INTERVIEW
「“0→1”は個人競技、“1→10”はチームスポーツ」。自分に合う事業開発とは
新規事業開発の「0→1」と、事業を大きくする「1→10」、自分に向いているのはどちらだろう? そんな疑問に、元キーエンスのトップセールスで、GA technologies執行役員の増田直大氏に答えてもらいました。併せて、新卒4年目のマリック里奈さんには、企業選びの観点と入社後の経験を聞きました。
【謝礼あり】読後アンケートご協力のお願い(計6問・所要時間1〜2分)
SPONSORED BY 株式会社GA technologies
話し手
増田 直大
株式会社GA technologies
執行役員(イタンジ セールス&CS責任者)
マリック 里奈
イタンジ株式会社
セールスイネーブルメント
SECTION 1/5
0→1は「アイデアを形にする仕事」ではない
⸺社会的インパクトの大きな仕事がしたいと思う方に人気なのが「0→1」の事業開発です。自分のアイデアを形にする仕事はかっこよく見えます。
増田:0→1はもちろん社会に新たな価値を生み出す素敵な仕事ですが「自分のアイデアを形にする仕事」というイメージは、実態とやや異なると思います。なぜなら0→1は自分の頭の中だけででき上がるものではないからです。
一般的に流通している情報から生まれた0→1は、きっと世の中の何千、何万という人も思いついている事業です。それがまだ形になっていないなら「誰かがやってみてダメだった」か「誰もがやる前からダメだとわかっている」かでしょう。いずれにせよ、アイデアにとどまっている限り価値を生み出すことは困難です。
0→1に必要なのは、顧客のペインを見つけること、これに尽きます。顧客の中からしか新規事業の種は生まれないため、徹底的に顧客を知り、向き合うことが求められるのです。
そういう意味で、0→1に向いているのは一つのことを思い切り深く掘り下げられる「没入感」を持つ人だと思います。そうした人は、顧客のペインを見つけたら、仮説立案とヒアリングをこれでもかと繰り返します。言い換えれば、自分と顧客の声さえあればどんな困難も一人で突破できてしまう、個の強さを持つ人です。
⸺では他方の「1→10」に向いているのはどのような人なのでしょうか?
増田:1→10に向いているのは、チームを意識できる人です。個人競技と団体競技の違いのようなもので、後者の1→10ではチームのレバレッジを効かせる必要があります。10人チームなら、成果は1人でやる10倍ではなく、100倍、200倍にする化学反応を起こすということです。ペインを集めるのは変わりませんが、それをチームで仕組み化することが求められます。
私がキーエンスからGA technologies(以降、GA)に転職し、グループ会社のイタンジの執行役員になった時、最も苦心したのもこの点でした。当時のイタンジは社員数がまだ30人ほどしかおらず、個人プレーの色が強かったなか、体制面でもマインド面でもチームをまとめ、より大きな成果をつくることに挑戦しました。
1→10は、事業だけでなく、メンバー同士・組織同士の相互作用で組織自体も成長させられなければ上手くいきません。これが1→10の難しさであり、面白さでもあります。
GAには0→1も1→10も経験できる環境がありますが、M&Aなども行いながら事業を増やしていることもあり、機会としては1→10のほうが多いでしょう。さらに1→10にとどまらず、既存事業を業界を代表するものに育てる10→100→1000の経験ができることも特徴の一つです。
SECTION 2/5
「複数のフェーズの事業を持つ会社か」に注目
⸺事業をより大きく伸ばす10→100→1000も、0→1や1→10とは違った面白さがありそうで、自分はどれをすべきか迷ってしまいますね。
増田:そうした方はぜひ「複数のフェーズのプロダクトを持つ会社かどうか」という観点で会社を見てみてください。
大手企業ではどのプロダクトも既に大きくなっていて「10→100 や 100→1000にしか携われない」といったことが起こり得ます。一方、小規模なベンチャー企業では1社1プロダクトしか展開していないことが多く、そのプロダクトのフェーズにしか関われません。
対して異なるフェーズのプロダクトが複数存在している企業なら、様々なフェーズに関わるチャンスがあります。例えばGAでは、イタンジだけでも現在9つのプロダクトがあり、マーケットシェア70%の「100→1000」プロダクトがあれば、まだ顧客数が5社しかないような「0→1」プロダクトもあるという状況です。なので1→10をやりながらアイデアとしての0→1を新規プロダクトとして社内で提案することもできます。
「様々な経験がしてみたい」という方は企業選びの軸として、事業フェーズのバリエーションの多さに着目してみると良いと思います。
マリック:実は私も事業フェーズの多様性に着目してGAを選んだ一人です。私が入社した3年前は、イタンジはまだプロダクト数も社員数も少ない、スタートアップに近い企業でしたが、それをGA側の豊富な資金や人材といったバックアップを活用しながら拡大させられるのは、他社にない面白さがあると思ったのです。
⸺様々なフェーズの事業があるGAは、そもそもどのような会社なのですか?
