っています。

また、事業を連携させ、より多くのお客さま(企業)にサービスを使ってもらうことで、より多くの求人を個人のお客さま(転職希望者)に届けられたら、「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションの遂行に繋げていくことができます。

森:「ミッション経営」を軸として「社会課題をビジネスで解決するプロセス」を踏むことで、しっかり収益にも繋げることができると思っています。そして、さらに価値のあるビジネスをしていくことができる。

これが全社に浸透することで、社員一人ひとりが「社会課題から落ちてきた取り組みを、自分はいま目の前のお客さまに提供している。お客さまが満足することで社会がよくなるんだ」と自信をもって営業したりサービスをつくったりすることが、今後の強みになっていくと思います。

編集部:顧客満足にとどまらず社会に向いた「ミッション経営」の思想が、社員一人ひとりに根付いていることが、事業の源泉であり、組織での提案力のベースにあるのですね。

※3 エコシステムとは:生態系という意味のことばで、ビジネスの分野では、特定の業界全体の収益構造を表す。ひとつの企業のビジネスモデルではなく、取りまとめ役となる企業、技術やアイデアを提供する企業、資金を出す企業といった様々なプレーヤーを巻き込んで、事業や業界全体が成長していく様子を自然界の生態系になぞらえたもの。

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目先の利益よりエコシステムを目指すのもミッションのため

──「ミッション経営をして収益化も実現できる」という自信の源は何でしょうか? 社会課題を解決するビジネスで本当に収益になるのでしょうか?

森:たしかに事業の各論を話すときには、僕も「それ本当に収益になるの? 」と言います。ただ「本当に世の中のためになることをやろう」と声を挙げたときに、お金を払う企業はいると思うし、その人らしいワーキングライフ(はたらき方と生き方が融合した生活)を実現するために、個人もお金を払うと「総論」としては思っています。収益化するサイクルをつくれないのは知恵がないからで、その知恵は絞るべきだと考えています。

例えるならば、近所のゴミ拾いをしていても収益にはつながりません。ですが、海中のプラスチックゴミを一気に回収できる仕組みがあれば大きな収益になります。僕たちが目指しているのはそういうことなんです。

森: 僕らのミッションは、人々に「はたらく」を自分のものにする力を与えることなんです。はたらく人たちに常に寄り添える存在となって、個人の希望と社会の期待にこたえられたら、収益も必ずついてきます。

短期的に物事をみようとは思っていないので、3年間くらいは収益にならない時期があるかもしれませんが、5年後10年後に収益化できる、そういうプロダクトもつくっていこうとしています。

──新しいプロダクトや事業への投資基準、逆に撤退基準はどのように引かれているんですか?

森:昔は3年で投資回収しようとしていました。その基準がなくなったわけではないですが、今はプロダクト単体で収益化ができなくても、エコシステムが回っていればいいと考えています。1つのプロダクトが別のプロダクトに影響を与え、そのプロダクトの売上が上がるのであればいい、という基準になっています。

例えば、2020年より提供開始した、転職後の“はたらく”を支援するサービス「CAREER POCKET」や、キャリアの可能性を拡げるアプリサービス「マイポテ」においては、サービス単体でマネタイズをしていませんが、2つのサービスは、「doda」を含む既存サービスへの送客や、データの共有を考え、まさにエコシステムとして運営しています。

──2019年にはアルバイト求人情報「an」のサービスを終了されました。事業撤退の背景について教えてください。

森:撤退した背景としては、「経営全体を俯瞰したときの投資、人的リソースの最適化」が大きな理由です。「an」自体は利益が出ていました。しかし、近年アルバイト・パート業界を取り巻く環境は大きく変化し、求人広告市場に参入する企業も増加したことで、今までのやり方では「an」単体で収益性を向上させることが難しい状況となってしまっていました。

何度も経営陣で議論を重ねた結果、お客さまや社会により多くの価値を提供するためには、「an」に配置・投資をしていたリソースを、転職領域を中心とした他の既存事業のアップデートや新規事業立案に割こうという判断になりました。

──投資・撤退基準について、単体だけでなくエコシステムへの寄与を見るとのお話でしたが、その点で「an」はどうでしたか?

森:リソース配分の観点で、「アルバイト・パート領域の求人広告」という今までのやり方をそのままにエコシステムとして捉えるのは難しいという考えでした。ただ、アルバイト・パート領域で価値を提供すること自体を諦めたわけではありません。逆求人型就活サービス「dodaキャンパス」が提供しているインターンバイトは、引き続き扱います。例えば、スキルがつく長期のインターンシップのように、学生が就活の際に履歴書に書けるような、「キャリアの礎」となるアルバイト・パート領域はこれからサービスにしていく可能性もあると思います。

今回の意思決定も、僕たちが「はたらく」というフィールドに今後も腰を据えてチャレンジをしていくためのものなので、ドメイン※4を変えたりアプローチ方法を変えたりしながら、異なる切り口で再度チャレンジをすることは十分あり得ると思います。

だからこれまで多くのお客さまに愛されてきた「an」のブランドは手放さず、保持することに決めています。そのため、この先「an」のブランドをどこかで使うことはあり得ると思っています。誰か「an」のブランドを使って面白いビジネス考えて提案してくれないかな。パーソルキャリアで新規事業やりませんか?

