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INTERVIEW

工場からコーポレートまで。巨大企業の要となる究極のジェネラリストとは

皆さんは「メーカーの総合職」と聞くと、どんな仕事をイメージしますか?営業や研究開発など事業に直結する仕事は想像しやすいかもしれませんが、いわゆるコーポレート、あるいは事業の基幹となる工場など現場の管理部門がどのように活躍し、どのようなキャリアを築いていくのかはイメージしづらいのではないでしょうか。

また、いわゆるジェネラリスト的なキャリアは「専門性を高めにくく、市場価値が上がらない」と思われるかもしれませんが、キャリアの中で事業の現場目線と会社全体を俯瞰する経営視点の両方を養いながら「仕事の力」を向上させ、市場価値を高めることができます。

今回は、JTでコーポレートや渉外部門等で「究極のジェネラリスト」として活躍する社員にインタビュー。事業や会社に幅広く関わる二人の話から、具体的にどんな仕事をして、どんなミッションや醍醐味を感じながら、どんなキャリアを築いているのかを紐解きます。

SPONSORED BY 日本たばこ産業株式会社

話し手

高橋 玲子

高橋 玲子

日本たばこ産業株式会社(JT)
たばこ事業本部 渉外企画室

臼田 駿

臼田 駿

日本たばこ産業株式会社(JT)
原料グループ 原料製造センター業務部

SECTION 1/6

マーケティングから工場運営まで。巨大企業の成長を担う多様な仕事

編集部:皆さんは「巨大企業のジェネラリスト」と聞いて、どんなキャリアをイメージしますか?

「1年目から経営に近いところで働けるベンチャーに比べると、大企業は拠点などの下積み期間があるように感じてコスパが悪そう」「本社や管理部門よりむしろ価値を生み出す現場から経験したい」「グローバル企業で20代から事業も経営も両方経験できたらいいのに」などと思うかもしれません。今回はJTを例に、巨大企業のジェネラリストが実際にどんな仕事に携わり、どんなキャリアを歩むのかを紐解いていきましょう。

たばこ市場で130以上の国と地域で製品を販売し、世界第三位のシェアで売上は2兆円を超え、日本を代表するグローバル企業のJT。

たばこ事業においては、研究開発から原材料の調達、商品製造や加工、出荷配送、マーケティング、お客様への販売、カスタマーサポートまでの一連の事業活動(バリューチェーン)を、全てJTグループ内で行うことで、連携しあい、卓越したブランドを生みだすために価値を高めています。

そんなJTでは「社員一人ひとりが自らの意志でキャリアを築いてほしい」という想いから、2020年よりカテゴリー採用※1 を行っています。5つあるカテゴリーの中でも、本記事ではジェネラリスト的なキャリアの色が強い「スタッフカテゴリー」について掘り下げていきます。

スタッフ業務の社員は、たばこ事業からコーポレートまで、様々な組織で活躍しています。人事、法務、経営企画といったコーポレート機能のひとつを担う業務がある一方で、工場や研究所における生産管理や組織運営といった、現場のバックオフィス業務を含むため、事業に直接携わる仕事も多くあり、本社だけでなく全国の様々な拠点や部門にまで、バリューチェーンに沿うように活躍の場は広がっています。

※1 カテゴリー採用:JTでは、本エントリー時に自らが選んだカテゴリーによって初期配属が決まる。カテゴリーは5つで、セールス、製造、原料、R&D、そしてスタッフ業務がある。

  • リアル・デジタル両面でお客様との接点を作ることで集めた情報を活かし、新商品の企画や売り上げを左右しうる戦略を立案するマーケティング。
  • 工場における採用や労務管理、生産管理や企画業務など、工場運営のために必要不可欠な役割を拠点において幅広く担う管理部門。
  • 「ひとのときを、想う。」をテーマに、企業理念の理解やイメージ向上を目的とした企業CMの企画立案・発信までを、メディアや広告代理店と連携して行うパブリックリレーション(PR)。
  • 上記はすべてスタッフ業務ですが、一体どんな人が、どんな考えや想いでスタッフ業務を志望して、各部署でどのような仕事をしているのでしょうか? 次章からは、新卒2年目と11年目の2名の社員へのインタビューを通じて、ジェネラリスト的な立場で活躍するスタッフ業務の醍醐味やミッションを紐解いていきます。

    SECTION 2/6

    金融志望だった学生が、なぜJTのスタッフに?

