COLUMN

【KLab代表×元DeNAのベンチャー役員対談】 経営人材を目指す若手は、 なぜゲーム事業で圧倒的に成長できるのか?

「いち早く成長して、経営や事業創造に携わりたい」
「伸び代の大きい市場で、マーケットを創りたい」
そう本気で考えている人は、どのような企業に入社するべきなのでしょうか。本企画では、KLab代表の森田氏とDeNA出身でGoodfindの事業部長も務めたスローガン執行役員の仁平が対談。将来のキャリアとの結びつきがイメージしづらい、ゲーム業界の成長環境を紐解いていきます。

SPONSORED BY KLab株式会社

話し手

森田英克

森田英克

KLab株式会社
代表取締役社長 CEO

仁平理斗

仁平理斗

スローガン株式会社
執行役員 ポテンシャルアクセラレーション事業部長

SECTION 1/7

起業家ランキングの上位に入る、モバイルオンラインゲーム業界出身者

編集部:皆さんは、ゲーム業界に対してどのようなイメージを持っていますか?

「面白そう」「クリエイティビティが鍛えられそう」という意見の一方で、「ロジカルでなさそう」「汎用的なスキルが身につかなさそう」という印象から、ゲームは趣味としてやっているものの、就活の志望業界としては見ていないという学生も多いのではないかと思います。

しかし、将来的に経営人材を目指したいと考えている成長意欲の高い人ほど、この業界に注目するべきなのかもしれません。実はここ数年、Forbesの「日本の起業家ランキング」には、毎年モバイルオンラインゲーム業界出身者がランクインしています。

では、モバイルオンラインゲーム業界では、実際にどのような力を身につけることができるのでしょうか?そもそも、将来経営や事業創造に携わりたい人は、どのような環境で、どのような経験を積むべきなのでしょう?日々経営に携わるお二人の経験や知見から学んでいきましょう。

森田 英克 氏

KLab株式会社 代表取締役社長 CEO

法政大学社会学部を卒業後、WEBプランナー、モバイルコンテンツプロデューサーを経て、2002年にKLab(ケイ・ラボラトリー、当時)に入社。モバイルコンテンツの立上・運営を手がけ数々のヒットを生み出す。
2009年より、モバイルオンラインゲームアプリ事業を担当し、同年12月、モバイルオンラインゲームアプリ専門子会社設立に際し、同社取締役に就任。2010年の同社とKLabの合併後、KLab執行役員KLabGames部長に就任。2019年3月より現職。

仁平 理斗

スローガン株式会社 執行役員
ポテンシャルアクセラレーション事業部長

早稲田大学国際教養学部在学中の2008年より創業期のスローガン株式会社にインターンとして約1年半在籍、事業責任者を務めたのち、2010年、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。DeNAとNTTドコモの合弁会社でのUGC事業立ち上げ、DeNA Seoulでの韓国事業立ち上げを経て、ゲーム事業部にて複数のゲームタイトルをプロデュース。2016年12月、スローガン株式会社に復帰。

SECTION 2/7

経営に活きる、ゲームづくりの経験とは?

──本日はお二人から、モバイルオンラインゲーム業界だからこそ得られる個人の成長や、ビジネスとしての魅力についてお伺いしたいと思います。経営に携わる上で、この業界でのどのような経験が役立っているのでしょうか。

森田:モバイルオンラインゲーム事業で身につくスキルは、事業運営や経営に通じるものがあると考えています。

森田 英克 氏

KLabがモバイルオンラインゲーム業界への本格参入を決めたのは、2009年です。米国ではその数年前から、Facebookをプラットフォームとしたソーシャルゲームが流行していました。また、日本ではiモードが全盛期だったこともあり、それらを重ね合わせた結果、国内でモバイル版のソーシャルゲームが流行すると予測していました。実際、当時人気があったSNSにおいて、モバイル版のアプリケーションプラットフォームが開放されるタイミングがあり、新規参入すると、いきなり「恋するキャバ嬢」というタイトルが大ヒットしました。

当時オンラインゲーム業界は黎明期だったので、誰も正解を知らない中で全ての意思決定をしなければいけませんでした。技術や世の中の流れを予測し、自分や仲間とともに仮説を立て、実行、検証をする。そうした経験を繰り返すことで、事業運営のベースとなるスキルが高まったのだと思います。

今は経営者となり、その対象がゲームから会社に変わりましたが、世の中の前提条件が加速度的に変わっていく中で、正解のない問題にチームで向き合っていく構造は、本質的には同じです。

仁平:私は新卒でDeNAに入社するまで、ゲーム事業に対して「アイデア勝負でロジカルっぽくなさそう」「戦略やマーケには携われずに成長できなさそう」という先入観を持っていました。しかしながら、正解のない問題に仮説を立てて、自ら意思決定を繰り返した経験が、今では事業経営をする上での糧になっています。