※4 ドメインとは:企業の事業活動の範囲のこと。「事業領域」または「事業ドメイン」とも言う。

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ビジョンのために「はたらくプラットフォーム」へ広げる醍醐味

──ビジョンやミッションを中心に据えた経営思想を、体現しているエピソードを教えてください。

森:KKR※5 から離れるときの経営会議の話をさせてください。当時、当社(旧インテリジェンス)のビジョンは「人と組織を多様な形で結ぶインフラとしての人材サービスを提供し社会発展に貢献する」でした。

「独立してまた上場するか、テンプグループと一緒になるか」の分岐点で、経営陣は、「本当にインフラを目指すなら、規模を追わなきゃいけないよね。だったら、派遣のマーケットで派遣の雄とされてきたテンプグループと一緒になって会社の規模を一気に大きくし、顧客に届けられるサービスをより充実させた方が理にかなっている。僕たちのやりたいことに沿うよね。」と、判断しました。

だから上場ではなく、志を共にできるテンプグループと経営を共にすることを選んだんです。単独で上場することよりも、お互いの資本や顧客資産をうまく掛け合わせ、グループとして更に成長していくことで、ビジョン実現により近づくと考えました。

このように、パーソルキャリアはこれまでビジョンやミッションをまっすぐ追いかけてきた会社なんですよ。

※5 KKRとは:アメリカを拠点とする世界有数の投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツの略称。インテリジェンス社は2010年7月にKKRグループに買収された。その後、2013年4月にKKRからテンプホールディングスへの株式譲渡によって、インテリジェンスはテンプホールディングス(現:パーソルホールディングス)に完全子会社化された。2017年7月にインテリジェンスからパーソルキャリアに商号変更し、現在に至る。

──競合他社では他領域の事業もやるなか、パーソルキャリアは人材業に集中されています。これはビジョンに関わっているのでしょうか? また人材業界の可能性や面白さについて、どのように捉えていますか?

森:ビジョンから全ての事業を考えています。グループビジョンは「はたらいて、笑おう。」ですが、「はたらくことは、生きること」と捉えています。また、ミッションは「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」ですが、このミッションを遂行するためには、「はたらき方」と「生き方」が融合するような、充実した「あたらしいはたらく」を創造することが必要だと考えています。

業界の可能性というと、人材業は「はたらく」を切り口とした非常に多くのデータを活用できることが特徴です。皆さんは何をもとに、家や車を買うことができると思いますか? 答えは「はたらいて稼ぐお金」です。このように「はたらく」と「ライフ(生活)」は密接に絡んでいるため、僕たちがこれまで蓄積してきた「はたらくにまつわる情報」を有効に活用することができれば、お客さまや社会に提供できる価値をどんどん広げていける可能性があります。

情報を扱う者として、気を付けなければならないことや責任は沢山あります。しかし、事業の広がりもあると思います。

僕たちのビジョンに向かって「はたらく」を起点に、個人のワーキングライフまで広げ、学び・健康・暮らし・育児など、それぞれのプロとパートナーシップを組むことで、「あたらしいはたらく」を創造できると考えています。

森:これを実現しようとすると、社内では組織が収まらないんです。僕たちが何かすることで他の会社の収益も上がるというPLとかKPIが出来上がることもあり得るのでしょうが、それも含めた「はたらくプラットフォーム」みたいな広がりを描いて仕掛けられることが、一番の面白味ですね。

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社員の声から「ミッション経営」を加速

──2019年10月にビジョンとミッションをリニューアルしたのは、なぜでしょうか?

森:会社として「ビジネスと社会課題の解決を一緒に回す」こと、つまりミッション経営はずっと頭にあったものの、「どうしたら成り立つか」がわかっていませんでした。それを模索する過程で、具体的で明確なミッションをつくることになりました。

森:ミッションを掲げるということは、僕たちがミッション遂行のために日々活動をし、ミッション遂行を諦めたら解散も辞さない、という宣言なんですよ。

それを本気でやるビジネスの一つに、人材紹介があるし転職サイトがあるし新卒事業があるという構造です。そのため、既存のビジネスは一つの手段ですし、そこだけに固執していません。

だからこそ、先ほどお話した「他の業態とも組んでいかに充実したワーキングライフを実現していくか」といった発想が出てくるんです。ビジョンとミッションの再定義によって、こうした事業構想まで一連の流れをつくることができました。

──まさにビジョンとミッションと事業が繋がっているのですね。ミッション経営の推進には、どんな経緯があったのでしょうか?

