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内定はゴールじゃない?入社後活躍するためにやるべきこと

念願の内定を獲得して喜びも束の間、多くの方が「どうやって入社先を決めたらいいのか」と悩んでいることでしょう。納得する意思決定をするには? 入社後に活躍する人が内定後にしていることとは? 本記事では、数々の難関企業内定者の相談にのってきたGoodfindのキャリアアドバイザー2名が、内定後のお悩みにプロ目線でズバリお答えします。

話し手

古賀 智尋

古賀 智尋

スローガン株式会社
Goodfindキャリアアドバイザー

土屋 一倫

土屋 一倫

スローガン株式会社
Goodfindキャリアアドバイザー 兼 新規事業責任者

SECTION 1/6

内定とは、期限付きのスタートライン

左:古賀、右:土屋

⸺内定をもらった直後に、考えるべきことは何でしょうか。

土屋: まず考えるべきは、いつまでにどうやって入社先を決めるかです。その上で全ての就活生に認識してほしいのは、内定には承諾期限があるということ。日々皆さんから内定報告をいただいた時に「いつまでにどうやって決めるの?」と聞くと、ほとんどの方が「え? もう決めなきゃいけないんですか?」と言います。

「いつまで」に関しては、内定先の承諾期限を確認した上で設定してください。承諾期限は企業ごとに異なりますが、内定後1週間から1ヶ月の企業が多いです。内定を獲得した、あるいは最終選考に臨むということは、近いうちに入社の意思決定をしなければならないことを自覚しましょう。

複数社から内定を獲得できているのは喜ばしいことですが、問題は どの内定先に入社するかによって、あなたがどれだけ成長できるか、どんな社会人になれるかは大きく変わってくるということです。

納得できる意思決定をするためには、まず方針を決め、次に方針に沿って承諾期限までにもっと社員に会わせてもらったり、他の企業を受けきったり、最後に判断するための材料を集めていきましょう。企業に相談すれば承諾期限を延ばしてもらえるケースも多いので、もし時間が必要であれば「率直に相談してみる」という選択肢をしっかり持っておきましょう。

SECTION 2/6

内定がゴールのまま承諾した人の末路

⸺内定後によくある失敗や、気をつけた方がいいことはありますか?

土屋:よく考えずにその場の雰囲気や勢いで承諾するのは避けたいですね。潔くすぐに承諾した人ほど、内定式の後に「やっぱり違った」と辞退して就活をやり直したり、入社しても頑張れずに早期離職したりする傾向があります。

古賀:内定直後はどうしても嬉しさでテンションが上がってしまうので、一回クールダウンすることをおすすめします。内定までに考え抜いた自信がある場合はすぐに承諾しても問題ありませんが、そうでない人の方が多い認識です。

また、「内定がゴール」という状態で入社を決断するのは避けましょう。内定がゴールになっていると、憧れの企業から内定をもらった途端、舞い上がって他社を受けきらずに決めてしまったり、逆に内定に満足して安易に辞退してしまったりと危うい行動を取ってしまいがちです。その状態では入社後の活躍を見据えた冷静な判断ができません。

ちなみに 入社後に何をやりたいかが見えていないのは、内定がゴールになっている証です。もちろん志望企業から内定獲得できたことは素直に喜んでいいことですが、「今自分は冷静に意思決定できる状態か」をまずは考えてみてください。

SECTION 3/6

企業探しの軸と、入社先を決める軸は別?

⸺では、内定後にはどのように行動すればいいのでしょうか?

