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【College編集部厳選】キャリアで悩むあなたに薦めたい3冊

「志望理由が書けない」「何を強みに社会で活躍するべきか」「将来に漠然とした不安がある」 ──就活をすすめる中での不安はそれぞれあることと思います。しかし悩んでいるだけでは何も解決しないもの。まずは気軽ながらも有効である読書をするのはいかがでしょうか。今回は、Goodfind College編集部がおすすめの書籍を厳選。コロナ禍で時間のある時にこそ読んでほしい、社会に出てからきっと役立つ本を3冊ご紹介します。

SECTION 1/4

なんか上手く伝えられないあなたへ

梅田 悟司『「言葉にできる」は武器になる。』(梅田 悟司, 2016年)

推薦者:川村 直道

Goodfind College 編集長

早稲田大学卒。自身もGoodfindユーザーで、新卒でスローガンに入社。セミナー講師/キャリアアドバイザーとして2000人以上の学生のキャリア相談に乗る。京都支社長、Goodfindのメディア・イベント責任者などを経て現職。

就活にあたり、自分の考えを表現する機会が格段に増えたのではないでしょうか? 学生時代に頑張ったこと、企業の志望理由などなど、就職活動において"言葉"をつくる機会はたくさん。でもイマイチ上手く伝わる気がしないなあ、ということがよくあるのでは? ビジネスにおいてもそれは同じで、社内外問わず相手に対して自分の言いたいことが伝わるかは生命線。

さてここでやりたくなるのが、どんな素敵な言葉を選ぶか。文章を書いてみて、どの言葉の響きがいいかなあ……と言葉遊びをして、コピーライティングに走ってしまいがち。ただこれが大きな落とし穴です。どんな飾り付けをするかよりも大切なのは、あなたが本当に伝えたいことを正しく理解すること。

自分が好きな食べ物を人に紹介しようにも、それの何が凄いのか、あなた自身が十分に理解していなければ伝わらない。「芳醇な香り」「雪のような口溶け」などといかに美味しそうなフリカケをいくらまぶしたとしても。派手な文章表現や形容詞に頼らなくとも「喉越しのいいツルツルとした麺と、それを活かす喉の乾かない調度よい塩味のスープ」とリアルで具体的であればそれで十分なのです。

自己紹介も同じで、あなた自身があなたをどう伝えたいのか、をよく理解しなくては、どんなに飾ったところで響くことはありません。ワーディングではなく、この"解像度"を上げる思考法こそが、言葉をつくる上で一番大切なことです!

ブラウン管の解像度から、16K対応の最新テレビへと自分の思いの解像度を上げるための思考プロセスを、本書では紹介してくれます。フレームワークがついているので、すぐに実践できるのもありがたいところ。

一見タイトルからは、飾り付けの技法を謳う本に見えてしまいますが、本当は解像度を上げることの大切さを伝えてくれる素敵な書籍です。

SECTION 2/4

「何者になるか」を見つけたい方へ

瀧本 哲史『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社新書, 2020年)

推薦者:原田 奈津子

Goodfind College 編集部

慶應義塾大学経済学部卒。音楽業界、外資生命保険会社、事業開発専門のスタートアップを経てスローガン入社。学生向けキャリアアドバイザー、企業の採用支援担当を経て現職。国家資格キャリアコンサルタント。

この本は「次世代の君たちはどう生きるか」をテーマに開催された、瀧本哲史さんによる講義が収められています。講義の中身は「人が何かを学ぶ」目的から、仲間集めのポイントまで人生の指針となるものですが、瀧本さんのメッセージは「君たちが未来を変えろ」。

コロナ禍で先行きが見えない現在。この状況では、誰しもが目標を立てづらく、行動しづらいものです。そんなときは一度立ち止まって「自分を振り返ってみる」のがおすすめ。「そもそも自分はどういう人間で、何者になりたいのか」があってこそ、未来への指針が定まるでしょう。

この本には「自分を振り返る」ためのヒントがあります。自分がおかしいと思うことや正しいと思うことは何か。応援したい人やテーマはなにか。今まで何に時間を費やしたか。それらから自分が見えてきたら、社会にどう繋げていくのか。「どんな小さなことでも構わないからアクションしよう」と促されます。

