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COLUMN

【就活・企業選び】Goodfind事業責任者が語る「企業の見極め方」

選考を受ける企業を選ぶとき、どのような視点で見ていますか?フィーリングや時代遅れの観点で決めていないでしょうか。新卒のキャリア形成という観点で見極めた厳選企業の紹介を長年おこなっているGoodfindの事業責任者である川村が、企業を見極めるポイントを解説します。ベンチャー企業の新卒採用に約10年関わってきた川村は、数千名以上の就活をサポートした実績を持つほか、数多くの難関人気企業の採用コンサルティングにも携わっています。志望業界や職種などに関係なく汎用的に使える情報をお届けしますので、皆さんの判断材料の一つとしてご活用ください。


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話し手

川村 直道

川村 直道

スローガン株式会社
執行役員・新卒採用支援事業部 部長

SECTION 1/5

よくある就活の誤解

⸺就活で将来のキャリアを考える際、まず初めに意識しなければいけないことは何でしょうか?

川村:自己分析や企業・業界研究をする前に、まず社会の変化に意識を向けることが重要です。

突然ですが、以下に挙げるのは就活生が陥りがちな誤解です。

  • 就活時からキャリアを見通さなければならない
  • 正解のキャリアがある
  • 正しいキャリアパスを辿れば成功できる

しかし、変動性が大きく、複雑かつ曖昧でコントロールもできない今の世の中では、未来を予測することができなくなっています。例えば、ヒット商品のサイクルの短縮は顕著ですよね。新しい商品やサービスが登場しても、すぐに真似をされて、より良いモノが生まれ続けるような世の中になっています。

これまで正解だと思っていたことも、容易に正解ではなくなってしまう状況です。経団連会長の「終身雇用なんてもう守れない」の発言からみても、皆さんが終身雇用で退職するまでに、年収が保証される仕組みは確実になくなるでしょう。

⸺将来が不安になると、どうしても「正しさ」や「正解」を求めてしまいます。

川村:成功した人のキャリアパスは一見「正しい」ように見えますが、次第に一般化していくため、需要と供給のギャップが崩れて価値は減少していきます。

社会の急激な変化によって特定の職種の求人数が急増することもあります。需要があると短期的には良い待遇に見えますが、すぐに多くの人が応募して需要と供給が揃うので、長期的には待遇は伸びづらいこともあります。さらに、度重なる社会変化によって他の需要が拡大すると、むしろ供給が飽和してしまい、価値が下がることもあり得るでしょう。長期的なトレンドを見なければなりません。

また、既に出回っている成功者のインタビュー記事や、活躍する先輩社員の紹介などから情報収集をするのも大事ですが、あくまで古い成功事例として見る必要があります。時代が変わっているので、過去の成功例をそのまま辿ったとしても、同じような結果にはならないでしょう。

SECTION 2/5

キャリアの新常識と身を置く場所の重要性

⸺変化が激しく将来を予測できない時代では、どのような能力が評価されるのでしょうか。

川村:正解の賞味期限が短い中で、変化する環境に対応し、仮説検証を繰り返しながら正解に速く到達する能力が大事になります。これが、今後のキャリアの新常識となるでしょう。

具体的に言うと、正解がわからない状況下で、仕組みAを試す→違った→Bはどうか?→微妙→どうやらCが正解らしい→約1年で前提が変わる→Cは通用しなくなる→今度はDを考える……と仮説検証を繰り返していきます。このようにしてその時々に合った正解を導くために、仕組みを作る能力が市場価値として評価されます。

特定のスキル(例:営業)のみを極めてもその仕組みの中で動く人にしかならず、市場価値は頭打ちになるでしょう。一方で、ジェネラリスト的に営業・マーケティング・人事・マネジメント……と職能を横に広げていくと、価値が多様化し、作れる仕組みの幅が広がって、相対的に市場価値が高まると言えます。

ただし、市場価値と年収は比例しないことに注意が必要です。同じ役職でも、会社の関わるテーマや成長性によって需要と供給のギャップができ、年収が変わってきます。年収が高ければ市場価値が高いとは言えないので、年収が高いことに惑わされず、判断することが重要です。

特に日本の伝統的大企業においては、一人を長く雇用し続けるために市場価値以上の高い給与を生涯保証する終身雇用制度を採用しており、若手は自身の価値より高い給与を得ていることがあります。そのような人が転職を考える際、他社では同じだけの給与が貰えないことに気づき、生活水準を下げないために転職を諦めるようなことも多く発生しています。

⸺仕組みを作る側の人になるために、どのような企業に身を置けばいいのでしょうか。

川村:伸びているテーマを理解し、それらのテーマに関われる企業を探すと良いでしょう。小売業界の会社が金融業界で事業を行う例などもあり、業界の区切りは役に立たなくなってきているので、業界や職種で区切ることはあまり意味を成していません。

例えば、銀行ではなくコンビニでお金を下ろすことや、PayPayなどで決済することは既に一般的です。キャッシュレス決済という社会的トレンドに沿った「伸びるテーマ」に対して、様々な業界のプレイヤーが入り乱れているのです。こうした背景から、業界でみるよりも伸びるテーマを理解することが重要です。

まとめると、伸びているテーマに関わる事業内容であり、かつ業績も伸びている会社が、変化の激しい時代で自身の市場価値を高められる「良い会社」である、と言えます。

SECTION 3/5

「良い会社」の条件

⸺「良い会社」を自分で判断するために、確認すべきポイントを教えてください。

川村:まず「裁量権の大きさ(抽象度)」と「意思決定の回数」を確認すると良いです。仕組みを作れるようになり、市場価値を高めるためには、日々変化するお題に対して自分で仮説を立てて実行しフィードバックを得て改善する、という意思決定のサイクルを回して経験を積む必要があります。回数が多ければ多いほど経験やフィードバックを多く得られるので、より良い仕組みを速く作れるようになるでしょう。