仁平 理斗

ゲーム事業では、同じような施策を打ち続けていても飽きられてしまうので、「分析をして要因を突き止める」ロジカル・シンキングと、「ユーザーの心を踊らす遊びやUI/UXで解を提供する」クリエイティブ・シンキングの両方を、高いレベルで求められます。そうした経験が、事業経営上の意思決定をする際にも活きているように感じます。

SECTION 3/7

激しい競争の中でも、市場を作るチャンスがある数少ないマーケット

──伸びている業界ではチャンスが生まれやすく、成長できると考え、ブルーオーシャン戦略を取れる企業を探している学生も少なくありません。ゲーム業界はレッドオーシャンというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

仁平:企業の経営戦略における市場の選び方と、個人のキャリアにおける業界の選び方は分けて考えるべきだと思います。経営視点で考えると、ブルーオーシャンのほうが事業を伸ばしやすいでしょう。しかし、個人のキャリアの観点で見ると話は別です。競争が激しいところに身を置き、高いレベルでアウトプットを出し続け、様々な経験を積むことには価値があります。私の知っている限りでも、オンラインゲーム事業で戦い抜いた人の中には、その経験を糧に起業家や事業家として活躍している人が多くいます。

森田:そもそも、本当にゲーム業界はレッドオーシャンなのでしょうか。国内ゲーム市場は一時期ほどの爆発的な成長率ではありませんが、継続的に成長していますし、グローバルに目を向けると高い成長を続けています。競争環境の激化からレッドオーシャンという印象を持つのかもしれませんが、そう断言するのは少々乱暴な見方だと思います。

Newzoo社「Global Games Market Report」より (参照 2021-01-26)

一口にゲームと言っても千差万別です。古典的なパズルゲームと、最近流行りのバトルロイヤル系のゲームとでは全くの別物ですよね。この業界の面白いところは、新たなクリエイティブやユーザー体験を生み出すことによって、これまで存在しなかった市場を作り出し、売上などの数字を大きく伸ばすことができるところだと思います。さらに、モバイルオンラインゲームは売り切りモデルではないので、一発当てて終わりではなく、自ら作り出したマーケットを育てていくことも可能です。

モバイルオンラインゲーム領域には、激しい競争環境下でも新たなチャンスを生みやすい事業特性があるので、個人が成長するには魅力的な環境だと思います。

SECTION 4/7

データが可能にする、リアル事業では難しい高速PDCA

──「ゲーム業界には、とにかくエンタメが大好きな人が集まっている」という先入観を持ってしまいがちですが、実際にはどのようなタイプの方が活躍されていますか?

森田:「自分の意志を、人一倍強く持てる人」です。ゲーム事業では、非常に多くの関係者と連携する必要があります。プロデューサーやディレクターは、社内のエンジニアやデザイナーと協業する必要があります。他社IPを活用したゲームを手掛ける場合には、版権元とも連携しながらゲームを作り上げなければなりません。

関係者間にある共通の利益を見つけて、多くの人を巻き込みながら事業を成長させていくためには、強い意志を持ち続けることが重要です。社外の関係者と対峙する時や、巻き込む相手との間に上下関係がある場合にも、ブレたり臆したりせず、事を成すことに集中して意志を貫ける人は信頼されますし、結果も出しやすいでしょう。

仁平:確かに、DeNAでも「何だか少し生意気だな」と思うくらい、自分の意見を持っている若手が成果を出していたように思います(笑)。

特にモバイルオンラインゲームは一般的なコンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)とは異なり、1つ施策を打つと、その施策に課金したユーザーの属性や、反応が悪かったユーザーの属性がすべてわかります。また、成果に結びついた画面、離脱した画面といったコンバージョンまでの途中の指標も、すべて把握することができます。何かアクションをしたときわかりやすく数字に反映されて、しかもそれを細かくモニタリングできるのは、この事業のとてもユニークな部分です。すべてが数字で返って来るので、施策の失敗・成功をとてもクリアに見ることができます。自らの手でビジネスを動かしたいという意志のある人には面白く感じられ、活躍しやすい環境なのではないでしょうか。

森田:百貨店やスーパーと比較するとわかりやすいですね。リアル店舗では「どれだけ購入されたか」という結果は見えるものの、購入に至らなかった人たちについて細かく分析することは困難です。

私が新卒で入社した小売企業では、店舗の動線設計についての研修がありました。売り場でお客様がどのように回遊しているのか、どこにレジを設置するのが最適なのか、ということを教わるのですが、そうした知見の多くは、おそらく先輩が現場で得た感覚によるものだったのではないかと思います。

もちろん、その知見にも価値があると思うのですが、モバイルオンラインゲーム事業では全てを紐付けてデータで見ることができるので、高速にPDCAを回すことができます。それを楽しいと思えるような、ロジカルに物事を考えられる人は伸びると思います。

仁平:定量的な評価が難しい事業の場合、経験豊富な10年・20年選手の意見が強くなりがちです。経験や感覚を頼りにする先輩に「これが正しい」と教えられた若手は、データというファクトを示すことができなければ、「それは違う」言い返すことは難しいでしょう。したがって、データで語れる事業のほうが、意欲的な若手が打席に立てる回数が多くなり、結果的に多くの成長機会を得ることができると思います。

