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連続起業家が解説!起業をめぐる6つの勘違い・入門編

「起業も視野に入れているけど、いざとなるとハードルが高い」──そう感じている方は、起業に「ハイリスク・ハイリターン」「才能が必須」などのイメージを抱いてはいないでしょうか。今回は、戦略系コンサルティングファーム出身のシリアルアントレプレナーで、海外大学で企業戦略を教える大学教授でもあるGoodfind講師の織田が登場。起業にまつわる誤解や不安を払拭し、「起業のいろは」をお伝えします。

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誤解だらけ!?「起業家思い込みチェック」

アメリカやイギリスなどに比べ、先進国の中でもずば抜けて起業率の低い日本。近年では、中国やインドでも企業価値が10億ドルを超える「ユニコーン企業」が次々と現れており、その数で日本を大きく突き放しています。この日本の起業率の低さの背景には、起業に対する誤ったイメージや未知なる世界への不安が要因の一つとして挙げられると思います。

今回は、起業に興味がある人にむけて、みなさんが本当に今考えるべきこと、すべきことを解説します。まずは、下記の「起業家思い込み項目」をチェック!

勘違いしていませんか?

  • 起業家にはあらゆる能力が必要である
  • 事業のアイディアが全てである
  • 市場分析して戦略をしっかり練れば起業の確率が上がる
  • しっかり学んでから起業するべきである
  • 狙うべきは大きな市場である
  • 起業はリスキーで怖いものだ

以上、チェックが多かった人は要注意!起業のハードルを上げているかも?それでは、いくつかの項目について解説していきます。

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自分にない部分はパートナーで補おう

起業するときにまず重要なこと。それは、「誰とやるか」です。起業したい人が常にするべきことは、一緒に戦い続けるパートナーを探すことです。なぜなら、起業家が一人で全てをこなすということは非常に難しく、誰しもが少なからずパートナーに自分の足りない部分を補ってもらう必要が出てくるからです。

一般的な経験則ですが、起業家に向いていないタイプというのは、「人生が順調すぎる」「変化を嫌う」「記憶力だけに頼る」「優柔不断」「周囲と同調しがち」「マニュアルを好む」などなど。もちろん、マニュアルに沿ってその通りにやりたい人が起業家になってはいけない、という訳ではありません。

起業家には本当にいろんなタイプがいて、元気で明るく社交的な人ばかりではありません。起業家の数だけ成功方程式があるのですから。ただしマニュアル好きな人は、マニュアルがなくても物事を進められる人をパートナーにした方が良いと思います。

松下幸之助、盛田昭夫、スティーブ・ジョブズ──世に名を馳せた起業家たちの影には、必ずその成功を支えたパートナーの存在がありました。自分にない機能はパートナーや他の社員に補ってもらえば良いんです。

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0→1フェーズは根拠のない自信も必要

時々、最初から戦略を練りに練ってそれに従って実行して成功したという話を聞きますが、その手の話は半分くらいは嘘です。私の場合、事業プランを考えて走り出した後に、「このプランが上手くいくか?」というところは計算していません。

ただ走ってみると、ちょっとずつわかってくる。走りながら修正するというのが私のやり方です。綿密にプランを考えてそれを全部実行するより、そこそこのものを考えてとりあえず走り出す。値付けも「マーケットに聞きながら」です。

マーケット、つまり顧客があなたのビジネスに対してお金を払うかどうか──それを考えていくと、売上を立てる「キャッシュポイント」をどこにするかがとても大事です。新規事業をやる時は、マーケットのニーズがあるかを考えます。

例えば、「見たい」というニーズに対するテレビ番組などは、制作費がどうしてもかかるもの。そこに「CM」という「キャッシュポイント」を工夫して組み込むことで成り立たせています。視聴者と番組制作側ではない第三者であるスポンサーを持ってきていることが重要なのです。必ずしも相対取引で上手くいくわけではありませんからね。

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起業家の成功ストーリーに惑わされるな!

