EVENT REPORT
商社、コンサル、事業会社、ベンチャー。別々の進路を選んだ4人の就活座談会
商社、コンサルティングファーム、事業会社、ベンチャー。異なる業界、職種で働くそれぞれの先輩が入社後、どのように成長を実感しているか、気になりませんか? 今回は、入社2〜3年目の異業種で働く4人の社員の方に集まってもらい、入社の決め手やその後の成長実感をテーマに座談会を開催。全く異なるように見えて、実は共通点もある、4人それぞれのキャリア選択と成長に迫ります。
SPONSORED BY 株式会社リクルート、株式会社野村総合研究所、セーフィー株式会社、住友商事株式会社
話し手
三枝 祐樹
株式会社リクルート
中途マーケティングユニット AirWORKマーケティングG
齊藤 天音
株式会社野村総合研究所(NRI)
コンサルティング事業本部 経営コンサルティング部 コンサルタント
巽 遼太郎
セーフィー株式会社
営業本部 第2ビジネスユニット ソリューションセールス第3グループ サブグループリーダー
岩田 万里奈
住友商事株式会社
HRソリューションズ部
SECTION 1/5
最初に見ていた業界に進んだ2人、異なる業界に進んだ2人
⸺はじめに就職活動について、就活軸と最初に見ていた業界を教えてください。
リクルート 三枝:私は、将来的に自分自身で事業作りをすることを見据え、事業を伸ばせる力がつくかどうかを企業選びの軸にしていました。当初は、コンサルティングファームや事業会社、GAFAMなど広く見ていましたが、自身で事業作りをする際、そのまま活かせそうな経験ができ、早期に学べる環境はどこかを考え、自社で事業・サービスを展開する会社に絞っていきました。
大学時代から何か事業を作りたいと思い、エンジニアとして4つほどサービスをリリースしましたが、正直あまり上手くいかず。事業の成功確率を上げるためのスキル・ナレッジが得られる、「ヒト・モノ・カネ」が潤沢に揃っていて、質の高い事業作りが学べそうな企業を見ていました。
NRI 齋藤:私は自分の性格的に向いているのではと感じてコンサルタント職に興味を持ちました。
サークル活動で合唱団に所属していたのですが、議論がまとまらない時に客観的立場で当事者同士の話を整理し、その場をまとめる役割を担うのが好きだったんです。こんなことを仕事にできないかと思い、見えてきたのがコンサルティングファームでした。また、意思決定のスピードの速さも就活軸にあり、ベンチャーも並行して見ていました。
⸺巽さんと岩田さんは、現在の業界と最初に見ていた業界が異なりますが、どのようなきっかけで他の業界に目を向けられたのでしょうか。
セーフィー 巽:私はサマーインターンの時期までは外資系の戦略コンサルを見ていました。しかし戦略立案だけでなく、実行までできた方が、自分のモチベーションにつながりそうだなとサマーインターンで感じ、それ以降は事業会社を見るようになりました。
就活軸は、事業の拡張性です。日本社会は少子高齢化などによる国内需要の減少が避けられないため、海外需要を取り込むことがこの先重要になると考えました。そこで、海外でも戦えるような0→1の事業をしている会社を探しました。
住友商事 岩田:私は工学部の都市計画専攻だったので、最初は安直に不動産業界を見ていました。しかし、就活を進めるうちに「学ぶ」と「働く」は異なると気づいたんです。幅広い仕事に目を向ける必要性を感じ、多様なビジネスを扱うコンサルや商社に目を向けるようになりました。最終的に、私の強みである英語を活かすために、海外で働く機会が多いという点で総合商社に絞りました。
⸺皆さん特定の企業に固執することなく、柔軟な思考と広い視野を持っていたんですね。
SECTION 2/5
事業、人、自由度、スピード感。それぞれ異なる入社の決め手
⸺就活中に見ていた業界を変えた巽さんと岩田さんは、最終的にどのように入社先を決めたのでしょうか。判断軸を教えてください。
セーフィー 巽:決め手は事業内容でした。セーフィーはクラウド録画サービスを開発し提供しているのですが、似たようなサービスは世界的に少なく、その独自性に魅力を感じました。また、業界特化ではなく、飲食や小売、建設等幅広い業界で導入されているため、様々なお客様と接点を持つことができ、多種多様な課題を解決できる点にも惹かれました。
住友商事 岩田:私は「人」です。仕事を「やらされている」という感覚で働きたくないという思いがベースにあり、仕事を「楽しめる」環境として最も重要なのは一緒に働く「人」であると考え、最終的に社員の方を見て入社先を決めました。
