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将来と向き合うあなたへ、Goodfind講師の推薦図書

公開日:

Spoken by 川村 拓也, 清水 健人, 高野 優海

Written/Edited by 熊谷 亮輔

「自分は将来どうなりたいのか」──就職活動をする中で必ず付いて回る問いです。特に新卒の1社目を妥協せずに考えたいという学生ほど、悩まされる難問ではないでしょうか。しかし多くの場合、ヒントは既に自分の中にあるもの。自身のキャリアを捉える視点を増やすことで、その糸口が見つかるかもしれません。今回は、日々多くの学生のキャリアと向き合っているGoodfindの講師陣から、みなさんの視点を増やしてくれる書籍を紹介します。

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「内定のその先」と向き合う、Goodfindの講師たち

Goodfindは、未来のビジネスリーダーとなるハイポテンシャルな学生に、成長機会や、キャリア構築に関する情報提供をおこなうプラットフォームです。その中でも、セミナーやキャリア面談を通じて毎年10,000人以上の学生を支援する役割を担っているのが、Goodfindの講師陣です。

Goodfindを運営するスローガン社では「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションを掲げています。講師陣はこのミッションに則り、学生の中長期的な活躍を見据えたマクロな視点で、一人ひとりの潜在的な可能性を引き出せる支援は何か、常日頃考えています。

今回は、そんな講師陣から、将来に悩むみなさんに推薦図書をお届けします。自分の在り方を見つめ、軸を定めて将来と向き合いたいという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

川村 拓也

スローガン株式会社
ヒューマンキャピタル部門長

早稲田大学卒業後、新卒でベネッセに入社。スローガンに転職後は、東京と関西にて一貫してキャリアアドバイザーとセミナー講師を務め、延べ5,000人の就活生のキャリアを支援。自社の新卒採用人事との兼務を経て、2019年より現職。

高野 優海

スローガン株式会社
ヒューマンキャピタル部門 関東エリアチーム

早稲田大学卒。保守的な公務員家系で生まれ育つも、「もっと攻めた生き方をしたい」という想いから大学を休学し、スタートアップやNPOなど国内外で10社弱の長期インターンを経験。スローガンに新卒入社後はセミナー講師/キャリアアドバイザーとして学生のキャリア支援業務に従事。

清水 健人

スローガン株式会社
ヒューマンキャピタル部門 全国エリアチーム

関西学院大学卒。リクルートグループを経て、スローガン入社。北海道・東北・名古屋・九州エリアの学生を中心としたキャリア支援をしつつ、これまでに約1,000人との面談を実施。現在はトップアドバイザーを務める。

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やりたいこと探しのヒントに、過去の抽象化を学ぼう

細谷 功『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』(dZERO, 2014)

推薦者:清水 健人

これまで多くの学生さんと面談をしてきましたが、やはり「やりたいことが見つからない」というご相談は多いように感じます。そんな方にオススメしているのが過去の抽象化です。

やりたいことは知識量に比例します。それ故、社会知識が足りていない中、やりたいことが見つからないなんて当たり前です。(参考:【Goodfind代表厳選】やりたいことがない人向けブックリスト)

しかし、やりたいことのヒントになるものは過去に転がっています。それは、抽象化(枝葉を切り捨てて幹を見ること)によって見つけられるものです。ある学生さんを例に見てみましょう。

  • 学生時代は、公立の学校で野球に明け暮れ、受験期に猛勉強
  • 晴れて大学に進学した後は、4年間を通じて塾の講師としてアルバイト
  • 高校生向けに指導していくなかで、生徒が成長していくことにやりがいを感じていた

これを「具体的」に捉えてキャリアを考えると、周りに教育者が多かったこと、塾講師を通じて教育の面白さに気づいたなどの背景から、「教師」「教育業界」を目指すといったキャリアを選ぶ学生さんは実際多いです。

これが悪い選択肢だとは言いませんが、やりがいの本質に基づいていないため、本当に大学時代の塾講師と同様のやりがいを感じられるのか? という懸念は生まれます。

今度は「抽象的」に捉えてみましょう。まず、幹にあたる部分「塾講師のやりがいの本質」を考えていきます。この視点で深掘ったとき、やりがいを感じていた瞬間が下記であったとしましょう。

成績を伸ばしたい強い思いを持っているが、満足のいく成績を取れていない生徒の成績を伸ばした瞬間にやりがいを感じていた

これを抽象化すると、「目標を達成したいという思いを持っているが、今はまだ未成熟な人たちを支援する時にやりがいを感じる」とも言えます。すると「発展途上国の支援をする仕事」「ベンチャー企業の支援をする仕事」といった選択肢も増えてくるのです。

