INTERVIEW
大量採用の会社の新卒は成長できるのか?経営者2人に聞いてみた
大量採用と聞くと「離職率が高そう」「育成してもらえなさそう」「裁量やポジションがなさそう」……このような不安を持つ人もいるでしょう。本記事では、実際に新卒を多く採用する高成長企業レバレジーズ代表・岩槻氏と、様々な企業の採用を見てきたGoodfind代表の仁平が「大量採用の功罪」を議論。大量採用するのはどのような会社なのか、新卒の成長にどのような影響があるのか、学生の皆さんの疑問にお答えしていきます。
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SPONSORED BY レバレジーズ株式会社
話し手
岩槻 知秀
レバレジーズ株式会社
代表取締役
仁平理斗
スローガン株式会社
代表取締役社長
SECTION 1/4
経営者視点で見た「新卒を大量採用する企業」
⸺「新卒を大量採用する企業」に良い印象を抱かない学生もいますが、様々な企業の採用に関わってきた仁平さんはどのように見ていますか?
仁平:そもそも皆さんが良く知る大企業は、基本的には新卒を大量採用しています。学生に人気の総合商社も毎年100人以上の新卒を採用していますが、悪いイメージを持つ方は少ないですよね。
私自身、大量採用をしている企業に対して、安定した企業成長を実現できている優良企業である場合が多いと感じています。なぜなら、前提として企業が新卒学生を多く採用するためには、2つの要素が必要だからです。
一つはお金や人といったリソース。多くの学生はBtoBやニッチ領域・新産業の企業をほとんど知らないため、優良企業であっても新卒を採用するには採用広報に多くの資金や労力を割く必要があります。また、経験者採用した場合に比べ、ビジネス経験のない新卒社員は採用後に育成コストがかかるため、潤沢にリソースを投下する必要があります。
もう一つは事業基盤。新卒学生を採用するには、約2年前から準備を始めなければなりません。新卒採用は2年後の投資判断であり、新卒を多く採用することができる企業は、長期スパンで事業戦略や人材計画を立てられる事業基盤があるとも言えるでしょう。
つまり、新卒を大量採用する企業は、潤沢なリソースと確固とした事業基盤を持つ、安定した企業成長が実現できている優良企業の可能性が高いのです。では学生が大量採用の何を懸念しているのかといえば、「いくらでも代替が利く存在として扱われるのではないか」ということではないでしょうか。
実際、大量採用している企業に限らず、新卒が裁量の大きい仕事を任されず、スキル獲得や成長機会が少なくなってしまう場合もあるので、学生の皆さんはしっかりと吟味しなければなりません。
SECTION 2/4
新卒が成長できる大量採用企業の条件
⸺では新卒を多く採用できている企業のなかでも、「新卒の成長機会の有無」はどう見極めれば良いのでしょうか。実際に多くの新卒を採用しているレバレジーズ代表の岩槻さんはどう考えますか?
岩槻:企業成長率と社員の離職率を軸にした場合に、その会社が4象限のどこに属しているかで見極めるのが良いと思います。新卒が最も成長できるのは、成長率が高く、離職率が低いグループの企業でしょう。企業の成長率が高ければ、会社全体の仕事量もポジション数も増えるので、新卒が新たな価値創出に関われるチャンスも豊富な場合が多くなります。
反対に、成長率が低い企業ではポジションの数が増えにくいため、上のポジションが詰まり、若手がマネジメントなどの大きな裁量を持ちにくい、といったことが起こり得ます。これは伝統的大企業など、大きな既存事業はあるものの、新規事業への積極投資やイノベーション領域に挑戦していない企業にありがちです。つまり、有名だけれども成長していない企業を見極めるべきで、これは4象限の左下に当てはまります。
一方、成長率が高いのはベンチャー企業が多いですが、離職率も高いところは就職先として安全性の低い企業の可能性が相対的に高まるでしょう。ただ離職率は高齢の社員が多い会社では低くなりますし、低すぎても組織の「淀み」が発生し、若手の成長機会が阻害される場合もあるので、単純に離職率だけの比較する際は注意が必要です。
つまり4象限の左上、企業成長率が高く離職率が低い企業では、新卒が裁量を持って仕事に集中できる環境が得やすいと言えます。
仁平:レバレジーズはまさに左上のグループに入っている企業ですよね。創業15年で年商500億円を超えたのも束の間、創業18年の2023年度には売上1,000億円を見込むなど、勢いの尽きない成長を続けている。新卒1年目離職率は一桁台と、日本企業平均の11.6%(※1)よりも低く、2023年には「働きがいのある会社」ランキングで5年連続、大規模部門のベストカンパニーを受賞しています。
※1:大卒1年目の離職率(引用:厚生労働省「新規大卒就職者の離職状況(平成30年3月卒業者)より)
⸺2023年度には新卒を約300人採用しており、数年前と比べると大幅に採用数を増やしていますが、本当に若手に裁量の大きな仕事を任せられているのでしょうか?