昨今、多くの起業家が自叙伝やノウハウ本を出していますが、彼らの成功ストーリーを鵜呑みにしてはいけません。なぜなら、偶然の要素が多いから。成功した人は後から何を言っても許されるけれど、それを一般方程式として見てしまうとミスリードになります。もちろんエッセンスだけを参考にするのは良いけど、表面的なものだけ真似してもうまくいかないです。

例えば、成功のためには「一人で意思決定すべきか、チームで意思決定すべきか?」という問い。実際にはどちらの方法でも成功した人がいます。でも「一人で意思決定して自分は成功した」と書いてある本を読んだら、「一人で意思決定が正解、チームで意思決定が不正解」になる。それはおかしいですよね。なのでオススメしません。

起業に関することだけではないですが、これだけ情報が氾濫する時代では情報の取捨選択の仕方が非常に難しいのです。そのため、もし起業家の本を読んで「参考にしたい!」と思ったら、本だけを読んで表面的に判断するよりも、できれば著者に直接話を聞くことで「この人はどういう状況でどう判断してこうなったのか」と総合的に考える方が良いと思います。

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起業は、小さなところから始める

起業すると、恐らく最初はニッチなマーケットや個人商店の規模から始まると思います。10億の出資を受けていたとしたら、上場して、世界でシェアを取って……という流れになります。でも、普通は手元の資金がないならスモールスタートしますよね。それで良いのです。大切なのは、まず5年後ぐらいに、どのぐらいをゴールとするか?を決めること。と同時に、ファクトとしての数字をいつも頭に入れておくこと。

例えば、「無料アプリを作りました」という場合、ユーザーからお金を取れないから「広告モデルをとる、以上!」……これは何も意味がない。アプリを作るのにいくらかかって、運営コストがこのくらいかかる。それをちゃんと広告でカバーできるようなユーザーと露出があるか、という計算をするべきですね。数字に強くなる必要があります。

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起業は、リスクの高いギャンブルではない

それでも起業への一歩をなかなか踏み出せないという人に知っておいてほしいのが、「起業はリスクの高いギャンブルではない」ということです。そもそもどんな会社も、破産したり倒産したりする可能性はあります。そして良い潰れ方をすれば個人に負債が残ることもありません。

そのときには何が必要かというと、ずばり「ファイナンスの専門知識」です。しかるべき資金調達ができれば、最悪の場合でもその資金を使い切って終わりです。もちろん投資家は怒るでしょうが、それ以上のことは起きません。私も過去の起業のうち半分は失敗していますが問題なく生きてます。

なにより日本には投資家がたくさんいて、VCや政府の起業家支援制度、無料のインキュベーションオフィスなど豊富なセーフティネットがあります。たとえ失敗しても、その経験を糧に再就職すればいいだけです。逆に言うと、自分のキャパシティを超えた借金をしてチャレンジするのはNGです。要は、知らないということがリスクを大きくするのです。事業ドメインやファイナンスなどの知識を蓄え、しかるべき準備をすれば、下手にダウントレンドな企業に就職するよりも安全とさえ言えるでしょう。

未知への不安を拭い、起業を志す一人でも多くの人が、その一歩を踏み出せることを願い、最後にいくつかアドバイスを贈ります。

  1. 心身ともに健康であろう
  2. 自分が倒れると、代わりがいませんから。「明日会社休みまーす。」は通用しません。会社が止まってしまいます!だから、身体には気を付けてください。

  3. 「良いメンター」を持とう
  4. あなたの相談に乗り、アドバイスをくれる「良いメンター」を見つけましょう。東大出身の起業家が多いのは、先輩や同期など周りに起業家がたくさんいるから。ただしすべての起業家があなたにとって「良いメンター」であるとは限らないので吟味が必要です。

  5. 苦境にめげない、ある意味諦めが悪い。
  6. 起業家の条件であり、成功者の条件だと思います。物事は簡単に上手くいかないもの。諦めが悪いっていうのは、変化を恐れず試行錯誤すること。例えば、あのイチロー選手は年間200本のヒットを10年間続けてきたけれど、その2001年から2011年のフォーム、全て変えているんです。

  7. 思考力よりも、行動力を!
  8. アイディアは大切だけど、実行できない人の方が多いです。ダイエットしようと多くの人が決意するけれど、できていないのと同じ。楽天の三木谷さんは、社訓の中で「スピード、スピード、スピード」と言っています。彼は、創業当時の楽天ショッピングモールだけではサービスの差別化ができないことをわかっていました。でも、覚えやすい名前と、どこよりも早いスピードで普及させたことで今のポジションを築いたといわれています。

  9. 他人と違う世界を見よう
  10. 周りと意見が合い過ぎてはダメなんです。起業家は「あえて違う世界に行ってみる」ことがとても大事。100人の中にいた場合、自分1人だけが「違う人」である必要があります。自分の起業プランを、「めちゃくちゃじゃん!」と言われたら、それは褒め言葉です。周りから賛同を得てしまったら、考え直さなくてはいけない。なぜなら、そんなプランはきっともう存在していますから。

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