INTERVIEW
新卒キャピタリストの道。なぜ1年目からバリューを出せるのか?
ベンチャー企業に投資し、起業家とともにその企業を成長へ導く。「起業家の背後にいる起業家」とも称されるキャピタリストという仕事は、投資銀行やコンサルティングファーム出身者、元起業家など、経験豊富なビジネスパーソンが担うのが一般的。しかし今回話を聞いたユナイテッドは、新卒の若手社員にキャピタリストを任せる企業です。なぜビジネス経験の浅い新卒社員がキャピタリストを担えるのか? 投資事業本部の若手3人に聞きました。
【謝礼あり】読後アンケートご協力のお願い(計6問・所要時間1〜2分)
SPONSORED BY ユナイテッド株式会社
話し手
片木 慎也
ユナイテッド株式会社
投資事業本部 キャピタリスト
清水石 貴子
ユナイテッド株式会社
投資事業本部 キャピタリスト
八重樫 郁哉
ユナイテッド株式会社
投資事業本部 キャピタリスト
SECTION 1/6
右も左もわからない、配属初日から起業家の元へ
編集部:ユナイテッドに新卒入社された片木さんと清水石さんは投資事業本部に異動するまで、投資領域は未経験だったそうですね。
片木:はい、僕は入社後、WEBメディアなどを手掛けるグループ会社に出向しました。そこで法人営業やプロモーション支援、データ分析、CSなどを経験した後、新卒4年目に投資事業本部へ配属されました。
投資事業本部への異動を希望したのは、そのグループ会社で幅広い経験をするなかで、より経営に関わるような力を身に着けたいという思いが強くなっていったからです。加えて、元々起業家や社会的意義のある事業を展開しているスタートアップを尊敬していたこともあり、「キャピタリスト」という選択肢が浮かび上がってきました。
清水石:私は入社1年目に、法人営業、マーケティング、戦略コンサルティングと3つの部署を経験しました。そこでビジネスパーソンとしてのベーススキルは身につけましたが、投資については全くの未経験。そんななか、新卒2年目で投資事業本部に所属することになったきっかけは「投資に関わる仕事をしてみないか?」という、上司からの突然の打診でした。
自分がキャピタリストとして働くなんて考えてもみなかったので単純に驚きましたし、投資についてよく知らない私が、果たして企業を評価できるのか、起業家の力になれるのか、率直に疑問を感じました。
編集部:未経験の仕事に期待と不安を抱いていたお二人のキャピタリスト初日は、どのようなものだったのでしょうか?
清水石:配属初日から投資先候補の新規面談に同席させてもらいました。右も左もわからず、面談中は何も話せませんでしたね(笑)。しかしそんな私に対して上司は、面談が終わると必ず「今の企業どう思う?」と意見を求めてきます。そこで自分なりの見解を述べ、フィードバックをもらう機会を重ねることで、「この視点が大切なんだ」と、キャピタリストとしてのポイントを掴むことができるようになりました。
片木:僕は投資先候補の分析業務からスタートしました。投資を検討している案件情報を分析・整理し、投資検討のための社内会議でチームに共有するといった仕事です。僕も清水石と同じく、その社内会議に何度も参加するうちに、投資先を決めるポイントがわかるようになっていきました。キャピタリストとしての仕事は初めてでしたが、すぐにアウトプットの機会が設けられていたからこそ、素早く現場の視点を知ることができたと思います。
清水石:もちろん現場業務と並行して座学による研修にも参加していました。期間は2ヶ月ほどでしたが、ボリューム満点でしたね。キャピタリストとして業務を遂行するための投資・ファイナンスの知識や、スタートアップ界隈の歴史とトレンドを網羅的にインプットしました。
編集部:網羅的なインプットと、現場でのアウトプットを繰り返すことが、素早い独り立ちに繋がったのですね。
SECTION 2/6
事業会社ならではの知見で、「実行」をとことんサポートできる
編集部:一方の八重樫さんは前職もベンチャーキャピタル(VC)で活躍されていたとのこと。どのような経緯でユナイテッドのキャピタリストになったのですか?
