INTERVIEW

人口ボーナスを享受せよ。日本屈指のビジネスリーダーに聞く、市場価値の高め方

市場価値を高めたい、と考えて就職活動を進めている方は多いでしょう。しかし「どのような環境で何をすれば市場価値が高まるのか?」という問いには解がなく、軸に合った企業を見つけるのは大変難しいことです。本記事では、アンドパッドの創業者であり、日本の起業家ランキング10位にランクインした稲田氏と、ミクシィなど有名IT企業のCFOを歴任し、現在は同社のCFOを務める荻野氏にインタビューを実施しました。お二人のお話から、市場価値を高めるために飛び込むべき環境について紐解きます。

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話し手

稲田 武夫

稲田 武夫

株式会社アンドパッド 代表取締役社長

荻野 泰弘

荻野 泰弘

株式会社アンドパッド 取締役CFO

SECTION 1/6

市場価値が高まる環境は、産業変革の中心地にある

編集部:市場価値を高めたい人は、どのようなキャリアを選ぶべきなのでしょうか。過去の事例を見てみると、現在活躍している経営者や事業家に共通するのは、若いうちから黎明期の産業や業界に飛び込み、自らの手で産業の変革や成長に貢献していたことだとわかります。

例えばディー・エヌ・エー創業者の南場智子氏は、まだコンサルティング業界という言葉が日本に浸透していなかったころ、当時50名規模のマッキンゼーに新卒で入社しています。また、サイバーエージェントの藤田普氏は第四次産業革命と呼ばれたIT黎明期の1997年にインテリジェンスに入社しています。

つまり、完成された人気の業界で勝ち馬に乗るのではなく、若いうちからアーリーフェーズの業界で大きな成長や変革を担う経験をすることが、市場価値を高め、ジェネラルに活躍できるビジネスパーソンになるための有効な手段になりうるのです。

では、これから変革が起こる見込みのあるアーリーフェーズの領域はどこなのでしょうか。今後も世の中はITによって大きく変化していくと言われていますが、広告・小売・コンテンツなどの消費者に近い領域では比較的デジタル化が進んできました。一方で、ITによる変化の伸びしろが大きいのが、アナログに基づいた法規制や商習慣が根強く残る、昔ながらのBtoB産業です。

今回は、そうしたリアル産業のDXに取り組む、アンドパッド経営陣のお二人にインタビューを実施。同社は建設業界の負を解決するSaaS企業であり、グローバルトレンドに沿った事業運営を行い世界の投資家からも注目を浴びています。累計の資金調達額は87億円を超え、今後ユニコーン企業となる期待も高い急成長企業です。

今後どのような産業に変革のチャンスがあるのか、また市場価値の高い人材になるための企業の選び方についてお話しいただきます。

稲田 武夫(いなだ・たけお)氏

株式会社アンドパッド 代表取締役社長

慶應義塾大学卒。新卒では株式会社リクルートに入社し人事・開発・新規事業開発に従事。2014年アンドパッドを設立し、建築・ 建設現場の施工管理アプリANDPADを開発。全国の新築・リフォーム・商業建築などの施工現場のIT化に日々向き合っている。2020年Forbes JAPANの「日本の起業家ランキング2020」に選出。

荻野 泰弘(おぎの・やすひろ)氏

株式会社アンドパッド 取締役CFO

慶應義塾大学卒。2005年に株式会社マクロミルに入社。財務経理部門の執行役員として、東証一部上場企業の財務業務全般に携わる。その後、ジェイマック株式会社、株式会社ミクシィでは取締役CFOを務め、企業買収や合弁会社の設立、投資戦略の立案など、経営の推進に関わる業務に幅広く従事。2018年には、米国金融専門誌「Institutional Investor」が発表するランキングで「ベストCFO」を受賞。2020年より現職。

左:稲田氏 右:荻野氏

SECTION 2/6

今、変革のビジネスチャンスがある業界とは

──今後、どのような領域で産業を大きく変えるチャンスが生まれるのでしょうか。

稲田:まず、これからの産業変革を考えるうえで欠かせない概念であるデジタルトランスフォーメーション(DX)について、私の考えを説明します。昨今DXという言葉は様々な意味で使われていますが、DXの最大の特徴の1つは「越境したデジタル化」であると考えています。ある企業単独ではなく、仕入れ先の企業や、その先にある原料メーカー、それを運ぶ物流など、企業や産業、国境を超えて商流や産業構造までデジタルに最適化することで、業界全体を変革するということです。

