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INTERVIEW

社会や産業に価値を届け、日本の未来をデザインする。DBJの「経営人材」としてのキャリア

Goodfindが注目する企業で活躍する社会人の、就活や現在の仕事を深掘りする「Goodfindが行く!OBOG訪問」。今回は京都大学を卒業後、日本政策投資銀行(DBJ)に入行し、5年目を迎える澤入美香さんと米林寛司さんにインタビュー。学生時代の経験からDBJへの入行理由、そして入行後にどのようなキャリアを築き、社会や産業の発展に貢献しているのか。日本の未来をデザインする「経営人材」を育成する成長環境についても話を伺いました。


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SPONSORED BY 株式会社日本政策投資銀行(DBJ)

話し手

澤入 美香

澤入 美香

株式会社日本政策投資銀行(DBJ)
アセットファイナンス部 副調査役

米林 寛司

米林 寛司

株式会社日本政策投資銀行(DBJ)
人事部 副調査役

SECTION 1/7

京都大学らしい自由闊達な学生生活を謳歌

⸺お二人は、学生時代はどのように過ごされていたのですか?

澤入:私は、理学部で主に霊長類学を学んでいました。具体的には、霊長類の社会性の進化を通して人類の社会性を考察するというもので、理系でありながら社会学や心理学といった学際的な分野にも幅広く触れていました。

学生時代はビジネスや経済に興味がなく、京都大学ののんびりとした雰囲気の中で、個性豊かな人々と接しながら「自分はどういう人間か」「将来どう生きていくか」といった問いをぼんやりと考える機会が多くあったように思います。京都で過ごした日々は、自分自身に向き合う貴重な時間でした。 サークル活動にも力を入れていて、オープンキャンパスの運営や、新入生向けの交流イベント、説明会や相談会の企画運営、雑誌制作など、新入生のサポートをしていました。

左:米林さん、右:澤入さん

米林:学生時代は企業価値評価のゼミに所属していました。エクイティアナリストのように、企業のビジネスをマクロ・ミクロ両面から分析し、現在の株価が本来の株価と比べて割高か割安かを判断します。例えば、消費財メーカーであれば、実際にスーパーで商品の売れ行きを調査するなど、机上調査とフィールドワークを組み合わせて分析を進めていました。DBJに入行後も、財務モデルに触れる機会は非常に多く、企業が作成したモデルを見て財務分析やシミュレーションを行うなど、学生時代の経験が活かされています。

学業以外では散歩サークルに所属し、鴨川や哲学の道など京大周辺でのんびり散歩をしたり、朝から晩までお花見をしたり、京大生らしい自由な学生生活を謳歌していました。

SECTION 2/7

当事者として社会全体に直接的な貢献ができる醍醐味

⸺どのような観点から、DBJへの入行を決めたのでしょうか?

澤入:理系ということもあり、就活開始当初は、産業の上流に位置するようなメーカーに魅力を感じていました。また、無形商材だからこそ、目の前のお客様ときちんと向き合った上で幅広いソリューションを提供できる金融にも関心があり、最終的には、BtoBのメーカーと金融機関に絞りました。その中でも、目の前の相手への価値貢献が、その先の産業や日本の社会全体へと広がっていく点に面白さを感じ、DBJが最も自分に合った選択だと感じました。

DBJの特徴は、取り組む案件・業務の意義を多角的に捉えることだと考えています。社会にとって、お客様にとって、そしてDBJにとって、それぞれにどのような価値があるのかを深く考えながら仕事を進めていくため、若手のうちからその意識を持って多様な経験を積めることは、非常に意義があると思いました。また、政策的なアプローチとビジネスにおける手触り感の両面を経験できる点も、入行の決め手となりました。

米林:私は自分自身の目標・興味と、仕事のゴール・ツールが合致することを重視して、就職先を決めました。単にお金を稼ぐだけでなく、ビジネスを通じて社会に貢献し、胸を張って「世の中を良くしている」と言える仕事をしたいと考え、その目標を実現できるフィールドとして金融業界を選びました。当初は投資銀行、エクイティアナリスト、アセットマネジメントといった金融専門職を検討していましたが、ビジネスを通じて社会貢献するという目標を、DBJなら当事者として実現できると感じ、入行を決意しました。

投資銀行部門やエクイティアナリストの仕事も、資金調達やM&Aアドバイザリーを通じて産業の成長を支援したり、市場に情報を発信して産業や企業を良くしたりするという点で、方向性は同じです。ただ、その中でもDBJでは事業者により近い立場で企業に寄り添い、深く事業にコミットして、その価値を共に届けていくことができると感じました。

