INTERVIEW
1年目から経営戦略を担う。P&Gがリーダー輩出企業と言われる理由
国内外の優秀な人材が集まる中で専門性を磨き、自身の市場価値を高めたいなら、グローバル企業のファイナンス部門という選択肢があるのをご存じでしょうか? 今回はリーダー輩出企業、P&Gのファイナンス部門を紹介します。1年目から経営戦略の意思決定に携わり、業界問わず通用するスキルが養えるという魅力をはじめ、業界トップ企業が今なお成長し続ける理由を、東京大学出身で2016年に新卒入社した河合さん、同じく2017年に新卒入社した中杉さんにお話を伺いました。
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SPONSORED BY P&Gジャパン合同会社
話し手
中杉 康仁
P&Gジャパン合同会社
経営管理部(F&A)
河合 真梨子
P&Gジャパン合同会社
経営管理部(F&A)
SECTION 1/4
P&Gが経営人材を輩出できる理由
⸺P&G出身の方は、グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど著名な企業で経営に関わっていますよね。なぜそのようなビジネスパーソンが育つのでしょうか?
中杉:会社にとって最も重要な資産は人であるという価値観のもと、職種別採用と内部昇進制を採用し、専門性の高いリーダーを育成する環境をつくっています。一流のリーダーには高い専門性が欠かせません。
職種別採用は、新卒を各部門ごとにスペシャリストとして配属し、専門性の高い人材を育成する仕組みです。内部昇進制は、簡単に言えば新卒入社された方全員が次のCEO候補となるということです。社外の管理職クラスをヘッドハンティングしてくるのではなく、経営陣を社内で育てる方針をとっています。
河合:会社の戦略として、社員への投資を惜しまず、一流のリーダーを育てることに力を入れています。
社員の成長のために、コミュニケーションとビジネス促進の両面で幅広いトレーニングを設けているのが特長です。具体的には、英語はもちろんのこと、順序立てた説明や質問の仕方、ボディランゲージなど、異なる文化背景を持つ社員と協働していけるよう、さまざまなコミュニケーションスキルを学ぶ機会を提供しています。併せて、個人の成長段階に合わせて、ロジカルシンキング、リーダーシップ、組織のマネジメントなど、ビジネス促進につながるスキルを身につける機会もあります。
創業時から人に焦点を当ててきたからこそ、リーダー輩出企業と言われ、創業から180年が経っても成長し続けられているのだと思います。
⸺企業の成長のためにも、社員の成長を重視しているのですね。
中杉:そうですね。P&Gは世界最大規模の消費財メーカーで、世界180カ国以上でビジネスを展開し、時価総額も世界でおよそ20位以内※1に入ります。
超大企業でビジネスが飽和しているように見えますが、それは違います。株主・経営者の観点に立ち、収益性の高い事業経営戦略を立案・実行し、収益を長期的に最大化できているからこそ持続的成長を続けており、過去5年で株価は2倍※2になっています。
この成長を経営戦略策定・推進の面で牽引しているのがファイナンス部門です。データと論理を駆使しながら経営陣と対等に議論を交わし、ビジネスの意思決定を行うプロセスからは、入社7年目の私自身もまだまだ学ぶことが多いです。
※1 参照: The Largest Companies by Market Cap in 2023
※2 参照:Bloomberg.co.jpマーケット情報「PG:US」
SECTION 2/4
入社1年目からCFOの視点で考える
⸺ファイナンスというと経理・財務などの印象が強いのですが、入社後にはどのようなことを任されるのでしょうか?
中杉:P&Gのファイナンス部門はいわゆる「経営管理部」にあたります。事業が生み出す価値をいかに最大化していくかという観点で、経営者視点が求められる職種です。
河合:1年目から、所属する各商品カテゴリーのCFOの視点で戦略立案に携わります。例えば、日本で複数展開している洗濯洗剤のカテゴリー全体の経営戦略に携わり、15〜20年目のマネジメント職に向けて説明し実行・推進するミッションを担います。そのため、ベテラン社員と近い距離で働きながら、事業を俯瞰した経営者視点を身につけられる環境です。
具体的には、チーム内にたった1人のファイナンスアナリストとして、入社10年超の他部署のメンバーと議論しながら、売上予測や年間のビジネスプランを策定していきます。日々刻々と変わるビジネスの現状を正確に把握しながら、売上向上へチームをリードしていく裁量権の大きな仕事です。
⸺1年目から経営者の視点が求められるんですね。キャリアを積むにつれて活躍の場はどのように変化しますか?
