INTERVIEW
社長が新卒に「新規事業をゼロから全て任せます」と言ったらどうなった?
「新規事業をやってみたい」と思っている皆さん、新卒ではどのような会社を選ぼうとしていますか? 新規事業を創るには様々な知見や強い心が必要で、難易度が高いゆえに事業家の市場価値は高いと言われています。今回は、そんな新規事業を「ゼロから新卒に全て任せる」というユニークな取り組みを行う会社の代表にインタビュー。事業家志望者が選ぶべき環境や新卒が新規事業に取り組む意義、必要な素養などを伺いました。
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SPONSORED BY 株式会社アウローラ
話し手
古瀬 一臣
株式会社アウローラ 代表取締役
SECTION 1/6
新規事業をやりたい学生が新卒で身を置くべき環境とは
⸺古瀬さんは「新規事業開発をゼロから新卒に任せている」そうですが、正直驚きました。事業を立ち上げる能力が新卒に備わっているのでしょうか?
古瀬:最初は備わっていない場合がほとんどでしょう。ただ、事業を創りたい・起業したいと思っている新卒社員に学んでもらうには、ゼロベースで100%預けてしまうのが一番の近道だと、僕は考えています。
世間でありがちなのは、新卒に任せるのは新規事業の一部であったり、経営陣が決めた事業プランに新卒が取り組むといったパターンです。しかし新卒の立場で考えてみると、新規事業をゼロから全て任された方が楽しいじゃないですか。意欲ある優秀な新卒の能力を最大限引き出すには、一部ではなく全てを任せるのが理想形だと信じて実践しています。
もしあなたが「予算を好きに使ってください、よーいスタート!」と言われて、1か月後に経営会議でプレゼンすることになったらどうでしょう。当社の新卒を見ていると、「ここまで任された上で上手くいかなければ自分のせいだ」と、1ヶ月目から責任を感じるようで、主体性が引き出されています。
ここまで自分を試される機会や環境は、世の中には意外と少ないですが、自然に緊張感を持てますし、ビジネスパーソンとして圧倒的な成長が期待できます。
⸺古瀬さんはこれまで何十もの新規事業の立ち上げに携わってきたそうですが、新規事業開発にはどのような能力が必要なのでしょうか?
古瀬:総合的なバランス型の能力と、財務の知見が求められます。新規事業開発では、一点に絞った高い専門性よりも、事業に関連するあらゆることに対応できる総合的な能力が必要です。その上で、ビジネスは最終的にPL(損益計算書)・BS(賃借対照表)で語る必要があるため、早くからそこに直接携わる経験ができると良いでしょう。
ただ、一般的に財務は管理部門や経営陣だけが見ることが多く、営業などの現場も自らの事業をPLベースで見ている会社はあまりないでしょう。
そんな中アウローラでは、事業部ごとにPL管理も事業責任者に預けているので、新卒や若手であっても、財務的知見や思考が求められます。事業責任者はユーザーやお客様の反応を感じながら数字にも責任を持ち、より主体的に事業に取り組むことができる環境です。
SECTION 2/6
企業内で新規事業開発するメリット
⸺当事者として責任を感じながら取り組む環境が大事なのですね。一方で自分で起業するのではなく、企業内で新規事業開発をするメリットは何ですか?
