INTERVIEW
次世代の社会インフラを創出する。ラクスルが目指す日本企業の未来を切り拓く仕組みづくり

さまざまなビジネスモデルを理解することは、社会を構造的に捉え、企業の本質を見抜く力に直結します。今回は、海外MBAの最高峰が教材として取り上げる、ラクスルのビジネスモデルを徹底解剖。さまざまな巨大産業において、複雑に交錯する非効率を解消してきた「仕組みの変革」という根源的なアプローチと、次世代のインフラ創出を目指すプラットフォーマーとしての視座に迫ります。
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SPONSORED BY ラクスル株式会社
話し手
木下 治紀
ラクスル株式会社
執行役員
Marketing & Business Supply統括部 統括部長
SECTION 1/5
ラクスルは仕組みを変える会社である
⸺「ラクスル=ネット印刷サービス」という印象を持つ学生も多いですが、あらためて事業の実態について教えてください。
木下:印刷サービス事業を想起する方は多いと思いますが、実は私たちは印刷業に特化した会社ではありません。「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、あらゆる産業の課題を根本から解決すべく、ビジネスモデルの変革を推進してきました。
祖業の印刷サービス「ラクスル」と同じような非効率を抱えるBtoB領域へと事業領域を拡張し、物流業界(ハコベル)や広告業界(ノバセル)などに参入しています。
⸺さまざまな業界の変革を実現できている背景は何ですか?
木下:私たちの取り組みの本質は、「仕組み」を再構築し、根本的な課題を解決していくことです。身近な例として、Amazonによる小売業の変革が挙げられます。
Amazonと聞くと、何でも買える便利なサイトで消費体験を一変させた企業というイメージが強いかもしれませんが、もう一つの提供価値は、産業の裏側にある「仕組み」をテクノロジーで作り変えた点にあります。

通常のスーパーマーケットは、店舗を全国各地に分散・配置して店員を雇い、各店舗のターゲット層や消費ニーズに合わせて商品ラインナップを最適化することなどで経営が成り立っています。
対してAmazonは実店舗を持たずインターネット上に店舗を構え、大規模な物流倉庫にジャンルを横断した商品を集約して一括管理し、自宅に届ける配送網までを高度に自動化・効率化しました。既存の小売業のルールとはまったく異なる「新しいオペレーティングシステム(OS)」をゼロから構築することで、消費者の利便性を高めるだけでなく、小売業のあり方そのものを作り変えています。
Amazonが小売業の新しい仕組みを確立したように、当社もBtoBの領域で、さまざまなレガシー産業の仕組みの再構築に挑戦しています。
SECTION 2/5
海外MBAの最高峰も注目するビジネスモデル
⸺産業の仕組みを変えるラクスルのビジネスモデルは、海外MBAの最高峰とも称されるハーバード・ビジネス・スクールの教材として取り上げられるなど注目されています。具体的にどのようなものなのでしょうか?
木下:私たちのビジネスモデルは「デマンド(需要)×サプライ(供給)」「IT×リアル」という2つの軸で捉えられます。

一つ目の軸は、デマンド側とサプライ側の間に新たな仕組みを構築することで、双方に価値を提供することを指しています。
例えば印刷のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」では、チラシなどを作りたい顧客(デマンド側)と印刷会社(サプライ側)を、納期やコスト、印刷工場の稼働状況などに応じてマッチングします。
「ラクスル」を使うことで、デマンド側は最も早く安く発注できる印刷会社とのマッチングが成立し、調達に関わる工数を削減することができます。
一方でサプライ側にも大きな利点があります。従来の印刷業界は大手2社が約3万社の中小企業に外注する「多重下請け構造」で、中小企業の印刷機の平均稼働率は50〜60%にとどまっていました。「ラクスル」があれば案件獲得コストを抑えつつ、多重下請け構造に起因する利益の逼迫を避け、自社のリソースを有効活用することができるのです。

