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周りに差をつける“クリエイティブ”シンキングのコツ

「あなたの言っていることはすべて正しいけど、面白くない。」論理的に考えることはできるが、いまいち人と差別化ができない、そんな風に感じることはないでしょうか。今回は、クリエイティブなアイデアを生み出す思考のコツと、それを応用した他人と違いを生み出すキャリア戦略をお伝えします。

SECTION 1/5

「クリエイティブである」とはなにか

あなたは自分のことをクリエイティブだと思うでしょうか。

この記事のタイトルに惹かれて、うっかりいまこの文章を読んでいる人の多くが、きっとその自信がないためにたどり着いたのでしょう。そしておそらく、これまでに経験してきたなにかしらのワークの中で、「コンサルっぽいね」と言われ、嬉しさもありつつ、一方でモヤモヤとしたのではないでしょうか。この一見褒め言葉のようで、とはいえ皮肉めいた言葉の指すところは、「正しいんだけどなんか面白くない」、そんなニュアンスに違いないでしょう。

冷静に立ち止まって考えると、「正しいけど面白くない」ではいけないのでしょうか。正解を求めて何が悪いのでしょうか。しかしながら世間で脚光を浴びるようなアイデアは、決して正解を追った末の産物ではないでしょう。人々が思いもつかない発想の結果、「クリエイティブ」と呼ばれるものが生まれるに違いありません。では一体どうすれば、クリエイティブになれるのでしょうか。

SECTION 2/5

どうやってクリエイティブになるのか

なぜあなたはクリエイティブでないのでしょうか。

「正しいけど、なんか面白くないアイデア」に収まってしまう場合のプロセスは大概がこうです。

構造化を重ね情報を整理し論点は見えた。ただ、これでは大成功と言える結果を導けるとは思えない。一方で、リスクをとった面白そうなアイデアの種は見えているが、リスクを取るのは怖い。失敗したくない・マイノリティになりたくないあまり、結局、中庸な当たり障りのない選択をしてしまう。

おそらくあなたもグループワークで体感したことがあるでしょう。整理されたタイムマネジメントでメンバーの反応も概ね良く、時間通りにアウトプットが出せそう。しかし実は、自分の頭の中によりチャレンジングでトライする価値のあるアイデアが浮かんでいる......さてここで議論にあげてみるべきか、と。

そう、人間は元来発想豊かで創造的な生き物のはずなのに、つい他人の顔色を伺ったり一般的な正しさを求めて、リスクを伴う面白いアイデアから逃げてしまっているのです。クリエイティブになるための重要な要素は「正しいかわからない、それでも面白いアイデアから逃げないこと」なのでしょう。一言で言えば「自信」です。

そうは言っても、じゃあ自信を持ちましょうで終わられては納得がいかない、というあなたのために、少しでもロジカルにクリエイティビティを科学する、一見矛盾してみえるちょっとした知恵をGoodfindのセミナーの一部からご紹介します。

SECTION 3/5

クリエイティビティを科学する

ここでご紹介する2つの発想法に共通するのは、“普通”の状態を構造化し論理的にその逆や裏を狙うということです。

(1)「前提逆転発想法」思い込みの前提を捉えて反対を考える

自分の解こうとしている課題について、その制約条件となる前提をあえて外し、逆転することで、有意義なアイデアを生み出す方法です。一般的に考えられるロジックツリーのさらに上位概念を探り、通常なら思考が介在しづらい前提条件をメタ的に捉え変化させます。

(例)車とは購入するものだ→車は購入しなくてもよい→車を借りることもできる

前提逆転発想法

(2)「属性列挙発想法」課題のもつ属性を洗い出し対や代替を考える

対象となる課題について、その属性を具体化し列挙します。この時点ではアイデアの発散に徹し解決案を考えないことがポイントです。そして列挙した属性一つひとつについて、変化できる要素はないかを探ります。1つ目とは逆に具体化を重ねることで論点の解像度を高くし、変化を生みやすくするという方法です。

(例)傘の属性:長い、重い、濡れる、邪魔である

属性列挙発想法

ここまで論理的に発想の方法を解説してきましたが、前述の通り、最終的に大事なことは考えついたものをアウトプットし実践するための自信です。

「創造的な人は自分のことを創造的だと思っている。」

世界最大級で高名なデザイン会社のひとつ、IDEOの創業者の言葉です。創造的だと信じることが自分を創造的にさせる。ただその自信をもつことはは難しい。それは誰にとっても当たり前のことです。次の章ではまさにこの壁に直面した、誰もがよく知る企業の話をしましょう。

SECTION 4/5

創造性と信念を取り戻したApple

1990年代、Appleは大きな危機を迎えていました。いまとなっては信じられないことかもしれませんが、当時のAppleはWindows PC陣営との競争に敗れ、苦境に立たされていたのです。その状況を打破するために打ち立てた広告キャンペーンのスローガンが「Think different.」。広告の一環として発表したCMでは、アインシュタインやガンジー、ジョン・レノンといった世界を変えた偉人が次々と登場。

そしてこの苦難をきっかけに、一度はCEOの座を追われたAppleに復帰し、立て直しの原動力となったスティーブ・ジョブス本人がナレーションの最後にこう語ります。

「彼らはクレージーと言われるが、私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから。」

このプロモーション後、Appleは次々と新製品を打ち出し、今日まで飛躍を遂げてきたのです。このスローガンが成した最大の効果は、Apple自身が創業時の理念に立ち戻り、そのコアとなる価値に向き合うようになったこと。ジョブスの言葉の通り、新しいものを創り出し、世界を変えるのは、それを本気で信じた人だったということでしょう。

SECTION 5/5

“普通”に甘んじていないだろうか

「結局のところ、クリエイティブな人とはどんな人なのか」という問いに答えるとするなら、自分はクリエイティブであると信じている人、ということなのでしょう。他人と違うことをするのことは、当然苦難を伴います。誰かが通った道は安心です。その先で何が起こるかがある程度分かるし、なにより正解っぽくみえます。

しかし「正しいけど面白くない」の壁を乗り越えるためには、“普通”から脱し他人が考えない・やろうとしないアイデアにチャレンジする必要があります。

これはいまあなたが課題に感じているであろう、就職活動におけるグループワークや選考だけに限ったことではありません。これからも続く人生の選択一つひとつに言えることでしょう。市場価値が需要と供給のバランスによって大きく作用すると考えれば、他人がしていない経験、キャリアを積むことは市場価値を高めることになります。クリエイティブな人が世の中で称賛され、引く手あまたなのはそういうことです。

新しい道に進む時には、自分が正しいけど面白くない道を選ぼうとしてしまっていないかを見定め、いつもよりちょっと冒険する道を探してみてはどうでしょうか。

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