八重樫:新卒は創業期のスタートアップに1号社員として入社し、ビジネスサイド全般を経験しました。その後、独立系VCに転職しましたが、そこでは投資業務ではなく大手企業のイノベーション戦略策定や新規事業開発支援などの仕事を担当していました。
そうしたVC・スタートアップ界隈に身を置き、0→1の事業立ち上げなども経験する中で感じたのは、キャピタリストこそ自らの介在価値が最も高くなる職種ではないかということ。スタートアップ側の立場を経験した僕だからこそ、「泥臭い支援にも積極的に取り組んでいく」という、起業家にとっての理想のキャピタリスト像が自分の中に明確に出来上がっていたのです。
そんな理想像を持つ僕にとって、事業会社として多くの事業を展開してきたユナイテッドは魅力的に映りました。起業直後の会社に対しては、事業戦略の支援も大切ですが、やはり「実行」の部分をいかにサポートできるかが肝になります。ユナイテッドなら、事業会社としての知見や、グループ会社のアセットを存分に活かしながら実行部分を支えられるため、起業家にもたらす貢献度が大きくなるだろうと感じたのです。
SECTION 3/6
早期にバリューが出せる要因は“チームプレー”
編集部:それではなぜユナイテッドでは、豊富なビジネス経験がない若手社員がキャピタリストとして活躍できているのか、八重樫さんはどう考えますか?
八重樫:理由の一つは、当社の投資事業本部には投資先を支援するための強力なアセットがあることだと思います。当社には約10年以上に及ぶ豊富な事業・投資経験から得てきた事業成長のノウハウが蓄積されています。加えて複数のグループ会社の助けもすぐに借りられる体制が構築されているので、そうしたアセットをフル活用することで、一般的にキャピタリストに必要とされている経験がなくても、早期に投資先企業に価値を発揮できるのです。
清水石:アセットをフル活用するというのは、つまり個人プレーではなく、グループ会社を含めたユナイテッドというチーム全体の力で質の高い仕事を行っているということです。
一例をお話しすると、ある投資先企業が新規プロモーション施策としてWeb広告を出すことになったのですが、ターゲットとするユーザーの心理を捉えられず困っていました。そこで、ユナイテッドのグループ会社であり、懸賞・プレゼントサイトを運営するトレイス株式会社に、広告訴求の連携を依頼したところ、その投資先企業は想定以上のリード顧客を得ることができたのです。このように投資先企業の課題にドンピシャな施策を打てるのは、グループの力をフル活用できるユナイテッドならではの強みだと思います。
八重樫:当社には「バリューは必ずしも1人の手で生み出す必要はない」というカルチャーがあります。社内のコンサルタントとともに課題解決したり、グループ会社と連携したり、社外の専門家とのネットワークを活用したりと、チームでバリューを生み出すことを推奨しているのです。こうした起業家を支援するためのアセットが社内外に豊富にあるからこそ、若手社員でも活躍できているのだと思います。
清水石:私自身、配属前に不安を感じていた理由の一つに、「キャピタリスト=個人プレー」というイメージを持っていたことがありました。個人としての実績が重要な仕事に見えましたし、チームプレーが好きな自分には向いていないような気がしていたのです。しかし上司から「ユナイテッドの投資事業本部はチームで支援する体制を構築している」と聞いたことで、不安が和らぎ、挑戦してみたいという気持ちが強くなっていきました。
そして今では心底、挑戦して良かったと感じています。何もできないところからのスタートで、正直、失敗の数は多かったです。しかし言ってしまえば、何もできないからこそ、怖いものはない感覚なんですよね。
そんな感覚を持てるのは、ユナイテッドにはチームプレーで若手の失敗をリカバリーする体制があるからだと思います。当社が新卒を長年採用し続けていることから分かるように、若手の成長をサポートする体制は整っていますし、それはつまり、若手の失敗を許容する文化があるとも言えるのです。だからこそ、たとえ失敗したとしても、挫けず再び立ち上がり、挑戦し続けることができているのだと思います。
SECTION 4/6
何も持たないからこそ、愚直さが起業家の心を掴む
編集部:ユナイテッドには若手キャピタリストが一人前の仕事ができる仕組みがあることがわかりました。しかし仕組みがあったとしても、果たして経験の浅い若手が目の前で困っている起業家の助けになれるのかと疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、FastGrowの記事「V字回復の裏に、ユナイテッドあり──数多のVCが『No』を出す中、大躍進したバイオフィリア。その苦悩と成長の軌跡」から、新卒出身の若手がどのようにキャピタリストとして活躍しているのか、事例をご紹介しましょう。
ユナイテッドが投資を決めたのは、獣医師監修の手づくりドッグフードをD2Cで展開する株式会社バイオフィリア。同社は数十社にも及ぶ投資家から支援を見送られていたなか、ユナイテッドがポテンシャルを見抜き投資を決めたことで、事業存続の危機を脱した企業です。