※IP:Intellectual Property の略で、日本語では「知的財産権」という意味。アニメのタイトルや、キャラクターなどの知的財産を指す。

SECTION 5/7

いち早く失敗するからこそ、誠実に成功を目指せる

──一口にゲーム業界と言ってもさまざまな企業がありますが、貴社が国内外の多様なフィールド・タイトルで成果を挙げられているのは何故なのでしょうか。

森田:有名IPからオリジナル作品まで幅広く作っていること自体が、事業上の強みに繫がっていると考えています。有名IPのタイトルでは、作品性や世界観を何よりも大切にし、その良さを引き出してゲームにすることを重視しています。反対にオリジナル作品では、ある程度自由な発想で施策を打つことができます。有名IPとオリジナル作品での成功事例が再現性を持って相互に影響を与えていることが、より良い作品づくりに繫がっているのだと考えています。

また、創業者の真田がシリアルアントレプレナー的に事業を立ち上げていたので、全社的に新領域にいち早くチャレンジする姿勢があるのも、いくつかの事業やタイトルを成功させている要因の一つです。今から10年近く前の2011年には、海外向けのタイトルを他社に先駆けてリリースしています。前例がないので失敗もありますが、早期の失敗であればPDCAを回して、成功に向けて動くことができます。

外側から顔が覗き込んでいる形のシンボルには、世界中の人達が集まり、皆がワクワクするコンテンツを創造し続けていく想いが込められている。

加えて、事業運営を行う上で当たり前のことを当たり前に実行できていることが、当社の強みなのではないかと感じています。話の筋が通っていれば、誰が言ったかに関わらず聞いてくれるメンバーばかりですし、張り合ったりせず受け入れる文化があります。ロジカルな会社という印象を持たれることが多いですが、定量的なフィードバックを詳細に分析しつつ、お客様が求めるものに誠実に向き合ってきたことが、当社の底力になっているのではないでしょうか。

仁平:ゲーム業界の中でもすごく真面目で誠実な文化ですよね。新卒でゲーム業界に入った場合、「他分野で通用するスキルが身につかないのではないか?」と懸念する学生もいますが、貴社では事業の強みだけでなく文化や社風も相まって、ビジネスマンとして必須のスキル・マインドの両輪を伸ばしていけるのだろうな、と改めて感じています。

SECTION 6/7

自責でやり抜き、正解のない世界で生き抜く力を身につける

──最後に、若いうちから成長して事業や経営に携わりたいと考えている皆さんに、伝えたいことはありますか?

森田:経営者になるにしろ、ゲームを作るにしろ、正解がない中で仮説を立てて自分の責任で実行する習慣が身についている人は、社会に出てからの成長速度が早いと思います。そのためにも、誰かのせいにしたり言い訳したりせず、自分の責任で、自分で判断して物事をやり遂げる経験をしてみて欲しいです。

小売業などの経験を通してわかったことですが、モバイルオンラインゲーム事業では、自分が打った一手に対して多くのユーザーからリアクションを得ることができます。また人々の繋がりが希薄になっていく社会で、オンラインゲームを通じて繋がりを生むことができる、価値のある事業だと自負しています。

当社は、お客様への価値にこだわりながらも、あくまでビジネスとして事業を捉える意識を強く持っています。「エンタメとして、お客様に楽しんでいただくことへのこだわり」と「ビジネスとしてここから半年、一年でどう事業を運営していくか」。このようなベクトルの異なる要素を、0か100かで考えるのではなく、50:50なのか、60:40なのか、微妙な振り分け方を思考しながら物事を進めていきたい人に、この会社は向いているのではないかと思います。

エンタメへの興味はありつつも、多角的に物事を捉えて推進することを楽しめるような人に、是非興味を持ってもらいたいですね。

SECTION 7/7

早期から成長できる環境を選び取るために

編集部:事業創造や経営に携わりたいと考え、経営課題に取り組めそうな戦略コンサルや、事業づくりに関われそうなメガベンチャーを目指す人は多くいます。一方、同じ考えからモバイルオンラインゲーム事業の企業を目指す学生は、あまり多くはないかもしれません。

しかし、ロジカル・シンキングとクリエイティブ・シンキングの両方を身につけやすいこと、データドリブンだからこそ若手が活躍しやすい環境があることなど、成長意欲の高い学生がこの業界を検討すべき理由が多くあることが、対談から伺えました。

森田氏は「成長するためには、正解のない課題に自責で取り組むことが重要である」と強調されています。就職活動にも正解はありませんが、イメージや先入観で判断せずに、ビジネス特性や業界の置かれている状況を客観的に見つめ、自分の頭で考えることで、活躍出来る可能性の高いキャリアを選ぶことが出来るのではないかと思います。

この記事を通じて、モバイルオンラインゲーム事業について知見を得ていただくだけでなく、自分なりの視点で企業やキャリアを見つめるきっかけになれば幸いです。

編集:

注目企業