住友商事での選考過程では、20〜50代までさまざまな事業に携わる方とお話する機会がありましたが、特に面接において、大学での研究などの話を非常に興味を持って聞いてくれたのが印象的でした。多くの就活生がいる中で一個人に対して、丁寧に対応してくださる社員の姿に心惹かれたのも大きかったです。
⸺齋藤さんの決め手も、「人」ですね。
NRI 齋藤:私は最終的にコンサルとミドルベンチャー、どちらも内定をいただき、5年目の先輩を見たときにどちらに憧れるかという観点を重視しました。結果、社会課題に対して自分なりの仮説を持っていたNRIの社員の方に惹かれたのが入社の決め手でした。
よくよく話を聞いてみると、そのような社員がいるのはキャリア選択の自由度が高いからだと思いました。NRIは手を挙げてプロジェクトに参加したり、自らプロジェクトを作ったりして社員それぞれが抱く課題感を追求できる環境があるんです。だからこそ、入社年次に関わらず、全員が自分なりの社会課題に対する仮説を持って仕事をしているのだとわかりました。
リクルート 三枝:私も内定が出たリクルートともう1社、双方の3〜5年目の社員の方にお話を聞いて意思決定しました。最終的な判断軸は、裁量権の規模感、社会課題に対する影響の大きさ、マネジメントレイヤーまで上がれるスピードです。
業界No.1の事業領域を多数有し、挑戦を促し失敗を許容するリクルートだからこそ、裁量権を持って社会的インパクトの大きい仕事をしている方や、成功だけではない多様な経験をしている方が多く、成長観点でも魅力的に映りました。
⸺就活中に自分で見て感じたことを大切にして入社先を決めていますね。
SECTION 3/5
成長を感じるところは意外にも似ている?
⸺次に入社後の成長実感について伺います。入社2〜3年目の皆さんが仕事を通して身につけた力を教えてください。
リクルート 三枝:物事を構造的に把握する力です。市場分析の際や、多くのステークホルダーと会話する際などさまざまな場面に適用できる能力だと思います。
入社時は「事業を伸ばせる力を身につけたい」というふわっとした考えでしたが、週に2回上長とテーマを絞らずなんでも話せる「よもやま」と呼ばれる時間に、構造的に捉えることの重要性や、スキルとしての伸び代についてフィードバックを受け、自身が伸ばすべきスキルを設定できました。日々のプロジェクトでもその部分を伸ばせる業務にアサインしてもらっています。
リクルートには、密に上司と話すカルチャーがあり、目指したい姿と現時点とのギャップから、足りないスキルについて会話し、伸ばすための機会を与えられることもあれば、自ら掴みにいくこともできます。常に自分が背伸びしてどうにか届くくらいのミッションに挑み続けられる環境はとてもありがたいです。
セーフィー 巽:リクルートさんの社員に対する向き合い方がすばらしいですね。成長が促進されそうだなと感じました。
私が仕事を通して身につけられたなと思う力は「調整力」です。三枝さんが言っていた構造化に似た部分があると思います。目の前の案件をスムーズに回すために、調整が必要な項目を洗い出し、全体の工数ができるだけ少なくなるような方法を選択しなければなりません。この1年様々な案件を担当したことで、その「調整力」が鍛えられたと思います。また、会社のコーポレート予算にも反映される営業予算の策定も関係部署と調整しながら行いましたが、ここでも調整力が養われました。
住友商事 岩田:私は人事として、社内の様々な人とコミュニケーションをとりながら、それぞれの立場で物事を多角的に捉えるスキルが身につきました。
国内外の社員5000人の人事異動のオペレーションを回しているのですが、そのためには会社の戦略をトップマネジメントの視点から理解することが重要です。今後どの事業に注力し、逆にどの事業から撤退するのか、自社のビジネス全体を俯瞰的に把握し、人事に反映することは難しいのですが、成長を感じる部分です。
同時に、経営層や社員に対する説明も求められるため、コミュニケーションの方法も磨かれました。社員には詳細まで丁寧に、経営層には結論や課題から話すなど、聞き手によって伝え方も変えるよう意識しています。
NRI 齋藤:私はお客様にとって何が一番価値になるのか、そのために何をすべきなのかという点を考えられるようになりました。
以前は、MECEできれいに整理された資料を作成していました。しかし、その資料を提示してもお客様が意思決定できないことがわかりました。お客様との議論が進む価値ある情報を提供できていなかったんです。
そこから、お客様に意思決定してもらえる資料を作成しようという目的思考で自分のタスクを棚卸しできるようになりました。岩田さんのお話にもありましたが、お客様の立場によっても、求められる資料や議論の進め方が全く異なるので、非常に共感できます。
