INTERVIEW
組織を超え、イノベーションを牽引する。人生を懸けるべき企業の見極め方

ファーストキャリアの選択は、今後の人生に大きな影響を与えます。先行きが見えない、自身の成長につながらない企業・産業に進んでしまったら勿体ないですよね。今回は、米国金融誌『Institutional Investors』から2年連続Best CFOとして選出 ※ されたアンドパッドの荻野泰弘氏に、複雑に変化する市場環境の中から、新卒で進むべき企業・産業を見極める方法を伺います。荻野氏によると、これから社会人の一歩目を踏み出せることは運が良く、「奇跡的なタイミング」らしいのです。
※ 出典:Institutional Investors 『「Japan Executive Team」ランキング 「Best CFO」』(2017-2018)
【謝礼あり】読後アンケートご協力のお願い(計6問・所要時間1〜2分)
SPONSORED BY 株式会社アンドパッド
話し手

荻野 泰弘
株式会社アンドパッド
取締役CFO
SECTION 1/5
企業選びに欠かせない、産業の潮流を捉える視点
⸺新卒での入社先は、今後のキャリアや働き方に大きな影響を与えます。「ベストCFO」にも選出された荻野さんの視点から見て、入社先を見極めるポイントを教えてください。
荻野:企業選びで必ず見てほしいポイントは、ビッグデータに対してどれぐらい本気で取り組んでいるのかという点です。具体的には、その企業が対峙する領域においてビッグデータを蓄積できる立ち位置にいるのか、どれだけ活用できるのかという点に着目してみてほしいです。

なぜ、そう断言できるのか。それは産業の潮流をしっかり捉えることで理解できます。産業革命の歴史を振り返りながら、その時々に最も選ばれたであろう就職先を考えてみましょう。
19世紀後半、軽工業が急速に発展した第一次産業革命直後は、富岡製糸場が最もクールな就職先だったことでしょう。戦後の第二次産業革命期には、焼け野原になった日本の国土を回復するため、高度経済成長期にかけて建設業・製造業・卸売業(商社)などが東大生注目の就職先でした。その後、バブル経済を経て起こった第三次産業革命では、インターネットが生まれ、情報社会が進展しました。
ここで、問題です。
Q.1994年にAmazon、1996年にYahoo Japan、1997年に楽天、1998年にGoogle、1999年にAlibabaが誕生しました。2001〜2002年にあなたは就職する予定です。どのような企業に就職したら産業の潮流に乗れるでしょうか?
⸺どれも情報や商品を届けてくれる、今や私たちの生活に欠かせないサービスですね。
荻野:その通りで1990年代は大量生産・大量消費という時代背景から「BtoC」企業が主戦場でしたが、この答えは「CtoC」企業です。2000年代はブロードバンドの急速な普及に伴い個人が情報発信する時代が到来しました。具体的には2001年にWikipedia、2004年にFacebook、2005年にYouTube、2006年にTwitter(X)が誕生しています。

この時代、2008年にiPhone、2009年にAndroidが日本に初上陸し、スマートフォンが急速に普及しました。2010年にInstagram、2011年にLINE、2013年にメルカリ、2016年にTikTokと、今使っているスマートフォンアプリは、この時代にできたのです。
そして、2018年にGPT、2022年にChatGPTにあたるGPT-3.5がリリースされる等、2020年前後には生成AIの進化により、私たちの生活やビジネスが大きく変わりました。皆さんが就職する2026〜2027年は、人工知能、IoT、ロボット等によるデジタルトランスフォーメーション(DX)が一気に進む第四次産業革命の真っ只中です。この産業革命の波を知らずに5〜10年前に就職してしまった先輩と比べれば、この波に乗れる就活生の皆さんは「運が良い」と言えるでしょう。

現在、大規模言語モデル(Large Language Models)を含む生成AIにより、100億人以上が情報供給やコミュニケーションが可能になるような時代が到来しています。そのような黎明期に、社会人の一歩目としてどのような企業で何を学べばいいのかをしっかり考える必要があります。
皆さんは、まさに「インターネットが広がったタイミングでAmazonやAlibabaをこれから作れる」ぐらいの野心を持てる状況にあるということがご理解いただけたでしょうか。
⸺なるほど、「運が良い」のは、今まさにビッグデータを活用して新しいサービスを作ったり、企業を成長させたりできるタイミングだからなのですね。
SECTION 2/5
第四次産業革命の波に乗る企業の必要条件・十分条件とは
⸺ビッグデータを扱う企業は数多く存在します。その中で第四次産業革命の波に乗るような企業を見分けるポイントがあれば教えてください。
荻野:データの集まるプラットフォーマーであること、これが必要条件です。具体的には、ヒト・モノ・カネなどのいわゆる経営資源をすべてサーバーに収めて蓄積できるかどうかが重要です。ビッグデータをAIで解析することがDXの一つであるため、より精緻な結果を得るためには、データプラットフォームであることがまず入口になります。

