COLUMN
京大卒業生50人アンケート!就活・転職・キャリアのリアル

現在、様々な場所で活躍されている京都大学卒業生50人に、就活や転職の経験、京大の思い出などに関するアンケートを行いました。「就活の時やって良かったこと」「学生時代、これだけはやっておけ」など“今だから言える”生の声が盛り沢山です。就活やその先のキャリアを考える際の参考になれば幸いです。
【調査概要】
アンケート期間:2025年6月20日~7月7日
回答者:1989年卒~2026年卒(予定)の京都大学・大学院卒業生50名
回答者記載方法:卒年・現在のお勤め先・お名前(ペンネームもしくはイニシャル)
【謝礼あり】読後アンケートご協力のお願い(計6問・所要時間1〜2分)
SECTION 1/6
京大生の就活|企業選びで重視したことと入社の決め手
就活をするときに迷う人も多い、「いつから始めるか」「何を重視して企業を見るか」「入社先をどう決めるか」の3点について、京大卒業生に聞いてみました。
就活の開始時期

就活開始時期は「学部3年・修士1年の春」が約40%と最も多く、同年夏までに約60%の人が就活を開始していました。サマーインターンの時期から動き始めた人が多かったようです。一方で、途中まで博士後期課程進学を予定していたために、就活開始が修士2年の夏以降になったという回答もありました。
企業選びで重視したこと

次に「企業選びで重視したこと」を3つまでの複数回答可で聞きました。最も多かった回答は「社風(組織風土)や社員の人柄が合う」(48%)、次いで「事業への興味・関心」(44%)という結果に。カルチャー面のフィットや事業領域への関心を重視する人が4割を超えました。
他にも「成長環境・市場価値を高められる環境」「給与」が20%を超えましたが、一方で「長期的なキャリアイメージ」や「ワークライフバランス」への回答は6~8%と少なく、長期的なビジョンを就活時点で想定している人は少なかったのかもしれません。
新卒入社先の決め手
新卒での入社先を選んだ決め手に関しては、様々な観点から意見が集まりました。
〈入社先の決め手①スタートアップ・ベンチャー〉
- 【TRUST SMITH社】大手の内定ももらったが組織の歯車感があり自分が働く必要性を感じられず。少人数で事業に興味の湧くAIスタートアップに入社した(RENATUS ROBOTICS社 T.Dさん)
- 【JMDC社】医療データの領域に将来性を感じた。また、希少性の高い人材になりたかったから人と違う会社を選んだ(21卒、EYストラテジーアンドコンサルティング社 S.Oさん)
- 【MIXI社】雰囲気が良かったのと、役に立つものよりは役に立たないけど面白いものを作った方が面白いかなと思ったので(18卒、メルカリ社 ぬさん)
〈入社先の決め手②大手企業〉
- 【時事通信社】マスコミに特化して就活した。後々転職も考えていたので、広く社会を見渡せる報道の仕事は最初の選択肢としてベストだと考えた(15卒、スローガン社 Y.Tさん)
- 【伊藤忠商事】ベンチャーと迷ったが、海外という自分にとって未知のチャレンジや、非資源領域で手触り感のあるビジネスに関われる可能性が高いと感じたため(13卒、MBSイノベーションドライブ社 T.Kさん)
- 【SMBC日興証券】リクルーターの優秀さ。環境が大きく変わらないコンビクションが持てたので、同じ成長機会を取れると想定した(21卒、SMBC日興証券 T.Yさん)
- 【王子エンジニアリング社】新規事業として自分の専攻分野に関係する事業を直近で立ち上げており、その分野で人員を募集していたから(16卒、GEAジャパン社 T.Yさん)
〈入社先の決め手③コンサル・シンクタンク〉
- 【コーンフェリージャパン社】他にも内定していたが、働く環境を整える事業と、少数精鋭で専門知識を学べる成長環境と、心理的安全性が高い社風が魅力的だったから(26卒、E.Tさん)
- 【三菱総合研究所】業界横断の経験を積み、自身の市場価値を高められると思った。また、若手でも新規事業開発に携われることが魅力的だった(22卒、Hacobu社 H.Iさん)
SECTION 2/6
転職は当たり前?卒業生に聞くキャリアチェンジの実際
雇用の流動化が進み、転職が珍しくない時代になりましたが、就活時にはなかなか見えない部分も多いでしょう。京大卒業生に転職経験や1社目の勤続年数、転職理由を伺ったところ、リアルな声が集まりました。
転職経験