⸺人を動かし、事業を進めるために必要な力について共通して成長を実感している点が特徴的です。
SECTION 4/5
この企業ならではの仕事の面白さをかみしめる
⸺入社2~3年目の現在の仕事の面白さと今後目指したい目標や、今後取り組みたいことを教えてください。
NRI 齋藤:コンサルタントとしての仕事の面白さは、お客様の意思決定を促すところまで考えつくす点です。根本的な悩みや問題の論点を突き詰めて考える人には、すごく向いている仕事だと思います。
また、調査・分析からミーティングのファシリテーションまで、若手のうちから担当領域を自分でリードする役割を求められることが多く、「何がお客様にとって価値になるか」を考えつくす難しさと面白さを同時に感じています。
現在、人事設計を担当していますが、将来的にはAIなどの技術分野をかけ合わせて、日本で暮らしている人たちがいきいきと働くための提案ができないかと考えています。
セーフィー 巽:私は、セーフィーのプロダクトを販売してくださる代理店さんとの納期調整や質問対応をしているのですが、代理店さんと連携して大きなプロジェクトを動かせる点に面白さを感じています。代理店さんと一緒に戦略を考え、自社の力だけでは辿りつかない顧客へ提案し売り上げを立てるなど、一人では到達できない目標を目指すことができるんです。また、今年1月から営業グループのサブリーダーを担っていて、マネジメントの難しさを感じていますが、初めての経験なので学びがあって新鮮です。
今後は営業だけでなく企画、開発なども経験してみたいなと考えています。各部署の視点を持ちながら会社全体を俯瞰し、部署間をスムーズにつなぐことのできるようなブリッジ人材になりたいです。
リクルート 三枝:私はSaaS、HRプロダクトであるAirワークとIndeedのマーケティングチームリーダーとして、toB向けの総合マーケティングを担っています。その面白さは、なんと言っても社会に与えるインパクトの大きさです。
何十億円という投資戦略の検討や意思決定を任せてもらっている分、難易度は高く、責任も大きいですが、自分で企画提案したマーケティング施策が成功し、多くのユーザー獲得につながり、結果として自社の事業成長だけでなくその先のクライアント企業の経営支援に寄与できる。そこに大きな手ごたえを感じています。
自分が担える事業範囲が徐々に広がってきたので、今後は事業単体だけでなく、リクルート全社での売り上げ貢献、その先の社会への価値提供を目指していきたいです。
住友商事 岩田:私は社員5000人の異動や社内公募制を取り仕切る中で、社員一人ひとりのキャリア形成の一助になれているというやりがいを感じます。経営層視点から、自社の広いビジネスの潮流を捉えながら人事を考えるという点も学びが多いです。
当初は営業職を希望していたのですが、今の仕事の面白さに気づき、現時点では人事の道を極めていきたいと考えています。
SECTION 5/5
興味を広げ、何をしたいのか見極めよう
⸺最後に就活生の皆さんへメッセージをお願いします。
住友商事 岩田:就活はゴールではなく、スタートだと思います。今の時代、新卒入社後、60〜70年ほどキャリアが続いていくと思いますので、そのキャリアをどこから始めるのか、意識して就活してみてはいかがでしょうか。
就活の期間は、自分を客観的に見つめるいい機会だと思うので、何をしたいのか、なぜ働くのか、考える時間を大切にしてほしいです。
NRI 齋藤:私は就活中に、自己分析や社会人の方との会話で、やりたいことがより明確になりました。今後楽しく働き続けるためにも就活中の行動は重要です。内定獲得にとじずに将来どうなりたいのか、考える期間と捉えると就活を頑張れるのではと思います。
リクルート 三枝:ぜひ自分軸で会社選びをしていただきたいです。年収やネームバリューよりも、最終的に自分が何者になりたいのか、何にワクワクするのかで選ぶことが仕事へのモチベーションにもつながりますし、モチベーション高く働くことは結果的により早く成長することにつながると思います。
セーフィー 巽:就活中は、自分が人生で本当に成し遂げたいことをじっくり考えられる期間だと思います。もちろん新卒入社後も考える時間はありますが、社会人なのでそのことだけにどっぷりと時間を使うことはできません。とにかく興味を広げ、その中で自分は何をしたいのか見極める時間にしてほしいです。
⸺皆さん、自身の入社先について広い視野を持ちながら、将来のなりたい姿、今後の社会動向を見据えて新卒の入社先を決め、現在の仕事に熱中していることが伝わってきました。本日はお忙しいところありがとうございました。
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