INTERVIEW
正解なき事業開発に挑む20代を支えるスキルと「自分への確信」の育て方

就職難易度や人気にとらわれて、「周りが受けるから」という理由で志望先を選ぼうとしていませんか?今回は、自分自身の志向と深く向き合って納得のいく入社先を見つけ、現在20代で事業責任者として活躍するサイバーエージェントの門倉さんとスローガンの石井さんにインタビュー。2人の進路選択に大きな影響を与えたというGoodfindの選抜コミュニティ「GPAP(ジーパップ)」の主催者である長谷川には、GPAPで得られる学びについて聞きました。
【謝礼あり】読後アンケートご協力のお願い(計6問・所要時間1〜2分)
話し手
門倉 拓哉
株式会社サイバーエージェント
採用戦略室 新卒採用人事 シニアマネージャー
石井 沙知香
スローガン株式会社
Intern Street事業責任者
長谷川 寛昭
スローガン株式会社
GPAP主催・コミュニティディレクター
SECTION 1/5
「正解っぽい」進路を選ぼうとした就活初期
⸺新卒入社後、門倉さんは入社1年目から採用責任者に、石井さんは3年目から事業責任者になっています。早期から活躍するお二人が、どのような学生生活を送られていたのか気になります。
石井:とにかくアクティブに行動していました。大学のキャンパスをめぐる謎解きサービスを開発したり、発展途上国の社会問題調査の学生団体を運営して各国を回ったり。困難な状況にいる子どもたちの教育にも携わりながら、学部・院では防災について研究していました。
門倉:私も好奇心に従って、挑戦し続けた4年間でした。ダンスサークルや「慶應筋肉図鑑」という学生団体でクリエイティブな活動に熱中する傍ら、さまざまな業種のアルバイトも掛け持ちしていました。また2年生からマーケティングのコンサルティング会社、教育系スタートアップの長期インターンにも参加しました。

⸺お二人とも様々な活動に取り組まれていたんですね。就活はどのように進めましたか?GPAPに出会ったきっかけも教えてください。
石井:当初は周囲で志望者が多かったコンサルティングファームを中心に見ていました。しかし、ある戦略ファームのサマーインターンで「今もし自分が就活するならスタートアップに行く」というパートナーの方の考えを聞き、自分が「なんとなく正解っぽい」という理由でコンサルを志望していたことに気がつきました。
同時に選考対策の一環で難関ベンチャーを広く見ていく中で、自分の人生の軸を持っている起業家や社員の方々のお話、生き方に感銘を受けたのです。こうした経緯をGoodfindで相談したところ、事業責任者との交流の機会を得られる選抜コミュニティとしてGPAPを紹介されました。
門倉:私は早期から長期インターンシップなどに参加する中で、漠然と「事業をつくりたい」という気持ちが生まれていましたが、どのような業界で何に取り組むのか、といった具体的なイメージはできていなかったように思います。業界や職種を絞らず、「IT」「ベンチャーマインド」といった軸を掲げて幅広く検討していました。
就活が本格化していく中で友人がさまざまな選抜コミュニティに参加していることを知り、「事業開発」というキーワードで探してたどり着いたのがGPAPでした。
SECTION 2/5
GPAPで学べる先駆者の視座
⸺お二人が参加したGPAPの特徴、具体的なプログラムについて教えてください。
長谷川:GPAPは、「若手のうちからビジネスの一線で活躍、挑戦したい」「事業責任者や事業を拡大するために必要なスキルを習得したい」という方向けの選抜コミュニティです。大きな特徴は、ベンチャーで事業をグロースしてきた経営者や事業責任者といった方々から、直接指導を受けられる点にあります。これまでDeNA AI Link 代表取締役社長/グループエグゼクティブである住吉政一郎さんや、株式会社FUSION(ラクスルグループ)取締役の楠勇真さんなどに登壇いただいています。
事業開発には教科書的な正解やマニュアルはありません。実際に事業を作り上げてきた先駆者の多種多様な思考プロセスや積み重ねてきた決断に触れることで、無数の道が存在することがわかるはずです。学生の皆さんにはこの気づきを通じて、自分のキャリアに本気で向き合うきっかけにしてほしいと思っています。
そのほか年間数百人の学生の方からキャリア相談を受け、起業経験もある私との定期的な1on1や、特別選考ルートも提供していて、事業開発を通じて社会を変える挑戦者を生み出す「令和の松下村塾」を目指しています。

SECTION 3/5
周りに流されないキャリア選択の決め手とは
⸺さまざまなGPAPのプログラムの中で、石井さんの就活に影響を与えたものは何でしたか?
石井:当時のメンターの方との1on1によって得られた、深い自己理解です。「社会課題を解決する人や企業を増やしたい」という人生の目的を言語化することができました。
それまでの私は自分の考えを客観視することができておらず、多方面にアンテナを張って行動してはいたものの、その軸は「何となく面白そう、楽しそう」といった漠然としたものでした。両親の離婚や身近な人との死別、長野県から東大に進学して感じた地方と都市の教育・経済格差など、幼少期からの体験一つ一つに対して「その時どう感情が動いたのか?」を深掘りしていくうちに、人生で成し遂げたいことの輪郭がはっきりとしていきました。
最終的に得られた選社軸である「人生の目的を実現できるか」という観点で改めて企業を見直した結果、本選考を受けたのはスローガン1社のみでした。新産業の創出に関わる、何かを形作ろうという意志を持った人たちを応援することをミッションに掲げている点がぴったりだと感じました。

⸺門倉さんも当時のメンターとの対話によって自己理解が深まったそうですね。
門倉:自分がより良いパフォーマンスをするためには「オーナーシップ」が重要であると再認識することができました。
中学時代に生徒会長を務めていたことや、大学時代にダンスなどのクリエイティブな活動に熱中していたことを振り返ると、私は組織の先頭に立ち、自分の努力が結果に直結する環境に身を置くことでこそ、最大限の力を発揮できるタイプだと気がつきました。
大学のカラーもあり、一般的には人気企業と呼ばれる商社やコンサルなどのキャリアを選ぶこともできる状況ではありましたが、漠然としていた事業開発への関心の根底にある価値観が明確になったことで、事業会社を目指す覚悟が決まりました。
⸺ご自身の価値観を再認識したことで、その後どのように就活を進めましたか?
門倉:「出力を最大化できる、自分の意欲と意志で機会を掴める環境」としてお薦めされた複数のインターンに参加しました。これにより、獲得できるスキルだけでなく、「どのような環境で誰と働くか」がより重要であると気づくことができました。
お薦めされなければ知る機会のなかったインターンの参加企業で、一次情報を掴んでみようという気持ちを醸成していただけたこと、そして自分の才能がフルに発揮できるかもしれない会社に出会えるきっかけをくださった当時のメンターの方には感謝しております。
SECTION 4/5
「自分への確信」が事業の推進力に
⸺門倉さんは新卒採用責任者として、日々多くの決断をされていると思いますが、その意思決定を支えているものは何でしょうか?
門倉:「強い意志を持って決断し、それを正解にしていく」という、自分の人生を通じたスタンス(姿勢)です。
実は私にはとても優秀な双子の兄がいます。幼いころから常に太刀打ちできない相手が隣にいる状況で、「自分はどんなポジションをとれば価値を発揮できるか」という生存戦略を考え続けてきました。GPAPで自らのキャリアを切り拓こうとする優れた同期たちと交流する中で論理的思考に圧倒的な差を感じた時、幼少期と同じ感覚になったのです。

論理的な思考力を鍛え、周囲に追いつこうとすることも考えました。しかし、私は改めて自分の強みに立ち返り、「意志を持ってやりきるスタンス」という点でビジネスパーソンとして価値を生み出していこうと覚悟を決めることができました。
就活を機に幼少期からの行動原理に気がついたことで自分への確信が高まり、正解のない採用という領域で責任者として意思決定を行う際の大きな支えとなっています。
⸺石井さんも入社3年目で事業責任者に就任されていますが、判断に迷うことはありませんか?
石井:就活で言語化した「人生の目的」から逆算することで、何事も迷わず決断を下せるようになりました。
ターゲットや提供価値といった正解のない、事業の方向性にかかわる重大な決定はもちろんですが、時には人件費を削るといった精神的にも苦しい決断が必要な場面もあります。どんな時も「社会課題を解決する人や企業を増やしたい」という目的に立ち返ることで、自信を持って組織運営を進めることができています。
⸺お二人とも深い自己理解が日々の決断を支えているのですね。この他GPAPでの学びが生きているシーンはありますか?
石井:さまざまな事業家の方にお会いする過程で、常に「経営者ならどう考えるか」という視点で事業を俯瞰する感覚が身につきました。
例えば私は入社当初、学生向けのイベント運営などに携わっていたのですが、「参加者の満足度」を評価するだけでなく、キャッシュポイントから逆算してPL(損益計算書)を組み立て、それをベースに改善点を探って施策を打っていました。こうした取り組みが結果として、事業責任者という立場につながったと感じています。

門倉:一般的に人事・採用部門はコストセンターと見なされがちですが、私もPL感覚を生かし、採用を事業へと進化させたいという意志を持って戦略を立案しています。
仮にご縁がなかった場合にも会社のファンを形成するという観点ではtoC事業と捉えることもできますし、採用した人材が未来にどのくらいの売上をもたらし得るかという架空のPLを作ることもできます。コストカットや採用人数のKPIを追うだけでなく、中長期的な視点で施策を打つことができています。
長谷川:事業を創っていく上では、収益と費用のバランスを理解して戦略を練り、結果に責任を持つことが求められますが、実践の機会がない学生のうちから、この真の意味での「裁量権」を理解するのは難しい側面があります。
GPAPでは実際に数字を背負って事業を推進する方々のリアルな話を聞くことで、この感覚を肌で理解してもらいたいと思っています。
また、門倉さん、石井さんをはじめ、GPAP卒業生には早期から事業家や起業家として活躍している方がまだまだ多くいらっしゃるので、学生の方と話す機会があればぜひご紹介したいと思っています。
◇GPAP2期卒業生(2023年卒)
堂本 拓磨氏
RENATUS ROBOTICS
顧客価値創造局 マネージャー
京都大学工学部卒
▼堂本氏インタビュー記事
https://mugenlabo-magazine.kddi.com/list/renatus-robotics/
◇GPAP6期卒業生(2026年卒)
狭川 龍雅氏
株式会社WerdeX
代表取締役社長 兼 CEO・生成AIコンサルティング/受託開発
慶応義塾大学文学部在学
▼経営者紹介ページ
https://bowers.jp/bowers-magazine-2328/
SECTION 5/5
不確実な社会で、人生の主導権を握るために
⸺GPAPは20代で事業責任者を目指すコミュニティですが、若手が事業開発に携わることは個人や社会にとってどのような重要性や価値があると考えていますか?
長谷川:事業家や起業家への挑戦は不安定と感じる人も多いかもしれませんが、不確実性が高まる現代においてはむしろ、キャリアを安定させることにつながると考えています。
これまでもリーマンショックや東日本大震災、コロナ禍など前提が覆るような出来事がありました。こうした事象への対応に追われるのではなく、数年先を予測しながらその都度ソリューションを提供する側に回れる人こそが、経済的にも能力的にも最も安定しているといえるでしょう。

また、個人のキャリアにとってだけでなく、社会にも良い影響があります。多くの若者が事業を興すことでイノベーションと新産業が連続的に生まれるようになれば、日本全体の経済力向上が期待できるからです。
⸺GPAPへの応募を検討している学生の皆さんにメッセージをお願いします。
門倉:これまで自分の人生を自分の意志で切り拓いてきた自負があっても、大学で世界が急に広がったり、自分よりも圧倒的に凄い人がいたりして、心もとない気持ちになっている方も少なくないと思います。特に就活は世間の評判などの外圧も大きく、攻略すべきゲームのような感覚に陥ってしまうこともあるでしょう。
しかしここでもう一度「自分の人生の主導権を取り戻したい」と思う方はGPAPに参加し、自分だけでは出会えない事業家の方々と交流して視野を広げてほしいです。自分に向き合い、「使い倒す」くらいの感覚で積極的に臨めば臨むだけ、多くを得られるコミュニティだと思います。

石井:GPAPでは自分よりも自分の人生を深く見つめてくれるメンターが、自分の価値観にマッチしたファーストキャリアを選択する伴走者となってくれます。
メンターとの1on1でも事業家の皆さんとの座談会でも、背伸びせずに「わからないことはわからない」「怖いものは怖い」と素直に認めることで、自分の人生を見つめなおし、その目的を見つけることができると思います。
長谷川:創りたい社会の像があるにもかかわらず、就活では「世間で正解とされているもの」に流されてしまうのは学生本人にとっても社会にとっても、もったいないと感じます。自分の人生を能動的に舵取りしていきたい方はぜひGPAPにエントリーしてみてください。
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