これまで進出してきた業界は印刷業界と同様に、多重下請け構造の問題を抱えています。物流業界では荷主と配送業者やドライバーを、広告業界ではテレビCMを出稿する企業とテレビ局をマッチングし、各業界の非効率を解消しています。
⸺同じ性質の非効率を抱える複数の業界で、需給双方の課題を同時に解決する仕組みを構築しているのですね。もう一つの「IT×リアル」という軸についても教えてください。
木下:市場規模が巨大でありながら構造的な非効率を抱える伝統的な産業を、テクノロジーの力でアップデートしてきたことを指しています。これはオンラインで完結するDXとは異なり、現場のリアルなオペレーションに対する解像度の高さによって実現しています。
例えば「ラクスル」の場合、印刷データが入稿されてから、断裁や梱包・出荷に至るまでの生産工程や、プロセス間のデータ連携などを自動化・効率化しています。これには、提携している印刷工場などに足を運んで実際のワークフローを深く理解し、標準化が可能な工程を探ることが欠かせません。
テレビCMの効果分析や可視化をツールとした「ノバセル」も、もともとは当社がテレビCMを効果的に活用し、売上急成長につなげたノウハウを事業化したものです。放映中に手動で検索数などを調べてExcelに落とし込むという従来型のオペレーションを一つひとつやってみた上で、自動化できるポイントを探ってきました。

こうしたリアルのオペレーションを含めた産業全体では、数百兆円規模のマーケットが広がっています。当社の仕組みを横展開していくことでより大きなマーケットをターゲットにし、社会に及ぼすインパクトを増幅していくことができます。
SECTION 3/5
日本経済の根幹を支える、次世代の「社会インフラ」へ
⸺独自のビジネスモデルによって複数の産業で構造を変革し続けた先に目指すものは何ですか?
木下:中小企業の経営課題をワンストップで解決する、テクノロジープラットフォームを構築することです。2025年には金融領域へ進出し、決済や資金繰りなど、財務面での仕組みの変革にも取り組んでいます。今後は中小企業の開業から成長・拡大、その後のさらなる発展までを網羅するBtoB領域のインフラを目指します。

現在の日本を支える産業の多くは、およそ100年前の国力や技術を前提に、当時の最適解として作られたものです。しかし、近年はテクノロジーの進化や労働人口の減少など、前提条件が大きく変化しています。当時のモデルのままでは、成長はおろか産業の維持すら難しくなる可能性もあるでしょう。これらの課題は特に日本の企業の約99%を占める中小企業にとって、より深刻なものとなっています。
⸺その大きな変化の中で、テクノロジープラットフォームはどのような役割を果たすのでしょうか?
木下:顧客のニーズを起点に産業を再編することで、経営のコストを下げ、生産性を高めていく役割を担います。
これまでの産業区分は「印刷」「広告」といったように、サプライ側の論理で縦に分断されていました。 しかし顧客側の視点に立てば、チラシを印刷するのも、テレビCMを出すのも、目的は「集客したい」という一点に尽きます。これまで産業軸でカテゴライズされていた事業展開を、顧客の目的に合わせて横串で統合することで、10人の仕事を1人で回せるような、高い生産性を実現したいと考えています。
これはAmazonが本の販売を皮切りに、多様な商材を扱う総合ECサイトへと変貌を遂げ、さらには音楽やサーバーなど消費者のニーズを満たすプロダクトを次々と提供しているのと同様です。私たちはテクノロジープラットフォーム構想を「BtoBのAmazon構想」とも称しています。

現在、時価総額上位に並ぶ企業は社会インフラとして大きな価値を創出してきました。今度は私たちがこれからの時代に不可欠な次世代のプラットフォームを確立し、日本を代表する企業へと成長する未来を描いています。
⸺この構想をどのように実現していくのでしょうか?
木下:「新規事業開発」と「連続的なM&A」の両輪です。社内には事業開発やエンジニアリングの強い組織があり、新規事業の立ち上げに必要な強い基盤が整っています。
さらにM&Aによって私たちにないリソースや顧客基盤を持つ企業と共創することで、数十億円規模の事業を生み出していきます。これまでにも「ラクスル」では梱包材や産業資材などに特化した企業を、「ノバセル」ではSNS広告に強みを持つ企業を仲間に迎え入れ、提供価値の幅を広げてきました。
またITとリアルの両面で産業構造を変革するには、ITだけでなく現場の改善ノウハウやロジスティクスの専門性も不可欠です。社内にはコンサルティングファームや大手IT企業、トヨタのようなメーカー出身者など、多様なバックグラウンドのプロフェッショナルが集結している点も、大きな推進力になっています。

