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やりたいことはないけど“成長したい人”の就活戦略

「軸がない」「やりたいことがない」「行きたい業界がない」と自分探しに迷い込んでいませんか? そんなお悩みを解決するべく、DeNA出身でアジアを代表する若手起業家の秋元氏と、PEファンド出身でココナラ創業者の南氏が登場。「就活時は安定志向で、やりたいことがないのがコンプレックスだった」と語る秋元氏の就活、そしてやりたいことを見つけるまでの経緯を南氏が深掘りし、「軸の見つけ方」や「成長したい人の一歩目」のヒントを届けます。

SPONSORED BY 株式会社ココナラ

話し手

南 章行

南 章行

株式会社ココナラ
代表取締役会長

秋元 里奈

秋元 里奈

株式会社ビビッドガーデン
代表取締役社長

SECTION 1/5

やりたいことがなくても大丈夫?

左:南氏、右:秋元氏

南:「やりたいことがない」と悩む就活生が多いようです。ぶっちゃけ、秋元さんはやりたいことがなくてもいいと思いますか?

秋元: 就活時点では、やりたいことはなくてもいいと思います。私自身、生涯を懸けてやりたいことを見つけたのは、社会人になってからでした。

新卒でDeNAに入社して2年目の頃、やりたいことがない自分にコンプレックスを抱いていました。同期が起業をしたり、創業者の南場さん(現・代表取締役会長)が「人生を懸けてヘルスケア領域に取り組む」と熱弁していたりするのに対して、私はそこまでの情熱を持てることが見つかっていなかったからです。ただ、その焦燥感が起業するきっかけになりました。

SECTION 2/5

周りが熱中している環境を探せ

南:やりたいことがない人ほど「周りの人たちがやりたいことに熱中している環境」に行くことが大事なんですね。その環境で、仕事にはどのように向き合っていましたか?

秋元:あえて成功確率50%の仕事を任せて育てる方針の会社だったので、「ここで必死に仕事をしたらやりたいことが見えるはずだ」と思って入社しました。

入社後は、困難と思われる無茶振り千本ノックに死ぬ気で取り組みました。例えば、マーケティング未経験にも関わらず、いきなりアプリのマーケティング責任者として数億円の予算を任され、成果を出すために無我夢中になりました。

そして社会人3年目に、農家の課題解決をしたいと思い起業しました。振り返ると、目の前の仕事を全力でやったからこそ、自分にできることが見えてきたんですよね。また、学生時代に比べて社会に対する解像度が高まったことで、世の中のいろんな課題が見えてきて、本気でやりたいことが明確になりました。

南:全力で仕事に打ち込んでいたからこそ、やりたいことが見えてきたのですね。

ビジネスの第一線で活躍されている方々は、最初から明確なビジョンややりたいことを持っているように見えますが、そんな人は意外と少ないんじゃないかな。私も起業を経験していますが、最初から今のビジョンを持っていたわけではないですし。

学生のみなさんには、やりたいことや自分らしさを探すよりも、まずは「周りが熱狂していて、自分も夢中になれる場所」に飛び込むことをオススメしたいですね。

SECTION 3/5

「夢中になれる場所」を見つける方法

南:次は「夢中になれる場所の見つけ方」をみなさん知りたいはず。熱中できる環境を探すには、何を軸にするのがいいでしょうか?

秋元:業界や事業領域を限定せず、①働き方②カルチャーを軸にすると、夢中になれる環境を見つけやすいと思います。この2つが自分と合っていると成長しやすいからです。

「働き方」の中身は様々ですが、私が重視したのは成長スピードでした。例えばワークライフバランス重視の人には平均的に残業が少ない会社が合っているかもしれませんが、いち早く成長したい私にとっては成長機会の妨げに感じます。このように「自分の仕事に対するスタンスや、得たい成長を叶えるのはどんな働き方か」を考え、それに合った環境を選ぶことが大事でしょう。

さらに「カルチャー」が合っていると、社内のライバルから刺激を受け、マインドが磨かれます。私は「1年目から成長できる働き方」ができて、周りの人がやりたいことに熱中している環境を選びました。

