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【DeNA南場氏×ミラティブ赤川氏】就活生に伝えたい3つのこと

Goodfind最大のイベント「Goodfind Shapers Premium」。登壇したのは、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)会長の南場智子氏と、株式会社ミラティブCEOの赤川隼一氏です。赤川氏は新卒でDeNAに入社後、20代にして最年少執行役員を務め、社内事業としてスタートしたゲーム実況サービス「Mirrativ」をMBOして現在に至ります。お二人から、新卒で成長を掴むために重要な3つのポイントを学びましょう。


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話し手

赤川 隼一

赤川 隼一

株式会社ミラティブ
代表取締役CEO

南場 智子

南場 智子

株式会社ディー・エヌ・エー
代表取締役会長

SECTION 1/4

1.「こと」に向かう

南場:赤川さんと言えば、DeNAに新卒入社した当初から大変仕事ができる人でした。当社では他人や自分ではなく「こと」に向かうことを徹底していますが、赤川さんはそれを体現していましたね。

DeNAには新卒1年目の社員が私と丸一日行動を共にする「カバン持ち制度」があり、2人きりでタクシーに乗ることも多々あります。殆どの人は、緊張しながらもその時間を最大限に有効活用しようと、私に質問を投げかけてきます。しかし赤川さんは違いました。

「南場さん、これから営業電話をかけないといけないので、ちょっと黙っててくれますか」。こんな新卒は初めてです。

赤川さんについて人事部に尋ねると、1年目にして企画営業グループでトップの成績を収め続けているとのこと。「じゃあもうマネージャーになってもらえば」と言うと、「既に検討しています」と返され、そんなわけで赤川さんは入社7か月目で当時最速のグループリーダーに昇格しました。

しかし部下には経験豊富な中途社員も多くいます。当社の社員は「こと」に向かう人ばかりとはいえ、彼らも人間です。新卒に営業成績で負け、さらには自分の上司になるということに、悔しさを覚えないはずはありません。

チームの雰囲気が次第に悪くなり、売上目標を達成できそうにないとわかったときに、赤川さんはどうしたか。マネジメントのタスクを放り投げ、自ら現場で営業活動を行い、凄まじい努力で1人で未達分を埋めていったのです。この姿を見たメンバーは反省し、素直に赤川さんから学ぼうとするようになりました。そして最終的には非常に一体感の強いチームを作り上げていきました。

「こと」に向かう姿勢が、個人の数字や成績のみならず、周りの人の行動をも変えることがわかると思います。

赤川:南場さん、よく覚えていますね(笑)。でも結果が出なかった当時、僕自身は自分の姿勢で周りを変えようなんて、全く考えていませんでした。売上目標を達成するために、できることを全てやろうとしていただけです。

とにかく「こと」に向かい続け、自分自身が熱を発し続ければ、その熱が周りに伝播する。成功はその熱の連鎖によってもたらされます。困難な状況にあっても自分自身が熱を発し続けること、もしくは強烈な熱を発する人に素直に強烈に巻き込まれていくことが大切です。

SECTION 2/4

2.ストレッチアサイン

南場:もう一つ、若い皆さんにとって重要だと思うのは、ストレッチアサインです。自分ができるギリギリの仕事をやっとのことでやり遂げたら、次はその3倍難しい仕事が待っている。それくらいのストレッチアサインが、成長には不可欠だと考えます。

赤川さんも、常に実力以上の仕事を任されてきましたよね。先程のグループリーダー然り、20代で最年少執行役員になったこと然り。野球で例えるならば、1軍のバッターボックスに千回立たされるようなもので、練習試合にはない緊張感の中で、最高のパフォーマンスを発揮し続けなければなりません。

そんなヒリヒリした環境で成長し続けてきたからこそ、赤川さんはミラティブという、これがやりたいというものを掴んだときに、自らの足で立つことができたのだと思います。

赤川:一度結果を出した人への対応は、会社によって異なりますが、DeNAは無茶ぶりに答えた人を面白がって、すぐにまた新しい無茶ぶりを用意する会社でした。やっている最中はとにかく大変でしたが、結果としてとても濃い20代の経験ができて、私はDeNAにとても感謝しています。そしてこのカルチャーはミラティブにも受け継がれています。

そもそも、急速に成長している会社ではストレッチアサインをせざるを得なくなるものです。当社も現在130名と、私が入社した頃のDeNAの規模感に近いサイズで日本最大級のスマホゲーム配信プラットフォームを運営していますが、成長に対して社員数が追いついていないため、長期インターンの大学生がプロジェクトマネージャーとしてサービスの新機能をリリースするようなことも多々あります。

残酷なまでに良し悪しだけを判断する顧客に対して、新機能や自分の仮説を直接問う、というのはとても緊張することです。どんな仕事でも、「これは自分の責任だ」といえる領域を持つことができ、成功しても失敗しても自分ゴトとして捉えられる経験を積める組織に所属すると、大きく成長するはずです。

SECTION 3/4

3.connecting the dots ※ただし全力でやっていることに限る

赤川:皆さんは「connecting the dots」を聞いたことがあるでしょうか? スティーブ・ジョブズの名言として知られており、過去の経験や行動がいずれ思わぬ形でつながり、未来の自分の役に立つという意味の言葉です。私は、これは実際に存在していると思っていますが、後ろに「ただし全力でやっていることに限る」という注釈をつけて話すようにしています。