岩槻:当社では社員数249人だった2013年頃に、管理職になれる実力がある人は新卒入社1年半〜2年後に管理職に昇進していましたが、そのスピード感は今でも変わらないんです。管理職とまでいかずとも、社員がリーダーポジションに上がるスピードも、そのポジションの人がマネジメントする人数も、当時から変わっていません。そして各事業の規模が拡大している分、職位が高い1人が担う仕事の影響範囲は広くなっているので、むしろ裁量は大きくなっていると言えるかもしれません。
なぜ一人ひとりの裁量の大きさを保つための成長率を維持できているかといえば、大胆かつスピーディーな投資ができていることが要因の1つだと思っています。
上場企業や外部資本を入れている企業は、社外への説明責任や流動株式の9割を占める短期利益志向の株主との利害相反により、一定の利益率を下回るほどの投資は難しくなります。
しかし、レバレジーズは創業以来、独立資本で経営してきました。新規事業や人的資本、システム、広告など、その時々で必要なものへの投資判断を社内だけで決定することができるため、年間100億円以上という巨額な投資もスピーディーに行うことができているのです。
SECTION 3/4
同じ大量採用企業で、より成長できる会社とは?
⸺最近ではコンサルティング業界でも、新卒を大量採用する企業が増えています。同じ左上のグループの中でも、事業会社よりもコンサルに行った方が転職に有利ではありませんか?
仁平:私は必ずしもそうは思いません。一般的に、コンサルティングファームが担っているのはビジネスプロセスのいち工程であることが多く、課題発見、解決戦略の策定、課題解決の「実践」まで一気通貫ではおこなわないことがほとんどだからです。
岩槻:企業がコンサルに依頼する仕事のうち大半はITシステム関連や、業務プロセスの一部の外部委託で、その実態は依頼企業側の労働時間の削減が目的です。
当社とコンサルとの違いと言えば、コンサルタントは基本的に依頼された範囲の解決策の提案しかできませんが、レバレジーズではビジネスプロセス全体についての課題発見と解決戦略の策定、そして解決の実践を一貫して取り組めることでしょうか。
また、コンサルタントの多くは調査と資料作成には長けていますが、現場に精通していないので具体的な改善案を出せる人はほぼ居ません。結局現場から経験を積んでいない限り、解決策や運用案も精度が低いものになりがちです。つまり、実践に長けた汎用性の高い「つぶしの効くキャリア」の一歩目は、実は特定の事業会社の中でこそ実現できるのです。
課題の発見と解決について、「毎日同じ仕事の繰り返しで単調だ」と言う人も世の中には存在しますが、その原因は課題発見能力が不足しているからだと思います。課題発見できる人ならば、どんな仕事に対しても「まだあれができていない」「もっとこうすれば良いのでは」と、日々やりきれないほどのオペレーション改善余地を現場の中で見つけることができるはずです。
当社には年次に関係なく意見を言い合えるカルチャーがあるので、上司相手でもそうした提案と実行をできる人がいち早くリーダーポジションに昇進しています。
仁平:ビジネスプロセスの課題発見と解決は、ビジネスの基本。それを一部のみならず全てのプロセスにおいて担える企業で鍛えられれば、若手の能力やスキルの幅もぐっと広がりますね。
⸺同じく成長している事業会社でも、レバレジーズのように人数規模の大きな企業よりも、より小規模なベンチャー企業に入った方が、若手が大きな裁量を持てるのではないでしょうか?