南: 秋元さんの就活軸は、最初から「働き方とカルチャー」だったのでしょうか。

秋元:当初は、金融業界を軸に見ていましたが、選考過程で軸が働き方に変わりました。10年20年かけて金融のプロを目指すのではなく、「1年目から成長する働き方をしたい」と思ったからです。

初期に金融志望だった理由は、大学で金融工学を専攻していたのと、母親から安定した企業に就職してほしいと言われたからです。そのため、金融でも日銀や東証、大手証券会社など特に安定した企業ばかり受けていました。

ただ、選考が進むにつれて、安定している一方で20年後の自分がどうなっているのかが見えるキャリアはつまらないと思いました。また、就活で得る情報は限られているなかで、20年先まで決まったレールに乗ることにリスクや疑問を感じたのです。

そんな時、偶然参加したDeNAのセミナーで、1年目から新規事業を任されるような、若手が大抜擢される文化があると知りました。DeNAのような企業では、10年20年後に自分がどうなっているかわからないけれど、最初の2〜3年で大きく成長できそうだなと、ワクワクしました。

南:「1年目から成長する働き方」に軸が変わった後は、就活をどのように進めましたか?

秋元:業界・事業への関心は捨てて、2013年当時に若手が活躍しているように見えた、サイバーエージェント、グリー、ミクシィなどのITベンチャーを複数受けて、最後はカルチャーが一番合うDeNAに決めました。

カルチャーが合うと感じた理由は、お会いした先輩社員がロジカルさと体育会的な熱さの両方を兼ね備えていたことや、自分と同じ理系の人が多いこと、人事をはじめ会社の考えが柔軟で学生だった私の意向を大切にしてくれたことです。

実際に入社から3年半、同期や先輩から多くの刺激を受け、特にマインド面の成長は起業後にも活きています。

南: 全力でコミットできる環境で仲間と切磋琢磨することで、仕事に対するマインドが磨かれたということですね。

みなさんに知ってほしいのは、企業ごとのカルチャーは想像以上に違うということ。どういう想いの人が集まっている会社で、そこでどんな刺激があるかによって、実は自分の人生が大きく変わり得るんです。

どの業界に行くか以上に、企業ごとに異なるカルチャーを深く感じ取り、そのカルチャーをもたらしている背景を知るのは、入社先を決める上で重要です。

例えばココナラのカルチャーとしては、部署を越えて気軽に会話し協力しあう、風通しの良さがあります。事業で良い結果が出れば全員が喜び、うまくいってなければ「なぜだろう?」と経営陣も一緒に考えるので、皆が同じ船に乗っている仲間のような一体感があるんです。

また、マッキンゼーやリクルートなどから優秀な仲間が集まっているので刺激的ですね。新卒1年目からCEO直轄でトライする機会を設けるなど、若手の成長を促す環境もあります。

ココナラ社のカルチャーやその背景、環境について知りたい方はこちら(関連記事)

成長は夢中の産物。ビジョンに邁進する事業責任者に学ぶ企業選び

SECTION 4/5

成長=意思決定数×達成数

南:夢中になれる環境でやりたいことが見つかった時、今度は挑戦するのがこわくて踏み出せない人もいます。挑戦する力や自信をつけるには、どうしたらいいでしょうか?

秋元:自分で決めた目標を、自分で達成する機会を重ねるに尽きます。小さなことで構わないので、成功体験を積み上げていくと自信がついて、「次もなんとかできる」と思えるからです。

また上司が決めた目標ではなく、自分で決めたことをやりきることが重要です。私自身、新卒から3年半、自ら立てた目標を達成するまで試行錯誤を繰り返したからこそ、起業に挑む意思決定ができました。

なので、私の場合、当時の環境選びには「自分が意思決定できる土壌があるのか」「自己効力感(=自分が仕事で効力を及ぼしている実感)を仕事で得られそうか」という観点も重要でしたね。これらが気になる学生のみなさんは、選考や面談、OBOG訪問などで若手の先輩に聞いてみてください。

南: 自分で決めたことを乗り越えられると、成長して自信がつき、自信がつくと自分なりの価値観が醸成されていきます。その結果、やりたいことが見えてきますし、リスクや不安に負けず挑戦ができます。

