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INTERVIEW

抽象と具体を往復し、リデザインする。研究もビジネスも両取りの理系キャリアとは

理系の皆さん、「大学での研究を仕事に活かすか、ビジネスで成長して市場価値を上げるか」の二択で迷っていませんか? もし、その両方を叶えられるキャリアがあったとしたらどうでしょうか。そもそも理系就活で最初に考えるポイントとは? 今回はJTの製造部門で400人に影響を与えるプロジェクトを率い、現在は採用を担う中里悠也氏にインタビューしました。キーワードは「リデザイン」です。

SPONSORED BY 日本たばこ産業株式会社

話し手

中里 悠也

中里 悠也

日本たばこ産業株式会社
製造部門 採用担当

SECTION 1/5

「面白そうな業務」の罠

──会社選びの際、就活生の多くはその会社で携われる業務に目を向けます。特に理系の学生は、業務に知的好奇心を持てるかを重視している人が多いですが、中里さんは何を重視しましたか?

中里:私は自分の内発的動機と、会社の目的とのつながりに重きを置きました。

JT中里氏

前提としてお伝えしたいのは、そもそも世の中に存在する業務は、細分化してしまえばどこでも大差ないということです。どの会社のどの職種についたとしても、実際に行う業務の一つ一つは、パソコンを打つ、人とコミュニケーションをとる、思考するといった作業に落とし込まれます。

そうした個別具体的な仕事の中には、面白いものもあれば、そうでないものもありますから、自分がやりたいことだけができる仕事なんて、そうそう見つかりません。裏を返せば、会社選びの際にその会社でできると思われる業務の一部のみに誘引されて意思決定するのは、イメージしていた仕事と実際にやる仕事が乖離してしまう可能性があるという意味で、得策ではないと考えています。

一方で自身の内発的動機、例えば「こういう人間になりたい」「自分の人生に〇〇という意味を持たせたい」などの自分が本当に望んでいることと、その会社や職種が持つ目的とが本質的につながっている状態であれば、「つまらない」「好きではない」ように見える業務にも意味を持たせることが可能になります。

単調な作業も、それによって会社が発展し世界に貢献できていると、自分の中で拡大解釈ができる。それによって面白くない業務を面白がることができるようになるのです。

面白そうに見える業務に誘引されるなと言いましたが、他方で、会社や職種の「本質」を理解しておくことはとても重要です。例えばコンサルタントを志望している人であれば、「コンサルティングという仕事がどのような『機能』を果たすことが求められているのか」「その特性上、どのような変化あるいは仕事の仕方があり得るのか」などを考えてみると良いでしょう。

SECTION 2/5

デザイナーと製造の意外な共通点

──会社や職種の本質を理解する必要があるのですね。JTの製造部門の「機能」と「本質」とは何ですか?

中里:JTのたばこ製造部門は、葉たばこの原料を受け入れ、加工するところから、最終的に箱詰めされた商品を作り出し、出荷する機能を担っています。研究開発や原料調達の部門がつないできた価値や想いを、技術力をもって形にするということです。

この仕事の本質は、欲しい人が、欲しい時に、欲しい分だけ買える状況を生み出す(=Quality, Cost, Deliveryを担保する)こと。そして、そのために必要なのが「リデザイン」する力です。

わかりやすく例えるならば、製造に求められる能力はデザイナーのそれに近いと思っています。デザイナーの仕事の本質は、ファッションの文脈であれば「服」という既に大枠が定まっているものに対し、時代やトレンドの変化に合わせてデザインを落とし込んでいくことにあります。服の概念を0から作り上げるのは哲学やアートの領域です。

製造も同じように、ものを作り出すことが至上命題であるため、0→1で概念を作り変えることはほとんどありません。しかし需給や原材料、機械、情報などの外部環境の変化を受けて、とり得る手段や最適解がどんどん移り変わるなかで、都度本質に立ち返って素早く1→1’や、1→2を実行することが求められます。このように製造では、既存の仕組みを捉え直して最適な形に再設計する、「リデザイン」する力が必要だと思っています。

──「製造」と聞くと、機械に従ってものを作り出す単調な仕事をイメージしがちですが、状況に合わせてリデザインを繰り返す、よりクリエイティブな仕事なんですね。

中里:そうなんです。もちろん既定のフレームに則って、求められる機能を満足させることも大切です。一方で、既定のフレームの中で課題解決をするだけではなく、一段、二段と、抽象度を上げ、前提を捉えなおすことも非常に重要となってきます。

例えば製造に使うある一つの機械についてでも、そもそも「なぜこの機械を使うのか」と想像してみることが大切です。我々がこの機械を使う理由は、Quality・Cost・Deliveryの観点から、現在ビジネスをするために妥当な性能を備えているからですが、他にどのような手段があるのか。市場のニーズが変化した場合は何が妥当な選択肢となるのか。それについても、想像を膨らませることが大切です。

このように、機械や設備を物体として捉えるのではなく、「概念」として認識することで、柔軟に発想し、工場や工程自体をリデザインすることができるのです。こうした意味でも、製造は日々抽象と具体の往復を行う、クリエイティブな仕事だと言えると思います。

SECTION 3/5

研究&ビジネス必須の能力を鍛え抜く

──理系の方がJTの製造部門で得られる経験やスキルとして、他の会社や部門との違いはありますか?