中杉:年次ごとに関わるカテゴリー、地域、業務を変えながら、それぞれの領域・責任範囲の幅を広げることでステップアップしていきます。およそ5年間で開発から販売まで、ビジネスの上流から下流までを経験できますよ。現在のP&G本社の社長であるJon Moellerも、実はファイナンス部門出身であり、これらの経験がビジネスリーダーになる上でいかに肝要かが分かるかと思います。
⸺活躍の場を国内から海外へと広げながら成長していけるんですね。
河合:世界統一基準で採用された国籍や人種も異なる優秀な人々と一緒に働き、切磋琢磨しながらグローバルに働く経験を積めます。
世界人口の約7割がP&Gの製品を使用しており、社員も世界中にいるため、海外へ展開する商品に関わる機会があることはもちろん、日本オフィスでも1年目から外国人の上司を持つことも多いです。こうしたグローバルな環境こそが、日本という枠にとどまらず世界中どこでも活躍できるリーダーの輩出を可能にしていると思います。
中杉:私は学生時代には海外経験がありませんでしたが、1年目からさまざまな経営陣との会議に招集され、フランクフルト、アテネ、ジュネーブなどへの海外出張をしましたし、インド人の上司のもと海外拠点で世界中の人々と働いたこともあります。駐在という点で見ても、シンガポールをはじめ、ジュネーブや南アフリカ、中国、タイなど、多様な国で日本人のファイナンス部門社員が活躍しています。海外と関わる機会が多いので、自然とグローバルな働き方が身についていくはずです。
SECTION 3/4
全ての部署と協働し企業価値を最大化
⸺ファイナンス部門では、どのように経営戦略プロセスに関わるのでしょうか?
中杉:ファイナンス部門が担う経営戦略プロセスは、「目標設定」「施策選択」「実行管理」の3つに分けられます。まずCFOの視点で全体の最適化を考えながら目標を設定します。次に、どこでどのように勝ちにいくかという施策の選択を、部署ごとの状況を考慮し検討を進め、最後に、施策実行の際に組織としてどのような能力・マネジメントシステムが要求されるかをCOOの視点で考え、実際に実行・管理を推進するところまでを担当します。
中でも、目標に向かって行動する「実行管理」が最も重要です。なぜならば、競合優位性は「施策選択」だけでなく「実行管理」によっても生み出されているからです。「目標設定」「施策選択」も確かに大事な要素ですが、たとえ競合他社が同じ施策をおこなっても優位性が脅かされないのは、実行管理プロセスのスピードこそが差を生んでいるからだと思っています。
実行管理を担うためには、研究開発から、購買、製造、マーケティング、販売に至るまで、全てのバリューチェーンを深く理解する必要があります。ファイナンス部門の社員は「すべての部署を2番目に理解する」ように言われるほどです。さまざまな部署の社員と話し合い、各部署の全体最適を目指しながら実行管理を推進するなかで、事業を俯瞰する視点を養うことができます。消費者の方が目にするのは、実行した結果のみであるため、実行の重要性を強く感じます。
⸺1年目から実際に経営戦略を立て推進していくためには、どんな力が求められるのでしょうか?
中杉:すべての仕事に共通することですが、オーナーシップが重要だと思います。現場のメンバーが皆オーナーシップを持っていることが、「厳密な戦略の実行管理」の徹底につながり、P&Gの競争優位性を生んでいると言えるでしょう。
私も、シンガポールでアジアパシフィックのヘアケアカテゴリーの損益を統括していたときに、オーナーシップの重要性を感じました。
当時、記録的な円安、物流費の異常な高騰、原材料費の圧倒的な高騰という困難にぶつかりました。事業価値の毀損を防ぐために、マーケティング・研究開発・営業・生産管理・人事等のすべての部門と、価格戦略・原材料の選択・メディアの最適化に至るまで、売上とのバランスを考えながらも利益確保のために動きました。
簡単な仕事ではありませんでしたが、競合企業の多くが利益を落とす中でも、減益要因を相殺することができました。このように易き(Easy Wrong)に流れず、困難でも正しい選択(Tough Right)を推進する力はとても重要です。
河合:「◯◯をすると売上が伸びます」だけでなく、「AさんとBさんが××を、CさんDさんEさんが△△をすることにより、結果◯◯ができると売上が伸びます」というふうに言える人は、オーナーシップがあるなと感じます。具体的な目標までの戦略を描いた上で、実行されるために何が必要かまでを考えてコミュニケーションを取ることが、周囲を動かす力に繋がりますね。
付随して、就職活動の選考対策でもおなじみのロジカルコミュニケーションが求められます。異なる部門や立場、さらには異なる国籍の社員と円滑に意思疎通を行うために、物事を伝える順序や伝え方にも配慮や工夫が必要です。グローバルコミュニケーションスキルのトレーニングも毎年行われているくらい、社内でも重視されています。
SECTION 4/4
どんな企業でも求められる力とは
⸺最後に就活生の皆さんにメッセージをお願いします。
中杉:ファイナンス部門で経験できる企業価値を高めるプロセスは、経営リーダーになる上で武器になります。
投資家から資本調達をしている以上、企業価値を向上させる力はどのような企業でも求められるものです。ファイナンス部門では、オーナーシップを持って経営戦略を推進し、事業価値を最大化していくという、業界問わず求められるスキルが身につく環境があるので、将来のキャリアの選択肢を広げたい方におすすめしたいですね。
河合:私は就活生時代、キャリア面ではグローバルビジネスをリードしていきたいという目標を、ライフの面では複数人子供がほしいと考えていたので、キャリアとライフの両方を叶えられる環境があると考えてP&Gを選びました。
正直、自分の目指すキャリアを実現するためには、どんな力を伸ばすべきなのかは決めきれておらず、企業選びを迷ったこともあります。しかし、実際にファイナンス部門で働く中で、経営戦略策定・実行の力をつけながら、キャリアを積み上げてきました。たとえ自分のキャリアの目標が定まっていなかったとしても、P&Gのファイナンス部門で幅広い経験を積むことで、将来の選択肢をより広げられると思います。
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