SECTION 4/5
1兆円企業を目指す未踏の面白さ
⸺多様なバックグラウンドを持つ人材が集い、一定の事業規模を有する一方で、新卒にも事業開発を任せていると聞きました。その理由は何でしょうか?
木下:産業の構造改革には長い時間がかかります。組織が継続的に発展し、事業を拡張していくためには、若手が中核となり活躍することが必要不可欠だからです。
私自身も印刷事業でキャリアをスタートさせ、入社2年目で特定の商材のPL責任を負う部門リーダーを、4年目ではダイレクトマーケティングの事業責任者を務めました。6年目にはM&A先に取締役COOとして出向し、経営体制を一本化して売上を30億円から100億円へと成長させるなど、20代から大きな責任を担ってきました。

さらに現在は組織全体として売上1兆円を目指しています。当社の2026年7月期の売上は750億円を超える見通しで、創業期からここまでで生み出した成果を10倍以上にするフェーズに突入しています。ベンチャーのスピード感と、巨大な資本を使ってダイナミックに産業を動かす手ごたえを同時に感じられる、面白いタイミングだと思います。
⸺「新卒で事業開発」というポジションは他社でも増えてきていますが、ラクスルならではの特徴はありますか?
木下:ビジネスモデルや事業構想などを背景に、3つの特徴があります。

まず挙げられるのは、ビジネスモデル特有の難度です。これは、サプライとデマンドの両方をマネジメントする必要があるため変数が多く、かつそれらが相互に影響しあっていることから生じます。
ユーザー企業の利便性を高めようとすれば、印刷工場のオペレーションが破綻しかねないといったトレードオフに対して、常にバランスを取りながら双方に価値を生む最適解を見出すことが求められています。
次に「正解のない問い」を託されるという、不確実性の高さが挙げられます。
仕事には、勝ち筋が既に見えているものと、方向性すら手探りで見極めなければならないものがあると思います。当社は会社や事業が常に変化し続けるフェーズにあり、不確実性の高い課題が次々と生まれ、それらが複雑に交錯する環境です。自ら深く考え抜いて決断し、選んだ道を正解へと導く過程を通じて、必然的に強いオーナーシップ(当事者意識)が磨かれていきます。
3点目は、これらのチャレンジングな打席の規模や数が拡張し続けていることです。
当社は私が新卒入社した10年前から変わらず、事業の成長スピードが組織の拡大を常に上回る状態です。さらに、一つの事業に対する投資額も数十億円単位へと桁が変わり、裁量や責任はますます大きくなっています。
また現在30以上の事業を有していますが、今後はM&Aや新規事業の推進によって中長期的には100を超える見通しです。
SECTION 5/5
失敗でもいい。泥臭くやりきる力が価値を生む
⸺チャレンジングな打席が次々と生まれるラクスルで、活躍している人の共通点は何ですか?
木下:強みとなるスキルや領域は人それぞれですが、共通しているのは「この事業は自分が背負う」という強いオーナーシップを持っていることです。事業価値を高めること、成果を出すことに、まっすぐに向き合う人が集まっています。
「この会社を使って成し遂げたいことがある」「事業を伸ばしたい」と没頭している人には、結果的に大きなチャンスが回ってきて、成長がついてくる環境です。

⸺強いオーナーシップを持った人材が集まるラクスルのサマーインターンでは、どのようなプログラムが用意されていますか?
木下:テクノロジーと現場の一次情報を掛け合わせ、ラクスルの次の成長の柱となる事業戦略を構築する、3日間のプログラムを用意しています。私もメンターとして参加し、皆さんが提案する戦略を、同じチームの一員としてともにプロの基準まで磨き上げていきます。
AIなどのテクノロジーを活用し、巨大産業の現場における課題を解決する実践的なノウハウを学ぶことができるだけでなく、自分の思考を飛び越えて視座を高める経験ができると思います。
⸺最後に、学生の皆さんへメッセージをお願いします。
木下:就活では偏差値的な正解を探そうとして、「みんなが良いという会社」「倍率が高い会社」に入ることを目標にしてしまうケースが少なくないように思います。 しかし、人生の正解は自分の中にしかありません。他人の物差しではなく、「自分が何に魂を燃やせるか」を基準に選んでほしいと思います。
私たちがサマーインターンや選考で注目しているのは、「何かを深く考え、やりきった経験」です。結果として、失敗していても構いません。産業の構造変革という難題に挑むために必要なのは、自ら考え抜き、泥臭く行動し、最後までやりきる力だからです。
事業を自分の手でグロースさせる実力をつけていきたい、それによって社会にいい影響を及ぼしていきたいという気概がある方と一緒に、仕組みを変えることでより良い世界を作っていきたいと思っています。

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