    臼田 駿(うすだ・しゅん)

    日本たばこ産業株式会社(JT)

    原料グループ 原料製造センター業務部 経理担当

    JTのカテゴリー採用が始まった2020年に新卒で入社。初期配属先としてスタッフ業務を選び、熊本県の原料製造工場にて西日本エリアの経理を担当。実績/投資管理や決算に携わり、設備投資や原料購入を合わせると年間100億円を超えるコスト管理を拠点にて行う。より良い原料製造工場の実現に向けて、様々な課題の解決にコスト面から他の部署と協力して取り組んでいる。

    ⸺ 臼田さんは就活当初は金融業界を見ていたそうですが、なぜJTに入社されたのでしょうか?

    臼田:私がJTに入社したのは、金融と事業会社の両方のインターン参加を通じて、事業会社で価値やキャッシュを生み出す人の想いを感じ、現場を見たいと思ったのがきっかけです。

    大学では経済学部で金融工学を専攻していました。金融工学は数式で物事を語って経済を解き明かすような学問で、最初は数学を使って株価の理論などを学び、簿記を受講してからは資金調達を中心に企業金融や会計に興味が広がっていきました。

    ファイナンスを深めるべく当初は大学院進学を考えつつ、練習のつもりで学部3年生の夏から就活を始め、まずは証券会社のインターンに参加しました。

    その後冬には、友人が受けていたことがきっかけで、JTのインターンにも参加しました。正直、業績もあまり良いイメージがなく社会から風当たりの強い商材なのになぜ?という疑問があり、興味本位で受けてみたというのが本音です。

    ⸺ 証券会社を見ていた状況から、事業会社に行こうと思われたのはなぜですか?

    臼田:数字を扱って儲けるマネーゲームではなく、価値を創出する人や現場を見てお金のリアリティを感じたいと思ったからです。就活を始める前から、コーポレートファイナンスを学ぶなかで「数字に対してリアリティが湧かないな」という課題意識がありました。

    そして証券会社でトレーダーの方のお仕事を見学したり、投資銀行部門の方のお話を伺ったりしましたが、画面をいじるだけで数千万儲かったとか、数十億動かして勝ったといったお話を伺っても、私にとっては全く実感が湧きませんでした。

    臼田:例えば、トレーダーが見る株価や決算は企業努力の結果ですが、その結果を出す営みは人が担っているはずです。それにも関わらず、数字だけを見て物事を動かした結果の儲けというのは、なんだか寂しいなと私は感じたのです。

    その時に、自分は人や事業への想いを持って、企業のキャッシュを創出することに取り組みたいのだと気がつきました。またお金を扱う仕事をするのならば、いきなり大きなお金を預かって市場で運用する金融機関よりも、価値を生む現場に近い事業会社でキャリアを始めた方が、お金のリアリティを感じたい自分には合いそうだ思いました。

    それから鉄鋼などB2Bのメーカーを数社見た結果、扱う商材への愛着を持てたJTに入社を決めました。

    ⸺ なるほど。銀行や証券会社で金融のスペシャリストとしてキャリアを築いていくよりも、専門性は活かしながらリアリティを優先し、現場の理解や知識も広く求められる事業会社を選んだのですね。その「商材への愛着」とは何ですか?臼田さんにとって日常的で身近な存在だったのでしょうか?

    臼田:私はたばこを吸わないので身近ではありませんでしたが、商材のなかでたばこが極めて異質であるところに興味を持ちました。

    世の中にある色々なモノやサービスは大体が問題解決の手段であったり、生活を便利にしたりしています。しかし、たばこという商材は、価値を感じて愉しまれる方もいれば、そうでない方もいるように、価値が非常に抽象的かつ情緒的で、経済合理性という観点からはあまり語られません。

    そこが極めて特殊で、一般的な問題解決や利便性とは全く違うところに存在しており、他の商材にはない異質さが面白いと思いました。

    ⸺ 初期配属でスタッフ業務を選び、経理を希望された理由を教えてください。

    臼田:大学で学んだ簿記やファイナンスの知識を仕事に活かしたいと思ったからです。また、JTに入社したからにはたばこ事業に関わりたい気持ちがありました。

    スタッフ業務の配属先はコーポレートとたばこ事業のどちらもあることを、座談会で先輩社員から聞いてスタッフを選びました。多くの会社では経理はコーポレートの仕事だと思いますが、JTにはコーポレートにおける会社全体としての経理と、事業部における経理の両方があります。スタッフはいずれでも活躍する機会があり、根幹として求められるスキルは同じなのですが、初期配属ではあえて現場に近いたばこ事業の経理を希望しました。

    SECTION 3/6

    葉たばこ鑑定のプロと連携し、年間100億円以上を扱う

    ⸺ 配属先の工場について、詳しくお聞かせください。

    臼田: 私が所属する原料工場では、農作物の葉たばこを仕入れ、たばこの原料として使用できるよう加工しています。JTに対するサプライヤーのようであり、B2Bメーカーのような立場です。工場は広大で、葉たばこ農家や耕作組合、物流関係の方など、多くの関係者が出入りしています。

    ⸺ 経理として、具体的にどのような業務を担当されていますか?