SECTION 3/7

「事業者に近い立場で社会や産業に貢献する」という想いを具現化

⸺DBJに入行してから、どのような経験をされてきたのか教えてください。

米林:私はこれまで、エネルギーと都市開発の分野に携わってきました。最初の2年間は企業金融第5部とストラクチャードファイナンス部を兼務し、再生可能エネルギー案件に対する投融資を担当しました。1年目は太陽光発電への出資案件において、プロジェクトや業務の進捗状況を計画段階から完了まで定期的に確認・評価する、期中モニタリングを担いました。2年目はレンダー(貸し手)のエージェントという立場で、バイオマス発電向けのプロジェクトファイナンスで様々なレンダーの意見をまとめ、交渉を進めました。

3年目から関西支店へ異動し、関西の大手鉄道会社やデベロッパー向けの営業を担当しました。そこでは、通常の融資業務だけでなく、「地域を活性化させるにはどうすべきか」といった抽象的なテーマについて鉄道会社と議論するなど、ファイナンス以外の業務にも携わりました。

企業やステークホルダーと接点を持ちながら、事業者に近いところで直接的な価値提供に関わることができたと思います。責任ある場面を任せていただくことも多く、自分たちがオーナーシップを持って事業を推進する面白さに触れ、「自分の選択は間違っていなかった」と実感しています。

澤入:最初の2年間は企業金融第1部で、セメントや紙などの素材メーカーを担当しました。金融や経済、ビジネスの知識はゼロからのスタートで不安もありましたが、DBJの充実した研修制度のおかげで、社会人および銀行員としての基礎を学ぶことができました。

2年目には、セメント業界トップメーカーへのトランジションファイナンス案件を担当し、脱炭素化の取り組みをご支援しました。この案件は国内セメント業界では初の事例であり、一企業の取り組みに留まらず、業界全体にポジティブな影響を与えることを共通の目標として、お客様と共にファイナンスの設計や広報戦略に携わることができました。「目の前のお客様だけでなく、その先の社会や産業に貢献する」という想いを具現化できた経験として印象深いです。

3年目には財務部に異動し、DBJ全体の資金繰りの管理や資金調達を担当しました。その中で、行内システムのバージョンアップに伴う機能変更への対応業務や業務プロセスの改善など、イメージしやすい銀行員の業務とは異なるコーポレート部門の仕事を経験しました。

DBJの組織を支えるだけでなく、DBJと関わりのある幅広いお客様への貢献にもつながる仕事に、大きなやりがいを感じました。現在は再び現場に近い部署にいますが、資金を提供する側の視点からだけでなく、資金調達する側の視点からもプロジェクトについて考えることができ、財務部での経験が活きています。

SECTION 4/7

若手のうちから培うことのできる、経営人材としての経験

⸺この4年間で、特に印象に残っているプロジェクトはありますか?

米林:DBJの職員には、経営的視座を持った金融のプロフェッショナル、すなわち経営人材として成長することが期待されています。これは、産業やファイナンスといった複数の専門性を深めながら、日本の未来を俯瞰的に考え、社会課題解決のための総合力を備えた人材を指します。

その観点で、私は、2年目に担当したバイオマス発電へのプロジェクトファイナンス案件が強く印象に残っています。その時は、レンダーやスポンサーといった多様な関係者の間に立ち、利害調整をしながらプロジェクトを動かしていく役割を担いました。

中立的な立場で、産業レベル、さらには国レベルで俯瞰的に物事を捉え、客観的かつ多角的な視点から関係者への提言を行いました。異なる利害を持つ人々を、最終的に一つの目的に向かって動かしていくことは非常に困難でしたが、お客様が提案を真摯に受け入れてくださったのは、DBJが積み上げてきた信用やアセットがあるからこそです。経営人材として成長するうえで極めて貴重な経験となりました。

澤入:私は入行4年目に、国の政策や金融市場の変化に伴い、DBJの資金運用を見直す重要な局面で、資金繰り管理の業務フローを大きく変えるプロジェクトに関わりました。年齢や職種にかかわらず、若いうちから人やお金を動かし変革を推進する経験を積めたことは、非常に価値あるものであったと感じています。DBJには、若手にもこのような重要な仕事を任せてもらえる機会が多くあります。

SECTION 5/7

個の発想を尊重し、実現を後押しするカルチャー

⸺今後、お二人はどのようなことに挑戦していきたいと考えていますか?

