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INTERVIEW

データアナリスト視点で解剖する、メルカリのここがスゴイ

日本を代表する急成長企業であるメルカリ。ユーザー目線のアプリ、早期の海外展開や優秀な経営陣といった成長理由が注目されていますが、今回編集部が注目したのは、同社のデータ活用です。国内で月間約1900万人が利用するメルカリに膨大なデータが集まっていることは想像に難くありませんが、同社はそれを余すことなく活用し、サービスの更なる成長に活かしています。今回はメルカリで働くデータアナリストにインタビューを実施し、独自の視点から成長の秘訣を語っていただきました。

SPONSORED BY 株式会社メルカリ

話し手

五十嵐 航

五十嵐 航

株式会社メルカリ
Growth Analyticsチームマネージャー

SECTION 1/5

メルカリってなんで伸びているんですか?

五十嵐 航 氏

──そもそもメルカリは何故ここまで伸びているのでしょうか?成長の理由について五十嵐さんの見解を教えてください。

五十嵐:一つはお客様の定着率にあると考えています。私が入社した当初、数字を見てまず驚いたのが定着率の高さでした。前職で経験したソーシャルゲームのアプリでは、リリース時に多くのお客様にご利用いただいても、だんだんプレイされなくなり、次第にお客様が離れてしまうことが多くありました。一方メルカリは、一度利用いただいたお客様が積みあがっていき離れません。不用品の売買という生活に根付いた二次流通のプラットフォームを構築しているからこそ、ユーザーと取引量が純増してきたのだと考えています。

また、商品カテゴリが幅広いため、景気変動の影響を受けにくいことも安定した売上伸長につながっています。もし単一領域の商品のみを取り扱うサービスだった場合、コロナパンデミックのような社会情勢が売上に大きく作用したでしょう。その点メルカリでは多種多様な商品が流通しているので、分散投資のようなバランスの良さがあります。

このような強みを持つプラットフォームに加えて、ユーザー目線で改善をつづける優秀な人材がいること、そして土台の部分でフラットに成果に向かうカルチャーと仕組みが整っていることが、何よりの成長の理由だと考えています。

SECTION 2/5

経営から現場まで浸透する、データドリブンカルチャー

──カルチャーの面では、数字をもとにした意思決定を重視していると伺いました。

五十嵐:そうですね。日々のプロダクト改善のみならず、人事や経営の領域においてもデータを重視した意思決定が行われていることは、当社の強みの一つです。

例えば最近では、メルカリグループ全体の数値目標を設定する際に、我々アナリティクスチームの提案が反映されました。もともとはメルカリやメルペイといったサービスやビジネスプロセス毎に数値目標を設定していたのですが、同じアプリ内で施策を打つことになるため、取り組みのコンフリクトが課題になっていました。そこでアナリティクスチームから、グループ全体で追いかけられる指標の設定を提案し、チーム毎の施策方針決定、実行までをサポートする役割を担わせてもらいました。

このように経営の上流の方針決定から、各チームの施策実行までデータによる判断がなされることが多く、他社と比べてもデータ分析のプレゼンスが高い会社と言えます。

──「データドリブン」という言葉が先行するだけの企業も多い中、なぜこのようなデータ利活用が実現できているのでしょうか?

五十嵐:第一に、データインフラがきちんと整備されていることが大きいでしょう。Google BigQueryに創業時からのデータがすべて集約されており、数字を見たい時に、そもそもデータが取れていないということがありません。

また、メルカリでは「Trust&Openness」を掲げ、信頼を前提に情報の透明性を重視しているため、社内の誰もが個人情報等以外のほぼすべての情報にアクセスすることができます。もちろんデータについても同様で「データの民主化」と称し、企画職やビジネス職のメンバーもデータを扱えるようにする仕組みづくりを積極的に行っています。だからこそ当社では経営層から現場まで全員が、データを見た上でのフラットな議論を行うことができているのです。

加えて、全員がメルカリというワンサービスを成長させる目的に向かっていることも、精度の高い意思決定をスムーズに行うことを可能にしている要因のひとつです。どんなにうまくデータを抽出して見ることができても、利害の衝突が起こりやすい企業体では様々な力学が働き、データドリブンを実現することは難しいでしょう。

SECTION 3/5

様々な改善につながる良質なデータ

──創業時から蓄積された膨大なデータを誰でも閲覧できることが、メルカリのスピーディーな成長に繋がっているんですね。

五十嵐:データの大きさもさることながら、中古品の売買記録やそれに伴うお金の流れというデータの性質が、当社の成長の源泉であると考えています。

メルカリではほとんど全てのカテゴリの商品を取引できるので、データを見ることで、日本の経済圏の縮図を見ることができます。例えばコロナ禍の巣ごもり生活で世の中の需給にどんな変化があるのか、といったカットで人の動きを経済学的に分析し、それをプロダクトの改善に活かしたり、新たな周辺サービスの立案に繋げることもできます。

