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フィンテック業界で何が起きているのか。就活生のためのメガトレンド解説

フィンテックについて「金融とテクノロジーをかけ合わせたもの」という知識は持っていても、それ以上は詳しく知らない。そんな方は、ぜひ本記事を読んでみてください。フィンテックの中でも最も身近な決済領域や金融のDXを担うインフキュリオンの代表で、一般社団法人Fintech協会のエグゼクティブアドバイザーも担う丸山弘毅氏と、同社に投資しているベンチャーキャピタリストの村島健介氏、そしてGoodfind創設者の伊藤豊の対談。フィンテックが、なぜ、そしてどのように世界中の産業に変化をもたらしているのか、知識の一歩先の構造を学びましょう。

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SPONSORED BY 株式会社インフキュリオン

話し手

丸山 弘毅

丸山 弘毅

株式会社インフキュリオン 代表取締役社長/一般社団法人Fintech協会 エグゼクティブアドバイザー

村島 健介

村島 健介

Minerva Growth Partners 創業パートナー/株式会社インフキュリオン 社外取締役

伊藤 豊

伊藤 豊

スローガン株式会社
創業者

SECTION 1/5

なぜ様々な企業が決済領域に参入しているのか?

伊藤 :近年「◯◯ペイ」の名を冠したキャッシュレスサービスが増えてきていますね。銀行系だけでなく、スーパーやコンビニ、通信会社なども決済領域に参入してきている背景には、何があるのでしょうか?

丸山:背景には、様々なビジネスがオンラインで繋がる世界において、決済が発生するポイントをおさえる重要性が高まってきていることがあります。というのも、すべてのビジネスにとって、誰がどういう行動をして何を買ったのかというデータを取得することには大きなメリットがあるからです。

例えば、近年あらゆるビジネスがインターネット広告を出していますが、その広告が期待した成果を挙げられたのか否かを確認するには、決済データを分析しなければなりません。様々な業界の企業が決済サービスへ参入してきている理由は、こうした決済データを取得したいという側面が大きいのだと思います。

伊藤 :お金の動かないビジネスはないわけですから、決済データを握る重要性は頷けます。しかしインターネットやスマートフォンが普及してから長い年月が経っていますが、なぜ最近になって決済参入の動きが加速してきているのでしょうか?

丸山:テクノロジーの進化と、それに対応した法改正が大きな要因だと考えられます。クレジットカード番号が漏洩するような事故が起きないように、金融や決済の領域は法律の縛りが厳しい上に、巨額の投資をして強固なセキュリティシステムを整えた企業しか扱えないようになっていました。

言うなれば、特定の人しか触れないブラックボックス化することによって安全性を担保するというのが、これまでの決済領域での考え方だったのです。

しかし近年、クラウドサービスやAI、ブロックチェーン技術の進化と、それに対応した法改正によって、金融システムの技術をクラウド上で使うことができるようになってきました。こうしたテクノロジーと法規制の変化から、銀行系以外の企業でも金融サービスに参入できるようになり、今のように「あらゆる産業が金融化している」とも言える状況がつくられたのです。

村島:「あらゆる産業の金融化」は、日本だけでなく世界的なトレンドと言っても良いと思います。アメリカを代表するトップクラスのベンチャーキャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツがおこなった “Every Company Will Be a Fintech Company” というプレゼンに、世界中が衝撃を受けたのが2019年。

「すべての企業がフィンテック企業化する」。そのグローバルの波が日本にも押し寄せてきているのを感じますね。この流れの中で、決済機能は今後、あらゆる企業の事業活動におけるインフラやOSとも言えるような重要な役割を担うことになるでしょう。

SECTION 2/5

なぜ既存の金融機関が自前で対応できないのか?

伊藤 :既にあらゆる産業が金融化する世界になっており、それが今後も加速していくであろうことがわかりました。その流れをつくっている仕組みが、「エンベデッド金融」というものだと思います。

就活生にはあまり馴染みのない言葉ですよね。“Embedded”は「埋め込み」という意味で、つまり金融以外の事業会社が、自社サービスの中に金融機能を「埋め込む」ということですが、具体的にはどういうことなのでしょうか?