古賀:皆さん悩まれるのは「複数社内定をいただいた中で、どこに決めたらいいのか」「1社のみ内定をいただいたけど、本当にここでいいのか」ということです。内定先が1社でも2社以上でも基本的にやるべきことは同じです。本当にその企業を選ぶことが自分にとって最善なのか自問自答し、もし何か引っかかるようなら、その理由を探りましょう。

⸺内定後の自問自答は、どのように進めていくといいのでしょうか。

古賀:第一志望から内定をもらった場合は「なぜその企業が第一志望なのか」という理由を確認します。自分の将来ビジョン(やりたいことやありたい姿)と就活軸が合致していたら、その企業に決めていいでしょう。

もし少しでもずれていたら「このポイントは合っていないけど本当にこの企業でいいのか?」と深掘りしていきます。第一志望ではない場合や2社以上内定がある場合でも、基本的には同じように検討していきましょう。

⸺第一志望だったはずなのに、迷いが生じて決めきれないという人もいます。

土屋: 第一志望と言いながらも決めきれないのは、その人の就活の軸が、意思決定するレベルまで練りあがっていないからです。でもそれは仕方のないことなんですよ。

最初の頃の軸は「ここなら行ってもいいかも」という企業を探すスクリーニングのためのものでしかなく、多くの人が自分の軸で志望企業を選んでいません。他人が考えた他人の言葉を、自分の軸のように誤認している人がとても多いのです。周りが「自己成長・成長産業・裁量」と言っているのを聞いて、浅い部分での共感を暫定的な軸にして、そのまま選考に進んでいるわけです。

その後は選考が進むにつれて、段々と通過が目的になっていきます。絶対に真似してほしくありませんが、受験対策のごとく過去の通過ESの事例を参考にしながら受かる方に寄せて書いてしまう人もいるくらいです。そして徐々に自分の本心とはずれたところに就活の軸が向いていき……最後にモヤモヤとした気持ちだけが残って決断できない人が本当にたくさんいます。

就活当初に借りてきた浅い軸で、幅広い企業と会う機会を増やして情報収集することは必ずしも悪いことではなく、後に軸をブラッシュアップする上で重要なプロセスなのですが、当初の暫定的な軸のまま就活終盤まで進めてしまうことが問題なのです。

SECTION 4/6

隠れた軸にも向き合おう

⸺違和感があったら本心から軸を練り直すべきとのことですが、どうしたら自分の本心に気がつけるのでしょうか?

土屋:私がこうした悩みを抱えた方と面談した時はまず、「就活初期に捨てたものはありますか?」と聞いています。例えば、会社の知名度は捨てて就活してきたはずが、いざ決める時になって、自分が周囲から知られていない企業に入社したら人からどう思われるかを気にし始める人がいます。そういうものを我々は「隠れた軸」と呼んでいます。

⸺「隠れた軸」とは何ですか? どうやったらあぶり出せるのでしょう?

土屋:隠れた軸とは、無意識に持っていて言語化されていない企業選びの軸で、何らかのコンプレックスにつながっているケースがほとんどです。隠れた軸と向き合えていないと、いくら軸に合っている企業でも、なぜか意思決定するのに疑問や不安が生じてしまい、迷いなく決めきることができません。

古賀:モヤモヤの原因としてよくあるのは、自分のコンプレックスに気づきながらも、それと向き合うことを避けているケースです。

例えば私が以前面談をしたAさんは、自分の居心地がいい環境で成果を出してきたことに満足していました。一方で、そうではない環境では頑張れないことがコンプレックスになりかけていましたが、就活でも居心地の良さを重視して意思決定しようとしていました。

その状況で「このまま決めることに違和感があります」とご相談いただいたので、私から「そのコンプレックスはそのままでいいのか。今こそ乗り越えるチャンスではないか?」と問いかけました。対話を重ねた結果、Aさんは「今の自分よりも努力する必要があるけれども、どんな環境でも成果を出せる自分になりたい」と考え、別の意思決定をされました。

就活は、自分の過去と向き合う絶好のチャンスです。納得のできる意思決定のためにも、自分の挫折経験や目を背けてきたことに向き合って、本当はどんな人になりたいと思っているのかを考え、強み弱み含めてありのままの自分を引き出すことをおすすめします。

土屋:とはいえ、コンプレックスや自分の内面の課題を、目の前の就活の意思決定だけで解決できるとは限りません。「どこまでを就活の意思決定で解消しにいくのか」を意識できている人は、その後入社先に定着して活躍しているイメージがありますね。

あとは、この内省を一人でやるのは大変なので、いろいろな企業を受けていろんな社会人や先輩と知り合って、相談できる関係性を築いてほしいと思います。

SECTION 5/6

入社後活躍する人が、内定後にしていること

⸺入社後に2~3年目で大役を任されるような人もいます。活躍している人は、内定後に何をしているのですか?

