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COLUMN

やりたいことが分からない人へ。就活の後悔を防ぐ自己分析法

「就活でやりたいことを見つける時、陥りがちな『罠』がある」。そう話すのは、株式会社マイベストの𠮷川徹氏です。日本人の4人に1人が使う国内最大級の情報サービス「マイベスト」を通じてユーザーの選択をサポートする同社のCEOに、人生最大の選択である「やりたいこと」をどう選び取れば良いのかについて聞きました。

SPONSORED BY 株式会社マイベスト

話し手

𠮷川 徹

𠮷川 徹

株式会社マイベスト
代表取締役CEO

SECTION 1/7

就活成功のために必要なたった2つの行動

⸺就活成功のために一番大切なことは何でしょうか?

𠮷川:大切なことはマッチングだと思っています。ここで言うマッチングとは、相性が良い2つのものを結びつけること。「就活は結婚と似ている」とよく言われますが、どちらもマッチングが最重要という点で的を射ています。

では結婚生活がうまくいく相手とマッチングするには何をすべきでしょうか? 答えは「相手をよく理解すること」と「自分をよく理解すること」、この2点に尽きます。結婚相手も他人ですから、相手のすべてを理解するのは難しいでしょう。しかし相手の価値観を深く知り、自分の価値観と照らし合わせてみることで、相性が良いかどうかを一定程度見極めることが可能です。

就活も同じくマッチングだと捉えれば、やるべきことは選択肢である企業をよく知ることと、自分をよく知ることに絞られます。だからこそ就活では、その業界・企業が大切にしている価値観は何かを理解する「業界・企業分析」と、自分のやりたいことは何かを見定める「自己分析」が重要になるのです。

SECTION 2/7

やりたいことと興味の混同が招く悲劇

⸺自己分析の重要性はわかるものの、やりたいことがわからないという方も多いと思います。

𠮷川:やりたいことを明確に持っている人は、実はほんの一握りです。私自身もそうでしたが、皆が同じ悩みを抱えています。しかし、就活では自分のやりたいことを見定めた上で入社先を決める必要がありますよね。

当社は新卒採用を人事戦略の中心に位置づけているので、私自身が就活生と面談・面接をする機会が多いのですが、やりたいことをきちんと見定められていない人をよく見かけます。

最も陥りがちな罠は、無意識にやりたいことを創作してしまうことです。自己分析ではまず過去の自分を見つめ返し、自分はどんな人間なのかを考えますよね。並行して業界・企業分析をしていると「なんとなく面白そうだな」「きらきらしてるな」と思う業界や企業が見つかります。結果何が起こるのかというと、なんとなく興味を持った業界・企業と、過去の自分とを無意識のうちに無理やり結びつけてしまうのです。

ただし、やりたいことの創作自体は悪いことではありません。むしろある程度は創作しなければ、企業と自分とを結びつけることがほとんど不可能となるでしょう。大切なのは、創作しているという自覚を持つことです。

⸺就活では「興味の持てる業界・企業を探せ」と言われることが多いと思います。なぜ、やりたいことと興味とを無意識に近づけてはいけないのでしょうか?

𠮷川:ミスマッチの基となってしまうからです。確かに興味がある業界や企業に行ければ、短期的にはハッピーでしょう。「面白そう」「かっこいい」と思っている世界の一員になれるわけですから。しかし実際に働いてみて「思っていたのと違った」「やりたいことではなかった」と後悔しても、取り返しがつきません。

新卒はその後のキャリアの方向性を左右する、人生に一度きりしかない選択の機会です。ですから、なんとなくの雰囲気や興味に流されて行く先を決めるのではなく、自分の人生を振り返り、自分がどんな人間で、どの方向に進みたいのかをしっかりと見定めた上で選択をするべきでしょう。

SECTION 3/7

やりたいことの見つけ方(1) ファクトを集める

⸺では「やりたいこと」を見定めるにはどうすれば良いのでしょうか?