丸山:エンベデッド金融は、実は最近、皆さんの身近なところでも用いられている仕組みです。例えば日常生活でモノを買う時、以前は「広告を見て店に入る」「モノを手に取る」「レジで会計をする」「レシートをもらう」「家計簿をつける」といった行動が、個別に連携しない形で発生していました。

しかし現在ではデジタル技術が発達・普及したおかげで、これらの行動がシームレスにつながるようになってきましたよね。例えば、店舗に行く前にオンラインで予約と購入をしたり、タクシーに乗っている間に支払いを済ませたり、無人店舗で店舗のゲートを通るだけで決済が完了したり。こうした一連の商取引の中に決済機能を埋め込んでしまうのが、エンベデッド金融という概念です。

参考:インフキュリオン株式会社 資料

村島:エンベデッド金融を実現するには、個々の事業会社のニーズに合わせて、決済機能を埋め込んでいくことが必要になります。そこで決済機能を“機能単位”で分解して提供できるプレイヤーが急速に中心的な役割を担うようになってきたのです。それを体現している会社が、日本ではインフキュリオンだったというのが、我々が投資をしている理由です。

伊藤 :インフキュリオンでなくても、例えば人材も資源もたくさん集まっている既存の金融機関などで、エンベデッド金融のような新たな仕組みを自前で作れないのでしょうか?

丸山:既存の金融機関では「やりたいけれどできない」というケースが非常に多いようです。その理由は様々ですが、一つは、そもそもエンベデッド金融自体が、1社の内製のみでは実現し得ないものであることだと思います。

エンベデッド金融は、銀行、クレジットカード、スマホアプリなど、それぞれ単独で育ってきた業界が、その領域を越えてつながる世界観です。影響範囲が広く、法律への対応や複雑なシステム構築が必要になるため、どんな企業であっても1社の中だけで完結させることは不可能です。

しかし既存の金融機関等は、機密を守ることの優先順位が比較的高いため、他社や研究機関などの持つ技術やアイデア・ノウハウを組み合わせてイノベーションを起こす「オープンイノベーション」と呼ばれる取り組みが生まれづらいのです。

また、既存の金融機関は毎年巨額のシステム投資をおこなっていますが、実はそのうちの8割程度が既存システムのメンテナンスに使われています。つまり新しい技術や取り組みへの予算を割きにくいのです。

こうしたハードルがあるからこそ、各社がほしい決済機能を機能単位で提供できるインフキュリオンが、既存の金融機関からも求められているのだと思います。

村島:決済領域では本当の意味での「ニュートラリティ」が必要であるということも、既存の金融機関では台頭が難しい背景にあるのではないかと考えられます。例えばA銀行系の決済機能はB銀行系の事業会社では使えない、といったことが日本では往々にして起こり得ます。

キャッシュレス決済を推進したい国がバックアップするという意味でも、決済領域ではインフキュリオンのように「色」がついていないニュートラルな立場であることが重要なのです。

SECTION 3/5

エンベデッド金融を実現する難しさとは?

伊藤 :インフキュリオンが様々な企業から頼られる存在であるのは、エンベデッド金融が新しい仕組みであるからのみならず、そもそもエンベデッド金融という仕組みを実現すること自体が難しいからではないでしょうか?

丸山:エンベデッド金融を実現する上で一番のハードルは「グラデーションづくり」です。サービスによっては、消費者保護やセキュリティ体制整備を非常に厳重に行わなければ法に抵触するようなものから、比較的手軽に始められるものまで存在します。

この「非常に重い金融」と「ライトな金融」を一つのサービスの中で混ぜたり、つなげたりする場合、そのグラデーションをどう設計するか、技術的にどう担保するかが問題になってくるのです。

このように、「非常に重い金融」か「ライトな金融」、どちらか両極端だけではできない世界が作られているというのが、エンベデッド金融の一番の難しさだと思いますね。

伊藤 : なるほど。インフキュリオンの技術は、実際どのように使われているのですか?

丸山:最近の例では、コカ・コーラのアプリ「Coke On Wallet」が、当社の仕組みで動いています。Coke On Walletは、コカ・コーラ独自のポイント機能とプリペイドサービスからなる新しい電子マネーで、ここにはライトな金融ライセンスが必要になります。

そこで当社がシステムだけでなく、金融ライセンスも貸し出すことによって、コカ・コーラ1社のみで行うよりもスムーズに、アプリに決済機能を実装することができたのです。

その他にも、金融ライセンスを既に取得している大手流通会社にはアプリに決済機能を実装するテクノロジーを提供したり、ベンチャー企業がクレジットカードを発行する仕組みづくりを支援したりと、クライアントのニーズによって様々な支援の方法をとっています。

SECTION 4/5

技術力だけでは「あらゆる産業の金融化」は実現できない?

