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INTERVIEW

「やりたいこと」なんてなくていい。GO役員が語る、未来を切り拓くキャリア論

就活において、「やりたいことが見つからない」と悩んでいませんか。そんな方に向けて「やりたいことなんて探さなくていい」と独自のメッセージを送るのが、GO株式会社 執行役員の中西佑樹氏です。ストリートミュージシャン、海外での起業、そして数々の事業立ち上げ。圧倒的な行動量で異色の道を切り拓いてきた中西氏に、自分らしい未来を描くためのマインドと思考法を聞きました。


※掲載内容は2026年5月時点の情報です。

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公開日:

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話し手

中西 佑樹

中西 佑樹

GO株式会社
執行役員

SECTION 1/5

「やりたいこと」がなくても、焦らなくていい

⸺「やりたいことが見つからない」という悩みを抱える就活生は少なくありません。こうした悩みの背景について、中西さんはどのようにお考えですか。

中西:「自分の価値観を見つけろ」「やりたいことから逆算しろ」⸺就活生の多くは、そんな就活の常識に縛られすぎています。やりたいことがないと焦ってしまうのは、「明確なゴールを見つけて逆算するアプローチが唯一の正解だ」と信じ込んでいるからかもしれません。

確かに未来志向な人は成果への最短ルートを辿れる可能性があるという点で恵まれていますが、そもそも日本人は文化的に、未来からの逆算思考があまり得意ではありません。

言語を例に考えてみると、言語学者の池上嘉彦氏が提唱した「する言語」と「なる言語」という概念が参考になります。英語は主語と動詞がはっきりしており、個人の意思や行為を明確に表現することが得意です。対して日本語は、「春が来た」を「春になった」と表現するように、状況が自然に移り変わっていく様子に焦点を当てた「なる言語」です。

個人の意思を起点にする英語とは異なり、そうした「なる言語」である日本語を使って思考する私たちには、無理に遠い未来のゴールを設定して逆算するよりも、まずは行動を起こして目の前のことを一つずつ積み上げ、結果的に良い状態に辿りつくというアプローチのほうが馴染むのではないかと思います。実際に私自身も、やりたいことがない時期が長かったタイプです。

こうした前提に立てば、やりたいことが見つからないこと自体は決して悪いことではなく、過度に落ち込む必要はありません。目標がないということは、裏を返せば、これからどんな方向にも進んでいける「余白」がある状態だとも言えます。

無理にやりたいこと探しにエネルギーを使って消耗する必要はありません。それよりも、余白を活かして、まずは目の前のことに全力で向き合ってみる。そうして一つずつ「できること(Can)」を増やしていくほうが、結果的に自分らしいキャリアを築くことに繋がります。

SECTION 2/5

直感を起点に未来を切り拓く

⸺Canを増やすことは、キャリアを拓くことにどのように繋がるのでしょうか。

中西:未来の選択肢が広がり、同時に未来の解像度が上がるという変化が生まれます。

まだ何もできない状態でぼんやりと先を考えるよりも、手に入れたスキルや経験という明確な判断基準が生まれ、より手触り感のある、自分に合った未来を描けるようになるのです。

⸺中西さんも実はやりたいことがない時期が長かったとのことですが、現在はGOの執行役員として新卒採用の管掌もされています。これまでの歩みを教えてください。

中西:私は周囲から「やりたいことが明確にあるタイプ」だと思われがちですが、実際はそうではありません。ただ「面白そう」という自分の感覚を信じて目の前のことに飛び込み、全力で向き合ってきた結果、思いがけない形で次なる道が拓けていった感覚に近いですね。

一番わかりやすい例が、フィリピンのセブ島での起業です。実は私はストリートミュージシャンを経て、周囲より少し遅れて23歳で大学に進学しています。グローバル経営学を専攻し、休む間もなく猛勉強しました。

同時期に不動産会社にも就職し本格的にキャリアをスタートさせていたため、目の前の仕事にもがむしゃらに打ち込み、学業と両立していました。その結果、気づけば会社のNo.2を任されるまでになりました。こうして学業と仕事の両方でやり切る経験を重ねる中で、ふと「自分は海外に一度も行ったことがないな」と気がついたんです。

