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COLUMN

【30年間就活をみてきた採用のプロが語る】就活生が意外と知らない企業選びの5つの事実・前編

公開日:

Spoken by 米田 靖之/

Edited by 長嶺 匡晃

「自己分析は必要ない」「やりたいこと=面白い仕事ではない」──人事・採用の経験を通じて多くの学生を見てきた元JT人事部長 米田 靖之氏が、30年間のキャリアから企業選びのエッセンスを凝縮。「自分に合った企業の見つけ方」とは。

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自分に合った企業を見つけるには

私は、初めて人事の採用担当を任された1987年以来、今まで約30年間にわたって就活生と会ってきました。その間、採用の第一線から最終面接まで、採用活動の全ての局面に関わってきました。決して少なくはないこの経験を通じて私が思うことは、「学生は正しい企業選び、すなわち自分に合った企業選びができていない」ということです。

学生の皆さんにとって、就活は初めての経験であることや、世の中に非常にたくさんの企業があることから、どうやって最適な企業を選べば良いのかよくわからないというのが、正直なところだと思います。そこで、本当に自分に合う企業選びをするために必要なことを、これからお話ししたいと思います。まずお伝えしたいのは「自己分析はいらない」ということです。

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事実(1) 自己分析よりも「自分に合うと感じた企業を選ぶ」ことが大切

自己分析の目的とは何でしょうか。自己分析をしなければ、自分の軸がわからず、志望動機をエントリーシートに書けないと考えている人が多いかもしれません。しかし、就活の目的は「良いエントリーシートを書くこと」ではなく、「自分にとって良い企業に入ること」のはずです。この考え方にもとづくと、自己分析の必要はありません。

就職先選びで一番大事なのは、「どんな仕事をするか」ではなく、「どんな環境で仕事をするか」ということなのです。自分には、どんな環境が向いているか。また、自分に向いている環境はその企業にあるのか、という視点で企業選びをするべきだと思います。仕事への適性や仕事の面白さというものは、実際に働きだして初めて分かるものです。しかもそれは、今やりたいと思っていることと必ずしもイコールとは限りません。仕事の面白さというのは、仕事の種類で決まるというロジックが一般的ですが、実はそうでもないと思います。

仕事を面白いと思うための条件には3つあります。

  • 自分で考える
  • 自分で実行する
  • 良い結果が出る

この3つの条件を満たせば、仕事は面白くなります。仮にその仕事が最初は「やりたいこと」でなかったとしてもです。「やりたいこと」だけが必ずしも「面白い」わけではなく、これらの条件を満たしていれば、種類に関わらず仕事は面白くなると気づくことこそが、重要なポイントです。

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事実(2) 「面白い仕事」をするために必要なものは知識よりもチカラ

多くの学生が、自分のやりたいことができるかどうか、という観点で企業を選びがちです。しかし、日本企業の多くはジョブローテーションをおこなっており、入社後、必ずしも望む職種や業務内容に携われるかどうかは分かりません。つまり、やりたい職種や業務内容にこだわった企業選びをしていては、自分の将来の可能性を狭めてしまうことになるのです。

また、専門知識を持っていると仕事ができる、と考えている人もいるかもしれません。しかし、学生時代に得た知識は、ビジネスシーンでは専門知識とはいえないケースがほとんどです。仮に知識があれば仕事ができるかというと、そうではありません。仕事で結果を出すために必要なのは、知識よりもむしろチカラです。もちろん、最低限の知識は必要ですが、大きな仕事を任されるにつれ、7:3の割合でチカラのほうが重要になってきます。このチカラとは、

  • 自分で戦略を立てる力(何をするか考える)
  • 自分で戦術を立てる力(どうやってするかを考える)
  • 自分で実行する力

の3つのチカラです。

このチカラは、どの職種でも共通で活かすことができます。仮に職種が変わっても、その職種に必要な最低限の知識さえ身につければ、仕事ができるようになります。その最低限の知識は、仕事をしていく中で3カ月もすればキャッチアップできます。しかしチカラは、いくら勉強しても身につくものではありません。実践で鍛えるのみです。

面白い仕事をするには、仕事の種類は関係ありません。自分で考えるチカラと、自分で実行するチカラが重要なのです。チカラがあれば、仕事は面白くなります。では、どうやってそのチカラをつければ良いのでしょうか。

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事実(3) チカラをつけるには「一生懸命やり続ける」しかない

やりたいことができる企業や、スペックの高い企業に入るとチカラがつくのでしょうか。それは正解ではありません。チカラをつけるには「一生懸命やり続ける」しかないのです。「一生懸命やる」とは、与えられた仕事を100%完璧にこなすことではありません。自分が成長し続けるため、最初の5年程度、120%のマインドで取り組むということです。常に120%で走り続けていれば、仕事の内容や大小に関わらずチカラは蓄積されていきます。

では、最初の5年間を120%のマインドで取り組むために必要な条件とは何でしょうか。確かに、興味のあることや高い給与のためであれば、一時的には頑張れるでしょう。しかし、5年間120%を継続することはなかなか難しいものです。そしてそのためには、「一生懸命になれる環境にいるかどうか」が大切なのです。

「一生懸命になれる環境」を探す基準とは? 後編へ続く。

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Speaker

米田 靖之

米田 靖之

元JT執行役員R&D責任者
1982年日本専売公社(現JT)入社。人事部長、製品開発部長、たばこ中央研究所長を経て、執行役員R&D責任者となる。2015年末退任し、現在は複数社のアドバイザーを務める。

Writer/Editor

長嶺 匡晃

長嶺 匡晃

Goodfind College 編集部
都立戸山高校出身、慶應義塾大学経済学部4年生。Goodfindのミッションに共感し、2020年入社予定、Goodfind College編集部のインターン生として奮闘中。趣味は写真撮影。