中里:最も大きな違いは、仮説検証サイクルを回す研究的な側面と、プロジェクトマネジメントなどのビジネスの側面を両方同時に経験できる点だと思います。

JTの製造部門では全員が何かしらのプロジェクトにアサインされ、若手もその推進を任されます。例えば私は3年目のときに、原料加工担当のメンバー70人を巻き込んだ製造コスト低減プロジェクトを任されました。製造プロセスで原料や材料のロスが発生するポイントを特定するところから、ロスを低減するための設備のパラメータの変更や機械の改作など、企画・実行・分析をプロジェクトメンバーと共に主導しました。

──研究の経験を活かせることはもちろんですが、大規模な事業を展開しているからこそ、多くの人を巻き込んだプロジェクトを推進してマネジメントスキルも鍛えられるのですね。

中里:そうですね。そもそも製造に対して、工場で黙々と作業をするというイメージを持たれている方がいるかもしれませんが、JTは正反対と言えます。日々価値観が異なる数百人とともに働くことになりますし、原料調達や商品開発など多様な部門と接するため、対人コミュニケーション能力や交渉力、そして思考力が鍛えられる環境だと思います。

それを最も実感できたのは、4年目のときに担ったプロジェクトですね。当時私が所属していた原料加工担当には2つのチームがあり、別々のものを別々に製造する体制をとっていたのですが、人財育成と効率化の観点から、その2つのチームをマージ(融合)することになったのです。それぞれのチームが持っているスキルを互いに展開し、習得しながら、柔軟に製造できる体制を作るというのが目的でした。

スキルの展開と習得を行うには、オペレーションやメンテナンスなど様々な研修と訓練を実施する必要がありますし、それぞれのチームの製造計画をどのようにマージしていくのかを、ハードとソフトの両面から考えなければなりません。

さらに2チームの製造体制を変えれば、工場の関係部署すべてに影響が及ぶため、それぞれにメリットを説明し納得してもらいながら協働する必要もあります。結果的に工場全体の約400人に影響を及ぼすプロジェクトの企画から実行、定着までを、様々な部署への折衝を繰り返すことで実現することができました。

SECTION 4/5

仮説検証、リデザイン…コンサルとの違いは?

──研究的な能力を活かしながら、ビジネス的な能力も養える環境ですね。その後はどのようなキャリアが描けるのでしょうか?

中里:入社後最初の配属先で、まず機械に関わりながら目の前の課題に取り組んだり、中期の施策に携わったりした後は、技術・品質のエキスパートの道、工場全体の統括や間接部門でのゼネラリストの道、他部門での経験など、様々な選択肢が広がっています。

技術・品質のエキスパートは、世界中の拠点でシステム・運用を作り変えたり、新工場の立ち上げに参画したりといった活躍をしています。国内・海外問わず、技術(機械や電気、情報)のエキスパート人財の育成に力を入れており、製造部門社員の活躍フィールドは今後さらに世界中に広がっていくでしょう。

──ここまでのお話を聞いて、JTの製造部門の仕事は、仮説検証やリデザインの考え方など、コンサルに似ている部分が多いのではないかと感じました。

中里:コンサルティングも製造も、鍛えられる能力は似ていると思います。ですから、会社選びの際に考えるべき両者の究極的な違いは、価値観の部分でしか生まれないと考えています。

コンサルティングはクライアントワークですので、様々な業界・業種に属する顧客の課題に対して、自分が共感しているか否かにかかわらず、妥当な解決策を提案するというスタイルです。対してメーカーでは、自分が共感する一つの領域の課題に向き合うことになります。どちらが自分の価値観や叶えたい世界観に合っているのか、その違いしかないと思うのです。

逆に、自分がその業界・その会社に行く意味・いる意味に大なり小なり納得できていない限りは、コンサルタントであれメーカーであれ、どこに行っても仕事を自分事にできず、全力でコミットできないので成長しにくいのかなと思います。

──「自分がその会社に行く意味・いる意味」をどう見出したら良いのか、中里さんの経験から聞いてみたいと思います。理系学生のなかには、自分が専門的に学んだことを活かせる仕事に就こうと考える人もいますが、中里さんはどうだったのでしょうか?

