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【就活 最終面接対策】新卒の最終/役員面接に近づくほどに意識すべきことは?

「1次、2次は通過するのに、その先に進めない」「最終面接で何を話せばいいか分からない」⸺。こんな悩みを抱えている方は、面接官の着眼点を理解することが大切です。内定に向けて最終面接が近づくほどに意識してほしいポイントを、大企業からスタートアップまで、幅広い企業の採用プロジェクトに携わってきたGoodfindセミナー講師の松尾が解説します。

話し手

松尾賢人

松尾賢人

スローガン株式会社
新卒採用支援事業部 クライアントリレーションズ部門
リクルーティングパートナー チームリーダー

SECTION 1/4

最終面接・役員面接のポイント「一貫性」

そもそもなぜ、企業は何度も選考面接をするのでしょうか。それは、回数を重ねることで複数人の視点で評価をすり合わせているからです。採用はみなさんと企業の将来を左右する大事な活動なので、評価ポイントのズレや相性といった面接官由来の要素を極力取り除いた状態で判断しようとしています。

1次面接も最終面接も見極めるポイントは大きく変わりませんが、内定前の面接だからこそ意識してほしいポイントが2つあります。

1つ目は「一貫性」です。

1次〜最終面接で話す内容がコロコロ変わっていませんか? 1次面接で見せる自分と2次面接で見せる自分を極端に変えるのはやめましょう。

序盤の面接で話したことは、基本的に次の面接官に共有されており、その場しのぎで発言を変えていくと不審に思われたり、就活の軸がぶれた一貫性のない人だと思われたりするからです。

もちろん、就活中に軸や将来像に変化があれば、話す内容が変わることもあると思いますが、そうでなければ、前回の面接と同じような質問を投げかけられても、同じことを答えて大丈夫。どの段階の面接でも自信を持って話せる、自身の就活軸に紐づいた志望動機を伝えましょう。

SECTION 2/4

最終面接・役員面接のポイント「深まり」

2つ目に意識してほしいのが自身の発言の「深まり」です。

事業や社風に関して面接で話す際、最終で話した内容が一次と同じ粒度であれば、企業理解が進んでいない印象を持たれてしまいます。特に志望動機は、企業を知れば知るほど、伝える内容に深まりが出てくるはずです。

最終面接に近づくほど、小手先でその場を乗り切ることはできません。特にその企業に対する志望度の高さや本気度が見られているからです。企業理解が進んでいなければ、思考の浅い抽象的な発言しかできず、志望度や本気度が低いと受け取られてしまいます。

面接官の質問に対して、しっかりと話せるか、アピールできるかという視点で答える内容を考える前に、企業や業界を十分に理解できているか、あらためて確認することをお勧めします。

企業理解を深めるためのチェックリスト

 ①セミナーに参加する

 ②社員と直接話す機会をもらう

 ③企業の就活記事を読む

 ④企業が取り巻く業界を「業界地図」で見る

 ⑤創業の経緯、社長の経歴に注目して、企業HP、採用サイトだけでなく「社長名_インタビュー」「社長名_経歴」で検索する

 ⑥ミッションを深く知るために社長が執筆した書籍を読む

 ⑦事業構想を理解するために、決算資料、中期経営計画を読み解く

また、企業理解の深まりが自然に面接官に伝わるのが逆質問です。後半の面接になるにつれて、部長や経営者が対応することが増えます。上位役職者や経営者は、一つの部署ではなく企業、業界、社会全体と10年後、20年後の時間軸を見ていて、今だけに視点を留めていません。面接を重ねるごとに企業理解が進んでいれば、経営やビジネスに対する理解も増して、今後のビジョンや取り組み、若手に期待することなど、経営側の視点を踏まえた筋の良い質問をすることができます。

SECTION 3/4

面接官の質問意図とは?新卒採用の判断軸は能力と相性

最終面接で大切なポイントとして「一貫性」と「深まり」についてお話しましたが、前提として全ての段階の面接において採用すべきかを判断するために見られているのは基本的にたった2つ。「能力軸」と「相性軸」です。

それでは面接官の意図を探るための2つの軸とは何かを見ていきましょう。「能力軸」は、その人が企業でどのような活躍ができるか、「相性軸」はその人が企業に合っているのかを確かめるものです。2軸に基づき面接官が具体的に確認していることの一例を紹介します。