土屋:第一に、内定承諾するタイミングで考え抜き、スタンスを切った人ほど、活躍している方が多いと感じます。スタンスを切るとは、優先度づけをして大事なことを絞り、それ以外は捨てる覚悟をすることです。そうした人は入社後に自分の意思決定を正解にするために努力を重ねる傾向があります。

逆にスタンスを切っていない人は覚悟がないので、入社後に環境に対して言い訳をする逃げ道が残ってしまい、成長機会を失って活躍しづらいという構造です。内定から承諾までにやるべきことをやらないと、本当の天才か、よほど幸運でなければ活躍することは難しいと言えます。

僕の場合はブランドを捨てました。当初は大手コンサルに行こうとしていましたが、事業をつくれる最短の道を選ぶなら、コンサルのブランドと当面の給与の高さは優先度が低いと判断したのです。

「自分のしたい成長=どんな経験をしてどんな能力をつけたいか」と、そんな自分を評価してくれる会社を選び、それ以外は捨てると決めてスローガンに入社しました。

古賀:今の話と似ていますが、やめた方がいいのは「総合点が高いからこの会社に決めました」というもの。総合点で決めた人は早期離職が多いからです。私は20代の社会人を中心に転職のご相談も多く受けてきましたが、第二新卒で転職相談に来る人は、就活のときに総合点で入社先を決めていた人が多い傾向にありました。

総合点で入社先を選んだ人はまさに、スタンスをきっていなくて、何も捨てたくないんですよ。本当に自分が大事にしたかった軸と向き合わずして総合点で決めてしまっているので、入社後に「あれ、自分は実はこのポイントをすごく大事にしてたはずなんだけど、ここの環境では叶いにくいな」と気づくのです。

それが理想とのギャップとなり、やりがいが持てないため活躍できずに早期離職。そういった悪循環に陥った方のケースをよく聞きました。

なので、内定をもらってから承諾するまでにスタンスを切るのもそうですし、私は「軸の優先度づけをしよう」と言っています。これまでの就活の軸のなかでも絶対mustとwantがあるはずです。あればいいかなくらいの軸は全部捨てて、絶対に叶えたい最優先の軸を実現しうる企業を選ばないと活躍できません。

SECTION 6/6

第三者の力も借り、納得の意思決定を

⸺最後に、内定した学生や最終選考を控えた学生に伝えたいことはありますか?

土屋:自己分析は一人でやるから間違えます。自己分析と聞くと、自分の価値観や定性的なものを客観的に理解することであると、つい曖昧に捉えがちですが、実は自分の現時点での実力を認めたり、自分の現在地を把握することでもあるんですよ。それは純粋に自分だけではわからない構造にあると思います。

ですから、自己分析は先輩や選考で知り合った人事をはじめとした社会人、そして私たちキャリアアドバイザーなどと一緒に、客観的な視点を取り入れながら進めるのが効率的です。

古賀:せっかく就活するなら楽しんでやってほしいですね。自分自身にとことん向き合い、過去や未来も含めてここまで深く考えられる機会は就活くらいしかないので、義務感で取り組むのはもったいないです。

自分と向き合うのはしんどいこともありますが、やればやるほど全て自分のためになっていくので、楽しんだ者勝ちです。しっかり自分に向き合った結果、なりたい姿が見つかったり、理想の自分に近づける企業はどこかが見えたりして道が開けてきます。このように就活をポジティブに捉えて楽しめる人が増えてくれたら嬉しいですね。

土屋:最初の入社先は大事ですが、それで人生のすべてが決まるわけではないので、思い詰めすぎず気楽にやりましょう。

選抜制ではありますが、Goodfindのキャリア面談でもこうした相談は受け付けていますので、使えるものは使い倒しましょう。納得いく意思決定をして、これから始めるご自身のキャリアを豊かにしてもらえたら嬉しいです。

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