6割以上が複数社を経験しており、半数が6年以内に1社目を退職して転職しています。新卒から継続勤務中の多くが大手や官公庁勤務で、約半数が新卒1~5年目、もう半数が6年目以上の方でした。「入社しても転職しているので、内定先が全てではない」(16卒、GEAジャパン社 T.Yさん)という回答もありました。就活をしていると目の前の面接や選考に集中してしまいがちですが、一歩引いた視点で考えることも大事なのかもしれません。
転職理由
転職や独立を経験された方に、それを決断した理由を伺いました。
- 会社員では自分の達成したい暮らしができないと感じたため独立を選んだ(19卒、自営業 ariさん)
- 今後のキャリアを見据えたときに、早い段階でもう一歩成長しておきたいと思ったので(HERP社 Sさん)
- 時代の最先端に飛び込んでみたかったので(15卒、本田技研工業社 ゴイゴイス京都さん)
- モノを扱うすべての業界にインパクトを与える、物流というドメインの面白さに魅力を感じた(22卒、Hacobu社 H.Iさん)
- 代表の人柄に信頼がおけること。その代表が集めている人とであれば、挑戦的な目標にも向かっていけると思った(15卒、sincereed社 H.Iさん)
- PL/BSの活用が求められる環境であること。また放送局における新規事業創出という難易度の高いテーマに魅力を感じたから(13卒、MBSイノベーションドライブ社 T.Kさん)
SECTION 3/6
今勤めている企業の魅力
新卒から継続して同じ会社に勤めている方と、転職を経験された方の双方に、現在勤めている企業について魅力に感じるポイントを伺いました。
- 立場や考えが異なる人を説得し物事を進める環境。結局仕事は人との関わりで進むものなので、その根本を経験できる(23卒、厚生労働省 うどんさん)
- 自分の会社なので何でも好きに決められる。AIとペットが面白いからその領域でビジネスを始める、といった意思決定ができる(16卒、Lab K9社 木村さん)
- フリーランスは、新しい刺激が欲しい人や飽きっぽい人にオススメ。案件によってはまったく違う業界を経験することができます!(16卒、フリーランス Y.Sさん)
- 企業の社会貢献性が大きく、自分の開発した技術が世の中で使われ多くの人を幸せにしてることを実感できる(15卒、日本製鉄社 K.Tさん)
- スピード感の速さ。意思決定がとても早い会社なので、新しいことにどんどんチャレンジすることができる(21卒、Copia社 J.Hさん)
- 信頼できる人たちと社会課題にまっすぐ向き合える環境は、何よりも価値がある(12卒、HERP社 fabichiroxさん)
SECTION 4/6
就活で「やってよかったこと」「やればよかった後悔」
就活で「やってよかったこと」と「やればよかったこと」を聞いたところ、就活序盤の自己分析や企業研究を中心に様々な声が集まりました。
やってよかったこと
〈①自己分析〉
- 自分の選択を1ミリたりとも他責にしないと言えるくらいに自分の意思決定について考え抜くこと(17卒、HERP社 873さん)
- 自分の軸に素直になるための自己分析。周囲への見栄や期待で選択をブラさないようにすること(15卒、sincereed社 H.Iさん)
〈②企業研究〉
- 就活開始時にそこまで興味がない業界でもとりあえず選考を受けること。様々な企業の話を簡単に聞くことが出来る貴重な機会。就活終盤になって良さに気づくこともある(22卒、Hacobu社 H.Iさん)
- サマーインターンでベンチャーから大手まで幅広く見たこと(16卒、スローガン社 C.Iさん)
- 社内での独自性を保てるかどうかの視点が大事だと感じる。評価、給与、昇進に大きく関わる。独自の主張をしていたためか、入社式答辞代表の指名を受けた(25卒、ソフトバンク社 S.Iさん)
〈③就活準備〉
- 長期インターンシップで、会議やディスカッションの流れをしっかり身につけておいたこと。また、学部時代に1度就活をしておいたこと。院では早い段階から就活を始められ、サマーインターンの経験や企業の見極めも行うことができた(25卒、Speee社 T.Yさん)
- できるだけ早い時期から動いて一次情報を集めたことで「自分はこういうことには興味ないんだな」ということに早く気づけたこと(RENATUS ROBOTICS社 T.Dさん)
〈④その他〉
- 研究は真面目に取り組んでいれば、それはそれで面接で話せるエピソードにはなる(16卒、GEAジャパン社 T.Yさん)
- 就活仲間ができたこと。就活中に情報交換できたのはもちろんだが、社会人になってからも定期的に集まっている(14卒、atama plus社 Aさん)