抽象度を操作したやりがいの捉え方。同じ過去でも捉え方次第で別の選択肢が生まれてくる。

あくまで一つの切り口ですが、この方法は「やりがいの本質」から考えているため、実際に就職してからも、仕事にやりがいを感じられる可能性が高いです。ざっと例をお伝えしましたが、就職活動の軸や、やりたいことのヒントを見つけるために、ものごとの抽象化は役に立ちます。

とはいえ、筋のいい抽象化は、過去の事象それぞれにコツがいるもの。そこで薦めたいのが本書です。一見難解な「抽象化」を、さまざまな具体例を用いて説明してくれるため、抽象化を体得したい方はぜひ読んでみて下さい。

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「働く」ということに真剣に向き合ってほしい

田坂 広志『なぜ、働くのか : 生死を見据えた「仕事の思想」』(PHP研究所, 2007)

推薦者:高野 優海

「市場価値を高めるために、活躍できるスキルを身につけたい」

日々学生さんと面談をするなかで、一日に一度は必ず耳にする言葉です。そう思っている学生さんにこそ読んでほしいのが、この一冊。本書は、「なぜ働くのか」という問いを、とんでもなく重く、痛々しいほどストレートに私たちに投げかけてくれます。

どうして「なぜ働くのか」という問いに向き合うことが大切なのか? それは、市場において本当に価値のある人材になるためには、スキルを身につけるだけでは不十分だからです。

ここでは、市場価値の高い人材の定義を「仕事で成果を出せる人」としましょう。この時「仕事の成果はスキルから生み出される。だからスキルを身につけたい!」私たちはついついそう考えてしまいがちですが、実はそうではありません。なぜならスキルとは、例えるならば海面から突き出した氷山の一角に過ぎないからです。

表出していて目につきやすい「スキル」は、海面下でそれを会得するための日々の「行動」に支えられています。そして「行動」はその動機となる「思考」に支えられ、さらに「思考」の下にはそれを生み出す「価値観」が存在しているのです。

「仕事の成果」を生み出すための要素の関係性。アイスバーグ理論とも呼ばれる。

私は、仕事の成果というものは、この氷山の全体から生まれるものだと思っています。スキルを持っているだけでは、同じスキルを持っている人に簡単に代替されてしまう。一方で、その人の「価値観」の部分に魅力や独自性がある人、土台に揺らぎがなく山全体がどっしりとしている人は、その人にしかできない仕事ができる。

それゆえに、スキルの獲得云々の前にまず、仕事という山の土台である「価値観」を成熟させることが大切なのです。そして、その「価値観」を磨くために向き合うべき問いが、「なぜ働くのか」なのだと思います。

本書のなかで、著者である田坂さんはこのように訴えます。「仕事の価値は、その人物が、その仕事の彼方になにを見つめているかによって決まる」と。本書は、仕事の彼方、自分の働く意味を「死生観」「世界観」「歴史観」という三つの観点から、深く見つめ直す機会を与えてくれるのです。

本書は田坂さんの講義がそのまま文字に起こされたもので、非常に読みやすく、1時間もあれば読み切ってしまえるほどの文量です。しかし、語られる内容にはとてつもない重厚感があり、読了後は自分の仕事、ひいては人生の見え方が一変してしまうようなパワーを持っています。

最後に、本書の帯に書いてある言葉を紹介します。

「あなたは、『生きる死ぬ』という深みにおいて、働くということを真剣に考えたことがありますか」

これから社会に出るすべてのひとに、一度手にとっていただきたい本です。

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「楽しそう」で企業を選んだって構わない

本田 宗一郎『本田宗一郎夢を力に:私の履歴書』(日本経済新聞社, 2001)

推薦者:川村 拓也

私が就活生だった時、入りたいと思えた会社が2社だけありました。1社はベネッセ、そしてもう1社は「創業者・本田宗一郎氏が率いていた当時の」Honda(本田技研工業)です。

就活中に読んだ本書に影響され、「こんな会社があったら行ってみたい」とワクワクしながらページをめくったことを覚えています。結局、本田氏亡きあとの同社には興味が持てず辞退してしまい、ベネッセに入社することになりましたが。

なぜHondaにそこまで惹かれたのか? 一言でいえば、「働くことは、本当はものすごく楽しいことかもしれない」と初めて思わせてくれた企業だったからです。

戦後日本を代表するビジネスヒーローである本田氏が本書で語り、実現してきた夢は、仕事を通じて成し遂げられることの大きさをこれでもかと見せつけてきます。バイクやクルマに興味が無かった私でさえも、同じ夢を追いかけてみたいと思ってしまうほどに。