増田:GAはデジタル化が進んでいない領域にテクノロジーの切り口で参入し、新たな市場を創造している企業です。現在は不動産×テックの領域を主軸に事業をおこなっており、創業11年目の2023年度には、売上高は1,460億円を超えました。
従業員数もグループ全体で1,100人にまで成長し、その内、新卒入社が3割、中途入社が7割です。中途入社者は外資系コンサルティングファームや外資系投資銀行、日系大手企業、メガベンチャーなど様々な業界・企業の出身者がいる、バックグラウンドが多様な会社です。
⸺社員のバックグラウンドが多様だと、1→10や10→100→1000の仕事で大切なチームワークを発揮するのは大変になるのではないでしょうか?
マリック:私は全く感じません。むしろ様々なスキルや考え方を持つ人がいるからこそ、日々自分の考えをアップデートできていると思います。また、その道のプロフェッショナルから学べるのは、私たち新卒入社者にとっては大きなメリットだと感じています。私自身、GAにいながら、元キーエンストップセールスの増田や、大手証券会社出身の先輩から、営業スキルやマインドを教わることができています。
SECTION 3/5
アナログ領域の変革最前線
⸺マリックさんの就活について教えてください。事業フェーズの多様性に着目してGAを選んだとのことですが、他にも決め手はありましたか?
マリック:大きく2つあって、一つは、元々0→1よりも1→10を学びたいと思っていたことです。今の日本で起業後10年間生き残る会社の割合は約6%と言われていますが、それは事業を立ち上げる0→1より、存続させる1→10の方が難しいということだと思います。それならば、より難易度が高い1→10が学べる環境に身を置きたいと感じていました。
もう一つは、何気なく参加した説明会に「引き込まれた」ことでした。当時は不動産領域に全く興味がありませんでしたが、その説明会で話された「GAは不動産業界のAmazonを目指す」というビジョンの大きさ、それを実現できるのではと思わせる事業の成長性や社員の方の情熱に、気持ちが奮い立たされたんです。
⸺当時のマリックさんのように不動産に興味がない学生も多いと思いますが、GAの事業はどう面白いのでしょうか?
マリック:GAでは現在、不動産の投資や運用、売買をオンラインで完結できるようにした「RENOSYマーケットプレイス」を展開していて、イタンジでは不動産事業に従事する方の業務をデジタル化するバーティカル(業界特化型)SaaSのプロダクトを展開しています。私は就活時、「不動産」と「テック」という、本来結びつかないものを結び付けようとしていることが面白く映りました。
増田:不動産と銀行は似ていると私は思っていて、どちらも古くからあり、かつ大きなお金が密接に絡む領域です。そのため、不正が起きないよう、法律と契約書で幾重にも守られてきました。「紙と印鑑」でフローを整えてしまったが故に、デジタル化が難しい業界とも言い換えられると考えています。
したがって不動産と銀行は、1990年代後半から一気にやってきたIT化の波に乗り遅れてしまった。GAがやろうとしているのは、この不動産というアナログな業界自体を、ITやAIなど最新のテクノロジーを使って変革していくことなんです。
マリック:イタンジのセールスをしていると、自分が社会変革を担っているひとりなんだと実感します。賃貸業務のデジタル化という業界の常識を覆すサービスなので、最初は導入を躊躇されることもありますが、そんなお客様が1年後には「イタンジのサービス、使いやすくていいですよね」と言ってくれることもあって。お客様と一緒に業界を変えている感覚があって感慨深いです。
SECTION 4/5
裁量権は当たり前に与えられるものではない?