新卒1年目の僕が、タクシーの中で南場さんに失礼な物言いをして電話していた営業先の方々とは20年経った今、ミラティブでも取引があります。当時の僕はその人と長期的な関係を築くことはおろか、起業のことすら欠片も考えていませんでした。ただ目の前の仕事に全力だっただけです。しかし全力で「こと」に向かい続ければ、きっと何かの形で点と点がつながる時がきます。

南場:connecting the dots を手に入れられるのは、必ずしも仕事ができるだけの人ではないんですよね。必要なのは「何があっても逃げない」という信頼感です。誠実さと言うと少しチープに聞こえるかもしれませんが、とにかく不器用でも格好悪くても、できることは全てやり切り、あきらめることがないと信頼できる人。困っているときに手を差し伸べたいと思うのは、ただ優秀な人ではなく、仕事に対する懸命な姿勢で他者を惹きつける人ではないでしょうか。

私もそうです。DeNAには起業を志す人が多くいますが、その中で、私が誰のサポートに時間を割き、出資するかといえば、「この人は困難な壁にぶち当たっても絶対に逃げない」と確信できる人です。

赤川さんがDeNAを退職して起業すると聞いたとき、内心とても寂しかった。けれど、赤川さんがDeNAで苦しい仕事ばかりを任され、それでも一切逃げずに不器用ながらも一つひとつを全力でやってきた姿を見ていたからこそ、私も全力で応援しようと思えたのです。

その人が逃げない人かどうかは、ストレッチな環境でこそわかるものです。余裕があるときは誰もが「いい人」でいられるのですから。しんどい状況でこそ、その人の真価が問われ、その姿に心を打たれるから点と点がつながり得る。そういう意味でも、自分が全身全霊を懸けられる環境にいることは大切なのだと思います。

SECTION 4/4

全力を懸けられることの探し方

南場:これまでの話の通り、全力で目の前の仕事に向き合うことが成長し、成功する上では非常に重要です。そこで学生の皆さんが気になるのは、自分はどんな環境でなら全力を出せるのかということでしょう。

赤川:自分のテンションが上がるポイントを見極めることが大切だと思います。僕の場合はそれが「趣味を通じて人がつながっていく事業」と「世界への挑戦」でした。

僕は人生で何度も、趣味のインターネットやゲームを通じた出会いに救われてきました。小学生の頃は友達の家で一緒にドラクエをやる時間がとても楽しく、中学生の頃には好きなゲームや音楽に関するWebサイトを作り、そこで年齢も立場も異なる様々な人と出会うことができた。趣味を通じて人と人とがつながる喜びを感じられたのです。

「世界への挑戦」は、DeNA時代のリベンジです。DeNA在籍中に日本発ソーシャルゲームをグローバルトップにするプロジェクトの責任者を担いましたが、思ったような結果を残すことができませんでした。その悔しさから、次こそは世界に通用する事業を興そうと決心していました。

そんな、僕のテンションが上がる2つの掛け算から生まれたのがミラティブです。「わかりあう願いをつなごう」というミッションのもと、ライブゲームのプラットフォームを介して人と人がつながる意義と価値に向き合い、世界で戦えるサービスづくりに挑戦しています。

学生の皆さんは、本当に自分のテンションが上がることが見つかっているならば、それが何であれ周りの声は気にせずにぜひやり切ってほしい。そしてまだそれが見つかっていないならば、就活生の頃の僕が南場さんに巻き込まれていったように、とてつもない熱を発している人を全力でフォローしてみてください。全力でしがみついているうちに、気づけば筋肉がついていて、いざやりたいことが見つかったときに自らの足で立てるようになっているものです。

南場:それは素晴らしいキャリアの一つだと思います。いま既に人生を捧げたいテーマを持っていない人が殆どだと思いますが、赤川さんが言うように焦る必要は全くありません。

ただ、就活ではせめて「doer(実行者)」になるか「advisor(助言者)」になるかは決めておくと良いと思います。この2つで身につけられる力は全く異なるからです。私自身がマッキンゼー出身ですが、事業家というキャリアを歩むうえでは遠回りをしてしまったと思いますし、いざ起業するときにも、その能力が身についておらず大変苦労しました。私や赤川さんのように、将来は自らの力で世の中に変化を起こしていきたいと思う方は、最初から本番の打席に立たせてもらえる「doer」、すなわち事業会社を選ぶのが良いのではないでしょうか。

DeNAは今や3,000人規模の会社になりましたが、どれほど大きくなろうとも、社員を会社のいち機能を担う歯車として扱ってしまった時点で、それはもうDeNAではなくなると思っています。社員一人ひとりに目標単位で仕事を託し、その達成のやり方は個々人に任せるというやり方を徹底しており、一人ひとりが全力投球できるマウンドを用意しています。

赤川:ミラティブは「ナラティブ=物語」が語源にある会社で、「好き」なもので誰かとつながることで、一人ひとりの人生に自分だけの物語が生まれる居場所を創っていこうとしています。

自分は就活初期の頃、最初に選ぶ仕事が自分の人生の物語のベクトルを決める、ということを自覚できていませんでした。ただ、冷静に考えると「仕事」は自分の人生の1/3ほどの時間を費やすことに気づき、であれば刺激的な人ととことん打ち込める時間にしたいと思いました。結果的にDeNAで事業に真剣に向き合う過程を仲間と分かちあうことで、良い時期もしんどい時期も自分の人生にとって大事な物語になっていきました。

皆さん一人ひとりにとっても、選ぶ仕事は自分の人生の物語に直接つながります。自分自身の内なる声と対話して、後悔のない物語を紡いでいってほしいです。ミラティブの目指すビジョンに共感する人がいたらぜひ一緒に仕事をしましょう。

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