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INTERVIEW

人気企業に内定も違和感。「やりたいことがない」からこその選択

Goodfindを活用して就活した人は、最終的にどのような意思決定をしたのか。今回は東京大学大学院出身の若松希絵さんと、彼女のキャリアアドバイザーを務めたGoodfind講師の吉村真裕子へのインタビューをお届け。人気企業に内定しながらも、就活を通して「やりたいこと」が見つからなかったという若松さんの、意思決定の過程を紐解きます。


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話し手

若松 希絵

若松 希絵

Goodfind2024 卒業生

吉村 真裕子

吉村 真裕子

スローガン株式会社
Goodfindキャリアアドバイザー

SECTION 1/5

東大から人気企業に内定。順調に見えた就活で芽生えた違和感

⸺まずは若松さんの学生時代について教えてください。

若松:高校受験はあまりうまくいかず、いわゆる進学校ではないところに進んだのですが、内心「志望校に入りたかった」という悔しさがありました。大学受験ではリベンジしたいという思いに加え、私が当校初の東大合格者になれるかもしれないことをモチベーションに勉強し、東大の文科三類に合格しました。

大学3年生の進学選択では文学部社会学専攻に進み、不登校児童をテーマにした研究や、そのような子供たちをサポートするアルバイト、バドミントンのサークル活動などに取り組みました。

⸺就活はどのように進めましたか?

若松:実は2度の就活をしています。大学院1年生のときには特にやりたいことがなかったので、「お金を稼げること」を軸に大手中心の就活を進め、内定した中で最も平均給与が高かったM&A仲介大手に行くつもりでいました。

しかし大学院での研究に行き詰まり、中退も視野に入れて1年間休学することにしたんです。内定先は中退しても予定年度で入社可能と言われたので、入社前にM&A仲介の別会社で長期インターンをしてみることにしました。そこで、業界の雰囲気は想像通りだった一方で、実際に働いてみると自分にマッチしないのではという違和感を持つようになりました。

研究にも就職先にもモヤモヤを抱えたまま。そんな状態で大学院を中退して就職するよりは、一度すべてリセットした方が清々しく社会人の一歩目を踏み出せるだろうと思い、復学し、修士論文も就活もやり直すことに決めました。

SECTION 2/5

「稼ぎたい」だけではだめだった。じゃあどう企業を選ぶ?

⸺2度目の就活はどんな企業を見ていましたか?

若松:当初は周りの人が受けていた商社や広告、テレビ局などを見ていました。前回の就活の反省も踏まえて、大手だけでなくディー・エヌ・エーなどのメガベンチャーにも視野を広げました。

⸺Goodfindのことはどのように知りましたか?

若松:ディー・エヌ・エーに就職した先輩に「御社が出る就活イベントはありますか?」と尋ねると「Goodfindにあるかもしれない」と言われたのが最初ですね。

それからしばらくして、より小規模なベンチャーにも視野を広げたいと思い相談できる場所を調べたときに、Goodfindにもキャリアアドバイザーが学生個々人の就活を全面的にサポートする就活エージェントサービスがあることを知り、会員登録しました。

吉村:最初に面談したとき、若松さんの就活の軸はほぼ白紙状態でした。前回の就活では「稼ぎたい」という軸が一本あったからこそ受ける企業も定まっていましたが、その軸だけではミスマッチな企業を選ぶ可能性があることに、ご自身で気付かれていて。何を軸に企業を見たら良いのか迷われているようでした。

SECTION 3/5

様々な側面すべてが自分なんだと受け入れられる場を

⸺吉村さんとの面談では、どのような企業を紹介されましたか?

若松:初回面談で紹介してもらった企業の一つが、これまで考えたことがなかったヘルスケア領域のベンチャーでした。説明会に参加してみると、面白い事業で自分に合いそうだと感じました。それをきっかけに信頼度が上がって、他の企業も紹介してもらいたいと思うようになりました。

⸺吉村さんは、どのようにして初回面談から若松さんに合う企業を紹介できたのでしょうか?

吉村:小中高校生の頃のお話や就活の変遷を伺う中で、若松さんの特性や想いを紐解くことができたからです。私は面談の中で、若松さんは様々な側面をバランスよく持っている、人間らしさが魅力の方だと感じました。

例えば、悔しさをバネに東大合格まで突っ走れるエネルギー量。研究も就活もやり直す意思決定をするような冷静さ。不登校児童についての研究やバイトなど、人の痛みにアンテナを張れるところ。稼ぎたいという気持ちも持っているところ。

そんな様々な側面のすべてが自分なんだと受け入れた上で、すべての自分を活かせるような環境を見つけられたら、きっと若松さんの今後の人生はより生きやすくなるのだろうと思ったんです。

そこで選ぶ会社としても、ただ目標に向かって突っ走るだけでなく、一歩引いた目線から業界全体・社会全体を俯瞰して、全体最適を考えているような事業を行うところが良いのではと考えました。前述のヘルスケア領域の企業以外にも、IT・SaaS領域やマーケティング領域、コンサルティング領域の企業など、業界を絞らず、事業の特徴や社風が若松さんに合いそうだと思う企業を紹介しました。

若松:吉村さんは良くも悪くも、はっきりと物事を言ってくれました。就活エージェントというと最初は、私が提示した希望を受けて機械的に条件に合った企業を流してくれる人、というイメージがありました。

しかし吉村さんは、自分の特性や想いに気付かせてくれたり、納得していなかった落選理由について「こういうことなんじゃないか」と仮説を持って話してくれたりするので、会話の中で自己理解を深められる感覚がありました。

こんなにも私のキャリアに関して本気で考えて率直に話してもらえる人間関係はめったにないと思うので、ありがたかったです。

SECTION 4/5

「他人軸」ではなく「自分軸」のキャリアを歩む勇気

⸺吉村さんとの面談で一番印象に残ったのはどんな場面でしたか?