    臼田:主に拠点のコスト管理に携わっており、扱う金額は設備投資や原料購入を合わせると年間100億円以上にもなりますが、より良い原料製造工場の実現に向けて、様々な課題の解決にコストの面から他の部署と協力して取り組んでいます。具体的には、原料である葉たばこ購入に係る支払処理や決算対応、実地棚卸といって帳簿データと実際の在庫の確認、実績管理と投資管理などです。

    直近ではA&SP算定に尽力していました。A&SPは“Annual Plan”と“Strategic Plan”の略称で、中期経営計画を数値化したものです。向こう3年間の戦略を踏まえ拠点で発生見込みの費用等を整理してまとめました。

    ⸺ 価値を生み出す現場における経理業務の醍醐味は何ですか? 具体的な事例も挙げて教えてください。

    臼田:前提として、経理業務はひとつのミスが会社にとって致命的なものになる確率が高いため、プレッシャーを感じることは多いです。例えば、数十億円の支払いが滞るなどありえないことですし、予算の設定に誤りがあれば、実施したかった工事や施策が実行できません。

    しかし、だからこそ事業に深い知見を持つ様々な専門家と関わり、学びながら、事業部や本社との間で橋渡し役を担えることが醍醐味だと感じています。

    JTでは法律により日本国内で生産された葉たばこを全て買い入れており、購入に際してはリーフマネージャーという葉たばこ鑑定のプロが介在し、「これはいい葉たばこだからいくらで買おう」といったグレーディングに沿って買い入れが行われます。

    その際に確実に支払いができるように、経理側で入念な下調べや検討をして連携することに、責任とやりがいを感じています。

    他にも機械の生産性の向上のために、原料製造機械のエンジニアの方とも機械の改作などで協働することが多く、経理というバックオフィス系の業務でありながら、たばこ事業の第一線のプロフェッショナルと直接関わり、そういった方と連携しながらコストの最適化を目指しています。そういう意味でも、ジェネラリスト的な広範な知識と勉強が必要です。

    SECTION 4/6

    知識が問われるIR広報、吸われる方と吸われない方の共存を目指す渉外部門

    高橋 玲子(たかはし・れいこ)

    日本たばこ産業株式会社(JT)

    たばこ事業本部 渉外企画室

    2011年に新卒でJTに入社。入社以来、たばこ事業とコーポレートの両方で、異なる4つの部署で一貫してスタッフ業務を経験。製造工場で原価管理、コーポレートでIR広報、秘書室で役員秘書を経て、現在はたばこ事業本部の渉外企画室に所属。パートナーシップを基盤に取り組む地域社会への貢献活動「Rethink PROJECT」の推進等を担っている。

    【4つの部署でスタッフ業務を極めてきた高橋氏のキャリア】

    1年目から3年目:たばこ事業本部 北関東工場 業務サービス部

    3年目から4年目:コーポレート IR広報部 国内広報チーム

    4年目から7年目:コーポレート 秘書室

    7年目から9年目:たばこ事業本部 渉外企画室 コミュニケーション企画チーム

    主な担当:ひろえば街が好きになる運動(通称「ひろ街」)※2 の実行管理等、吸われる方と吸われない方の共存に向けた取り組みやメッセージの検討・実施、マナー啓発等

    9年目から10年目:産休、育休

    11年目~:たばこ事業本部 渉外企画室 コミュニティインベストメントチーム

    主な担当:RethinkPROJECT※3 施策の推進、支社活動サポート(主に「ひろ街」を担当)

    ※2 ひろえば街が好きになる運動(通称「ひろ街」):日本中にマナーを広めたい想いから、2004年から毎年JTが全国で行っている清掃活動。さまざまな人たちとゴミをひろう体験を通じて、”もうすてない”気持ちを育てる取り組み。

