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INTERVIEW

「現場知」がキャリアを作る。急成長期プロダクトのマーケティングに携わる道のりとは

職種別採用が広がり、新卒入社直後からマーケティングに携われる企業も増えてきました。しかし、マーケターとして活躍するにはマーケティングの経験だけがあれば良いのでしょうか? 今回は、日本たばこ産業株式会社(JT)で営業を経験したのち、現在加熱式たばこのブランドマーケティング戦略に携わる井上開斗さんに、営業を経験したからこそ身についた力や広がった可能性について伺いました。


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SPONSORED BY 日本たばこ産業株式会社

話し手

井上 開斗

井上 開斗

日本たばこ産業株式会社
RRP Product & Brand Ploom Brand Team

SECTION 1/5

全国的な販売基盤を活用した、スケールの大きいマーケティング

⸺様々な企業に「マーケティング」という職種はありますが、井上さんが5年半ほど携わる中で感じるJTのマーケティングの特徴や面白さは何だと思いますか?

井上:まず挙げられるのは、数千億の規模で一点集中の投資が行われていることです。長年の販売実績を持つ紙巻たばこという安定した収益基盤があるからこそ、新しいプロダクトである加熱式たばこの「Ploom」への集中的な投資を可能にしています。

当社はPloomを注力ブランドとしているため、私が所属するチームや部署で企画したPloomのブランド戦略に基づいて、社内のあらゆる部署の人が活動することになります。会社としてはっきりとPloomへの投資戦略を打ち出しているので、ほぼ年間を通して広告展開を集中させることができるのも大きいですね。

紙巻たばこ中心の時代から築き上げた全国的な販売ネットワークも強みの一つです。加えて、JTは喫煙所に協賛するなどして、全国各地のたばこをお吸いのお客様にアプローチできる基盤もあります。それらを最大限活用して全国的なマーケティングを展開できるのは、当社ならではの面白さではないでしょうか。

SECTION 2/5

周囲を巻き込みながら、自分の手でブランドを作り上げていく

⸺JTの中でも、Ploomのマーケティングやブランディングに携わる面白さは何ですか?

井上:一番の醍醐味は、ブランドを自分の手で作っていくことだと思います。初代Ploomは2016年に販売を開始しており、2021年にはPloom X、2025年からPloom AURAを発売するに至っています。Ploomは誕生以来絶えず進化を遂げ、各製品を通じて常に新しい価値を提供し続けています。

私の所属するPloomブランドチームは、現状や課題の把握から販売戦略、クリエイティブの作成まで一貫して担っており、ブランドを自分の手で育てている実感があります。実際の施策はそれぞれの専門部署の手に渡って実施されていきますが、その根幹に携わることができます。

⸺専門部署がそれぞれあるのであれば、仕事を進める上で関わる人は多岐にわたるようですね。

井上:はい。ステークホルダーが多いため、業務推進の難易度は高いと思います。様々なステークホルダーに対しては、「ロジック」と「ワクワク」の2つの観点から物事を伝えることを意識しています。論理的な納得感だけではなく、コンセプトや開発の注力ポイントなど製品を作る側の自信を伝えることで、「これはいけるんじゃないか」と周囲をワクワクさせることが大事だと感じています。

Ploomはまだ挑戦者の立場のため、周囲に「こうしたい」というのを納得してもらえれば一気に物事を進められるような環境であるとも感じます。

⸺シェアや売り上げ向上のために変化させたことはありますか?

