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長期インターンの就活へのメリットは、ガクチカだけじゃない!?

「長期インターンに興味はあるけれど、就活にどう有利になるの?」「バイトとの違いやメリットがわからない」など、興味はあるものの一歩を踏み出せないという方、多いのではないでしょうか。長期インターンを就活前に行うメリットについて、Goodfindの姉妹メディア「Intern Street」で長期インターン探しの支援をしている青山が解説します。

話し手

青山 絵里香

青山 絵里香

スローガン株式会社
ポテンシャルアクセラレーション事業部
ポテンシャルインキュベート部門

SECTION 1/4

大学生の時、いつから長期インターンを始めたのか

⸺青山さんは、東京大学在学中に複数社で長期インターンを経験していますよね。どのような目的でいつからインターンを始めましたか?

青山:私は在学中に3社の長期インターンに参加しました。1社目は学部2年の春から始めましたが、きっかけは知り合いや友人に誘われて企業に話を聞きに行くというパターンが多かったですね。どのインターンも事業内容の面白さに惹かれ、普段の学生生活では関わることがない、リアルなビジネスの場を見てみたいという興味もあり、参加を決めました。

⸺自身で探したというより、縁やつながりで偶然企業と出会い、始めたことが多かったんですね。現在振り返って「やっておいてよかった」と自信を持って言えますか?

青山:確実に言えますね。私の場合、インターン先が新卒の入社先になったという点が一番大きいですが、就職活動でもメリットを感じられました。インターン先での勤務経験があったからこそ、就活時に事業を理解するスピードが上がったり、面接時には確度の高い質問ができたりしました。自身の興味や、どのような社風が合うのかというのも、その経験があったからこそ判断できたと結果として感じています。


編集部:こちらは実際に弊社の長期インターンに参加した学生に聞いた、働いて感じるリアルなメリットです。気づきや得た力は各企業の業務内容によっても異なりますが、共通するのは自身のキャリア感が変化し、就職活動に活きたという点だとわかりますね。

<インターン生Aさん>

①インターン歴

  • 人材サービス企業 (大学院1年12月~)

②参加した理由

  • 入社後のパフォーマンス向上のため

③働いて感じるメリット

  • チームで数字を追い、試行錯誤しながら目標を達成する中で、自分がビジネスに積極的に関われることにやりがいと働く楽しさを感じる
  • 法人を相手に企業の代表として接して事業を進めるのはプレッシャーを感じることもあるが、自分の限界が拡張されていることを日々実感
  • 社会人としてのコミュニケーションの方法を学ぶことができるため、入社後のパフォーマンス向上につながると確信
  • 現在内定先業界の解像度が低かったことにも気づき、自身のキャリアを再考中

<インターン生bさん>

①インターン歴

  • デジタルマーケティング企業(大学院1年10月~2年8月)
  • 人材サービス企業(大学院2年9月~)

②参加した理由

  • 働くイメージを掴むため
  • 大学院入学後、学業とバイト、無給の長期インターンの3つを両立することが難しく、有給インターンに絞りたかった

③働いて感じるメリット

  • 就活前にフルリモートやフレックス制などの多様な働き方があることを知り、自身の選社軸形成につながった
  • 有給のためアルバイトをする必要がなく、学業との両立もでき、収入も安定。生活リズムが整った
  • マーケティング職の解像度が上がり、就活時に変な憧れを抱かなかった。自身の向き不向き、仕事の楽しさがわかったことで面接時には確信を持って話せた
  • 2社目のインターン先では、1社目で得たマーケティングの知識を活かして活躍できた

SECTION 2/4

ガクチカで周りと差をつける。就活に活きる長期インターン

⸺長期インターンの経験は、就職活動のガクチカにつながるとよく聞きますが、その点についてどう思いますか?

青山:長期インターンの経験は、他の学生とは違う、ユニークな「ガクチカ」を形成します。

皆さんは企業側からどのようなガクチカが求められているか分かりますか?

端的に言うと、自社で活躍するシーンを採用担当者がイメージしやすいエピソードを盛り込むことが重要です。その際に最適なのが長期インターンでの経験です。実際のビジネスの場においてPDCAを回した経験であるため、仕事の難易度や成果の大きさが伝わりやすく、本人の適性や将来ビジネスパーソンとしていかに活躍できそうかが伝わります。

ほとんどの就活生はバイトリーダーやサークルの代表・副代表としての経験をガクチカにしています。採用担当者からみると、他の学生との差別化が難しく、判断しづらい状況なので、長期インターンの経験はユニークに映る可能性が高いでしょう。

ただ、インターン経験のメリットは「ガクチカにつながる」だけではないことは、ぜひお伝えしたいです。

⸺ガクチカにつながる以外にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

青山:就職活動のさまざまな選考過程を突破するために必要な思考力を磨くことができます。就活では、志望動機の言語化、志望先や同業他社の企業分析、面接やGDでの質問に対する臨機応変な受け答えをする必要があります。併せて各選考過程では、その都度自分の考えや意見を述べるため、思考の深さ(思考体力)と速さ(思考スピード)が求められるのです。

思考力の重要性をお伝えするために就活を以下の3段階に分けて見ていきます。

まず第1段階は、選考に参加する企業を選ぶための、自己分析や業界分析。第2段階では選考通過を目指し、ES・WEBテスト、面接・GD・ジョブ対策を行い、第3段階となる内定後には入社先を決めなければいけません。

この選考の参加前・参加中・終了後という3つのポイントで共通しているのは、大量のアウトプットが求められることです。ESや面接では「なぜこの仕事をしたいのか?」「他社ではなくどうして◯◯社なのか」、GDでは「この会社の成長戦略は?」など、「Why(なぜ)という問いを繰り返し、それに対して答えを出す」ということを何度も行わなければいけません。

この抽象的かつ曖昧な問いの答えを導き出す力は、一朝一夕には身につかない上に、予想外の追加質問や深掘りがされる可能性もあり、事前に準備した答えだけでは乗り切れません。そのため、こうした正解のない問いに対して自分なりの答えを導く「思考力」を磨く必要があります。

SECTION 3/4

短期ではなく、長期インターンだからこそのメリット

⸺思考力が必要なことは分かりましたが、短期インターンでも思考力を磨く経験はできると思います。短期と長期はどう違うのでしょうか?