    ※3 Rethink PROJECT:「Rethink」をキーワードに、これまでにない視点や考え方を活かして、パートナーのみなさまと「新しい明日」をともに創りあげるために社会課題と向きあうプロジェクト。地域の方と協力して行う森林保全活動(「JTの森」)などがある。

    ⸺ 高橋さんは、たばこ事業とコーポレートの両方の複数の部署で、一貫してスタッフ業務を担って来られたそうですね。

    高橋:最初の2年間は北関東工場の業務部のスタッフとして、工場の各部門の業務をサポートしました。主に担当したのは、たばこの製造にかかるコスト計画や実績管理などの原価管理です。

    メーカーの経営ではよく「三現主義」と言って、机上の空論にならないよう、現場で現物を観察し、現実を認識した上で問題解決を図ることを重視する考え方がありますが、私も工場勤務では防虫対策や故障した機械の対応など、現場ならではの経験を重ね、1年目から三現主義を体感しました。

    その後、自ら希望してコーポレートのIR広報部に異動し、決算や新製品の発表など会社に関する各種情報の記事化を目指して、メディアとの折衝を担当しました。

    左は工場時代、右は秘書室時代

    ⸺ 広報担当として社会へ情報発信されてみて、いかがでしたか?

    高橋: メディアに取り上げられることにやりがいを感じると同時に、自分の説明する言葉一つの重みにプレッシャーや責任も感じました。

    とりわけ当時の私には知識や経験が圧倒的に不足していたのです。例えば決算発表においても、数字だけではなく会社の歴史や事業の背景を説明する必要があり、IRや広報担当は知見の蓄積があってこそ価値が発揮できます。もっと様々な部署で経験を積まなければ、広報のミッションを全うするのは難しいと痛感しました。

    ⸺ 希望が叶ってやりがいを感じながらも、苦しい想いをされたのですね。それからはどういったキャリアを歩まれたのですか?

    高橋:次はコーポレートの秘書室に配属され、役員秘書を4年間担当しました。緊張感はありましたが、経営会議や取締役会の場で会社の意思決定がされる流れを見られたのは刺激的でしたし、JT全体としての立場や視点を持てたことは、その後の仕事に活きています。

    その後はたばこ事業の渉外部門へ異動し、産休育休を経て復職後の現在も渉外企画を担当しています。広報では知識不足を感じたものの、外部発信には引き続き興味があり、事業部の渉外の立場でも発信ができることを知り、希望を出しました。

    ⸺ 渉外部門は学生に人気があると聞きました。具体的な事例を挙げて渉外のお仕事について教えてください。

    高橋:渉外部門の使命の一つとして、「たばこを吸われる方と吸われない方が共存できる社会」の実現があります。そのために発信するメッセージや施策を考え、社会を動かすために様々なステークホルダーと対外的なコミュニケーションをとっています。渉外はコーポレートと思われがちですが、たばこ事業のスタッフ業務の一つです。

    高橋: 2020年4月に改正健康増進法が全面施行されたことにより、飲食店では原則屋内禁煙となるなど、たばこを取り巻く環境は大きく変化しています。その状況下で、社会とどういったコミュニケーションを取っていくか、日々検討し取り組んでいます。

    たばこを吸われる方と吸われない方が共存できる社会の実現に向け、企画検討を重ねる中で、たばこについては様々な意見があることを改めて認識し、自分たちの向き合う課題の難しさを感じました。もちろん事業環境の変化に対する危機感や、課題感はあると認識していたものの、コーポレートにいた時よりも直接的に強く感じています。

    ⸺たばこ事業では、吸われない方やたばこの煙が苦手な方にも寄り添おうとする点が、他の商材にはない大きな特徴ですね。

    高橋:そこが他の商材にはなく特殊で難しい一面です。ただ、そういった課題を踏まえた上で、今後の事業の基盤を築いていくために議論を重ね、異なる立場の人と歩み寄りながら事業をつくりあげるところが、たばこ事業ならではのやりがいだと思います。

    また渉外の施策を実行するためには、JTグループ全体で動いてもらう必要があり、例えば全国の営業拠点の仲間と協働していくといった場面では、「自分はどうしていきたいか」という強いリーダーシップが求められます。

    加えて渉外の仕事では、関係省庁、行政、社会を相手にすることもあります。そういったステークホルダーの広がりも、スタッフ業務の醍醐味の一つですね。

    吸われる方と吸われない方の共存を使命に高橋氏が担当する活動「ひろ街」の様子

    SECTION 5/6

    現場と経営の視点を持ち、ジェネラリストを極めるキャリアのメリット

    ⸺ たばこという商材の特徴から波及する、たばこ事業ならではの醍醐味があるのですね。コーポレートも含めたスタッフ業務全体としては、どこが面白いのですか?

