INTERVIEW

「たばこ事業って、何が面白いんですか?」
聞けば聞くほど面白い、JTの事業の奥深さとは

公開日:

Spoken by 顧 学範

Sponsored by 日本たばこ産業株式会社

皆さんは、何を軸に今後のキャリアを考えていますか?

「誰と働くか?」といった人に関する軸や、「どんな成長ができるか」といった環境を重視している人は多いかと思いますが、「事業づくり」「経営」といったキーワードに関心を持つ読者が特によく考えるべきなのが、その会社で価値を生み出すために「何を扱うか」ということです。皆さんが入社して日々、より良いものをつくろうと向き合い、実際にユーザーのもとへ届けられるものは一体何なのか。そこに共感や思い入れを持つことが出来るかは皆さんの仕事のモチベーションや成果に大きく影響しうるので、キャリアを考える上ではとても重要な要素になるでしょう。

本記事では「事業そのものの面白さを捉える」事例として、たばこ事業の面白さを深掘っていきます。たばこは人によって様々なイメージを持たれる商品ですが、先行するイメージにとらわれずにその事業の面白さや趣深さを想像できる人は少ないのではないでしょうか? 昨今では逆風を受けているようにも思われるたばこですが、紀元前10世紀から存在するともいわれるこの商品は、今もなお革新を繰り返し、全世界人口の約1/3に愛され続けている不思議な商品でもあります。

また、たばこを製造する企業は日本でただ1社、JT のみ。JTはメーカーとして優れたものづくりをしているだけでなく、M&Aで数々の成功を収めることで世界No.3の地位を得た稀有な存在でもあります。知っているようで知らないプロダクトと事業の奥深さを、マーケティングからM&Aまで幅広く経験されてきたJTの顧氏に伺いながら、紐解いていきましょう。

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逆風の強い市場環境だからこそ、たばこ事業は面白い

顧 学範

日本たばこ産業株式会社

経営企画部 部長

1999年 日本たばこ産業株式会社に入社。

入社後はたばこ事業本部にて、事業企画、マーケティング企画等に携わり、国内たばこ事業の成長に貢献する。

2007年に海外たばこ事業を管轄するJT International(JTI)に出向し、内部監査、経営企画、M&A業務に従事。2011年以降は複数のM&A案件を担当。海外たばこ事業の地理的拡大・ポートフォリオ拡大に貢献。

2016年に帰国後、経営企画部にて、たばこ・医薬・加工食品を含むグループ全体のM&A・事業開発を担当。2018年4月より、現職。

──ずばり、たばこ事業の面白さは何にあるのでしょうか? たばこに対する社会的な風当たりが強まっているのを目にすることも多く、少なくとも日本市場は縮小しているようなイメージがあります。

顧:そうですね。日本だけでなく、多くの先進国でますます規制が強化されており、加えて当社では一部広告の自主規制も行っています。そういった環境の中で事業を伸ばす難しさはありつつ、「たばこ=嫌われ者である」という側面を持っていることも、このビジネスの奥深さだと思っています。

ターゲットとなるお客様の方を向き、お客様が欲しい商品を作ることが、メーカーの一般的なものづくりの考え方だと思います。しかし、JTはたばこという、購入されるお客様以外にも影響を与えうる商品を扱っている以上、喫煙されない方にも配慮して商品づくりを行うことが求められます。

たばこに対する考え方も人によって異なり、「吸う・吸わない」という単純なカテゴライズのみには収まりません。たばこが社会に受け入れられるためには、様々な考え方の方が心地よく共存できることが重要です。

したがって事業としては、吸う方に対してはより良い商品を作ってリスクをご理解いただいた上で楽しんでいただき、そうでない方には嫌な思いをしないような環境をつくる必要があります。ここまで考えなければならないこと自体が、他の事業との大きな差分であり、事業を成長させる難易度が高く、関わる者が作り手としての広い視野を持つことができる要因だと考えています。

──確かに、ここまで人によって捉え方が異なるプロダクトも珍しいですよね。様々な価値観の人に配慮した事業や取り組みとして、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

顧:分煙環境の整備や啓発活動など、 吸う方と吸わない方が共存できる社会を目指す取り組みを行っています。プルームシリーズなどの加熱式たばこに代表されるRRP(Reduced-Risk Products:喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある商品)もその一環です。

においや煙の低減はもちろん、我々の商品を使用されるお客様の健康リスクも下げるような商品の開発を行っています。今後は引き続き、使用に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある商品の開発や評価の研究について、一層努力していきます。

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「機能」のみならず「感情」を提供する事業

顧:また、たばこが好きな方にとっても「価値が様々である」ものであることも、たばこビジネスの面白さの一つの要素だと思います。

──好きな人にとっては「味がおいしい」「香りが良い」といったことが価値なのではないかと思うのですが、違うのでしょうか?