青山:短期インターンでも新規事業を提案したり、企業課題の解決策を出したりして思考力を磨く経験はできます。しかし、短期と長期で得られる思考力は、皆さんの想像以上に大きな差があります。

長期インターンは、契約書を結び、3カ月以上、給与が発生する形で実際のビジネスの場で働くものを指します。お客さんの立場ではなく、日々業務を実践して成果を出すことが求められ、社員に近い立場です。任せてもらえる仕事の裁量はスキルやポジションによって異なりますが、最初は社員の仕事の一部を任され、数か月後には社員同等の仕事を任せられる場合もあります。

一方、短期インターンの多くは無給で、参加学生は社員の一員というよりは、お客さんに近い立場で扱われることも少なくありません。賞金有りや有給の短期インターンはほとんどありません。そもそも企業が短期インターンをおこなう主な目的は、早期に優秀な学生と会い、自社をアピールすることで、新卒採用の選考・内定に直結させることにあります。

お客さん視点で1日〜1週間前後机上でビジネスに向き合うのと、社員の視点で3カ月以上実際に事業に携わるのとでは、得られる力に歴然とした差があることがわかります。

⸺長期インターンで、長い期間ビジネスに向き合うことでどのような思考力が磨かれ、どのような場面で活きるのか、具体的に教えてください。

青山:第一に、長期にわたって業務を担うことで、PDCAを回す力がつきます。課題の発見から解決策の仮説立て・実行をし、結果を考察してさらなる改善を図るという一連のプロセスを、実際のビジネスの場で日々取り組むことができるからです。

PDCAを回す力は選考対策のみならず、大学の研究や新卒入社先で働く際にも必ず活きてくる力です。

また、社員と一緒に働くことで、机上の空論ではなく現実の事業運営を理解した上で、実現可能性を加味した案をGDや面接の場で出すことができます。

もちろん、短期インターンを否定しているわけではありません。企業理解を深めることができますし、内定に直結する短期インターンの場合は、特に参加すべきです。しかし、有給で業務の実践で得られる質の高いアウトプットやスキル、PDCAを回す経験は、長期インターンだからこそと言えます。

SECTION 4/4

いざ、長期インターンの募集に応募。選ぶ際のポイントや面接で聞かれることは?

⸺インターン先の企業を選ぶ際のポイントはありますか?

青山:長期インターンをなぜするのか、はじめに目的を明確にすることがポイントです。

長期インターン先を選ぶ際のステップ

  1. 目的を決める
  2. 選社軸を決める
  3. 一社ずつ見て判断する

3カ月以上にわたって貴重な学生生活を投資するため、自己分析をして、現時点からどのように成長したいのか、何を得たいのかクリアにしていくことが重要です。

学生の方からよく聞く3つの目的と、企業を選ぶ際の判断軸を紹介します。

1.「学生時代の実績がほしい」

判断軸は、裁量権です。裁量権については、求人に載っている場合もありますが、企業や社内ポジションによって大きく異なります。どのような実績がほしいのかに応じて適切な裁量権がある場所を選ぶことが重要です。

2.「学生時代にしかできないことをしたい」

判断軸は、就職のしづらさ・事業の希少性です。具体的には新卒採用をしていない、もしくは社会人でキャリアを積んだ後も入社しにくい団体、その事業に取り組む企業が少ないという特徴もあります。例えば、NPO・NGOや財団などが挙げられます。

3.「仕事の基礎体力をつけたい」

判断軸は、同じチームで働く人や上司がどのような経歴・バックグラウンドの人が多いのかという点を見ていきます。

例えば学生中心というように、経験値や専門性が低い人が集まる職場よりも、幅広い事業に携わってきた上司や多種多様な専門性を持った人が集まる職場であれば、得られる知見や視点、キャリアの広がりも変わってきます。

皆さんにとっての「良い会社」を見つけるために、長期インターンをはじめ、会社の中に入って観察することの重要性は、「【Goodfind創業者】優良成長企業の見分け方」でも説明しています。ぜひ読んでみてください。

⸺長期インターンでは、就職活動と同じように選考過程があると思いますが、どのような点が見られていますか?

青山:選考過程で実施する面接は、就活と比べて少なく、1〜2回の企業が多いです。

面接で見ているのは能力面とコミット(勤務期間・頻度)量です。能力は、成果を出せるようなスキル・マインド・ポテンシャルを持ち、入社後に成長して会社に貢献できるかという点をみています。コミット度合いは、企業の求める勤務期間や頻度を満たしているかを見られます。

また、面接時には学生のやりたいことやできることと、企業が任せたい役割(仕事内容)がマッチしているのか、業務や事業について学生が理解しているのかも確認しています。

長期インターンは、多くの時間を投資した分だけ、多くの仕事が経験できますし、裁量あるポジションなどのチャンスを手に入れることにもつながります。

Goodfindや、Goodfindの姉妹メディア「Intern Street」では、長期インターンの紹介もしているので、ぜひ覗いてみてください。

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