若松:内定承諾先を決めるときです。最終的に、A社(仮名)か、トイウェアで迷いました。

A社は知名度があるミドルベンチャーで「がむしゃらに仕事を楽しんで、成長しよう」という雰囲気がある会社です。一方のトイウェアは、社員数50人前後のベンチャーで、選考を通じて「仕事は楽しく成長できた方がいい、けれど仕事だけが人生のすべてではない」という雰囲気を感じていました。

2社で迷っているという話をすると、吉村さんは「まさに今まで話してきた、若松さんの軸や特性の話につながるんじゃないかな」と言ってくれて、その時に自分自身がトイウェアに行く選択をすることが腑に落ちたんです。決してどちらかに寄せられたわけではなく、自分が内心薄々気付いていたことを後押ししてもらった感覚でした。

⸺トイウェアは知る人ぞ知る会社です。不安はなかったですか?

若松:正直不安はありました。就活当時は、どんな人が働いているのかを調べようにも、採用ホームページには社員インタビューも載っていませんでした。その後、私たちの新人研修の一環で、このホームページを社員インタビュー付きに改修するプロジェクトを実施したくらいです。周りの人に「A社の方がいいんじゃない?」と言われたこともありました。

それを全く気にしないというのはさすがに無理でしたが、それでもトイウェアの方が事業や社員から感じた「フィット感」が大きかったんです。反対にA社は、フィット感よりも、周りからの評判が良いという「安心感」の方が大きかった。「周りの判断軸」ではなくて「自分の判断軸」を優先する勇気を吉村さんにもらいました。

SECTION 5/5

「自分の想い」に素直になれる場所を見つける努力

⸺トイウェアに感じた「フィット感」について教えてください。

若松:2つの側面があって、一つは業界のなかでのポジショニングです。トイウェアはフィンテックの導入支援コンサルティング事業を主軸としています。現状、金融業界は参入障壁が高く、こうした事業を行う企業のほとんどが大手企業。その中にベンチャー企業のトイウェアがポジショニングすることで、トイウェア自体の安定収益はもちろん、フィンテック領域へのベンチャー企業の進出促進にも繋がります。業界全体を俯瞰した上でのポジショニングは、私の性格に繋がる部分もあるのか、純粋にセンスがあると感じました。

もう一つのフィット感は、役員面接で感じました。ぽろっと「正直やりたいことが明確にあるわけではないんですが、自分で稼げる力はつけたいんですよね」と言ってしまったときに「だよね」と共感してくれたんです。私の本心を受け入れてくれる人がリーダーにいる環境なんだと感じました。

吉村:その役員面談をきっかけに、若松さんご自身の考え方も変化したことを私は感じていました。

それまでの若松さんは「やりたいこと」を作って言語化しなければという気持ちを強く持っていました。でもトイウェアの面談で自分らしく働くことを大切にしても良いんだと気づいてからは、素直な自分を出していきたいという感情が高まったように見えました。

結果として周りから色々言われても「私は私」という決断ができたのではないでしょうか。

⸺「やりたいことがない」というのは、就活では上手く隠さなければならないと思っている学生の方も多いと思います。

吉村:私個人としては「やりたいことがない」ことに素直になれる人は強いと思っています。それは、自分自身を深く知って認めること、つまり偽らない自分を大事にすることですよね。

決してやりたいことがないことが「正」というわけではありません。しかし学生の皆さんの中には、自分を偽ってでも「やりたいこと」を掲げることに窮屈さを感じている方もいます。偽るのではなく、等身大で自分らしい軸を見つけて、今後の人生をより生きやすくしてほしいと思いながらご支援しています。

若松:私自身、結局「やりたいこと」はないまま就活を終えましたが、決して思考を放棄したわけではありません。本気で考え抜いた結果として「やりたいことはないけれど、努力して自分の力をつけていきたい」という想いを持っていることに気づきました。

現在就活をしている皆さんも、自分自身が深く考えた結果として思ったことがあるならば、それを隠さなくても良い場所を見つけるために努力することが大切なのではないかと思います。

吉村:若松さんが先程、私との面談で持った印象として話してくれたように、Goodfindのキャリアアドバイザーはただ「企業紹介をする人」とは異なります。家族でも恋人でも先生でもない立場から、社会に対する知識と人間理解を通じて学生の皆さんのキャリアを支援するプロフェッショナルです。就活を機に自分の価値観やキャリアを見つめ直してみたいと思った方は、ぜひGoodfindのキャリア面談を活用してみてください。

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