【能力軸】

  1. 多面的思考
    常識に囚われず多面的に思考し、自分なりの答えを導き出す力
  2. ロジカルコミュニケーション
    結論・因果・構造を踏まえて周囲を動かす力。瞬発力もあるとベター
  3. 逃げずにやり切る力
    困難や逆境で逃げ出さず、最後までやり切る力
  4. ポジティブ能動力
    できない理由よりも先に楽しむことを考え、能動的に行動する力
  5. 吸収変化力
    人からの助言や失敗を受け入れ変化する力

【相性軸】

  1. ミッション共感
    会社のミッションと自身の人生がマッチしていること
  2. カルチャーフィット
    会社の社風と自分自身がマッチしていること

能力軸は、多面的思考やロジカルコミュニケーションなどのスキル、そして、逃げずにやり切る力などのマインドセットを示します。

面接官が確認しているスキルやマインドセットについて、裏付けられる自身の経験やエピソードを集め、話す内容を組み立てていきましょう。

例えば、「学生時代に力を入れたことは?」という質問。部活やサークルなどで培った力が仕事にどう活かせるのかという経験から得た学びの再現性が見られています。経験を話す時には、成果に加えプロセスを丁寧に話し、自身の持つスキルをしっかりアピールしましょう。例えば、自身で課題を発見し、要因を分析して努力するという一連の思考と行動を面接官に伝えることで、あなたが自律的に動く人であることをイメージさせることができます。

一方相性軸では、あなたの将来像や今後の働き方を探り、会社の果たすべき使命との相性である「ミッション共感」を確かめています。自己PRや、働く上で大事にしていることなどの質問を通して、社風との相性「カルチャーフィット」が見られています。

加えて、「将来何をしたいか」という質問では、会社とあなたの方向性の一致も大事ですが、就活において自身の希望に合う道筋を正しく理解し、選択できているかという点も重要です。「20代で事業責任者になりたい」と言っている人が、年功序列の企業を受けているとすれば、ちぐはぐな印象を持たれてしまいますよね。

就活での行動は本音として表れます。就活軸と将来像を照らし合わせた際、受けるべき企業を受けているか、あらためて考えましょう。一貫性やロジックがあることがポイントです。

就活軸を考える際、過去だけを振り返る自己分析をもとに自身の軸を作っていませんか? 過去ばかりを見て、業種や企業を選ぶことにつながる就活軸を設定してしまうと、なりたい自分とずれた選択をしてしまったり、将来像とかけ離れた道に進んでしまうこともあります。

自身の未来や企業・業界に関する新しい知識に対して、気になったところについて「なぜ気になったのか」を起点に過去を深堀して就活軸を作り、受けるべき企業を選択しましょう。

自分の将来像に近づくための方法をより詳しく紹介しているGoodfind Collegeの「幾多の成功者を見てきた講師が語る。直感を活かす就活戦略『自分コンセプト』」もぜひチェックしてみてください。

SECTION 4/4

本命の最終面接に向けて準備しよう

これまでのお話しから、最終面接に向けて不安を持った方にぜひ実践してほしい4つのアクションです。

代表登壇や業界研究セミナーに参加

    代表登壇のセミナーに行って、面接官である経営者の人柄を理解していると最終面接での心持ちが違います。競合企業のセミナーに行って、広い視野を持って理解を深めていれば面接の場で自然と質問も出てくると思います。Goodfindでもセミナーは開催中です。

一貫性があるか、思考が足りているか書き出す

    自身の選社軸や将来像、志望動機に一貫性があるのか、思考が足りない部分はないか振り返りを。その軸であるべき理由や将来像、志望動機に言語化できていないことはないか、ノートに書き出してみましょう。

抽象的ではない将来像を考える

    将来像を話す際には、抽象的になり過ぎないことが重要。具体的に話すとどうなるのか意識してください。今後変わっていくことがほとんどですので、現時点で思い描いていることを話せば大丈夫です。

面接の場数を踏む

    面接の場数が少ない人は見て分かりますし、取り繕ったり一貫性が失われたりするリスクが高まるため、友人と模擬面接をしたり、実践的なセミナーに参加を。ブレない自信は経験から生まれるので、企業を絞らず、面接の機会を逃さないようにしましょう。

補足すると、業界を知るためには業界研究セミナーや企業説明会で業界のことを話してくれるところもあり、そこからいかに情報を得るかが大切で「その企業に興味がない」というだけで退けるのは勿体ないです。

もちろん全てのセミナーに行くのは難しく、絶対に興味がない企業の説明会に行くのは意味がないと思いますが、視野を広く持ち、「情報を得るチャンス」はなるべく逃さないほうがよいと思います。

面接全体、そして特に後半で意識すべきポイントも押さえながら、本命の面接に向けて後悔がないようしっかり準備しましょう。

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