古瀬:一度組織に入ることには、大きく2つのメリットがあります。1つは資金があること。アウローラでは、僕が創業時から伸ばしてきた営業コンサルの事業部で安定した収益を確保していて、それを新規事業に投資しています。
金策は僕をはじめベテランがやり、未来の可能性は若手が創るというバランスです。売上や社員数の規模からみると、当社の投資額の比率は大きいと思いますし、非上場だからこそ、ここまで投資できています。
2つ目は、事業創りの経験者から定期的にフィードバックをもらえる環境であること。当社の部長以上は全員、経営経験があります。例えば新規事業を管掌する役員の鈴鹿はDeNA出身で、新卒の数年間南場さんと一緒に仕事をした後、人材コンサル会社を起業しました。現在はアウローラの役員をしながら、さらに自身の会社2社を黒字で回しているような、事業経験が豊富な人間です。他にも、戦略の顧問として関わっている社外の事業家からも、かなりシビアなフィードバックがもらえます。
一方、自分で起業した場合、資金調達に苦労したり、適切な助言を得られず遠回りしたりする可能性も高いでしょう。実は、起業を志しながらアウローラに入社する社員もいます。まず社内で経験を積み、自信を得てから独立を目指す、というのも当社としては大歓迎です。
SECTION 3/6
新卒が立ち上げた新規事業の実態
⸺経験豊富な事業家のもとで取り組めるのですね。そんな環境で、実際にアウローラの新卒社員が立ち上げた事業について教えてください。
古瀬:20卒が立ち上げたHerTech(旧WeRuby)というサービスは、年商6億規模までグロースしています。一方で、21卒・22卒が立ち上げた事業はテストマーケティングの段階で撤退しました。やはり新規事業はシビアで、1年間必死に奔走しても赤字を作ってクローズする可能性も十分あります。厳しい現実をPLに語られる残酷さがありますね。
しかし、たとえ撤退を決めたとしても、1年間奔走してきた分、新卒メンバーは着実に成長しています。HerTechや営業コンサルの事業部に異動しても間違いなくバリューを発揮できますし、その事例もあります。1年目に悔しい思いをした分、リベンジする意気込みで先輩の創った事業に携わることで、成果につながっているのでしょう。
会社として見ると、新卒を新規事業開発部に配属するという投資の回収は十分にできています。僕自身すごくユニークな投資だと思っていますが、しっかりリターンを出せるほど、新卒一人ひとりが急成長してくれているのです。
⸺20卒の成功を踏まえて、どのような人が新規事業に向いていると思いますか?
古瀬:胆力と利他精神を持つ人です。新規事業を成功させるのに、熱意や行動量は欠かせないものです。また、アウローラは社会課題に向き合っているので、ユーザーを第一に考える必要があります。データを見てわかった気にならず、ユーザーに教えてもらう姿勢でいる方が、常に変化する世の中にも対応できるでしょう。
現に20卒がHerTechを立ち上げる際は、一度ロジカルシンキングで出した結論の詳細を探るために、何百人ものユーザーに話を聞く手間を惜しみませんでした。その結果、ロジックで組み上げた理屈を超えた「ユーザー心理」をニーズとして捉えられたので、無事に新規事業として立ち上がり、規模の拡大まで繋がったのだろうと思います。
SECTION 4/6
「人間らしさ」で繋がる組織で、社会課題を解決する
⸺創業当時から社会課題解決を掲げ、新卒に新規事業を任せていたのでしょうか?
古瀬:いえ、創業からの10年間と、それ以降では組織も事業も真逆なほど違います。10年目の2017年から2019年頃に大きな組織改革を行い、現在のような組織で社会課題解決をテーマに掲げた事業を行うようになりました。
最初の10年は事業も今とは異なり、売上至上主義だったので、営業目標の達成に向けて厳しく管理・指示するマネジメントでした。業績は良かった一方、メンバーが思考停止して育成が進まなかったり、家庭との両立ができず辞めていったりする環境でした。
縦割りの組織で、業績にしかこだわらない管理職ばかりだったせいか社員同士の仲が悪く、離職率も高かったです。当時の社員数は約300人でしたが、この状態から会社を拡大することに限界を感じ、組織を作り変える必要性を痛感しました。
⸺業績は好調だったにもかかわらず、組織を作り変える決断をしたのですね。
古瀬:業績が良い喜びよりも、組織状態が悪いことが何倍も嫌でした。成果主義ではどうしても個々人の主張が強くなります。それよりも、自分たちのサービスでユーザーが喜んでくれることにやりがいを感じるという「人間らしさ」で繋がって集まる組織の方が、お互いのことを思いやれると気づいたんです。社会貢献性の高い事業で繋がって、その先に収益がある構造の方が、社員の納得度は高いだろうと考えました。
また、組織のトップである僕が変わらなければ組織も変わらないと思ったので、2年間かけて組織の勉強をしたり経営者と交流したりして、会社と組織のあり方を考え続けました。その結果、事業としては収益性ではなく社会貢献性を一番の目的とし、組織としては一緒に働く仲間をとことん大切にする文化を作ろうと決めました。それに紐づくミッションやワークスタイル、行動指針などを決めて、2019年に大きく再編しました。
⸺かなり思い切った改革だったと思いますが、その結果や現状をどのように捉えていますか?