そして十分条件には、カテゴリーリーダーであることが挙げられます。第四次産業革命では一つのサーバーの中に特定の産業や領域のすべてのデータが入っている状態が好ましいです。例えば、ある産業の中で10社が10%ずつ情報を持っているとします。それらの少ない情報では、AIが正しく解析することは難しいでしょう。一方、80%のデータを持つカテゴリーリーダーが存在すればどうでしょうか。それだけのデータ量があれば、AIを用いてより有用な解析をすることができ、その産業で働く人々にとって一層価値の高いサービスを提供することにも繋がります。
⸺業界にとって重要な存在となる「カテゴリーリーダー」の定義を教えてください。
荻野:カテゴリーリーダーの定義としては、少なくとも市場で最大のシェアを獲得している企業になりますが、やはり半数以上、51%以上のシェアを取っている状態が望ましいです。こういった企業の社員は、他社の弱点を突いたり、模倣したりするのではなく、成長のベクトルを市場全体の拡大や産業の未来に向けて働くことができます。キャリアの第一歩目を踏み出すのであれば、やはり自分が誇りを持って働ける場所を選んでいただきたいですね。

SECTION 3/5
急成長するカテゴリーリーダーとして、産業を牽引する醍醐味
⸺これまでのお話から、データが蓄積されているカテゴリーリーダーとは、業界トップにいるような大手企業を想像したのですが、この認識で合っていますか?
荻野:そうですね。現在は例えばAppleやGoogleのような大手企業がカテゴリーリーダーとして世界を牽引していますし、間違っていないかと思います。ただ、就職先という視点で見てみると、もう一つ全く異なる視点が必要です。
それは、入社後にオーナーシップを持って働くことが可能かという点です。
皆さんが仮に、従業員数が何十万人規模の業界トップ企業に就職したとしましょう。このような企業は安定感が魅力的ですが、組織や役割が細分化されやすく、裁量を持つのは容易ではありません。自らが事業を動かすポジションとなるには時間がかかります。一方で、カテゴリーリーダーの中でも歴史が浅い企業は、打席に立てるチャンスが多く、社内外、産業全体すら巻き込みながら事業を拡大するという、視座の高い経験を早期から積むことができます。

もちろん、就職先にそこまで求めないという方もいらっしゃることでしょう。それ以上にオーナーシップを持って働きたいという志を持つ方には、ビッグデータなどを活かし、業界変革の歴史の最前線を走る企業を選ぶのがお勧めです。
私がCFOを務めるアンドパッドもまた、建設建築業界のデータを日本で最も蓄積し、データプラットフォーマーとして現在、業界変革に挑んでいる企業です。
⸺アンドパッドでは具体的にどのようなデータを蓄積しているのでしょうか。
荻野:アンドパッドでは、クラウド型の建設建築プロジェクト管理サービスである『ANDPAD』を提供していますが、そこには建設建築現場における経営資源であるヒト・モノ・カネにまつわるあらゆるデータが蓄積されています。例えば、工事の工程表や現場の写真・設計図面といった現場のデータ、受発注業務のデータ、プロジェクト全体の見積りや人員・営業・売上・原価といったデータなどです。
現在『ANDPAD』のサーバー内には膨大な現場プロジェクトのデータが収められています。これらは他の名だたるIT大手企業も保有していない、我々だけが持つ武器です。現在、企業にして21万社、ユーザーとしては55万人を超える建設関係者の方にご利用いただき、クラウド型プロジェクト管理サービスとしては国内でもシェアNo.1 ※ のサービスに成長しています。
※ 『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミックITリポート2024年12月号)』(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)