⸺マリックさんは入社後どのような役割を担ってきたのでしょうか。
マリック:入社後はグループ会社のイタンジに出向してセールスを担当しました。出向というと身構えてしまうかもしれませんが、グループ会社もGAと同じ評価制度・福利厚生の下にありますし、勤務場所も同じなので、部署異動に近い感覚です。
セールスと並行して、カルチャー推進プロジェクトのリーダーも務めており、組織が急拡大している中でも社員同士が協力し合えるカルチャーを形作るための施策を推進しています。例えばバーベキューイベントを主催したり、バレンタインにイタンジチョコを特注したり、毎週月曜日にオフィスでのモーニングを開催したりもしました。その結果、社員アンケートで「社内に友人と思える人がいるか」という項目の結果を大きく向上させることができました。
3年目の冬からは、セールスイネーブルメントという部署に異動になり、セールスに配属される社員の育成を担っています。
⸺なぜマリックさんにリーダーや社員育成を任せられたのでしょうか?
増田:一重に、それだけ本人が努力を重ねて成果を出し、周囲の信頼を勝ち取ってきたからです。
イタンジには年次に関わらず実力や成果に応じたアサインをするカルチャーがあり、実際に2021年後半に立ち上げた5つの「0→1」のプロジェクトのうち、4つは当時の新卒2年目が責任者を担いました。GAも同様のカルチャーであることは、前回の記事で取り上げてもらった古川の事例からも分かると思います。
一方で、全ての人にこうしたアサインが約束されているわけではありません。
学生の方の面接をしていると、よく「裁量権のある会社で働きたい」と言われます。しかし「裁量権」をアピールしている会社に入れば自動的に裁量権が与えられるわけではありません。裁量権が与えられるのは、任された領域で一定以上のパフォーマンスを出した一部の人だけなのです。
GAで1年目から事業責任者を任された4人も、たまたま1年目だっただけで、内定者インターン時代や入社後すぐに大きな成果を出し、責任者を担う実力があると判断されたからこそ、チャンスを得られたのです。
裁量権を「あって当たり前」のものとして捉えず、むしろ勝ち取ってやるという野心を持っていた方が、入社後に「期待と違った」と落胆することもありませんし、活躍できるのではないかと思います。
SECTION 5/5
焦らず「点」を集めれば、いつか線となり面となる
⸺「裁量権は当たり前に与えられるものではない」。GAに限らず全ての会社に当てはまることですよね。
増田:そうだと思います。ただ、成果が出ない人をすぐに見限るつもりは全くありません。私は新卒入社後の3年間は育成期間だと思っています。
新卒でキーエンスに入社した当初の私は、正直なところ「出来損ない」で、同期190人のうち下から10番目には入っていたと思います。でも1年目、2年目と目の前の仕事に打ち込むうちに、2年目後半頃に感覚が掴めてきて、そこからは何をやってもうまくいくようになり、7年目には最年少で所長に昇格しました。
こうした自分の経験からも、新卒の皆さんには、いきなり大きな仕事を成し遂げるというよりも、自分のターニングポイントが訪れる日までに、たくさんの「点」を集めてほしいと思っています。
ここで言う点とは、知識習得や情報収集、経験です。その点同士がつながって線になり、線が面になるタイミングで、成長の加速度がぐんと上がります。だから3年間ひたすら頑張っている人がいれば、たとえ成果が出ていなくても支援したいと思っているのです。
マリック:元々「成果だけでなく、プロセスも見る」と言われているので、努力すれば見てくれているという安心感があります。
私はGAの最大の魅力は「人」だと思っていますが、それは実際に社員に会ったり、会社に来てもらったりしてこそ伝わるものだと思います。今回、0→1や1→10に限らず、10→100→1000と様々な事業フェーズに関わることや、GAという会社に少しでも興味を持った方はぜひ、インターンや説明会に足を運んでみてください。
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