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INTERVIEW

磨くべきは「意思決定のセンス」。コンサルも事業も経験した就活生の決断

Goodfindが注目する企業で活躍する社員の、就活や現在の仕事を深掘りする「Goodfindが行く!OBOG訪問」。今回は、東京大学を卒業し、レバレジーズで働く吉野颯海さんにインタビュー。複数の外資系戦略コンサルティングファームに内定後、就活をやり直した吉野さんの、意思決定の背景に迫ります。


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話し手

吉野 颯海

吉野 颯海

レバレジーズ株式会社
マーケティング部 HRテック領域担当

SECTION 1/4

第一志望の戦略コンサル内定。しかし再び就活をやり直した理由とは

⸺学生時代の吉野さんは、どのような活動に取り組んでいましたか?就活を始めた時期や就活軸についても教えてください。

吉野:東京大学には文科一類で入学しました。在学中は、一般的な学生と同じように1〜2年生はダンスサークルの活動を中心に、勉学や友人との交流、旅行などを楽しんでいました。3年生の進学選択で法学部に進み、法哲学を専門的に学びました。

就活は3年生から始めましたが、当時は戦略コンサルしか受けていませんでした。将来は起業も視野に入れており、戦略コンサルで得られる経営や戦略に対する知見がきっと役に立つだろうと考えていました。ただ、実際は学部生の大部分が同じように戦略コンサルを目指すような環境だったため、周囲に流されて対策を始めた形です。対策の甲斐もあって、サマーインターンで1社、秋選考で第一志望の内定をもらって就活を終えました。

今振り返れば、文系で最も偏差値が高いとされる東大文科一類から法学部へ、そして戦略コンサルへと、一般的に人気かつ難関とされているものを無思考で取りに行くような選択をしていたのです。

⸺吉野さんはこの後、1年休学して第一志望の内定も辞退したんですよね。なぜそのような決断をしたのでしょうか?

吉野:いざ内定してから、ふと「あれ、自分のキャリアのこととか、入社する会社のこととか、あんまり考えてなかったな」って気づいたんです。その企業に行きたいか行きたくないかは二の次で「受かるか落ちるか」しか考えていませんでした。まさに大学受験の延長のような感覚だったんですよね。

そこで、3年生が終わったタイミングで1年休学し、自分のキャリアについてもう一度考え直すことにしました。視野を広げた上で、やはり戦略コンサルが良いと思えば再度内定する自信がありましたし、より自分らしい新しい選択肢が見つかればそちらに行こうと考えていました。

SECTION 2/4

事業づくりとコンサルを両方経験したからこそ感じたこと

⸺休学中はどのような活動をしていましたか?

吉野:事業の立ち上げと、戦略コンサルの長期インターンをしていました。

前者は、友人からの誘いもあり、ペット関連の商材を扱うスモールビジネスを立ち上げました。戦略コンサル対策としてあらゆる経営の本を読み漁っていたということもあり、自らの手で事業づくりを実践してみたいという想いが強くなったんです。実際に、事業づくりに携わってみると、自分で立てた目標に向けてPDCAを高速で回しながら、マーケティングをはじめ売上構築に必要なことはすべて行い、その結果が積み上がっていくことに達成感がありました。それと同時に、理論と実践のギャップを痛感したのも事実です。

後者は、戦略コンサルが自分に合うか判断するために始めました。インターン生ながら大手上場企業のプロジェクトにも携わり、プロフェッショナルとしての働き方を学ぶことができました。しかし、その経験を通して、戦略を提案する「意思決定補佐」の立場よりも、意思決定をして実行もしていく当事者としての役割に、より強い興味とやりがいを感じる自分に気づいたんです。この経験は、自己理解を深めるのにとても貴重な機会となりましたね。

⸺実際に両方を経験してみて、事業づくりが向いていることがわかったんですね。

吉野:その通りです。先ほどお話しした経験や、さまざまな経歴の事業家との対話を通じて知ったのは、戦略コンサルで身につくのは戦略コンサルのスキルであって、私が求めていた事業づくりのスキルではないということ。そして、事業づくりで最も大切なのは「意思決定のセンス」だということです。