井上:製品の提供価値の定義を見直しました。Ploom X発売当初の2021年は「TRULY UNIQUE」というコピーで、画一的ではない個性のある選択肢を提供することを打ち出していましたが、ユーザーが増えるにつれて、この提供価値はフィットしなくなっていきます。また、「Ploomと言えば○○」といったブランドイメージを定着させられていなかったことも課題だと感じていました。

そこで、Ploomの提供価値を「うまさ」に再定義し、商品開発や市場調査を通して根拠とともに提示できるようにしました。そもそもたばこは嗜好品なので、人それぞれ価値を感じるポイントは異なります。だからこそ、しっかりとした軸が必要だと考え、お客様が最も重視していて、なおかつPloomの強みであった「うまさ」を全面に押し出すことを決めました。

SECTION 3/5

営業で培った2つの力が、マーケターとしての基盤に

⸺会社の社運を背負うような、大きなブランドのマーケティングを担う上で必要な力は何ですか?

井上:コミットメント力と人に動いてもらう力の2つが重要だと思います。個人的には、どちらも新卒で配属された営業で身についたと感じています。

例えばたばこ販売店様に対する営業では、自分で考えた戦略を自分で実行できることが大きなポイントです。担当の販売店群の数字に責任を持つので、目標達成のためにどのような行動をするかを、徹底的に考えて実行していくことができます。マーケティングでは、様々な部署を巻き込んでプロジェクトを前に進めるためには、まず自分が何をすべきかを考え実行するコミットメント力が求められるので、これも営業を経験して良かったと感じる点です。

人に動いてもらう力については、特に「お客様の心を動かす」ことが重要だと思います。営業として直接お客様に販売するときは「目の前のお客様がどのようなニーズを持っていて、それに対する最適解としてPloomを提案できるか」にフォーカスしていました。これはマーケターとしてマスのお客様に対するコミュニケーションを考えるうえで非常に重要な経験だと思っています。目の前のお客様に動いていただくこともマスのお客様に動いていただくことも、本質的には変わらないと思います。

⸺マーケティングにおいて、これらの力が求められるのは具体的にはどんな場面でしょうか?

井上:マーケティングでは、様々なステークホルダーがいる中で意思決定をしなければいけないので、勢いだけで押し切るのではなく「なぜそれをやるのか」という明確なロジックを組む必要があります。

このロジックを支えるのは、あらゆる可能性を徹底的に突き詰めて考える姿勢です。例えばPloomのように社内での注目度が高いブランドだと、ある施策を実施する際に「なぜこの施策なのか?」「他の打ち手のほうが効果的ではないか?」といった意見を様々な部署からいただきます。

そんな時にも「もちろんAではなくB、Cといったことも検討したが、その中でもこういった点が優れているのでAを選択した」というように説明できなければ、周囲の理解や納得感を得ることはできません。マーケティングに限らない話であるとも思いますが、いかに徹底して突き詰めて向き合えるかが、成果を上げるためのカギになるのではと感じます。

SECTION 4/5

営業から始まる、マーケティングのキャリアへの挑戦

⸺営業での経験がマーケティングで活かされているとのことでしたが、Ploomのマーケティングに携わるまでの道のりを教えてください。

井上:まずはJTの商品がどのように売れるかを一番近いところで見たいと思って営業を希望し、新卒入社後は北海道支社のたばこ販売店様に対する営業の部署に配属されました。営業のミッションとして、自分が担当する販売店群におけるJTのシェアを上げることにこだわりました。自分のやりたいことをたばこ販売店様のニーズと重ね、いかに実行に移していくかを学んだ期間でした。

次に、Ploomが本格的に販売開始されるタイミングで、新しく発足したPloomの営業チームに異動しました。これまでの営業はたばこ販売店様に対する営業でしたが、Ploomはたばこを吸うお客様に直接提案・販売する形となり、販売会等を通して一日で100人以上のお客様にアプローチすることもありました。結果も売上の数字としてすぐ見えるので、どのようにアピールすれば買ってもらえるか、ひたすらにPDCAを回しました。

その後は、マーケティングのインテリジェンスプロジェクトが立ち上がるタイミングで異動しました。インテリジェンスとは、販売数量データや自分たちで実施した調査から数字を集め、マーケティングにおける課題を社内に対してレポートする仕事です。

⸺Ploomの本格的な販売開始タイミングから営業に携わったり、インテリジェンスプロジェクトの立ち上げに参画したりするなど、次々と新しい領域を任されているようですが、部署異動にはどのような背景があったのでしょうか?