中里:私自身は、大学での研究に直結する仕事を選ぼうとは思いませんでした。

私は理工学部の電気電子専攻で、電気刺激による神経制御について研究をしていました。簡単に言うと、皮膚の外側から電気の刺激で神経に働きかけ、筋肉の動きをコントロールするという、リハビリテーションの文脈でよく出てくる領域です。

周囲の勧めもあり、なんとなく選んだ大学と研究室でしたが、研究そのものに面白みも感じていましたし、研究に励む中で、自分自身に知識やスキルが蓄積されていく感覚もありました。

一方、進路選択においては、そもそも自分が何のために生きるのかといった「目的」に立ち返って、自分なりに納得できる選択をすべきだと考えました。

「目的」達成のために、取り組んでいた研究が直結すればそれは幸せなことですし、そうでなくでも研究における仮説検証のプロセスは活かすことができる。これまで蓄積した知識・スキルを「手段」として捉え直すことで進路の幅を広げ、就職先を選択しました。

SECTION 5/5

「自ら選んでここにいる」と言える選択のために

──中里さんにとっての「目的」とは何だったのですか?

中里:シンプルに「幸せになること」でした。「幸せ」とは何なのかを考える瞬間が、人生の中に幾度もあったからです。私が中学生の時に半身不随になった祖母は「不便ではあるが不幸せではない」と言っていました。また、アルバイト先の先輩が「何を通じて社会に存在・貢献したいのか」と熱く語っている姿は、当時「幸せ・人生の意義=地位やお金」だと思っていた私にとっては新鮮でした。

では私自身は何に対して楽しさや喜びを感じられるのかと考え、思い至ったのは「奉仕」でした。「誰かのために何かをしている」という状態が、私にとっては心地良い。そこで「自分のため(自利)」と「相手のため(利他)」をほぼイコールにできる、奉仕が私にとっての幸せ、つまり「目的」だと考えました。

──仕事やキャリアの前に「どんな人生にしたいのか」について、自分の中で答えを出したのですね。その目的とJTはどのようにつながったのでしょうか?

中里:「誰に奉仕するか」と考えた時に、家族、顧客、国、環境、世界など様々なスケールやベクトルがあるなかで、私は「人間社会」が気になったんです。今後も人が作る社会がより良い形で存続していくために、自分ができることは何か。そこで出した答えは、多様性の担保でした。

インターネットを通じて世界中の人が同じ情報にアクセスできる現代で、人は皆同じような選択をして、同じような環境に適応していくのではないかと考えています。そうして画一化していけば、究極10人が10人同じ価値観、発想になってしまって、なんとも面白みのない社会になってしまう。生物的にもあまり良い状況ではないと思いました。

人間社会の画一化から逆行するためには、「準備された『恣意的』で『合理的』な選択肢」だけではない選択肢が必要です。人がただ生きていくためには、あってもなくてもどちらでも構わないような選択肢。吸う人も吸わない人もいる、たばこもその一つですね。そうした選択肢になり得るものを世の中に残して、人の多様性を担保しようとすることが、自分の幸せにもつながると考えたのです。

世の中に選択肢を増やしたい私と、人間の心の豊かさのために選択肢を持ちつつも探求し続けるJT。たばこというものに物凄くこだわりがあったわけではありませんが、自分の内発的動機と会社の目的(ミッション)とが重なったことから、JTで働くことを自らの目的達成の手段にしようと、入社を決めました。

──冒頭で「内発的動機と会社の目的とのつながりを重視した」とおっしゃっていた意味がわかりました。実際に働いてみてご自身の目的は達成できていますか?

中里:JTという場を使って社会に奉仕していくためには、自分自身の知識・経験ともにまだまだ足りていないと感じています。そのため今後も様々な経験を積んで、物事の見方・捉え方をもっと広げ、それらをビジネスに応用していくことで、目的達成に一歩ずつ近づいていきたいですね。

また、私は現在、製造部門全体の採用や成長支援を担っているのもあって、誰もが高揚感を持って働ける組織を作っていきたいと思っています。各々のエンゲージメントが高くなればビジネスでのパフォーマンスもどんどんあがるでしょうし、そうなると結果的に私自身の目的達成にも近づいていく。もちろん、私はそのように捉えて仕事に取り組んでいるだけで、全員が同じ捉え方である必要は全くないと思っています。

一人ひとりの価値観、それぞれの理由を持って然るべきですが、そこに多少なりとも「自分が選んでJTの製造部門にいるのだ」という自己決定の要素が入ってくれば、誰もがより充実した人生を送れるのではないかと思っているのです。

今回お話したJT製造部門の仕事や考え方と、ご自身の想いや希望が重なる部分があると感じた読者の方は、ぜひ一度、説明会などに足を運んでみてください。あなたの考えを聞いて議論できることを楽しみにしています。

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