顧:もちろん味やにおいを含め、商品の機能そのものの価値はあります。しかしそれだけではなく、何かフワっとした価値があるんですよね。

自分の経験の中でも、例えば若い頃仲間内で話すときに、たばこが果たしていた何とも言えない役割があったと思っています。誰も「たばこがあってよかった、ありがとう」とは言いませんが、コミュニケーションツールになったり、ふとした時間の余白や気持ちのゆとりを作ったり、言語化が難しいのですが、そうした情緒的な価値が確かに存在すると考えています。

そう考えると、たばこの価値は機能だけに求められているのではなく、人の感情に影響を与えることや、感情に寄り添うことにもあるのではないでしょうか。合理性や機能的価値が追求される世にあっては、人そのものに向き合ってエモーショナルな価値を提供する事業ができることは、貴重ですし、面白いと思っています。

──「人の感情に寄り添う」と考えると、想像以上に深い事業なのだと感じます。一方でたばこそのものは、永く愛されているものではありつつ、大きな変化の少ないプロダクトであるとも感じており、たばこを作る面白さについてもう少し詳しく伺いたいです。

顧:確かに、たばこは紙巻きたばこが主流になった19世紀末以降、劇的な進化を経験していませんでした。フィルターが付いたり、フィルターの中にカプセルを入れて味を変えられるようになったりしましたが、基本的な構造や形は変わっていません。

一方ここ数年で、液体を温めて蒸気を出すRRPが台頭したことにより、たばこはこれまでとは比較にならない進化を遂げています。現在は紙巻たばこが主流ですが、この進化によってたばこにはまだまだ大きな可能性があることが顕在化し、たばこの未来を考えることがこれまで以上にワクワクすることに変わりました。

例えば車であれば、「間違いなく次は自動運転が来そうだ」というプロダクトの方向性がある程度見えていますよね。対してたばこは、機能や性能だけが重視されるのではなく、感情にも訴えかけるプロダクトなので、その価値を追求した結果、次にどのような姿かたちを目指すのかに未知の可能性があります。

少し極端な話ではありますが、もしかすると未来のたばこは、吸うのではなく違った形でお客様に価値をお届けするプロダクトや、利用する人の国や文化によって大きく形を変えるものになるかもしれません。

「人の感情に寄り添う」という軸も含めて、自由度の高いプロダクトづくりに携わることができるのが、たばこづくりの趣深さだと考えています。

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アーティストのような、ものづくりへの徹底的なこだわり

──ここまでのお話を通して、たばこ事業の面白さが少しずつわかってきたような気がします。プロダクトの面白さ以外に、ものづくりや事業づくりに取り組みたい人が、JTで仕事をする面白さについても教えていただけますか。

顧:それは、「商品に徹底的にこだわるしかない」市場環境だからこそ、全社的に何かを創ることへのこだわりがとても強いことだと思います。

昔は、TVCMなどを用いてたばこの広告宣伝をしていましたが、現在は未成年の喫煙防止の観点から、法律によりTVCMでたばこの広告宣伝をすることは規制されています※︎1。法規制は遵守した上で、「たばこという商品を世の中に残し、楽しんでもらうためにはどうすればいいか?」をまっすぐに、誠実に考えて行く必要があります。

そうなると、売り場に置いてある一つひとつの商品で勝負するしかありません。TVCM以外の広告にも自主的に制限を掛けており、お客様とコミュニケーションできる範囲が限られているので、とにかく「お客様に喜んでいただける、良いものをつくる」ことにコミットするしかないのです。妥協なくものづくりに集中して、世界観を「もの」で伝えていく仕事ができるのは、何かを創造したい人にとってとても良い環境だと思います。