また、学生のみなさんは成長する方法を探していますが、実はシンプルで、成長は意思決定した数と達成した数に比例するんですよね。なので、成長したいなら、本質的な論点は大企業かベンチャーか、日本か海外かではないんです。

成長は自分で決めたことの達成数に比例するので、まずは自分で決められる裁量権がある環境に行くのがポイントです。そして、そういう組織風土やカルチャーがあるのは、ほとんどが事業や組織が成長中の企業なんです。

編集部:自分で決められる裁量権は何となく想像できますが、「仕事で自己効力感を感じられる」というのは、具体的にはどういうことでしょうか。

南:達成から自己効力感を感じる事例として、ココナラでは「自分の仕事がどう役に立ったのかを感じやすい」と言う社員が多いことが挙げられます。当社はスキルマッチングのサービスをメインで展開しており、社員全員がほぼリアルタイムにユーザーの声を聞けるようにしているためです。また、事業上の数値目標も誰もが毎日チェックしていて、達成に向かっていると感じます。

SECTION 5/5

自分らしい軸との自然な出会い方

編集部:ここまでで、「働き方やカルチャー」が合い、「意思決定と達成」が多くできる環境を選べばいいのだと理解しました。
しかし実際に数万社からそのような会社を見つけるには、どうすればいいでしょうか?

南: 就活軸は一人で机に向かっていても見つかりませんし、検索して他人のアイデアを拝借するものでもなければ、無理に決めつけるものでもありません。

軸を磨いて自分に合う企業を見つけるには、外部刺激・インプットが不可欠なので、とにかく周りの社会人やツテを辿って、生の情報を取りに行きましょう。難しく考えずに「仕事は楽しいですか? なんで楽しいんですか? ロマンは何ですか?」などと聞きまくればいいんですよ。

また「就活軸は絞らなくてはけない」と言う人事や面接官が多いですが、私は無理に絞らなくてもいいと考えています。また、秋元さんのご経験が示す通り、入社後にやりたいことも無理やり明確にする必要はないのではないでしょうか。

「やりたいこと」と言うと、具体的な対象や方法論にフォーカスしがちですが、もう少し柔軟に広く捉えてもいいんですよ。例えば「事業そのものにあまり興味はないけど、こういう仲間だから一緒に頑張りたい」「目指す世界観に共感するから成功させたい」というくらい、動機は柔軟なものでもいいと個人的には思っています。

そして、自分のなかにうっすらとでも存在するモチベーションに懸けて頑張る経験を積み重ねていくと、一歩ずつ「本当にやりたいこと」に近づいていくでしょう。

編集部: 元々金融を見ていた秋元さんが偶然IT企業に出会ったように、偶然や予想外の素敵な出会いを生む方法や、自分らしい軸と出会うコツはありますか?

秋元:自分は無知であるという前提で自分を疑うことでしょうか。「自分は間違っているかもしれないし、自分が知らないことや見えてないことがたくさんある」と思って、自分と対極にある価値観や働き方なども一旦並べてから検討すると、バイアスにとらわれず視野が広がって、未知の素敵なめぐり逢いがしやすいと思います。

私の場合、実家が農業をやっていなければ今の事業は思いつかなかったので、みなさんもご自身のルーツや原体験を見直してみると、自分が大事にしたいことに気づけるかもしれません。

南:自分らしい軸とは、自分が大事にしたい価値基準/判断基準であれば何でもいいと思います。就活初期にとらわれがちな「人気があるか、有名か、親が安心するか」といった他人の尺度を取り除くことから始めましょう。他者のものさしで意思決定をしても頑張り続けられないし、やりたいことも見つかりにくく、自分の人生を歩めません。

これまでお話ししてきたような自分らしい軸や価値観を持つことをココナラでも大事にしていて、当社では「一人ひとりが自分のストーリーを生きていく世の中をつくる」ことをビジョンとしています。

みなさんにも、自分のストーリーを生きてほしいと思います。入社先の選択があなたのストーリーの序章であり、自分の価値観で選ぶことが、最初の自分らしさとなるでしょう。みなさんが自然と自分らしい軸に出会えるよう、応援しています。

南氏のキャリアや、南氏が推奨する企業の選び方を知りたい方はこちら(関連記事)

自分のストーリーをどう生きる?PEファンド出身起業家とリクルート出身経営者に聞く

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