またCtoCビジネスという性質上、出品者、購入者、その両方であるお客様の行動が複雑に絡み合っています。出品者側では出品する、配送する、購入者側では選ぶ、支払うなど様々なプロセスがあるため、サービスとして踏み込める幅が広いのです。

ユーザー数やトラフィック数がいくら多くても、機能が限られたシンプルなサービスでは、ユーザーの多様な行動の波や需給の変容までは見ることができません。このようなデータを分析し、サービス改善に活用できることはアナリストとしてもやりがいを感じる点です。

SECTION 4/5

多様な専門性が成果を最大化する

──分析できるデータの面白さが、優秀なデータアナリストが集まる魅力にもなっていそうですよね。

五十嵐:そう思いますね。メルカリの他にも独自の経済圏を構築している会社はありますが、多くの場合、分析チームはカテゴリ毎に組織が分かれています。データアナリスト1人がサービスの全体像を見ることができる、当社のような環境はかなり珍しいのではないでしょうか。

また、データアナリストは歴史の浅い職種ということもあり、社内に1人しかいない会社も多い中、多様性豊かなアナリストがチームに集まって組織化されていることも、魅力的に映る点だと思います。一口にデータアナリストといっても、データサイエンティストやデータエンジニアを包含していたり、マーケティングに寄っている人もいたりと様々なのですが、メルカリのアナリストチームにはそれぞれ専門性を持った人材が集まっています。

私はグロースアナリティクスチームでマーケティング関連の分析を担っていますが、マーケットリサーチ専門の会社を経験したメンバーに相談しながら仕事を進めています。他にもマネジメント経験の豊富な人、ビジネス課題に向きあうことが得意な人、統計学が得意な人などが揃っているので、自分が困ったときには常に知見のあるメンバーに相談しながら仕事を進めることができるのです。データアナリストどうしが切磋琢磨していくことで、よりよい分析ができますし、データアナリスト個人のスキルの幅も広がっていきます。

──扱えるデータや専門性の幅広さは、データ分析専門のコンサルティング会社にもあると思いますが、そのような企業とメルカリの環境の違いはどこにありますか?

五十嵐:確かにデータ分析専門の企業にも優秀な人材が多くいると思いますが、個人の業務範囲という点では、受託型のデータ分析だとどうしても携われる範囲が限定的になってしまいます。時間をかけてせっかくデータを見られる環境を作っても、ある程度の分析結果を提示すればコンサルティングサービスとしては終了してしまうので、その後それがサービス改善や事業成長に活かされたかどうかまでを確認できないといった状況になることが多いのです。

メルカリは携われる領域が幅広いだけでなく、課題設定から施策運用、効果検証まで、自分がバリューを出せているかが目に見えるので、事業会社と分析会社の良いとこ取りをしたような環境だと言えると思います。

──ここまでデータアナリストの視点からメルカリが成長している理由をお話しいただきました。データドリブンなカルチャー、分析しがいのあるプロダクト、多様な専門性を持つデータアナリスト組織といった特徴が相乗効果を生み、メルカリの成長を支えていることがわかりました。

SECTION 5/5

メルカリで活躍する若手とは

──そんなメルカリのデータアナリストチームでは、新卒も採用しているそうですね。優秀な中途社員の中で活躍する新卒とはどんな方なのでしょうか。

五十嵐:2019年から新卒社員として働いているメンバーの例をお話ししますね。彼はもともとデータアナリスト志望で、2017年にインターンとしてメルカリにジョインしました。インターン時は購買促進をテーマに仮説構築・テスト実施・効果検証までの一連の流れを担当し、分析結果がサービスの意思決定に繋がることにやりがいを感じて、新卒として入社することを決めたようです。正社員として入社後は出品促進を担当しています。私は彼と入社同期なのですが、新卒社員と中途社員に業務の区分はほとんどなく、1人前のデータアナリストとして分析業務を担当しています。

──年次を問わず、責任ある仕事を任せてもらえる環境があるんですね。メルカリで働いてみたいと思った読者も多いと思いますが、最後に求める人物像について教えてください。

任されたことをやり切れるマインドがある人に来てほしいですね。裁量権があるからといって、最初から全てを完璧にやることを求めているわけではありません。データアナリストであっても分析ハードスキルの知識があるよりも、ゴールまでの道筋をイメージし、やり切るために必要なことを自分で考え、時には周りを巻き込みながら仕事を進められるかどうかが重要だと考えています。

先ほどお話しした新卒メンバーは、出品促進というテーマに対し、施策を考えるだけでも分析するだけでもなく、インタビューやアンケートでユーザーの声を聞いて、その結果をどんな風にテストするのかというところまで全部自分で考えて実行しています。

彼が活躍しているのは、自分で進めながらも助けが必要であれば他の人を巻き込むことが当たり前のようにできるからだと思っています。そんな彼のことは優秀だなと思いますし、そういう人と一緒に働きたいですね。研究でもサークルでも内容は問いません、学生時代に何か自分で目標を定め、困難にぶつかってもやり抜いた経験のある人にお会いできると嬉しいです。

編集:

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