「まずは実際に行ってみよう」と行動を起こし、セブ島へ語学留学に向かいました。初めての海外生活や英語学習といった目の前のことに必死に向き合っているうちに、現地の語学留学に関する市況感やニーズに対する解像度が上がり、「あれ、ここで起業するのもいいかも」とピンときて、語学学校を創りました。

⸺中西さんのご経験を踏まえると、直感に従うことと、Canを増やしていくことには何か関係性がありそうです。

中西:人間は合理性ばかりを追求すると、自ら可能性の枠を狭めてしまい、選択肢がどんどん小さくまとまってしまいがちです。頭で考えてばかりいたら、「初めて海外に出て、そこで起業する」なんて道は絶対に選んでいません。自分の感覚を信じて飛び込み、そこで実際にやり抜く経験こそが、自分でも想像していなかった道を拓き、未知のCanを拡張していくことに繋がるのです。

私自身も、大学での学びを通じてグローバルな知識を深め、海外での起業やスタートアップの取締役としての経験からは、経営思考などの新たなCanを獲得してきました。

このように目の前の課題に全力で向き合い、やり抜くことでCanを増やしていくと、多角的な視点が手に入り、自ずと視座は上がり、視野も広がっていきます。そうして見えてくる選択肢が増え、未来の解像度も高まるからこそ、次第に自分にフィットする未来を選べるようになっていくのだと思います。

SECTION 3/5

未来だけじゃない。過去の意味も変えられる

⸺直感に従いCanを増やしていく重要性を感じる一方で、思いのままに行動していると、後になって「遠回りしてしまった」「失敗だった」と後悔することはないのでしょうか?

中西:全くないとは言い切れませんが、私は「未来も過去も変えられる」という言葉を信じています。未来は当然自身の努力によって切り拓くことで変えることはできます。そして過去の成功・失敗も、結局のところ、今の自分の状態と解釈次第でどうにでもなるんです。

私自身もストリートミュージシャンだった20代のころは、テレビに出るなど成果を残していながらも、同世代の仲間たちが大学を出て就職していく姿を見て、「自分のキャリアは終わった」と絶望したこともありました。

一方、今はその過去が「素晴らしいものだった」と解釈しています。例えば、GOの新卒採用プロジェクトを担っていますが、私のキャリアはどの就活イベントにおいても人と似通うことはなく、絶対に埋もれないという強みになっています。行動量に裏打ちされたユニークな経験があるからこそ、学生のみなさんに私ならではの言葉を届けることができており、すべての過去が財産と言えます。

⸺ Canを増やす中で、「やりたいこと」には出会えましたか。

中西:今でも、強烈に成し遂げたい明確なゴールはないのかもしれません。しかし、圧倒的な行動と経験を積み重ねてきたことで、自分が人生をかけて向き合いたいことの輪郭が、ようやく見えてきました。

それは現在私が個人のミッションとして掲げている「あらゆる可能性の解放」です。何者でもなかった私を採用してくれた不動産会社の社長は、私の未熟なアイデアを頭ごなしに否定せず、挑戦の機会を与え続けてくれました。自ら仮説検証を繰り返して成果を勝ち取ったあの経験が、人間の可能性を確信する私の原体験となっています。

こうした背景を持つ私にとって、100年続く企業への進化を掲げるGOでの現在の役割は、まさに天職と言えます。次世代を担うリーダーたちのポテンシャルを見極め、彼らが存分に才能を発揮するための挑戦的な打席を用意し、成長を後押しすることが、今の私にとって最大のやりがいとなっています。目の前の使命に対する熱量の高さや目的意識の強さは、間違いなく今が過去最高です。

SECTION 4/5

直感と論理を往復しながら、成長環境を見極める

⸺直感に従うことで拓ける可能性について伺ってきましたが、キャリアやビジネスの現場において、直感だけで突き進むのは難しいようにも感じます。

中西:意思決定においては、直感と論理を行き来することがポイントです。例えばまず「面白そう」「違和感がある」などの直感で飛び込み、ロジックで言語化・構造化して整理する。次に一歩引いて全体を俯瞰し、最初の直感的な印象とズレが生じていないかを感覚で確かめる。この繰り返しで、決断の精度や思考の創造性が飛躍的に上がります。

例えばGOの事業は、タクシーアプリの枠を超え、「移動」という大きなテーマの中で社会の慣習や既存のルールそのものをアップデートしていくものです。ステークホルダーや扱う変数の規模が大きく複雑に交錯しているため、まずは変数をロジカルに細かく分解します。