𠮷川:自己分析の際に、ファクトと仮説を明確に分けて考える必要があります。具体的に説明しましょう。以下はよくある自己分析の例です。

私は飲食店でアルバイトをしていた。

↓ お店が集客に困っていた。

↓ 私はリーダーシップをとってバイト仲間を集め、SNSの発信を強化した。

↓ その結果、集客が20%改善した。

↓ 店長に感謝されて嬉しかった。

↓ だから私は、悩みを抱えている人の課題を解決することに喜びを感じる人間だ。

だから私はコンサルタントになりたい。

この自己分析は間違いというわけではありませんが、ファクトと仮説を整理して捉え直すことで、より本当にやりたいことを導き出せる可能性が高まります。

まずファクトとは、真実であり、どう転んでも絶対に変わらない事実のこと。上の例で言えば「私は飲食店でアルバイトをしていた」から「店長に感謝されて嬉しかった」までがファクトです。

自己分析のポイントは、こうしたファクトをとにかくたくさん集めることです。自分が「嬉しい」「楽しい」と感じたのはいつ、どんな場面だったのか。どんな環境にいた時に頑張れたのか。何が好きだったのか。今までの人生からファクトをなるべく多くかき集めてみてください。

就活生はこのファクト集めで考えすぎる傾向がありますが、本当に些細なことで良いのです。「子供のころはドッジボールが好きだった。外野から敵チームの不意をつけると無性に嬉しくなった」「Apple製品が好きでiPhoneの発売日に並んでいた」「お母さんによく『あなたは凝りだすと止まらないタイプね』と言われていた」など、特に理由などないような小さな事実も洗い出すことが大切です。

SECTION 4/7

やりたいことの見つけ方(2) 仮説の精度を上げる

𠮷川:ファクトを集めたら、次に仮説を作ります。仮説とは「多分こうではないか」という、真実かはわからない架空の想定。要するに作り話です。

先程のアルバイトの例では、最後の2つ「だから私は、悩みを抱えている人の課題を解決することに喜びを感じる人間だ」と「だから私はコンサルタントになりたい」が仮説です。つまり、これらは間違っている可能性が大いにあります。

ただし就活では最終的にはやりたいことの仮説を作り、志望企業を決めなければなりません。そこで重要なのは仮説の精度です。この精度が高ければ高いほど、「実際に働いてみたらやりたいことと違った」と後悔するリスクが下がりますし、志望理由の説得力も高まるでしょう。

ではどうすれば仮説の精度を上げられるのかと言いますと、大切なのは、ファクトの中から本質のみを抽出することです。

アルバイトの例では、成果を出し、感謝され「嬉しかった」のは紛れもない事実=ファクトですが、この「嬉しかった」が何に起因するものなのか、理由をより突き詰めて考えたときに、その人の本質が現れます。例として理由の仮説を3つ立て、そこからやりたいことの仮説も作ってみましょう。

仮説1:店長が直接、笑顔でお礼を言ってくれたことが嬉しかった

(1)の場合、お客様から直接感謝されるような仕事にやりがいを感じやすいのかもしれません。逆に、お客様と直接会う機会が少ないWEBマーケターなどの仕事は向いていない可能性があります。

仮説2:成果が出て自己顕示欲が満たされたことが嬉しかった

(2)の場合、成果が数字などで明確に見える仕事にやりがいを感じやすいのかもしれません。逆に、チームワークを重視する仕事や、成果が見えにくい仕事は向いていない可能性があります。

仮説3:成果が出た結果、給料が上がったことが嬉しかった

(3)の場合、成果が報酬に直結するような仕事にやりがいを感じやすいのかもしれません。逆に、年功序列的な会社は向いていない可能性があります。

以上のように「嬉しかった」というファクト自体は一つでも、嬉しかった理由の仮説は複数導き出せます。また、そこから考え得る自分に合った働き方の仮説は、それぞれ全く別のものになることがわかると思います。