※1 たばこ商品の宣伝以外の、「マナー広告」「企業広告」については現在もTVCMを実施しています。

──提供しているのは非常に情緒的でふんわりとした価値でありながら、それを作る上でのこだわりとプライドをとても強く持っている、という対比が面白いなと思いました。

顧:感覚としてはアーティストに近いかもしれないですね。一人ひとりが最高のものを届けたい、という高いプライドを持って仕事をしています。商品の企画だけではなく、工場でマシンを動かしている人、M&Aの担当者まで、様々な職種の人達が、任された仕事にプロ意識を持って、持てる知識や技術をあますことなく使って仕上げています。

JTは、日本人が良く言う「つまらないものですが」という姿勢ではなく、「これは私が自信を持っておすすめできるものだ!」と言えるまでこだわり抜くような姿勢が求められる環境だと感じますね。

余談ですが、新商品や試作品を試していて「これうまいですね」と言うと、その商品の担当者がめちゃくちゃいい顔をするんですよ。手を掛けて作った商品は自分の子どものようで、心配で売れるかどうかお店に見に行ったり、初めて買ってくれた人の顔を見届けたり、それくらい愛情を掛けてものづくりをしているんですね。自分がつくったものを喜んでくれる人、その喜びを生きがいに僕らは仕事をしているのだと思います。

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ものづくりにもM&Aにも共通する、たばこ事業の「Good Faith」

──たばこ事業のものづくり領域についてお話を伺ってきましたが、顧さんご自身は、M&Aのご経験が長いと伺っています。

顧:はい、私は就活時から「大きなお金を動かして人を幸せにしたい。大きな世界で勝負がしたい」という志向性を持っていました。就活時もメーカーはほとんど見ておらず、金融をメインに見ていたのですが、事業規模や優良な財務諸表、商品そのものの面白さ、そして何より、お会いした社員の方の輝く眼が決め手となり、JTへの入社を決意しました。

入社直前には海外事業拡大を目的とした大型買収をJTが公表したため、大きな期待を胸に抱き、入社式に出席したことを今でも鮮明に覚えています。

入社後はたばこの事業企画、マーケティングと渡り歩いてきましたが、やはりお金を動かすような仕事をしたいという思いが強くあり、ある時コーポレートの監査部に異動させてもらい、JTI※︎2の業務に携わるようになりました。

JTIでは、2007年に買収した企業の監査等に何年か従事してから、ジュネーブにあるJTI本社での戦略プランニングやM&Aの仕事を経験しました。そこから今はJT側に戻って、引き続き、企業買収や提携など、外部リソースを活かして成長を加速させる業務を行う部署にいます。

たばこ事業というと何だか経験できることの幅が狭いようにも思われるかもしれませんが、お客様に喜んでもらえる商品を製造し販売するメーカーとしての業務から、自らがドライビングシートに座って行うM&Aまで、携わることができる仕事の幅は広いと思います。

また、私から見るJTは公平というよりは公正で、「仕事は、自分がやりたいという想いを持つ人や、努力して成果が出た人に任される」という考え方がとても明確な会社です。「やりたい」と言ったことはやらせてくれようとしますし、精いっぱい取り組んだ結果失敗したとしても、そこからの学びを次に生かせる人であればまたトライできるので、とても恵まれた環境にあるのではないでしょうか。

2 JTI:JT international。JTの海外事業を統括する子会社。JTはJTIに経営の方向性を示す一方、実際の執行面ではJTIが大きな自由度を持つ。

──ものづくりとM&A、全く異なる業務のように思えますが、事業を推進する上で共通していることはありますか?

顧:一つは先程もあった、ものづくりや、仕事のクオリティに対するプライドの高さですね。もう一つは、「Good Faith=誠実さ」。これは私自身が仕事をする上での軸にしているものでもあるのですが、JTの思想にも深く根付いている哲学です。

当社のM&Aでは、統合を進める上で、買収先の人や資源を大切にすることが成功要因の一つになっています。多くのM&Aでは、買収先にCFOやCEOが送り込まれて、経営管理の領域から買収先の企業を押さえていく構造を作りがちです。