古瀬:「今のアウローラが一番自慢できるのはメンバーだ!」と言えるようになった現時点で、7割は成功した感覚があります。採用の難易度は高くなりましたが、コミュニケーションを大事にできる人を集め続けたおかげで、組織は本当に良くなりました。
ただ、業績は過去のアウローラをまだ上回れていないので、今の素敵なメンバーや未来のメンバーと、あと1つ2つ柱となる事業を打ち出したいですね。
SECTION 5/6
転職せずにやりたいことができる、自由度の高い職場
⸺今のアウローラはどのような会社ですか?
古瀬:「成長したい」「輝きたい」と思っている人たちが、ここで働きたいと思うような組織を目指しています。どんなライフステージの人も、何をやりたい人も、自分らしさを共有して、お互いに承認しようと掲げています。
制度面では、残業禁止や1時間単位でシフトを自由に組めることはアウローラの特色です。長時間働くよりも効率よく成果を出して、残りの時間をプライベートとして確保して、発想や知見が豊かになるように使う方が、事業家向きだと僕は思います。アウローラでは、仕事だけでなくプライベートも含めて充実している人を「優秀な人」と定義しています。
また副業にも制限はありません。大概のやりたいことは転職しなくてもできますし、当社以上に自由度の高い職場は無いと思います。
ただ、ミッションを語る機会は多く設けていますし、社会課題の解決に寄与するという方針から外れないようにしています。事業創りでは、収益性以上に「ミッションに対するインパクトがどのくらいあるか」「ユーザーファーストであるか」を意識しています。利益を出すだけであればアウローラでなくても良いので、我々にしかできない我々らしい事業をやるのみです。
⸺アウローラは、女性が抱える社会課題解決をミッションに掲げていますが、なぜ「女性」に絞っているのでしょうか?
古瀬:僕が起業前から20年間人材業界に携わる中で、根深い課題だと感じてきたからです。女性雇用の問題は長年行政も問題提起しているにもかかわらず、全く解決していない実情を見てきました。いち経営者として、その課題解決に寄与できる事業を打ち出したいというシンプルな思いから始まっています。
もちろん、「女の子の世界を変える」というミッションに対して、一人ひとり捉え方やアプローチの違いがあるのは当然で、社内では考え方の違いを互いに受け入れようとしています。面接でミッションに対する考えを聞くのも、その人なりの意見を知るためです。
一方で「女性」というのは、現在のアジェンダに過ぎないと言えるかもしれません。もし女性雇用の課題が解決されたら、全員で次に解決すべき課題を見つけて、それをミッションとして掲げるのでしょうね。
SECTION 6/6
「楽しい人生」を自分で作り上げよう
⸺ミッションへの考え方も互いに尊重しあう組織なんですね。今後の事業展開や組織について、目指していることを教えてください。
古瀬:今の働き方や組織の作り方に手応えを感じているので、まずはこの組織を拡大していきたいです。組織を拡げることで、事業を打ち出す速度や頻度を上げられますし、世の中に貢献できることも増えていくと思っています。
一方で、会社として存在意義を世の中に示すためにも結果を出さなければいけないフェーズにいます。たくさん成功事例を作って、採用や社風の基盤にしたい。業績を世の中に評価してもらった先に、アウローラの組織のあり方や働き方を参考にしてくれるような企業が増えていくと良いなとも思います。
⸺最後に、新規事業をやりたい学生に就活のアドバイスをいただけますか。
古瀬:就活中ほど、自分の価値観ややりたいことにとことん向き合える時間はないと思います。自分の人生のために時間の許す限り悩んで、納得感が高い環境を見つけてください。
アウローラの社員に対してもそうですが、皆さんには楽しい人生を生きてほしいと心から思います。楽しい人生を生きるというのは実は結構難しくて、人によって「楽しい人生」は違います。あなたにとっての最高の人生や最高の時間の使い方は、誰かに指示されるものではなく、自ら考えて作り上げるものです。
アウローラには、起業をしたい人、起業を経験した人、元々はコンサルを目指していた人など多様な人が集まっていますし、アウローラで経験を積んで起業する人も応援しています。あなたが「自分にとって最高の人生を歩む」というテーマで色々考えて、もしそれがアウローラと重なるのであれば、最大限アウローラを活用してほしいと思います。
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