あらためて瀧本さんとは何者か。東大法学部を卒業後、直ちに助手に採用された後、マッキンゼーに転職。3年で独立し、日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家、京都大学の准教授として「起業論」を教えていましたが、2019年8月に病のため亡くなりました。

2012年の講義の書籍化のため、当時と社会情勢が異なる部分はあります。それでも瀧本さんの思想が凝縮された本書は普遍的で、現在も通用するものばかりです。不確実な今を生きるために、自分で考えて自分で決めて行動する──今いる場所で、自分がちょっとでも社会を良くする一手があるんだ、と勇気が湧いてくるでしょう。

瀧本さんの語り口は辛辣です。読み手は己の無知さを突きつけられます。なぜ彼は厳しく檄を飛ばすのか。それはひとえに教育者としての「愛」だと端々から感じます。

「どうにかしてこの日本をよくしたい」「そのために若者ひとりひとりに武器を配りたい」──未来を担う人への渾身の「エール」が、あなたにも届きますように。

SECTION 3/4

「漠然としたモヤモヤ」を抱えている方へ

茨木 のり子『おんなのことば』(童話屋, 1994年)

推薦者:石原 有紗

Goodfind College 編集部

横浜国立大学理工学部卒。情報工学を学ぶもビジネスの面白さに取り憑かれ、4年の夏に院進を取りやめ就活。スローガンに入社後、エンジニア向け新サービスの立ち上げを経て現職。

読者の皆さんの中には、自分に合ったビジネス書や自己啓発書をパパっと見つけられる方も多いでしょう。もちろん、インターンや就活で必要な、教科書的な学びは必要不可欠ですし、これからも習慣として読んでいただきたいと思っています。

ただ、学生時代には、豊富な選択肢の中で「人生そのもの」について思い悩むことも多いはず。だからこそ、情報のインプットが多いビジネス書ではなく、はるかに少ない文字数で自分を深く見つめるきっかけになる詩集を、あえて推薦しました。

私自身、この本に出会ったのは大学3年生の頃。コミットしていた長期インターンに忙殺され、自分は何がしたいのか? 何を大切にして仕事をしていくべきなのか? が見えなくなっていたときに、指針となる考え方を与えてくれたのがこの詩集でした。

著者の詩で有名なのは、「自分の感受性くらい」でしょうか。中学校の国語の教科書にも載っているので、「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という強烈なことばに思春期の心をグサグサとえぐられた経験のある方も多いと思います。

私がこの詩集で一番おすすめしたいのは「汲む」という詩です。「あらゆる仕事 すべてのいい仕事の核には 震える弱いアンテナが隠されている きっと…」という一節から、どんなに仕事や勉強ができるようになっても、初心を忘れず誰かの思いを汲んで仕事をする、というマーケティングの本質を読み取ると、はっと気付かされることがあると思います。

人生や仕事への気づきとなることばが、この詩集にはたくさん載っています。そのすべてが皆さんにとってピンとくるものだとは限りませんが、何かに思い悩んだ時、ふと自分がわからなくなったとき、詩や文学から自己と対峙するという方法もあるのだと、思い出していただけたら幸いです。

SECTION 4/4

興味・関心の外にある本も見てみよう

今回は「悩み」にすぐ効くビジネス書だけではなく、「悩み」と深く向き合い、自分を見つめ直すきっかけになる詩集まで、幅広いジャンルから本を3冊紹介しました。その中でもむしろ、「自分は興味がないジャンルだ」と思った本にこそ、悩みを解決するヒントが隠されているかもしれません。

なぜなら、人の興味・関心は案外偏っているものだからです。そのため、今ある興味の範囲で情報を選択しても、これまでと全く異なるモノの見方は手に入らないでしょう。みなさんの小さい頃の夢は、電車の運転士やケーキ屋さんだったかもしれませんが、きっと今は違いますよね。日々の生活の中で、自分の興味範囲外のものに触れ、視野が広がり新しい選択ができるようになったのです。

また、現在はAmazonのレコメンド機能に代表される「パーソナライゼーション」の時代。自分の興味に合った「おすすめ本」を紹介してくれる代わりに、今まで触れてこなかった新しい本や情報に触れる機会は減りました。だからこそ、自分の興味関心の範囲外の情報を、意識的に掴みに行く必要があるのです。

今回ご紹介した書籍をぜひ手にとって、まだ見ぬ知識との出会いを探してみませんか。

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