伊藤 :あらゆる産業の金融化には、グラデーションの設計という超えなければならない高いハードルがある。しかしそれは一定程度の技術力を持っていれば、他社でも超えられるハードルなのではないかと疑問を持つ人もいるかもしれません。そんな中で、インフキュリオンがエンベデッド金融領域で突出できているのはなぜでしょうか?

丸山:最も大きな理由はアイデアの提唱と実現を一体でできることだと思っています。インフキュリオンには、テクノロジーを用いた新しい未来の姿を考えていくコンサルタントと、その隣で実現するエンジニアの両方がいます。

単にクライアントに提案して終わり、もしくはただ前例があるシステムを作って終わりではなく、クライアントのニーズを満たすために、コンサルタントのビジネスアイデアとエンジニアの技術力を両輪として、前例のない仕組みづくりをおこなっている点が、当社ならではだと考えています。

村島:投資家目線では、決済という難しい領域の変革に長年携わってきたという点も、インフキュリオンの大きな特徴だと捉えています。クレジットカード会社のジェーシービーで、次世代決済分野のコンサルティングをしていた精鋭部隊が、ある意味独立をして立ち上げた会社ということで、決済領域のコンサルティングの知識やノウハウが蓄積されているのです。なかなか一朝一夕ではできない領域だからこそ、こうした経験は非常に高い参入障壁になっていると思います。

SECTION 5/5

最も変化の激しい業界で、知的好奇心を膨らませよう

伊藤 :最後に、就活生の今後のキャリアにとってフィンテック業界に関わることがどのようなメリットがあるのか、また就活のアドバイスなどがあれば教えてください。

村島: 今の時代、「インターネット業界」「eコマース業界」なんて誰も言わないほどに、すべての事業会社がインターネットやeコマースを一つの機能として使う時代になってきました。同じように、フィンテックも今後「フィンテック業界」などという言葉が使われないくらい、すべての会社が当たり前に金融機能を持つようになってくるでしょう。

今後お金が動くコストは圧倒的に低くなり、業界も国境もシステムも越えて動くようになる。そんな境界線が曖昧になってきている世の中では、就活でも「外資系」「日系」といった区別が意味をなさなくなってきていると言えるかもしれませんね。

私が学生のときには、「自分が生涯コミットしたい業界」「会社が社会に提供する機能」「個人が社会に提供する機能」の3次元の軸を描き、将来なりたい自分になるためにどの位置からスタートするべきか、友人たちと議論しながら就活をしていました。

進め方は様々ですが一つの方法として、自分がコミットしたい業界や領域が見つかったら、次はその領域で今後中心となり得るような機能を持つ会社はどこかと考えてみるのが良いでしょう。

そして今回お話した「決済」という領域で言えば、まさにインフキュリオンはこれからの時代に領域の中核を担う企業になっていくと思いますね。

丸山:日本の現在のキャッシュレス比率は約30%。これを2025年までに40%にする目標を政府は掲げていますが、いま国会の委員会などで議論されているのはその先。決済のすべてがキャッシュレスになる将来に向けて、制度や仕組みを整えようとしています。この100年で世の中のルールが変わるレベルの変動がある産業はいくつかあると思いますが、決済領域はまさにその一つでしょう。

そしてファーストキャリアの選択でおすすめしたいのは、「一番変化の激しい領域」を選んでチャレンジすることです。私自身そうしてきたからこそ、常にワクワクしながら成長を続けることができています。

お話してきたようにフィンテックは業界の変化が激しく、その中心にいるインフキュリオンには、常に情報のシャワーを浴びながら、知的好奇心を膨らませてチャレンジできる環境があります。興味が湧いた方はぜひ当社の説明会などに足を運んでみてほしいと思います。

伊藤 :一般的なコンサルティングファームは、自社よりもクライアントのビジョン実現を優先するもの。一方でインフキュリオンの面白いところは、コンサルティングファーム的な立ち位置にありながら、キャッシュレスでよりよい社会をつくるという明確なビジョンを持っていることだと思います。それを持って様々な会社とキャッシュレス社会を「共創」しているのは、インフキュリオンのユニークネスだと感じます。

皆さんは今、お金の概念が変化するという、歴史的に見ても大きな変化に立ち会えるタイミングにあります。既存の金融機関も、事業会社も、お金への関わり方を変えていかなければならない今の局面で、変革の支援ができるというインフキュリオンのポジションはとても魅力的ではないでしょうか。

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