⸺『ANDPAD』は、建設建築業に関わる多くの方に利用されていますが、今後さらにサービスが浸透することで現場や業界をどのように変えられると考えますか。
荻野:建設建築現場では人手不足や長時間労働に伴う生産性の低下が課題となっています。
例えば、建設建築現場に資材を運んでもらっても、工事の進捗が遅れているために資材を置く場所がなく、一度持ち帰ってもらってから翌日に再度運び直すというような、非効率的なやり取りもよくあることです。このような会社に『ANDPAD』を導入いただくことで、現場にいない関係者の方々が、アプリを介して現場の状況を確認できるようになる。こうした積み重ねが生産性向上に繋がっています。
ここで重要なのは、単なるデジタル化に留まらないという点です。いわゆる建材メーカーや商社、物流といった会社から、その資材の仕入れ先、建設建築現場など、あらゆるステークホルダーの壁を越えて、産業に関わるすべての仕事の工程を滑らかにしていくことができる。その真ん中に存在するのが『ANDPAD』です。

大工さんや職人さん、建材メーカーなどの方々が、朝起きたらまず『ANDPAD』を見て、現場の状況やその日のタスク、資材の運搬スケジュールなどを確認してから仕事を始める。こんな風に『ANDPAD』があるのが当たり前で「明日なくなったら困る」と言われるような世界を作っていきたいですね。
SECTION 4/5
「明日なくなったら困る」サービスとは
⸺「明日なくなったら困る」と言われるサービスは人によって様々だと思いますが、荻野さんはどのような企業のサービスをイメージしていますか?
荻野:私自身、約10年前に明日なくなったら困るサービスを生み出す企業とは実際どのような企業なのかと考え、調べてみたんです。
当時、世界のIT企業の時価総額ランキングをみると、Appleが47兆円、マイクロソフトが34兆円、Googleが31兆円とトップ3に並んでいました。そこからさらに下がり、Salesforceが3.5兆円、Adobeが3.3兆円、Twitterが2兆7000億円という数字を目にした際、ユーザーから「明日なくなったら困る」と言われるサービスを作るということは、このような会社をつくることなのだとイメージができました。
やはり、せっかく作ったプロダクトやサービスが、程なくして他社に乗り換えられるのは悔しいですよね。「明日なくなったら困る」と言われるサービスづくりに、ビジネスパーソンとしての貴重な時間を費やすことができるというのは、非常に有意義なことだと考えています。
⸺荻野さんは、かつてミクシィのCFOとして時価総額200億円から5,000億円企業へと成長を牽引しています。「明日なくなったら困る」と言われるサービスを作りたいという思いを持った上で、建設建築業に特化したSaaSという異なる領域に参画された理由を教えてください。
荻野:やはり「衣食住」という人間のベーシックニーズを改善していきたいという思いがありました。その中でも「住」の領域は、テック系企業で時価総額1兆円どころか1,000億円を超えている会社すら1社もないという状況でした。これだけ大きな領域にも関わらずカテゴリーリーダーが不在なのであれば、自分がリーダーとなり、それを作り切りたいという思いでアンドパッドに入りました。
私の入社時は、時価総額80億円程でしたが、今では10倍の約800億円まで成長し、世界中の投資家から、日本の中で間違いなくカテゴリーリーダーを目指せるという期待をいただいています。

SECTION 5/5
“豪華客船”ではなく、“帆船”で進む方向を決められる生き方を

⸺荻野さんが考える、充実したキャリアを歩むために大切な要素を最後に教えていただけますか。
荻野:成功や失敗を何度も経験すること、大きな振れ幅を何度も乗り越えることでしょうか。スキルやテクニックではなく、執着心と情熱、オーナーシップを持ってその場に立ち続けられるかどうか。失敗することもあるでしょうが、肝心なのは失敗する準備ができていることです。その失敗を乗り越えた経験の多さが、結果として大きな成功に結びつくのだと思います。
学生時代においても高い目標に挑み続けてきた皆さんには、豪華客船で目的地へと連れて行ってもらうような生き方ではなく、自ら風向きを感じ取り、その帆の張り方から進む方向まですべてを自分で決められる、帆船に乗るような生き方をしてほしいです。
激しく横揺れするかもしれませんが、チャレンジできる環境があるからこそ、自分の力でこれからのキャリアを生きられる力が身につくはずです。アンドパッドもまた、そんな帆船の一つ。社会人人生を懸けて「明日なくなったら困る」と言われるサービスを作り切りたい方はぜひ、この船に集まってもらいたいです。

アンドパッドの採用説明会はこちら
記事の感想をお寄せいただいた方から抽選でAmazonギフト券をプレゼント!(計6問・所要時間1〜2分)
編集: