INTERVIEW

やりがいのない仕事をつくらない。新しい雇用関係が生み出す挑戦環境

あなたにとって「成長環境」とは何を意味しますか。裁量権の大きさ、若手の活躍実績の多さなど、その言葉の意味するところは人によって様々です。したがって就活においては、自分にとって「成長環境」が何を指すかを明確に定義し、企業を見極める必要があります。今回はその定義の一つとして、社員の成長に真剣に向き合う組織づくりがなされているかどうかという観点を、雇用の面から考えてみましょう。

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話し手

内木場 隼

内木場 隼

代表取締役社長

SECTION 1/5

新時代の雇用関係「アライアンス」

編集部:「アライアンス」という雇用の形を知っていますか。「アライアンス」は、企業から個人に期待する役割と、個人が希望する業務について対等な立場で合意し、雇用関係を結ぶことを指します。リンクトイン創業者のリード・ホフマンが著書『アライアンス』で提唱し、シリコンバレーでも取り入れられている新しい雇用関係です。

実は、仕事を通じて自らの成長を目指したい人が企業を選ぶ上で、「企業と個人の関係性」という観点は重要です。なぜなら社風への影響はもちろん、本当に裁量権を持って仕事に取り組めるかどうかを見極めるための指標となるからです。また、いくら裁量権が大きかったとしても、自らの目指すキャリアと方向性が異なっていたら本末転倒ですよね。

では、実際にアライアンスを導入した企業において、企業と個人はどのような関係性を築いているのでしょうか。日本でアライアンスをいち早く取り入れた企業である、Leo Sophia Group創業者の内木場氏に話を伺いました。

SECTION 2/5

企業と社員の互恵関係が、最高のアウトプットの源

内木場 隼(うちきば・はやと)
株式会社Leo Sophia Group 代表取締役社長

1990年1月京都府生まれ。早稲田大学社会科学部卒。在学中から独立志向を持ち、個人事業主としてスタートしたメディア制作業がヒットしたことから、2014年9月にインターネットメディアを手がける現 株式会社Leo Sophia Groupを創業。

──内木場さんはなぜ、アライアンスを取り入れた企業づくりをしようと考えたのでしょうか。

内木場:アライアンスを導入した理由は、社員の成長促進と、事業の成長を最大限に高い水準で両立させるためです。

なぜそれが可能になるかというと、アライアンスによって、社員と企業が同じ目線にたち、双方にとってメリットのある業務目標を設定できるからです。一見当たり前のようにも思えますが、お互いが求めるものを明確にした上で、お互いの価値を高めあいましょうという合意を取ることが、アライアンスの本質だと思います。

まず、従来の雇用関係とアライアンスを比べてみましょう。従来の雇用関係は、個人が会社に忠誠を誓い、企業が個人の雇用を保証するという形式でした。そのため、企業が異動や職種変更の意思決定を一方的に行うこともあるような、企業の力が個人よりも強いケースが一般的でした。

一方で、アライアンスに基づく雇用関係では、個人はありたい姿に向けて成長するために、そして企業は事業に成果をもたらすために、双方の希望を両立できる仕事を割り当て、目指すべき成果とその期間について合意する、という対等な関係が構築されることが特徴です。

アライアンスを導入した組織の特徴は、プロスポーツチームに例えるとわかりやすいでしょう。選手たち(=社員)は個人の成長を極めること、監督(=経営陣・企業)はチームの勝利(=事業の成功)を目指しており、お互いの利害関係が一致した状態で対等に信頼関係を築くことができるのです。

つまり、アライアンスを推進する上でのポイントは以下の2つです。

  1. 個人の核となる価値観やありたい姿を会社とすり合わせること。
  2. 個人と会社双方にメリットがあり、整合性がとれた目標設定を行うこと。

上記を満たした上で、双方で合意する業務目標を繰り返し設定・達成する中で、社員はなりたい姿に最短で近づくことができ、企業はその過程の成果を利益とすることができます。

SECTION 3/5

「意味のない仕事」がない働き方

──アライアンスは、社員と企業の双方にメリットを生み出せる働き方なのですね。企業にとっては社員と事業のパフォーマンスを伸ばせるメリットがある一方で、社員にとってはどんなメリットがあるのでしょうか。

内木場:エンゲージメント※1の高い状態で、自らの成長を実現できる点がメリットです。アライアンスを通じて、会社と社員とが対等な関係でお互いの求めるものを明確にしているからこそ、「なぜこの会社で働いているのかがわからない」「今の仕事が自分のキャリアに紐付いているのかがわからない」という状況を防げます。

実際に当社でも、アライアンスに基づく人事論を通じて、自らが目指す姿を考え目標を設定し、ひたむきな努力を通じて目標を達成することを何度も繰り返しながら、納得の行くキャリアを歩める組織づくりを行っています。

その中で社員にとって目指す姿・ありたい姿を実現するために最適な環境や業務が会社として用意できない場合は、転職の相談に乗ることもあります。自社にない仕事を任せるわけにはいきませんし、やりたくない仕事を無理矢理やってもらっても良いパフォーマンスには繋がらないので、社員に対して誠実な姿勢とは言えないからです。

※1 エンゲージメント:「婚約、誓約、約束、契約」を意味する言葉。派生して、人事領域においては「個人と組織の成長の方向性が連動していて、互いに貢献し合える関係」を指す。 参考 エンゲージメントとは(日本の人事部)

実際に、自分のキャリアを実現するために卒業した社員もいますが、退職後も良好な関係性を保てています。いつかまた、当社と同じ志を持って働けそうだと感じてもらえる機会があれば出戻りも大歓迎です。

もちろん、従来型の雇用関係にも、終身雇用を前提としてもらえる点や、帰属意識が高まるというような、社員側のメリットはあります。しかし、部署の配属や業務の割り振りの決定権が企業側にある場合、自分が目指す成長に関わらない業務や、遠回りになる業務にしぶしぶ取り組まなければいけない状況も発生するでしょう。企業側としても、希望に合わない業務を任せてしまった結果、社員のエンゲージメントが下がり、期待通りの成果が出ずに事業成長を最大化できないため、本望ではありません。

アライアンスは、こうした状況に陥る前に、双方の求めることを対等に話し合い合意することで、企業と社員との利害の不一致を起こしにくい仕組みなのです。

こう聞くと、自分のやりたい仕事だけができる、楽ができると思うかもしれませんが、そうではありません。互恵関係という以上、企業が社員へ成長機会のある仕事を任せる一方で、社員は企業に対して仕事で成果をあげ成長するという形での価値創出を行うことが求められます。

プロスポーツチームにおいては、選手が期待していた成果を出せなかったときは、任せるポジションや契約を見直しますよね。同じように、定期的に面談を繰り返しながら、現状に向き合い、目標を設定するというプロセスを進めていくことになるので、自分のできないことややりたくないことにも目を向け、挑戦していくという苦しい瞬間もあります。

しかし、そういった苦労も、目標に向けて進むためには乗り越える必要があります。アライアンスは、仕事への意味づけを行うことで、大変な仕事を目の前にしたときでも、それを乗り越えたいという気持ちを奮い立たせられる、そんな働き方なのです。

SECTION 4/5

たくさんの経験を積み上げながらチャンスを掴む

──アライアンスのもとでは、企業側の支援を受けながら自分が目指すキャリアをつくっていくことができるのですね。では、現時点ではっきりとした目標が見えていないという場合は、アライアンスには向いていないのでしょうか。

内木場:確かに、アライアンスにおいては自らの目指す姿に向けて目標の設定を行うため、未来を見据えた「キャリアデザイン」をすることが求められますが、キャリアのすべてを無理に計画する必要はないので、問題ありません。

もちろん、「50歳までにこんなことを成し遂げたい」など、明確な目標がある場合はそこを目指して進むための目標設定をすれば良いわけですが、20代のうちから10年後、20年後の目標や、人生のゴールを明確に決めている人は少ないでしょう。実際私自身も、3年後の目標はあっても、10年後のことは正直わからないというのが本音です。

