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INTERVIEW

コンサルタント飽和時代、元外資戦略パートナーに聞く市場価値の高め方

Goodfindが注目する企業で活躍する社員の、就活や現在の仕事を深掘りする「Goodfindが行く!OBOG訪問」。今回はエッグフォワードの取締役である田村学氏にインタビュー。アクセンチュアの戦略部門でパートナーも務めた田村氏に、コンサルタントとしてのキャリアの描き方を伺います。


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話し手

田村 学

田村 学

エッグフォワード株式会社
取締役 Chief Operating Officer 兼 企業変革支援事業統括

SECTION 1/4

アクセンチュアのパートナーを動かした問題意識

⸺田村さんがファーストキャリアとして都市銀行を選び、その後アクセンチュアに転職した経緯について教えてください。

田村:学生時代には発展途上国を支える仕事がしたいと考えていたため、新卒2年目から社員の半数以上が海外勤務をする、とある銀行に入行しました。しかし入行直後、その銀行の合併により海外勤務の制度もなくなってしまい、自分が望むキャリアが描けないまま悶々とした日々を過ごしました。

4年間勤めた後に転職を決意しましたが、そもそも当時は終身雇用が当たり前で、新卒5年目を受け入れてくれる会社は外資系しかなかったのが実情です。その中でも、コンサルはまだ人数規模が小さい業種だったため、市場価値を高められるだろうと考えてアクセンチュアに入社しました。

⸺アクセンチュアでパートナーにまで昇格したにも関わらず、最終的にエッグフォワードに入社した背景には何があったのでしょうか?

田村:大きく2つの転換点があり、一つは東日本大震災でした。当時ご支援していた企業様が、全社一眼となって東北の通信インフラの復旧に取り組んでいたのを目の当たりにしたのです。大義や使命感を背負って仕事に臨む姿に感銘を受け、そんな働き方に憧れを持つようになりました。

もう一つはコロナ禍でした。コロナ禍はリモート勤務などの形で、個人と会社の距離を物理的のみならず精神的にも広げる契機になったと考えています。あの頃を境に副業やフリーランスが急速に増えたように、個人が会社に頼って成長させてもらう時代が終わり、自分自身でキャリアを形成しなければならない時代に変化するだろう と感じたのです。

そこで必要なのは、個人が自分自身の持つ可能性や選択肢を理解すること。大げさに聞こえるかもしれませんが、その成否が今後の日本の労働生産性を左右するという問題意識を持っていました。

エッグフォワードに入社を決めたのは「いまだない価値(Egg)を創り出し、人が本来持つ可能性(Egg)を実現し合う世界を創る」というミッションから分かるように、私が持つ問題意識に真正面から向き合おうとする会社だったからです。

私自身のキャリア拡張の観点からも、それまでの戦略コンサルタントの仕事はクライアントのいち経営課題の解決がメインだったのに対し、エッグフォワードでは社会をどう変革していくかという上位概念から考えることが求められるため、新たな挑戦だと感じていました。

SECTION 2/4

独自性は目的と時間軸にあり

⸺これまでのキャリアを経たからこそ感じる、エッグフォワードの独自性は何だと思いますか?

田村:前提として、エッグフォワードはコンサルのみを行う会社ではありません。当社はミッションやビジョンを実現する手段として事業がある と考えているため、スタートアップ支援や自社プロダクト開発など複数のアプローチ方法を有している点で、一般的なファームとは異なります。

その中で、当社の祖業であり、私が事業統括を務めるコンサルの事業の独自性は、目的と時間軸にあると考えています。

近年の一般的なファームでは「DX」という言葉に表されるように、テクノロジーを駆使して企業の短期的な売上向上やコストカットを図るプロジェクトが増えています。一方、エッグフォワードは、特に当社のミッションに紐づいた「人的資本への投資」に代表される、 10年先など中長期の企業成長に繋がるプロジェクトを多く担っている のです。

⸺具体的にどのようなプロジェクトに取り組んでいるのですか?

田村:例えばここ3年程、ある企業様のパーパス浸透を支援しています。その企業様は売上の追求によって急成長してきましたが、数年前に30年先の世界と自社のあるべき姿を見据えたパーパスを設定しました。当社が担ったのは、そのパーパスを浸透させることによる、企業様の事業や組織、ひいては社員様個人の変革です。

そのために、今期の売上目標達成等に目が向いてしまう部長クラスの方に、10年先の事業について考えてもらうための経営合宿を主導したり、チーム単位・個人単位の研修をおこなったり、パーパスを人事制度や評価制度に反映したりと、数々の仕掛けを企画し、導入してきました。

SECTION 3/4

コンサルタント飽和時代に市場価値を高めるには

⸺戦略策定のみならず企業の変革まで支援するのですね。その中で新卒社員はどのような力を身につけられるのでしょうか?

田村:中長期の企業成長に関わるプロジェクトにおいて、クライアント側の意思決定者は多くの場合が経営層です。そのため当社の社員には、 経営層と対峙して時間軸の長いプロジェクトを進めるための、深く広い視野が身につくでしょう。

また、当社は社員数が100人程と比較的少ない一方で、各界のプロとして活躍してきた中途社員が多く在籍しています。私自身も新卒社員と一緒に仕事をすることもあり、少数精鋭のチームでそうした社員の仕事を間近に見られることは成長につながると思います。

⸺最後に、コンサルティングに携わりたいと考えている学生にアドバイスをお願いします。

田村:今の時代に重要なのは「どこでコンサルをしたか」ではなく「どんなコンサルをしたか」 。企業名ではなく、仕事の中身や役割が問われています。

私がアクセンチュアに入った頃は、まだコンサルタントの絶対数が少なかったため、戦略コンサルに携われば、世間的にはかなり希少で市場価値の高い人材になることができました。しかしコンサルタントの数が激増している現在、戦略を学んだからといって評価されるわけではなくなってきています。

そこで市場価値を高める近道は、より早くマネージャーになることだと考えています。現場のリーダーとして、チーム形成や一連のプロジェクトマネジメントを自らの責任で行うマネージャーは、コンサルタントにとっての一つのマイルストーンであり、大きく成長できる機会でもあります。

昇格年次が決められているファームもありますが、当社では成長スピードが速い人はどんどん昇格させ、次なる挑戦の機会を用意しています。コンサルタントやビジネスパーソンとして最大限の成長がしたいと思う方、エッグフォワードのミッションや事業に少しでも興味を持った方は、ぜひ説明会などに足を運んでみてください。

SECTION 4/4

後輩にお薦めしたい本

自身の価値向上や人との関わり方など、人生の歩み方に対する気づきを得られる一冊

P・F・ドラッカー『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)

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