しかしどれだけ深く考えても、最後の最後は「どうしてもわからないけれど、決断しなければならない」という瞬間が必ず来ます。そのときは、直感に従い思い切って決断するしかありません。

論理で勝つ確率を高め、最後は直感で決断を下す。その上で一番重要なのは、選んだ道が元々正解だったかどうかではありません。「決めたからには、圧倒的な行動量でやり切り、その選択を正解へと持っていく」ということです。過去の解釈と同じで、その決断を正解にできるかどうかは、結局のところ自分自身のその後の行動次第なのです。

⸺「直感と論理を行き来する思考法」は、就活ではどのようなシーンで活かせますか。

中西:企業選びから最終的な意思決定に至るプロセスにおいて有効です。まずは直感に従ってスコープを最大限に広げ、先入観を持たずに多様な企業やビジネスモデルに触れる。これが入り口です。

次に論理によるスクリーニングを行いますが、ここで絶対に譲れない基準が、企業の成長性です。面接などで経営陣と対話する際には、ビジネスの勝ち筋について次の3点をロジカルに検証してください。

  • このビジネスは何を取れば勝てるのか(オセロの「四隅」)
  • それをいかにして獲得するのか(実行プロセス)
  • それをどう防衛し、取り続けるのか(持続可能性)

これらを解像度高く、構造的に語れる会社は、再現性を持って事業を伸ばせる成長企業であると判断できます。

こうして論理的アプローチによってリスクを徹底的に排除し、選択肢を研ぎ澄ませたのち、最後の意思決定は再び直感へと戻ります。自分はどちらの環境にワクワクするのか、最後は感情に従って腹を括るのです。

⸺就活の企業選びにおいて、なぜ事業の勝ち筋を見極めることが重要なのでしょうか。

中西:事業が停滞している組織では、新しいポストや予算、大規模なプロジェクトといった挑戦的な機会が物理的に生まれないからです。限られたパイを奪い合う停滞した環境では、若手にチャンスが回ってくる蓋然性は極めて低く、結果として個人の成長スピードも著しく制限されてしまいがちです。

個人の成長は「(試行回数 + 思考回数)× 成長率」で説明できます。試行と思考を重ねるには、大前提として打席の多さが必要ですが、勝ち筋があり事業が伸びている企業でしか、若手には打席が回ってこないのです。

新卒には、失敗が許される「最強のボーナスタイム」があります。萎縮せずにこの特権を活かし、当事者意識を持ってどんどん打席に立ってください。目立ってなんぼ、印象に残ってなんぼです。

そして後半の成長率を高めるうえで重要なのが、「所属組織のリーダーが、あなたの成長の天井になる」という事実です。

成長率は、自身のメタ認知力や構造化力に加えて、周囲からの質の高いフィードバックによって引き上げられます。しかし、これは直属の上司や経営陣から得られるものであり、彼らの器以上に若手が成長するのは極めて困難です。

だからこそ面談などで配属先になり得る上司と直接対話することをお勧めします。事業の成長性と、優秀なリーダーの存在。この両輪が揃って初めて、ファーストキャリアでの圧倒的な成長環境が手に入るのです。

SECTION 5/5

学生という立場を使い倒し、人に会え

⸺最後に、これからファーストキャリアを歩みだす学生へ、アドバイスをお願いします。

中西:とにかく人に会ってください。私が海外で起業したときも、最初は右も左もわからない状態でしたが、さまざまな人に会って多くの人を紹介してもらい、普通なら出会えないような仲間と繋がって一緒に事業を創ることができました。

学生という立場は、最強のパスポートです。普通に生きていたら絶対に会えないような立場の大人も「学生が熱意を持って言うなら」と時間をつくってくれることがあります。ただ、本当に大切なのは「会った後」です。一度きりの出会いで終わらせず、その関係を長く築いていくこと。それが自分の人生における最大の財産になります。

GOがミッションとして「移動で人を幸せに。」を掲げているように、自ら動いて人に会うと視野が広がり、選択肢も増えます。行動して紡いだご縁は、将来何かに挑戦しようとしたとき、きっと大きな力になり、キャリアに圧倒的なレバレッジをもたらしてくれるはずです。

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