仁平: 企業の人数規模と個人の裁量の大きさは、必ずしも相関しません。それよりも事業数を見たほうが良いでしょう。例えば社員数100人で事業が1つの会社と、社員数1,000人で25の事業を展開している会社、どちらが社員1人の裁量が大きくなるでしょうか? 単純計算すれば、前者は1事業を100人で、後者は40人で運営しているため、後者の方が裁量の大きな仕事がしやすいと言えます。
岩槻:会社全体の投資額を社員数で割った「一人当たり投資額」を調べてみるのも手です。一人当たり投資額が大きければ、そのぶん新たなチャレンジができる機会が多いということ。
レバレジーズでは年間100億円以上を投資に回しており、10年前と比べた一人当たりの投資額も増えています。今後数年間でさらに大きく投資額を伸ばしていく計画もあり、そうした数字を見て面白そうだと当社に興味を持つ学生も多いですね。
また小規模ベンチャーとの違いとして、社内でのキャリアの選択肢の幅広さがあると思います。小規模の会社では、働く中でいざ別の事業や職種に挑戦してみたいと思っても、簡単には異動できません。そもそもその会社の中に挑戦してみたい部署や職種が存在しない可能性も高く、転職を余儀なくされるパターンが増えるでしょう。当然、不要な転職を重ねることは中途市場から歓迎されません。
一方、レバレジーズのように企業規模が大きく、様々な領域の事業を展開している企業ならば、事業をまたぐ異動が比較的容易です。どの職種の人数規模も拡大を要しているため、職種変更も歓迎されやすくなります。転職せず、社内でキャリアアップしていく選択肢がとりやすくなるのです。
仁平:また、小規模ベンチャーでは、異動しても人間関係を変えにくく、転職した方が本人にとって良いという結論になることも多い。しかしレバレジーズのように社員数も事業数も多い企業ならば、全く別の事業部に異動することで、自分の周りの環境を転職せず社内で変えられる可能性が高いと思います。
SECTION 4/4
新卒は「仕事が楽しい」と思えたら勝ち
⸺これまでのお話で、「大量採用企業」と一括りにせず、若手が成長できる企業をどう見極めれば良いかがわかりました。最後に、岩槻さんが考える「成長」とはどのようなものかについて教えてください。
岩槻:自分が成長するために事業があるのではなく、成果を出し、社会に価値を還元していくために自己成長する必要があります。この視点を持って行動しなければ、ビジネスパーソンとして大きな成長はできません。貪欲な人ほど自己成長に目が向くのはある程度仕方がありませんが、私は常々「成果のための成長」を社員に促しています。
レバレジーズが手がける事業の共通点は、世の中で必要とされ、日本の課題解決に直結するということ。実態として、医療系SaaS事業はその分野の業界トップを走るくらいに急伸していますし、M&A支援領域にも進出するなど、様々な領域で現在40以上の事業を手がけています。こうした社会的インパクトの大きい事業の責任者を20代30代で経験することでこそ、自己成長がついてくると考えます。
また、新卒は「仕事が楽しい」と思えたら勝ちだと思うんです。今後の人生の大部分を仕事に費やすことになるのに、1社目で「仕事は楽しくないものだ」というバイアスがかかってしまえば、そこから抜け出すのは容易ではありません。
一方で社会人のはじめに「仕事は楽しいものだ」という認識を持てていれば、たとえ将来転職に失敗しても「世の中には楽しい仕事があるんだ」と、早々に次の挑戦の場を探すことができるのです。
ですから、私は新卒を多く採用する会社の経営者として、新卒に仕事を楽しいものだと感じてもらう責任があります。そのために、今後も面白い仲間を増やしながら、若手がいきいきと仕事を楽しめる会社をつくっていきます。
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