JTはM&Aにおいて、有為な人財を確保する上でも「出自に関係なく、成果を出せる人に業務を任せるのが一番」という考え方を持っています。

1999年の海外企業買収の際には、買収先の社長もそのままに、JTから7,8人のみを派遣しました。監視をしに行ったわけではなく、彼らの事業を理解し、日本の本社との間に入って、適切なガバナンスのもと、買収先の企業が事業に専念できるような環境を作ることでスムーズな統合を図ったのです。

新しく仲間に加わった企業と綿密なコミュニケーションを取ってJTが何をしたいのかを伝えることで信頼を獲得し、その企業のブランドや、従業員に対して誠実に対峙するやり方は、JTの強みだと思いますし、お客様、社員、社会、株主などのすべてのステークホルダーに誠実に向き合うことが、我々がたばこ事業を遂行する上での重要な考え方になっているのではないでしょうか。

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複雑な事業だからこそ、ことばを紡ぎながら良いものをかたちづくる

──ここまでお話を伺って、「様々な複雑なものづくりや事業の遂行を、言葉を丁寧にすり合わせながらチームでつくっていく」というプロセスやその文化が尊重されているように感じました。

顧:そうですね、たばこという「感情」にまつわる複雑な事業をやっているからこそ、そのような文化が発達しているとも言えるかもしれません。我々の仕事はお客様に価値を届けることですが、それを実現する一人ひとりへの「Good Faith」やリスペクトの文化が当社には根付いています。ゆえに、多様性を受け入れて、いろいろな考え方をすり合わせながら議論できる懐の深さがあるのだと思っています。

また、事業環境の要因もあると思います。昔はたばこの専売公社で、たばこを誠実に作っていればよかったのでしょうが、海外進出を果たし、更には食品や医薬品など、多様なビジネスを展開するようになりました。環境に合わせて会社を変えていかないといけないという想いを、昔からの社員も含めて多くの社員が持っています。

だからこそ、若い人や社外の人も含めて、個が持っている「何かいい感じのもの」を受け入れながら進化させていくのが大事なことであると認識されていて、このような文化が根付いているのだと思います。

──そのような文化や思想が根付いた会社の中で、顧さん自身はどのような人と一緒に働きたいですか。

顧:答えはすごく単純で、私が一緒に働きたいのは「様々な物事に興味があって、仲間と一緒に働ける人」です。過去の経験の中に「仲間」というキーワードが常にあって、一人では成し遂げられないことを、仲間と成し遂げることに喜びを感じる人だと、よりJTにマッチするのではないかと思います。

──最後に、学生にメッセージをお願いします。

顧:私のの仕事に対するモチベーションの根底にあるのは「みんなに幸せになってほしい」という思いです。「全員が幸せに」を実現するのは難しいですが、自分の周りにいる家族、友達、そしてお客様をはじめとした仕事上のステークホルダーが幸せになるように事業をつくっていくことを一番に考えながら働いています。

たばこというプロダクトはその周辺環境も含めてとても複雑ですが、その分いろいろな人に影響を与えることができますし、事業としての趣深さがあると考えています。この記事で、その事業の奥深さや面白さに少しでも気づいていただけたら幸いです。

人によって何を軸にして働くかは様々ですし、皆さんはそれを今から考えていく段階だと思います。JTは会社として「人の感情」にまつわるプロダクトを中心に作っているので、人が好きで、事業を面白いと思えるような方に、当社にも興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

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話し手

顧 学範

顧 学範

日本たばこ産業株式会社
経営企画部 部長
1999年 日本たばこ産業株式会社に入社。
入社後はたばこ事業本部にて、事業企画、マーケティング企画等に携わり、国内たばこ事業の成長に貢献する。
2007年に海外たばこ事業を管轄するJT International(JTI)に出向し、内部監査、経営企画、M&A業務に従事。2011年以降は複数のM&A案件を担当。海外たばこ事業の地理的拡大・ポートフォリオ拡大に貢献。
2016年に帰国後、経営企画部にて、たばこ・医薬・加工食品を含むグループ全体のM&A・事業開発を担当。2018年4月より、現職。

執筆/編集

石原 有紗

石原 有紗

Goodfind College 編集部
横浜国立大学理工学部卒。情報工学を学ぶもビジネスの面白さに取り憑かれ、4年の夏に院進を取りやめ就活。スローガンに入社後、エンジニア向け新サービスの立ち上げを経て現職。