井上:マーケティングへの異動を希望したきっかけは、営業活動をする中で感じていた課題にチャレンジしたいと思ったことです。営業は「既に手元にある武器でどう戦うか」という視点ですが、その中で競合と戦っていくには武器の部分を改善する必要があると感じ、商品や施策を考えることに挑戦するためにマーケティングへの異動を希望しました。

インテリジェンスからブランドチームへの異動は、自分が提案した課題解決策をよりタイムリーに施策に反映したいと感じたことが理由です。結果的に、インテリジェンス部での業務を通して実施すべきだと感じた施策を、ブランドチーム異動後に自分で実行することもできました。

これらの異動希望が叶ったのは、たばこ販売店様への営業で成果を上げた実績だけでなく、目の前のことに真摯に取り組む姿勢をも評価してもらえたからだと思っています。Ploomの営業は、新規開拓や直接販売をするという、たばこ販売店様へのルートセールスとはまったく違う形だったので、新しいことも任せられるという信頼を最初の3年で築くことができたのだと思います。

⸺成果を積み上げたからこそ希望の部署へ異動するチャンスを掴めたとのことですが、その過程で壁にぶつかった経験はありますか?

井上:営業の時に、良い関係を構築してきたたばこ販売店様に対して自分の達成したい目標にばかり目を向けた、独りよがりな提案を持って行ってしまい、出入り禁止と言われたことがあります。

結果的に、まずは自分が顧客としてたばこ販売店様に通いながら関係を修復し、相手のニーズを改めて確認して再び提案させて頂けるようになりましたが、「相手のニーズを的確に捉えた上で、それに沿った形で自分のやりたいことをやる」という考え方を徹底する必要があると気づかされた出来事でした。

この考え方は営業だけでなくマーケティングでも同じだと思います。例えば、データ分析や顧客調査で「問題点」を洗い出すことはできても、それが「解決すべき課題」かどうかは別問題でしょう。自分が解決すべきだと思ったとしても、解決すべき課題か否かを社内で意思決定するための情報、つまり意思決定者が必要とする情報を提供しなければなりません。

自分と相手のニーズが食い違うことは多々あるので、相手の立場に立った視点を持つことが物事を前に進めるために重要なのだと思います。

SECTION 5/5

「仕事の報酬は仕事」。やりきることで将来は拓けていく

⸺今後はどのようなキャリアを築いていきたいと考えていますか?

井上:現在のブランドマーケティングが面白いので、さらにレベルアップしていきたいと考えており、ゆくゆくは海外で経験を積みたいと思っています。グローバルマーケットでも活躍できる人財になるためには、実際に海外で勤務することで、海外でのビジネスモデルや仕事の仕方を学ぶことが大事だと考えているからです。

⸺希望の業務を経験し、将来の可能性をも広げていくためにどのように仕事に向き合うと良いと思いますか?

井上:「仕事の報酬は仕事」だと考えていて、目の前の仕事を最大限やりきることで新しい仕事にチャレンジできると思っています。入社したときの上司に「目の前にある仕事ができない人に新しい仕事は回ってこない。そこで誰よりも成果を出せば誰かが見てくれている」と言われたこともあり、目の前の業務で成果を積み上げていくことが大事だと意識しています。

まずは自分の担当する領域の中で一つひとつ壁を乗り越える経験を積み重ね、その領域はプロフェッショナルだと自信持って言えるようになることが大事なのではないでしょうか。マーケティングやブランディングといった、難易度が高く裁量の大きな役割に挑戦するとプレッシャーを感じる場面もありますが、その時に支えてくれるのはそれまでに積み上げた成功体験だと思います。

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