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幾多の成功者を見てきた講師が語る。直感を活かす就活戦略「自分コンセプト」とは

相思相愛の企業から内定が欲しいけれど、どう探したら良いかがわからない。ついつい企業の求める人物像に自分の方を合わせようとしてしまう。⸺そんな悩みを乗り越えたいなら、企業選びの軸をアップデートした「自分コンセプト」をつくることをおすすめします。「面白い生き方をしている、日々成長している人は皆、自分コンセプトを持っている」と語るのは、大手からスタートアップまで、幅広く企業の新卒採用支援を経験してきたGoodfind講師・小泉。自分コンセプトとは何か、どのように作るものなのか、実体験を交えて解説します。


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話し手

小泉 誠

小泉 誠

スローガン株式会社
FastGrow事業部 クライアントリレーションズ部門 部門長

SECTION 1/5

就活も人生も上手く行っている人が共通して持っている「自分コンセプト」とは

小泉:まず「自分コンセプト」という概念について解説していきましょう。就職活動においてよく使われる「軸」と対比させながら説明していきたいと思います。

一般的に、就活の軸とは「企業を選択するために考えるいくつかの基準」といった意味合いで定義されています。一方で、自分コンセプトは「主体的・能動的に見い出す自らの価値観・考え方」のことを指します。

軸は業界や企業規模といった客観情報で構成されやすいですが、自分コンセプトは主語を自分に置いた基準である点が最も大きな違いです。例えば「自分が◯◯な人になれるか?」「自分の価値観を体現できる組織か?」を基準にするのが、自分コンセプトを活用した企業選びです。

また、自分コンセプトは経験や対話を踏まえて、柔軟に変化していくものです。考え方や価値観の変化は自然なことであり、その記録も含めて内省しながら柔軟にアップデートしていくのが自分コンセプトの概念です。

自分コンセプトを持てると、意思決定をする際の決め手を「自分を主語にして語る」ことができます。

私が今まで出会ってきた、いきいきと人生を送るいわゆる成功者と言われるような人たちには、自分コンセプトを持っているという共通点がありました。私は営業担当・マネージャーとして外資系コンサルティングファームから日系大手、スタートアップに至るまで様々な規模・業界の企業の採用支援を経験する中で、たくさんの経営者や採用責任者、就活生とお会いしてきた中で、日々進化している方、面白い生き方をしている方は、「自分はこういう思いを持っている」「こんな人間でありたい」という言語化ができている方ばかりでした。

就活のタイミングで自分コンセプトが明確になれば、企業選びの方針が見え、自分に合う企業を選ぶことができるだけでなく、自らの人生にも良い影響が出てきます。そんな自分コンセプトを確立する3ステップをご紹介しましょう。

就活を前向きに進めて内定を獲得し、その先にある自分の将来像へ近づくために、まずはStep1から見ていきましょう。

SECTION 2/5

Step1:生の情報にたくさん触れる

小泉:まずは、生の情報にたくさん触れることから始めましょう。

就活サイトや動画、SNSは便利ですし、有用な情報も多くありますが、インターネットにある情報の多くは誰かのバイアス・解釈によって整理された情報です。そのため、オンラインでもオフラインでも、人が実際に話している場に自らが参加し、質問もしながら理解を深められると理想的です。

生の情報を自分で得られているかどうかで、選考や面接の場での説得力や迫力に差が出てきます。自ら得た情報の幅広さによって、面接での発言に根拠が生まれ、自信にも繋がるからです。

では、生の情報を多く集めるには何が必要でしょうか? それは、「行動力」です。

行動力と聞くと頑張って行動しようと、つい力んでしまいがちです。しかし、なぜかそういうときほど腰が重くなってしまった、思うように行動できなかったという経験が、みなさんにもあるのではないでしょうか。

一方で、自分が好きなことであれば、行動しなくてはと考える間もなく直感で体が動きますよね。気負わず楽しむ気持ちを持って「興味・関心のあるものごとについて知りたくなり、つい行動してしまう」という状況を作れれば、自然と行動力が湧いてきます。ちなみに私は、体育会の野球部に所属していたとき、野球道具に対して人一倍想い入れがあったので、誰かに頼まれたわけでもなく、全メーカーのカタログを読み込みほとんどの商品の機能と金額を覚えていました。皆さんにも、そんな感覚で、勝手に行動していた、動いていた、という経験はありませんでしたか?

まさにそういった感覚を就職活動にも持ち込み、まずは色々な情報に触れる中で、面白そうと感じた仕事、人物、言葉の中で、「気になる」や「縁を感じる」という情報を見つけて、その周辺にいる人の話を聞きに行ってみましょう。そこまで明確な動機がなくても、「気になる」や「縁を感じる」という感覚があればOKです。

幸いにも、就職活動は、社会や仕事の知識を得るには絶好の機会です。企業の担当者は業界や企業の魅力をたくさん語ってくれますし、質問にも丁寧に答えてくれるでしょう。

私は就活時、なんとなく経営者の話は勉強になりそうと思っていたので、経営者が登壇するセミナーにはよく足を運んでいました。言葉にすると大したことがない動機に聞こえますが、この興味から起こした行動で実際に数多くの学びを得ることができ、現在のキャリアにも繋がっています。気負わず自分の「気になる」や「縁を感じる」を見つけられれば、自然と行動量は増えていくと思います。

SECTION 3/5

Step2:過去の自分と出会い直す

小泉:次に、Step2の「過去の自分と出会い直す」です。このStep2が最も大切なパートです。

過去の自分と出会い直すとは、Step1で集めた情報を元に、自分の価値観の言語化を進め、過去の自分の経験を捉え直し、自己発見を通じて自己理解を深めることです。

まず、過去の自分と出会い直すための最初の一歩は、生の情報に触れる際に「当事者意識を持って主観的に聞く」ことです。もし話者と同じ状況・状態になったら、自分だったら何を感じ、どのような判断をするか、を考えながら人の話を聞くことを意識しましょう。

当事者意識を持って主観的に話を聞くと、話者と自分の価値観を比較することができ、それによって話者の話を理解できるだけでなく、自分の価値観を浮かび上がらせることができます。話を聞きながら「自分はこういうときにこういう判断をするんだな」「話者と同じ意思決定をしそうだけど、大事にする観点は違いそう」「なぜかこういう人の話は聞いていて楽しいな」といった気持ちを捉え、認識しましょう。

次に、浮かび上がった自分の価値観に対して、さらにもう一歩、なぜそう思ったか、どこが話者と自分では異なるのかを深掘りしてみてください。すると、自分が大事にしていることや、どんな人が好きか・嫌いか、というより深い価値観が見えてきます。

最後に、見えてきた価値観を踏まえて、過去のできごとを振り返ってみましょう。当時した意思決定の理由や、どんな人と一緒にいると心地よいのかの言語化をすることで、過去の自分の意志決定の背景・理由の解像度が上がり、新たな自分が見えてきます。これが自分コンセプトの確立に繋がる、自己発見のサイクルです。

このサイクルによって、自分の核となる価値観が見えてきます。そして、自分コンセプトが磨き込まれていくと、それは「自己に関する、あらゆる問いに対しての、最終的にいきつく答え」になっていきます。自分は「こういう人間である」と理解できていれば、面接での質問にも構えることなく、自然な姿で臨むことができるでしょう。

SECTION 4/5

Step3:相思相愛の会社と出会う

小泉:Step1と2を繰り返して自分コンセプトが見えてきたら、最後の仕上げはStep3「相思相愛の会社と出会う」ことです。

重ねてになりますが、自分コンセプトが明確になると、自分の行動や判断に自信が持てるようになり、就活でも自分らしい状態でいられます。そうすると、まさに学生生活と同じように、一緒にいて心地よい人、つまり、「この人と働きたいと思える人」がどんな人なのかがわかるようになってきます。

つい忘れてしまいがちですが、会社は人の集合体です。どんな人と働きたいかという観点が抜けてしまうと、自分の価値観との相性が企業選びの基準から抜け、居心地の悪い企業を選んでしまう懸念があります。

また、いざ会社を選ぼうとするとき、業界や事業規模といった企業の情報や客観的な事実情報に選択基準が寄りがちです。しかし、相思相愛の会社を見つけるなら、自分が大切にしている価値観と、その会社が大切にしていることが近いかどうかを基準に選ぶことをおすすめします。

私は元々商社志望でしたが、メガベンチャー・ベンチャー企業3社に絞り、最終的に新卒で今の会社(Goodfindを運営するスローガン)への入社を決めています。

体育会野球部の先輩方が商社を選んでいたので、最初は自分も商社に行こうと考えOB訪問をしていたのですが、就職活動をするうちにベンチャー企業の経営者の話に気づけば惹かれていきました。たくさんの情報に触れる中で、企業選びの基準が、業界から「自分はどうありたいか?どんな人と一緒にいたいか?」という自己への問いになり、就職活動自体の方向性が変わっていったのです。

就活体験談を聞くときには、どうしても「最終的に選んだ企業がどんな業界・規模であったか」という結果に目が行きがちですが、「この人はどんな自分コンセプトを持っている人なんだろう?」という観点で考えてみると、新しい企業の選び方が見えてくるかもしれません。

SECTION 5/5

次にやるべきことは?

小泉:就活というと義務感があったり、堅苦しく感じたりするかもしれません。ときには、深く思い悩むこともあるでしょう。しかし、社会を知ったり、自分と出会い直したりするプロセスは本来、楽しいものだと思います。

「自分コンセプト」をつくって企業を選べば、納得の行くキャリアの第一歩が踏み出せるはずです。皆さんがいきいきと自分の仕事を語れる人になれるよう、応援しています。ぜひGoodfindのセミナー・イベントでお会いしましょう。

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