このように、何となく興味がある業界・企業に無意識のうちに近づけるなど論理的に飛躍していないかに注意しながら仮説を作り上げ、自分の本質に合うものを選び取ることで、将来後悔しない選択ができる可能性が高まるでしょう。

ただし仮説は仮説なので、間違っていることが往々にしてあります。就活を進める中で価値観が変化することもあるでしょう。それに気づいた時は、ファクトまで立ち返って仮説から考え直せば良いのです。ファクトをしっかりと集めきれていれば、ひとつの仮説が崩壊しても、すぐにまた別の仮説を立て直すことができます。

SECTION 5/7

やりたいことの見つけ方(3) 𠮷川氏の場合

⸺ファクトと仮説を分けて考えることで、自分のやりたいことを精度高く、効率的に見定められるのですね。では𠮷川さんは就活のとき、どのように自己分析をしていましたか?

𠮷川:私は学生時代、文化祭実行委員や学級委員に率先して手を挙げるタイプで、その時のお祭り事は人一倍頑張る反面、実行委員をしていない文化祭にはあまり積極的になれませんでした。このファクトから「会社に入っても参加する側だとやる気を失うだろう」「だから経営や運営に携われば楽しく仕事ができるだろう」という仮説を立てました。

また別の軸で「ただのお金持ちになるのは嫌だ、どうせなるなら大金持ちになりたい」と思っていました。そこで世界の長者番付を見てみると、上位には石油王か投資家か起業家しかいない。今から石油王になるのは無理なので選択肢は投資家か起業家に絞られましたが、投資には一切興味がないですし、起業して自分でやってみたい事業もありませんでした。

そこでもう一つ、自分の持つファクトを考えてみました。私は高校の部活やサークルで副キャプテンなどのNo.2の役割を担うことが多かったんです。このことから「起業における会社のNo.2であるCFO(最高財務責任者)が向いており、そこそこの大金持ちになれるのではないか」という仮説を立てました。

では将来CFOになるために求められるものは何だろうと考え、「起業で最もお金が発生するIPO(新規株式公開)に関わるスキルだろう」と仮説を立てました。そこで国内で一番IPOに強い投資銀行を調べてみると、大和証券SMBC(現:大和証券)だとわかったのです。そんなわけで「大和証券SMBCの公開引受部に行くのがCFOへの最短ルートだろう」と仮説を立て、実際そこに新卒入社しました。

SECTION 6/7

仮説作りは就活で終わりではない

⸺ファクト集めと仮説作りの繰り返しの中で、自分のやりたいことを見定めたのですね。では新卒入社後はどんなキャリアを歩んできたのですか?

𠮷川:新卒で入社した大和証券SMBCには6年間在籍し、上場を目指すベンチャー企業へのコンサルティングやIPO関連業務をしていました。仕事にはとてもやりがいを感じていた一方で、担当企業のCFOやCEOたちと話す中で「CFOとお金の話をしている時よりも、CEOと事業の話をしている時のほうが楽しい」と感じていました。そうした瞬間が増えるに連れ「自分も事業をおこなってみたい」という思いが強くなっていったんです。

またそのときには一定の年収になっていましたが、大金持ちになりたいという欲求は既になくなっていました。自分の人生においてお金の優先順位は高くないということに気づき、自分の「やりたいこと」を追求しようと考えるようになったのです。

そういうわけで、新たに見つけた「やりたいこと」である事業に関わるには「一人の裁量権が大きいベンチャー企業に行くのがよいだろう」と仮説を立てました。もっとも、事業サイドの経験がまったくない私は、いきなり小さなベンチャーに転職しても戦力になれるイメージが沸かなかったため「まずは事業を勉強しよう」と考え、メガベンチャーのカカクコムに転職しました。

そこで2年間、新規事業の企画立案から運営までを取り仕切る中で、自分でいちからつくりあげたい事業アイデアが浮かび、マイベストの設立を決意したのです。

⸺価値観の変化に合わせて都度仮説を作る中で起業に至ったのですね。ではマイベストの事業アイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?