一人の天才技術者が広げた数々の大風呂敷にうっかり共感してしまった人たちが集まり、後発メーカーの一つにすぎなかった同社を、様々な分野で世界一に押し上げていく過程は、どこか文化祭の準備にも似た狂騒感を覚えます。共通のゴールに対して当事者として没頭し、創り上げていく。文化祭同様、結果以上にそのプロセス自体が、きっととてつもなく楽しかったのだろうと想像します。

自分の脳内で完結する自己分析や業界研究なども大事ですが、時には自分の想像を超えたビジョンを掲げる企業やその社長に目を向けてみることで、新しい選択肢が見えてくるかもしれません。

当時のHondaはもう存在しませんが、同じような可能性を秘めた企業は、知られていないだけで日本にもたくさんあります。Hondaのように新しい技術で世界を狙うスタートアップもあれば、画期的な仕組みで社会の負を解消しようとするソーシャルビジネスもあるでしょう。

大事なのは「今日とは違う未来を創り出す気概」があるかどうか。日本の就活を「実現できるかわからないけど、できたら本当に社会が変わる! と思える企業を探す期間」と再定義できれば、会社選びももっと面白くなるのに、と思います。

学生時代にやりたいことが見つからないことは悪いことではありません。むしろそれが普通だと思います。一方で「とりあえず最初は〇〇」といった、ありもしないキャリアの“黄金ルート”を無思考に受け入れて意思決定を先延ばしにする風潮はどこか違うような気がします。

「世の中には面白い仕事が山ほどある。自分とばかり向き合ってねぇで『そりゃあ面白い!』と思えるヤツをとっとと見つけて、そいつについて行けよ!」──本書を開くと、本田氏のそんな激励が聞こえてくるでしょう。

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新たな視点から、自分のキャリアを捉えなおす

1.過去を抽象化し、別の解釈で再検証する

2.働く意義から、自分の根本にある価値観と向き合う

3.そりゃあ面白い!を大切にし、夢を一緒に追いかける

同じひとりのキャリアでも、視点を変えると様々な発見があります。もし将来と向き合う糸口が見つからないのであれば、今まで深く考えたことのなかった、新たな視点からキャリアを捉えなおしてみてはいかがでしょうか。

「人の将来」に正解はありません。それゆえに、誰でもこの視点なら答えが見つかるという必殺技も存在しません。しかし見方を変えれば、ふとした機会で得た視点が、一生ものの発見に繋がることもあり得るのです。

必要なのは、より多くの視点を取り入れ、トライ&エラーを繰り返し、自分や社会に対する小さな発見を積み重ねていくことです。手始めに、上記の三つの視点から試してみてはいかがでしょうか。たとえ一気に答えまで出なくとも、そこで得た発見は新たな積み重ねの第一歩になるはずです。

将来と向き合う糸口の見つけ方。新しい視点を得て、その視点で考え、行動する、この積み重ねが必要となる。

今回書籍を紹介してくれたGoodfindの講師は、「才能の最適配置」を実現するため、学生一人ひとりが本当に望むもの、才能を引き出せる最適な選択肢を、学生と一緒になって考えています。

「自分の可能性を一緒に考えて欲しい」「キャリアを考えるうえで他の視点がないか相談したい」という学生は、Goodfind講師の主催するセミナーや面談をぜひ活用してみて下さい。

話し手

川村 拓也

川村 拓也

スローガン株式会社
ヒューマンキャピタル部門長
早稲田大学卒業後、新卒でベネッセに入社。スローガンに転職後は、東京と関西にて一貫してキャリアアドバイザーとセミナー講師を務め、延べ5,000人の就活生のキャリアを支援。自社の新卒採用人事との兼務を経て、2019年より現職。
清水 健人

清水 健人

スローガン株式会社
ヒューマンキャピタル部門 全国エリアチーム
関西学院大学卒。リクルートグループを経て、スローガン入社。北海道・東北・名古屋・九州エリアの学生を中心としたキャリア支援をしつつ、これまでに約1,000人との面談を実施。現在はトップアドバイザーを務める。
高野 優海

高野 優海

スローガン株式会社
ヒューマンキャピタル部門 関東エリアチーム
早稲田大学卒。保守的な公務員家系で生まれ育つも、「もっと攻めた生き方をしたい」という想いから大学を休学し、スタートアップやNPOなど国内外で10社弱の長期インターンを経験。スローガンに新卒入社後はセミナー講師/キャリアアドバイザーとして学生のキャリア支援業務に従事。

執筆/編集

熊谷 亮輔

熊谷 亮輔

Goodfind College 編集部
神奈川県立小田原高校出身、東京理科大学理学部4年生。3年生の12月にGoodfindと出会い、面談などのキャリア支援を受ける中で、自分も言葉を使って人に価値を与える仕事をしたいと感じ始める。そして現在、メディアを通じて学びを届けるGoodfind Collegeにインターン生として参画。