森:実は、ミッション経営を推進するヒントをくれたのは外部の方で、アンカースター株式会社の児玉太郎さん(Facebook Japan初代代表 等を歴任)です。児玉さんから「御社はどこまで本気で世の中をよくしたいんですか? 儲けたいだけじゃないですか? 」と問われました。

我々は「儲けたいだけじゃないんです。じゃあ、それを乗り越える経営って、どうやっていったらいいんですか? 」とお聞きして。児玉さんとディスカッションしていくなかで「ミッションを中心に据えた経営を推進した方がいい」と、峯尾(パーソルキャリア社長)が思い至りました。

さらに、児玉さんとのご縁を繋いでくれたのはうちの社員なんですよ。現在、新規事業を生み出して責任者として活躍している女性です。彼女はかねてから「うちの会社は良いこと言うわりに、そこに向かう努力が足りない」と沸々と思っていて「本当にビジョンを実現する気あるんですか? 」と言って児玉さんと引き合わせてくれました。

こうしてパーソルキャリアがミッションを再定義したのと時を同じくして、パーソルグループが中長期計画を立て始めたので、連携して全てを繋げにいきました。パーソルグループ代表の水田も、グループビジョンである「はたらいて、笑おう。」を本当に実現するための経営をしたいという想いが強く、全員が思い描く方向性がバチッと一致しました。

森:このような経緯で、実現したい社会(ビジョン)と、ビジョンを実現するための役割(ミッション)、ミッションを遂行するための各事業という形で、一つに繋がりました。社員の一人が声をあげて、さらに外部パートナーの力を借りたことが、ユニークで価値があると思っています。

──ひとりの声からグループ全体を巻き込んで繋がったのですね。学生や外部の人から見て「企業がミッションをどのくらい体現しているか」を判断するには、どうしたらいいのでしょうか?

森:広報や全社をあげた活動から見えることと、決算IRといった数字から見えることがあると思います。当社の場合は「ミッションへ込めた想い」を社内外に届ける一環として、オフィスの壁に「Mission Wall」という、ミッションの世界観を具現化した絵を描きました。こちらは来社したお客さまをはじめ、社内外の人に見ていただけるようにしています。

ミッションの世界観を描いた「Mission Wall」

森:「Mission Wall」は、“「はたらく」を自分のものにしている人とは、「生きる」と「働く」が融合している人である“ というキーワードから、動物(十二支)をモチーフにして描かれています。

コーンや赤信号などの障害物は、動物たちの行く手を阻む苦悩や困難の象徴になっています。しかし、動物たちは障害に屈することなく、むしろそれらを利用して前進しており、これは、苦悩や困難さえも利用し、自分の糧として進んでいく、ポジティブに向かっていくというパーソルキャリア社員の気持ちを表現しています。

──IRや数字から見えるのは、どういったことでしょうか?

森:ミッションに紐づく「経営指標」を一つ決めました。グループ全体としてこれから開示していきます。この指標が上がっているかどうかが、僕たちがミッション経営をできているかを示しますし、事業を通してミッションを遂行できているかどうかを示すことになります。

僕たちのメッセージに共感してくれた人は、ぜひうちで一緒に情熱を燃やしましょう。「自分が心からやりたいことが、パーソルキャリアのミッションに繋がりそうだ」と思う人とのご縁があれば嬉しいです。

編集部:今回は「ミッション経営」で組織を成長させている企業にお話を伺いました。パーソルキャリアがミッション経営をしている理由は、ビジネスを通じて本気で社会課題を解決するためでした。また全ての事業はビジョンとミッションに紐づいてつくられていて、ビジョン実現とミッション遂行のために事業はおこなわれていました。

「どんな事業をやるのか?」ということは、その企業にとっては一つの手段でしかありません。だからこそ、組織の仲間になる人には、企業の羅針盤となるビジョンやミッションへの共感が必要とされています。皆さんが企業を見るときには、企業のビジョン・ミッションと「自分のありたい姿や価値観」の共通点を、ぜひ見出してみてください。

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話し手

森 宏記

森 宏記

パーソルキャリア株式会社
経営戦略本部 本部長
2007年に新卒でパーソルキャリアに入社。転職メディア事業部にて営業を経験後、事業企画へ異動し、人材紹介事業をはじめ数事業を牽引。その後、主幹事業部の事業企画およびCHQ組織(管理部門)の立ち上げを行い、現在は経営戦略本部長として、パーソルキャリアの経営/事業戦略を担っている。

執筆/編集

原田 奈津子

原田 奈津子

Goodfind College 編集部
慶應義塾大学経済学部卒。音楽業界、外資生命保険会社、事業開発専門のスタートアップを経てスローガン入社。学生向けキャリアアドバイザー、企業の採用支援担当を経て現職。国家資格キャリアコンサルタント。