やればよかった後悔
〈①自己分析〉
- 就活当初の自己分析は相当表面的なものだったと思う。自分の関心や得意なこと、問題意識などにもう少し目を向けていたら、さらに選択の幅は広がったかなと思う(15卒、個人事業主 T.Nさん)
- 過去の原体験ではなく、未来に対する自分のゴールイメージをもっと具体的にしておけばより鮮明な軸や選定基準が作れたと思う(21卒、Copia社 J.Hさん)
〈②企業研究〉
- 公務員1本に絞るのではなく、優良な大手企業も調べて検討しておけばよかった(14卒、埼玉県庁 F.Yさん)
- 研究職以外の働き方を視野に入れておけば良かった(16卒、フリーランス Y.Sさん)
- 自分には向いていないと思った業界も見ておけばよかった(26卒、アセットマネジメントOne社 D.Aさん)
- 会社ごとに人材のカラーは全く違う。就活の時はミッションなどあまり見ていなかったが、書いてある内容に違和感があればやめた方がいい(25卒、ソフトバンク社 S.Iさん)
- ミーハー心ではなく自分が行きうる会社のインターンに行けばよかった(20卒、PayPay社 かべさん)
〈③就活準備〉
- もっと企業規模の大小問わず、多くの業界の多くの社会人と話せばよかった。立場関係なく受け入れてもらえる最上の機会なので(17卒、HERP社 873さん)
- インターン等、長期で就業体験ができるうちに色々経験すれば良かった。名前や事業内容など自分が知らないものでも、実際経験してみると興味関心の幅が広がるため(HERP社 Sさん)
〈④その他〉
- 選考に進まない企業や内定辞退した企業などに不義理を働いてしまったこと。入社後に付き合う会社であることがあり得るため、うしろめたさを感じない生き方をすべき(25卒、Speee社 T.Yさん)
SECTION 5/6
現役京大生へ、これだけはやっておけ!
最後に、京大卒業生から現役京大生の皆さんへのメッセージをご紹介します。もし就活や人生の選択に迷った際は、先輩からのエールとして受け取っていただければ幸いです。
- 「いま情熱を燃やせる、自分1人ではちょっと難しいこと」に100%で向き合って活動すること。本気で何とかしようと考えて取り組んだことはゆるぎない糧になる(25卒、Speee社 T.Yさん)
- 後で振り返った時に“学生時代にこれをやった”と言えるようなことを見つけて真剣に取り組んでみてほしい。ただなんとなく4年間を過ごすのは京大ではもったいない(14卒、大手新聞社 ウパさん)
- 堕落から研究まですべてやりつくす。人間としての極致の両端を経験する(17卒、HRソリューションズ社 OSさん)
- 多くなくていいから、好きな大人に人生の話を聞くこと(14卒、社会福祉協議会 C.Tさん)
- フリーランスで生計をたてている同級生もいるので、サラリーマン勤めがすべてではないとあまり気負わずに就活すること(16卒、GEAジャパン社 T.Yさん)
- 友達との無意味で非生産的な時間を過ごすこと(15卒、住友商事 Y.Oさん)
- 興味ある授業はとりまくって、色んな人と遊んで、とにかく自分の好奇心にしたがって大学を遊び尽くしてほしい(21卒、朝日生命保険 K.Iさん)
社会に出てから改めて感じる京大の良さや京大生だった時にやっておけばよかったと思うことなど、卒業生からの声が沢山集まりました。長期インターンやキャリアを考える機会なども含め、Goodfindでは就活をサポートする様々な情報を提供しています。ぜひ選考準備やエントリーにお役立てください。
SECTION 6/6
〈番外編〉京大生時代の思い出
京大生の天才・変人エピソード
今回のアンケート回答者の方が京大生だった頃に、周囲の人に驚いたエピソードを募集してみました。皆さんの周りにはどのような人がいるでしょうか?
- 一人称が吾輩
- 留年した人が周りにいっぱいいた(自分も)
- だいたいみんな、自分は普通で、周りは変なやつばっかりって思ってるところ
- 自転車の前カゴでニラを育てている人がいた
- 鴨川の水を飲み比べして、場所ごとに味と飲んだ後の体調の変化を記録している人がいた
- 孔雀を卵からかえして構内で育てていた人がいた
- 構内で、縄文人の格好をした方がイヤホンをして歩いておられた
学生時代によく行ったイチオシ飲食店は?
回答数上位をご紹介!

〈その他複数票入ったお店〉
出町柳の鳥貴族・紫蔵・ケニア食堂・ハイライト・ひらがな館・天下一品総本店・芥川
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