米林:DBJには産業調査部というシンクタンクのような機能があるのですが、そこで20年後、30年後の産業全体の在りたい姿を検討しながらマクロな視点で情報発信に携わり、最終的には企業投資部門などで、アイデアを実行に移していきたいと考えています。

DBJでは、個別案件への投融資を通じて社会課題を解決するだけでなく、産業調査などの文脈で、社会全体を俯瞰してマクロな観点から官公庁と産業の変革について議論することもできます。それを踏まえてレポートを作成・発信し、自らの手で実行に移すことができるのは、非常に興味深いと感じています。

DBJには、自身の「これをやりたい!」を行内で発信し、それが社会や産業にとって必要であると認められれば、実現まで後押ししてくれる環境があります。個の発想を尊重し、ボトムアップで物事を動かしていく文化があり、若手も臆せずに意欲的に取り組める環境があるのが良いですね。

澤入:DBJは政府100%出資の金融機関としての独特な立ち位置から、内部管理や仕組みづくりにおいても独自に検討すべき点が多くあります。そのため、将来的にはコーポレート部門でDBJを内側から支える役割を担い、貢献していきたいですね。産業や企業との関わりにとどまらず、多様な活躍のフィールドが広がっている組織なので、その中で自分らしいキャリアを築いていきたいです。

SECTION 6/7

物事を多角的に捉え、経営人材として多様なキャリアを築ける環境

⸺最後に、あらためてDBJの魅力について教えてください。

澤入:DBJでは、ジョブローテーションを通じて幅広い業務を担当できるため、セクターに限定されない様々な経験を積み、自身の興味関心をもとに本当にやりたいことを見つけることが可能です。また、長いキャリアの中で、途中で別のセクターに魅力を感じたり、明確な目標が見つかったりすれば、それを軸に自身の志向を追求し、キャリアを築いていくこともできます。

周りには「世の中を良くしたい」という強い想いを持ち、固定観念に縛られない自由な発想で行動し、「これが本当にやりたいことだ」という信念を持って個性的なキャリアを築いている人も多くいて刺激を受けます。仕事を通じて自分と向き合い、本当に面白いと思えることを見つけられる環境は、DBJの魅力の一つではないでしょうか。

米林:DBJには真面目で穏やかな人が多いですが、心の奥底には社会への貢献という揺るぎない情熱を秘めていると感じます。「日本の未来をデザインする」という企業理念を掲げ、お客様の資金ニーズへの提案だけでなく、自ら社会をどう変えていくかという自発的な発想も大事にしています。

日本初のプロジェクトファイナンス実行や、企業の環境経営への取り組みを評価する世界初の融資メニュー開発などは、職員一人ひとりの「これをやりたい」「やるべきだ」という強い想いから生まれているのだと思います。

政府100%出資の金融機関という民間とも政府や官公庁とも異なる立場を活かし、時には政策立案やルールメイキングに関して提言・働きかけを行い、現場の意見を政策に反映させるなど、官民の橋渡し役を担いながら、自らの想いを実現するために行動することができます。

「世の中のために何が最善か」「この産業に何が必要か」といった問いをゼロベースで考えながら理想を描き、突き詰めていく人が多いのがDBJの特徴であり、経営人材へと成長するために必要な素養でもあると考えています。

経営人材には特定分野の専門性だけでなく、一つの事柄を多角的に捉え、専門家を巻き込みながら、物事を前に動かしていく力が求められます。サステナビリティや脱炭素の問題も、多様な領域にまたがる複雑な問題であり、一つの専門性だけで対応できるほど単純ではありません。

また、金融という大きなマーケットにおいて、様々な引き出しを駆使してアプローチすることで、エネルギー分野の知識が都市開発に活きるなど、予期せぬつながりが生まれることもあります。そうした大きな課題を解決するために、多彩な引き出しを持つことができるのも、DBJの魅力だと思います。

SECTION 7/7

後輩におすすめしたい一冊

澤入:「自分はどうしたらいいんだろう」という葛藤こそ人間的で、その過程を楽しむ気持ちが大事だと気づかされる一冊。

『暇と退屈の倫理学』國分功一郎(新潮文庫)

米林:金融業界や経営者と話をする際の共通言語となるコーポレートファイナンスを学ぶ入門書としておすすめの一冊。

『コーポレートファイナンス入門〈第2版〉』砂川 伸幸(日経文庫)

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