遠い未来から逆算して目標を決めることが難しいと感じている人におすすめなのが、「キャリアドリフト」※2です。一から十までキャリアの計画を立てずに柔軟に働きながら、節目節目にはキャリアの方向性を決めていくというこの考え方であれば、遠い未来の目標がなくとも数年単位での目標達成を積み重ねて進んでいけます。さらに、変化の速い社会の中ではチャンスを掴みやすいというメリットもあるため、時代にも合った考え方だと思います。

ドリフトと言っても、ただ受け身で待っていればよいわけではありません。自分がどんなことに価値を感じるか、どんな方向へ向かいたいかという軸を満たせる短期目標を設定し、その達成のために自分の時間を投資していくのです。そうすることで自然と次に目指したい道が見えてきて、キャリアの道筋を描き足していくことができます。

※2 キャリアドリフト:神戸大学大学院の金井壽宏教授が提唱するキャリア理論。人生の節目には自分のキャリアについて定めた大きな方向性に従って意思決定を行う一方で、節目でないときは偶然の出会いや予期せぬ出来事をチャンスとするためにも、あえて流されるままの状態(ドリフト)でいることも必要であるという考え方。

自分がどうありたいかを考え、そこに向かうための短期目標を繰り返し達成しながらキャリアを築いていくというアライアンスの人事論は、キャリアデザインともキャリアドリフトとも相性が良いです。アライアンスを導入し、定期的な面談を通じて目標のすり合わせを繰り返す中で、社員それぞれが持つ価値観とその変化についての内省を促せますし、今持っている価値観と目標に向けてとにかく行動を重ねていくサポートができていると感じています。

私自身、学生時代から個人事業主時代では、仕事において重視したいことが、お金から成長実感へ変化したんです。起業後も価値観は変わっていて、現在は社員の成長を最優先とした組織づくりをしながら事業成長を実現させたいと考えています。

価値観は今も変わり続けているので、これからも変わっていくものだということを念頭に置きながらも、その時点で正しいと考える方向を目指して行動することが大切だと考えています。

SECTION 5/5

キャリアの一歩目はHowから考えてみよう

──価値観は変わり得るけれども、その時々で確認して目標設定するのが大事なのですね。キャリアに悩む学生へのアドバイスはありますか。

内木場:採用活動で就活生の皆さんとお話していると、キャリアをどう設計したら良いか悩んでいる方が多いように感じます。就活を難しいと感じるのは、人生の一歩を自分で決める必要があるからです。面接でキャリアプランを聞く企業もあるようですが、そもそも学生時代にキャリアプランを完璧に立てるというのは難しいのではないでしょうか。

軸を曖昧に設定して企業選びをしてしまい、後悔しているというケースも知っています。例えば、ミッション・ビジョンへの共感を無理矢理に軸にして会社選びをしたものの、入社後に本当は自己成長を大事にしたいという考えを持っていたことに気付き、当社への転職を決意したという方は多いです。本当は自分がどう働きたいか、どう成長したいかという観点での軸は誰もが持っているはずなので、企業に合わせに行く形で企業選びをしすぎないことです。

私自身も、軸が変化する渦中にいるときには何を目指せばよいか悩むこともありました。しかし、そのとき持っている価値観に沿ってとにかく行動を重ねてきたからこそ、事業経営に挑戦し続けることの楽しさや、社員が挑戦していける組織をつくることへの喜びに気付くことができました。

もし今は目標が見えていないのであれば、まずは自分がどんなことに価値を感じるか、どんな方向性に向かいたいかという軸を明確にし、「どのように働きたいか」から考えてみてはどうでしょうか。ミッション・ビジョンへの共感ももちろん大切ですが、あくまで、自分がどう働きたいかという軸をぶらさないことが、納得の行く決断においては重要です。

最終的に、人生の目標は一生かけて作っていくくらいに考えながら、今見えている価値観にしたがってまず経験を積み重ねていくことが、キャリアづくりの第一歩になると思います。

編集:

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