私が携わっていたペット関連事業では、考えた戦略がはまったときよりも「どうなるかわからないけれど広告に100万円かけてみるか」と大胆な決断をしたときに、大きく成果が出ました。この経験は、事業づくりにおける意思決定の重要性を如実に表してると思うんですよね。事業づくりではどれだけリサーチを重ねても100%の正解は見つからない中で、最終的には不確実性を受け入れ、限られた情報の中で最善の判断を下す能力が求められます。つまり、勘や決断力が成否をわけるのです。このような「意思決定のセンス」は、理論だけでなく実践を通じて磨かれるものであって、実際に良質な意思決定をたくさん経験することでしか磨くことはできないのです。

⸺その後の就活と、最終的にレバレジーズへ入社を決めた理由について教えてください。

吉野:主にベンチャーやメガベンチャーを見ていました。最終的には、数ある事業会社の中でも、新規事業への投資に積極的な姿勢と、潤沢な投資余力を持つ資本力を決め手に、レバレジーズに決めました。

資本力があれば、既存事業だけでなく新規事業にも積極的な投資ができるため、若手が新規事業に携わるチャンスも自ずと増えます。しかし、資本力があっても経営判断によってはメイン事業のみに資本を投下している企業もあるため、新規事業の数も重要な意思決定の要素として見ていました。

この点で、レバレジーズは2023年度に年商1,000億円を超えるほど加速度的に成長しており大きな資本力があります。加えて、未上場で外部資本を一切入れずに自己資本のみで経営する「独立資本経営」をおこなっているため、投資判断を社内だけで決定することができます。これによって、年間数百億円規模という驚くべき額を投資して、年間10以上もの新規事業を生み出すことができているのです。

こうした点からレバレジーズは、新規事業などの裁量権がある事業づくりに携わって「意思決定のセンス」を磨きたい自分が新卒カードを切るのに最適だと判断しました。

SECTION 3/4

「意思決定のセンス」を磨ける環境で成長を

⸺入社後はどのような仕事に携わりましたか?

吉野:1年目はレバテックの営業オペレーション設計を担当しました。ここでは、数百人いる営業組織の業務に関わる上、事業部長などと日々議論するため、人を動かすコミュニケーションスキルが鍛えられました。

2年目の現在は、代表直下のHRテック事業に携わっています。私が配属された時点でまだ売上ゼロの新規事業で、マーケティングから営業の戦略・オペレーションまで任されています。

⸺1年目は大企業のミドル層がするような経験を、2年目はスタートアップのような経験をできたのは、さまざまなフェーズの事業を持ち、新卒抜擢が盛んなレバレジーズならではですね。入社してみて、イメージ通りだったことやギャップはありましたか?

吉野:入社してみると、想像通り若手にも大きな裁量権が与えられており、自身も多くの意思決定の機会をいただいています。これはイメージ通りでした。

一方で、意外だったのは意思決定のプロセスです。繊細さと大胆さを両立した方法に驚きました。綿密なリサーチとデータ分析に基づいた提案が求められ、それを前提に迅速な意思決定が行われます。これは予想以上に高度なプロセスでしたね。

例えば、私自身も数百万円規模の投資が必要な施策を提案し、承認を得た経験があります。この際、単なる直感だけでなく、十分な根拠とデータを示すことが求められました。それでも100%の確実性はないため、決断には勇気が必要です。このような大きな責任を任される点は、想像以上でした。

こうした環境下で、ファクトに基づきながらも迅速に判断を下す「意思決定のセンス」を磨くことが重要だと実感しています。今後も、このスキルを向上させるために努力を続けていきたいと考えています。

⸺最後に、就活生へのメッセージをお願いします。

吉野:就活時代を振り返ると、実際に企業の生の情報を自ら収集し、分析することが最も価値があったと感じています。特に、戦略コンサルでのインターンシップやさまざまな経営者との対話は、私の視野を大きく広げてくれました。これらの経験がなければ、今の私の視点や考え方は形成されていなかったでしょう。

そして、実際に働き始めてからは、自分の仕事が世の中に意義をもたらしているという実感が芽生え始めています。まだ組織全体を語れるほどの経験はありませんが、日々の業務を通じて少しずつ社会に貢献している感覚があります。

これらの経験から学んだことは、自ら行動を起こし、多様な視点を得ることの重要性です。就活生の皆さんにも、積極的に経験を積み、自分の目で見て感じることをおすすめします。そうすることで、自分に合った道を見つけ、将来的に社会に意義をもたらす仕事に出会えるはずです。

SECTION 4/4

後輩におすすめしたい本

社会や地球が何のために存在するのか、人類がどこに向かっているのか考えるのに適した一冊

万物の黎明 人類史を根本からくつがえす(デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ著 酒井隆史訳、光文社)

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