𠮷川:少しマクロな観点からお話すると、私は事業アイデアを練る際はいつも「これから起こるパラダイムシフトは何だろう」と考えるようにしています。というのも、既存の価値観の枠内には新たな事業を想起する余地などないほどに、現代はあらゆるものやサービスであふれかえっているからです。まだ世の中に存在しない事業があるなら、それは大きなパラダイムシフトの影にあるものでしょう。

私がマイベストの事業アイデアを考えていたのは、ちょうどスマートフォンが世に浸透してきた時期。世界中の人々のライフスタイルが大きく変わる中で、今後大きな課題となりそうだと思ったのが「選択」でした。デジタルコンテンツの供給量・消費量ともに激増し、やらせレビューやステルスマーケティングなど嘘の情報が発信・拡散される時代に、信頼できる情報を探し、何かを選択するという行動が難しくなってきていると感じたのです。

そこで、こうした様々な情報が交錯し複雑化した時代において、ユーザーが簡単に良い選択肢と出会い、自分にとって最適だと思われるものとマッチングできるサービスがあれば、人々の生活を豊かにできるのではないか。そんな仮説から始まったのが「マイベスト」です。

SECTION 7/7

GAFAMに並ぶ「生活インフラ」へ

⸺創業6年目にも関わらず、マイベストは月間3,000万人超が利用するサービスに育っていますね。急成長の要因は何でしょうか?

𠮷川:大きな要因は、他のサービスが真似できないほど巨大で緻密なデータベースにあります。私たちはユーザーにとって最適な選択肢を作り上げるために、世の中に売られている全ての商品を実際に購入して、誰も持ち得ないような専門性の高いオリジナルのデータベースを作っています。

それらは、例えば化粧水の保湿力を検証するために、塗布前と塗布2時間後の肌の水分量を比較したり、ライトニングケーブルの耐久性を比較するために、一番の弱点であるコネクタの根元部分を2,000回折り曲げてチェックしたりと、莫大なお金と労力、そして何より情熱の上に作り上げられたデータベースです。

さらに当社は2020年にZホールディングス株式会社と資本業務提携し、今後はYahoo! JAPANやLINEのユーザーデータ活用を視野に入れています。膨大な選択肢のデータと、膨大なユーザーのデータ、それらを掛け合わせることで、より精度の高いマッチングが実現できると考えているのです。

⸺では、これからマイベストはどのような会社を目指していくのですか?

𠮷川:私たちが目指すのは「世界中の人々が何かを選ぶときに必ず使うサービス」です。そしてそのために、マイベストをGAFAMに並ぶ「生活インフラ」に育て上げようとしています。Googleが「検索」、Amazonが「購買」という領域で世界を変えたように、私たちマイベストは「選択」という領域で、世界をより良く変革しようとしているのです。

こうした壮大な目標を立てる背景には「次世代の日本を牽引するような企業を作りたい」という思いがあります。

先日我が家に娘が生まれたのですが、その子が就職するのは2044年頃。ではその時代に日本経済を引っ張れるような日本企業があるだろうか、こどもたちの世代が選択肢の多い豊かな人生を送れるだろうかと考えると、私は危機感を覚えます。しかし、これからも世の中を牽引し続けるであろうIT分野で、世界大手に食い込めるような日本企業が1社でもあれば、日本の未来も変わるのではないか。そんな仮説を持っているからこそ、私たちマイベストは、GAFAMに並ぶ、日本をリードする企業になろうと決意しているのです。

現在マイベストは世界9カ国・地域に展開していますが、この目標からするとまだ1%も達成しておらず、今までよりももっとハイスピードで成長しなければならないフェーズにあります。こうしたマイベストの事業や価値観があなたの「やりたいこと」にマッチしたなら、ぜひ私たちとともに働くことを選択肢に入れてみてください。

そして何より、みなさんがみなさん自身のやりたいことを見つけ、いきいきと活躍できることを願っています。

編集:

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