そして同社の支援を担ったチームの1人は、新卒出身のキャピタリスト、谷口実玖さんでした。投資事業の経験はおろか、ビジネス経験も浅い若手社員に何ができるのかと思う方もいるでしょう。しかし同社の躍進の裏には間違いなく彼女の存在がありました。
例えば、バイオフィリアが手づくりキャットフードの訴求方法について悩んでいた時のこと。猫の舌は、天然のキャットフードの味よりも、添加物にまみれた化学調味料の味付けを求めてしまうものですが、それでは猫の健康にリスクがあるのは言うまでもありません。その点を察した谷口さんは、「お客様には『“猫が好むキャットフード”ではなく、“猫の健康を守るキャットフード”を選びましょう!』という訴求をした方が良いのでは」と意見しました。顧客目線に立ったそのアドバイスに、起業家自身もハッとさせられたと言います。
谷口さんは「何も持たないからこそ、起業家のためにできることは全てやる」という気概で挑むことで、バイオフィリアからの信頼を勝ち取り、同社の事業に貢献することができていたのです。
SECTION 5/6
キャピタリスト以前に「人としてどうあるべきか」
編集部:谷口さんの事例からも、ユナイテッドの新卒キャピタリストは何かのエキスパートではないからこそ、愚直に起業家と向き合うことで信頼関係を築くことができているのだと感じます。
片木:そうですね。やはり知見だけで勝負していては、いつか必ず限界が訪れます。だからこそ何よりも「役に立ちたい」というスタンスや人間関係の構築を大切にしているのです。
起業家との投資面談では、残念ながら投資を見送るケースは少なからず存在します。そのような場面でも当社では、「起業家の事業や戦略を否定するような言い方は絶対にしない」「どこが改善されれば投資ができそうかを伝える」「さらに事業が良くなるためには何が必要なのかを共に考える」といった、真摯な立ち振る舞いが求められます。
僕自身も上司から「起業家の方に面談して良かったと思ってもらえるよう、毎回の面談が自身の営業だと思って臨みなさい」とアドバイスをもらったことがあります。キャピタリストはロジカルでドライという印象があるかもしれませんが、「人格を含めて頼りがいのある人でいる」ということを大切にしている会社なのです。
清水石:私もある企業さんから「ユナイテッドの投資チームのみなさんには温かみがある。人間味があってロジカルに詰めてこないところがいい」と言われたことがあります。キャピタリスト以前に「人としてどうあるべきか」を大切にするカルチャーが根付いていると思いますね。
SECTION 6/6
プロ意識を持ち、投資から支援まで一気通貫で携わる
編集部:ここまで環境やカルチャーのユニークさを伺いましたが、投資を行う領域についても特徴があるのでしょうか?
清水石:当社では、ある程度の経験を経たキャピタリストは個々人の興味関心に合わせて自由に投資ができます。投資先候補が属するフェーズも、事業領域も、自分で選んで投資実行の提案をすることができるのです。私の場合、アイドルオタクだったこともあり、“推し活”に興味がありまして(笑)。私のような属性の人が集まるプラットフォームとして注目を集める、クリエイターエコノミー領域のスタートアップに注目しています。
片木:僕は業界や領域を問わず、人の心身の成長をサポートしたり、選択肢や可能性を広げたりしてくれるプロダクトやサービスに関心があります。現在はメンタルヘルスケアによって人のパフォーマンスをサポートするスタートアップの支援をしています。
八重樫:僕はヘルスケア関連や、人口動態的に絶対に必要となってくる事業に興味があります。現在支援しているのもまさに自分の興味領域にある、関係人口を可視化・育成する自治体専用システムを展開している企業です。
実はユナイテッドでは、他のVCのように「アソシエイト」や「シニアアソシエイト」といった役職をつくらず、全員が「キャピタリスト」という肩書きなんです。それは投資事業のメンバー全員が、意志を持って自らの責任で投資をしているから。何年目であろうが投資の実行から支援まで一気通貫で携わり、「自分は一人前なのだ」というプロフェッショナル意識を持って起業家と向き合っているのです。
もちろん、キャピタリストは誰でも簡単にできる仕事ではありません。毎日生きるか死ぬかで取り組んでいる起業家に対峙して、どうやってバリューを出すのかを日々考え続ける仕事ですから、時には自分のキャパシティを超えるほどの難題にぶつかることもあるでしょう。
しかし、キャピタリストはスタートアップ産業の成長、ひいては日本の成長に大きな影響を与える、まさに当社がパーパスとして掲げる「社会の善進を加速する」仕事の一つ。だからこそユナイテッドでは未来ある若手に自由度の高い挑戦の機会を用意しています。将来事業家になりたい人、起業したい人、ビジネス戦闘力を上げたいという人は、ぜひ当社で挑戦をしてみてほしいと思います。
※本記事は、FastGrowの記事「なぜユナイテッドでは、若手キャピタリストが育つのか?──Day1から起業家と対峙し、組織力でバリューを出す“投資事業本部”の実態」の内容をもとに作成しています。
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