    高橋:社内外のいろいろな人と関われるところがスタッフの醍醐味の一つです。異なるミッションを持つ様々な立場の人たちと連携し、同じ方向に進むように橋渡し役を務めることができます。

    例えば、コーポレート業務の場合は、全社的な視点で業務に取り組む必要がありますが、逆に言うと新製品開発やお客様との接点といった、現場が目の前にあるわけではありません。だからこそ、様々な観点から物事を判断し、より広い視野をもって仕事に取り組むことが重要となります。

    コーポレートでも事業部であっても、JTのこれからの成長のために、自分一人ではできない大きなことを、様々な関係者と協力して実現していくことがスタッフ業務に共通する面白さです。

    臼田:JTのたばこ事業では、基礎研究から原料調達そして販売店様への流通まで一気通貫で社内で担っているからこそ、ジェネラリストの側面が強いスタッフ業務が魅力的なのかもしれません。JTのスタッフでは一連のサプライチェーンのほぼ全ての流れを経験するチャンスがあるとも言えます。

    ⸺ スタッフの経験で得られるキャリアメリットは何でしょうか?

    高橋:スタッフとして事業部とコーポレートを行き来することで、年次やポジションにあまり関係なく、現場と経営の両方の視点を得られる点です。スタッフにもいろんなキャリアがありますが、まず現場に近い事業部を経験した後にコーポレートに携わる流れを個人的にはおすすめしたいですね。

    現場にいると、どうしても事業部単位で物事を考えることが多く、自分たちの事業に対してJT全体の経営判断はどうなされるのか、という視点が薄れがちです。

    一方でコーポレートにだけいると、事業部の動きが見えにくくなってしまい、机上の空論になりがちです。なので、まずはJTの根幹を支えるたばこ事業において、現場の課題感や視点、また仕事の進め方ややりがいなど、現場だからこその経験をし、自分の基礎を作ることが大切だと思っています。

    もちろんスタッフとして何か1つの専門性を高める道もありますが、いろんな部署で経験を積み人脈や視野を広げながら、ジェネラリストとして自分の価値を高める道も選べるところが、スタッフならではだと思っています。

    SECTION 6/6

    「つなぐ」をミッションに、橋渡しを極めるもよし、マクロ視点を磨くもよし

    ⸺ 最後に、スタッフ業務のミッションを教えてください。

    高橋:いろんな考えを持つスタッフがいるので、あくまで私の個人的なものですが「つなぐこと」をミッションに掲げています。

    もし仮に、全員がプロフェッショナルかつジェネラリストならば、スタッフ業務は要らないのかもしれません。しかし実際にはJTグループのバリューチェーンには、様々な立場の専門家がいます。また渉外部門のような立場では、社外のステークホルダーとも連携する必要があります。

    そうした社内外の異なる立場の人たちが、最初から同じ方向を見ているとは限らないからこそ、スタッフが必要です。他部署の立場や意見を汲み取り、橋渡しをして協力しながら円滑に動かしていくことが、私の経験してきたスタッフ業務の介在価値です。

    ⸺ そんなミッションを持つおふたりは、今後はどんなことをやりたいですか?

    臼田:JTグループ全体の資金調達など、もう少しマクロな視点でお金を見てみたいですね。もともと大学で企業金融を勉強していたので、財務や大きなお金を扱ってみたいという考えはありました。

    臼田:原料工場の経理で現場に近い部分を見るなかで、事業を動かす人やそこに込められた意思や想い、お金のリアリティを感じながらミクロを理解しつつあるので、次はより大きな資金の流れを掴みにいきたいと思っています。 

    高橋:入社11年目の今でも私は「どこにいっても、やるしかない」という気持ちです(笑)。かつては異動の希望を出してきましたが、今はあえてコーポレートあるいは事業部がいいというように、自ら方向性を定めようとは思っていません。たとえ未知の部署に流れついたとしても、橋渡しの役割を極めるのみです。

    これまでの経験による学びをいかに周囲に還元できるかに集中して、自分なりの付加価値を出せるような仕事を、今後もしていきたいですね。

    皆さんが少しでも「スタッフ業務をやってみようかな」と興味を持ってもらえたら嬉しいです。異なる立場の人と事業をつくりあげたり、社会を動かすような取り組みをしたりしてみたい人がいたら、ぜひJTの仲間として一緒にやりましょう。

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