正解のない中で自ら仕組みを作れるようになるには、正解のない問いを解く経験をするしかありません。誰が考えても答えが変わらない具体的な仕事ではなく、抽象度が高く正解のない仕事をたくさん経験し、意思決定を重ねることが重要です。

コンビニを例にとると、アルバイトでは「Aの棚にBの品出しをする」という正解の決まった仕事が中心ですが、リーダー・店長と職位が上がっていくと、月次や年間の目標達成に向けて商品の仕入れや組織体制といった仕組みを考える、抽象的で正解のない仕事をします。仕事の抽象度は、すなわち裁量権の大きさです。仕組みを作れるようになるためには、裁量権の大きい仕事で、意思決定の回数を積むことが重要です。

また、会社自体が成長しないと、裁量権を持てる人は増えません。裁量権の話題になると、その会社が若いか、小さいか、という議論になりますが、それ以上に伸びているかが重要なのです。会社が成長して上流のポジションが増えないと、裁量権の大きいポジションの空きを待つ長い時間がかかってしまいます。

ただ、成長してポジションが増えていても新卒に任せていなかったら意味がないので、新卒に期待をかけて任せる意志や風土がある会社を選びましょう。こういった会社で、質が高く、難しい意思決定の回数を重ねることで、正解を導く仕組みを作り出す力という市場価値が高まるのです。

SECTION 4/5

「良い会社」と「合う会社」

⸺「良い会社」を見極めるポイントはわかってきました。この条件をクリアする企業を探せばいいのですね。

川村:ここでもう一点考えるべきことがあります。ここまで「良い会社」の条件はお伝えしましたが、皆さんが「選ぶべき会社」と「良い会社」はイコールの関係ではありません。「良い会社」と「合う会社」を区別し、「選ぶべき会社」を見極めることが必要です。

⸺「合う会社」とは何でしょうか。

川村:個人的な意見としては、「自分が頑張れる会社」です。仕事を頑張れば成長するし成果が出る。成果が出れば楽しいしもっと頑張れて成長する。こういったポジティブなサイクルに入っていくことがとても重要です。

仕事を頑張るには、仕事内容や会社の組織構成だけではなく、価値観の一致や居心地の良さなども重要になります。仕事に対する向き合い方が合わない人と自分に合わない条件の下で働いても、仕事を頑張るモチベーションはなかなか湧かないと思います。勤務地や年収といった条件も含めて、皆さんがどのように幸せな人生にしたいかという価値観に合った会社であることも、「良い会社」と同様に重要になるのです。

⸺どのように「合う会社」を探せばいいのでしょうか。

川村:「合う」という基準が皆さんの中にはまだ無いと思います。ある程度経験を積まないと、判断軸ができないからです。「良い会社」が必ずしも「合う会社」であるとは限りません。

そのような状況では、「良い会社」の中から「合う会社」を選ぶという方法が合理的でしょう。あわせて、まとまった数の「良い会社」を見る中で、自分に合う会社とは何かという観点を養っていくと良いと思います。

よく学生の方から「できることとやりたいこと、どちらを選ぶべきか」という質問を頂きます。私としては「やりたいこと」を選ぶべきだと思います。学生の時点での「できること」は、かなり特殊な経験でない限り、社会人目線では「普通」なものが多いので、新卒をスキルで測ることはあまりありません。

それよりも将来のポテンシャルを見ています。ポテンシャルには皆さんの性格や特性が大きく関係しますが、最も大事なのは「皆さんが頑張れること」です。ワクワクできる「やりたいこと」を存分に頑張れる「合う会社」を探すと良いでしょう。

SECTION 5/5

会社を見極めるためのネクストアクション

⸺「選ぶべき会社」を実際に探していくために、今やるべきことを教えてください。

川村:一言でまとめると「たくさん会社を見よう」です。会社を知らなければ選べませんし、選ぶ観点も養えませんよね。具体的な方法は以下の通りです。

◆上場企業はIR資料を読む/未上場企業は会社説明会を聞きに行く

IR資料や会社説明会からは、企業の目指す方向や企業の特徴などを網羅的に知ることができます。会社を選ぶ観点を養うために、選考を受ける/受けないに関係なく会社説明会に参加してみるのも良いでしょう。

◆経営者のインタビューを読んだり、登壇するセミナー(生配信)を見たりする

インタビューでは、会社創立や会社運営の想いがよく語られます。経営者が登壇する生配信やオフライン開催のセミナーでは、ライブだからこそ聞ける話題にも期待できます。こういった機会を逃さずにチェックしましょう。

◆興味のあるテーマに隣接する知識を面として押さえる

興味のあるテーマに対して、隣接する分野も含めて情報収集をしましょう。人事には「この分野をやりたければ当然これも知っているべき」という観点があり、それを知らずに受けていると「本気度」を疑われてしまいます。これは、面接時によく聞かれる「今選考を受けている企業」で挙げる企業名にも表れます。意識的に準備をしましょう。

川村:会社を選ぶ観点を養うために、また実際に選考を受ける企業を探すために、Goodfindの活用をおすすめします。Goodfindでは、「良い会社」を厳選してご紹介しています。セミナーやイベントに参加することで、「良い会社」に共通する特徴や、自分に「合う会社」の特徴を知ることができるでしょう。また、個別面談を利用することで、自分の価値観の整理を行ったり、自分には無い新しい視点から助言をもらったりできます。自身のキャリア選択の一環として、Goodfindをぜひご活用ください。

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