そして今後変化が大きいのは、BtoB産業だと考えています。インターネットは、小売・広告・コンテンツといった消費者に近い領域で貢献をしてきました。他方、BtoB産業ではインターネットやITの恩恵をまだ受けられていない領域が多くあります。特に巨大なリアル産業ほどその傾向は強いです。アナログな業務フローや、法規制や商習慣が根強く残り、DX化のハードルが高い状態にあります。これまでデジタルシフトが進みづらかった産業にこそ、今後変革のチャンスがあると言えるのです。

──DXを謳う企業は多いですが、どのような企業が「越境したデジタル化」を実現し産業を変革できるのかについてお聞かせください。

荻野:特定領域においてワンプラットフォームを構築できる、カテゴリーリーダーと呼ばれるような企業です。

企業や国を超えたDXはデータが分断していると実現できないため、ひとつのプラットフォーム上にその領域の商流に関わるあらゆる企業のビッグデータが集まっている必要があります。その状態が作れて初めて、産業全体での最適解を提示することができるのです。

国や企業を超えたDXによって、産業変革を主導できる企業が21世紀の世界のビジネスを牽引する存在となるという期待から、世界中の投資家たちも現在カテゴリーリーダーとなるポテンシャルのある企業に注目しています。

SECTION 3/6

産業のDXを主導できる企業の特徴

──アンドパッドはまさしく「巨大なリアル産業のDX」を早い時期から手掛け、急成長していますよね。

稲田:そうですね。私たちが携わる建設業界には日本で2番目に大きな50兆円の市場がありますが、人手不足、低生産性といった深刻な課題を抱えています。そこでアンドパッドは施工管理アプリケーション「ANDPAD」を提供し、建築現場から事業者までをデジタルに一元管理することで、現場の生産性向上や業界で働くことの魅力向上に寄与しています。現在では10万社の事業者に導入いただき、ユーザー数は26万人を超えました。

今でこそ、インダストリークラウドやDXというワードが世間で飛び交うようになりましたが、2014年の創業当時、B2B向けのベンチャー企業が目を引くことはあまりありませんでした。その頃から「ITの力で産業・社会を良くする」というイシューに向き合っている会社がちらほら増えてきてはいましたが、私たちがリアル産業のDXに取り組むフロンティアの1社であることは、会社の成長にも大きく影響したと考えています。

──荻野さんはマクロミルやミクシィなど有名IT企業のCFOを歴任した後、2020年にアンドパッドにジョインされていますよね。どのような可能性を感じて転職したのでしょう。

荻野:成長可能性を感じた点は複数あるのですが、サービスを見て最初にすごいと思ったのはコミュニケーション設計が秀逸で、お客様に幅広く・頻度高く利用いただいているということです。

ANDPADは、施工管理ツールと紐付いたコミュニケーションツールを備えており、案件ごとの協働企業など、プライベートな連絡先を出したくない人に対してもコミュニケーションのできる場を提供しています。ゆえに、現場の方々が毎日アクティブに利用する代替不可能なサービスとなれているのです。

世界中の投資家は企業を見極めるとき、「人」「モノ」「お金」「情報」といったリソースを「面」で捉えられるサービスかどうかをジャッジします。この4つのリソースを抑えることで、その企業が非連続に成長できる可能性が高まるからです。

その点、現場のコミュニケーションを抑えるANDPADは「人」のおさえ方が本質的であると感じました。また、「モノ」や「お金」の面でも、ANDPADはバーティカルSaaSと言われる産業特化型のSaaSであり、実は「モノ」をANDPAD上で受発注する領域や、ファイナンス領域に事業拡大することも可能なビジネスモデルです。それが実現できれば、「人」「モノ」「お金」、そしてアプリケーションに溜まる「情報」の全てをおさえることができます。

また国内においては、建設業×ICTのサービスで時価総額1000億円を超える企業はまだ存在しておらず、アンドパッドがカテゴリーリーダーを目指せるチャンスも大きいと言えます。

──アンドパッドのように、変革が必要な領域に早期参入していることや、秀逸なビジネスモデルでリソースを面でおさえていることは、リアル産業のDXを実行できる企業の要件とも言えそうですね。

SECTION 4/6

産業変革を担うキャリアのメリットとは

──一方で就職する際に、特定領域に身を置くことで将来の選択肢が限られるイメージを持っている学生もいるかと思います。キャリアメリットについてはどうお考えでしょうか?

稲田:産業特化型のビジネスを行う会社と産業変革に挑む企業とを混同し、キャリアの可能性が狭まってしまうと考えるのは大きな誤解だと思います。私たちのような産業変革に挑む企業が日々取り組んでいるのは、一言で言えば事業開発です。産業変革に取り組むからこそ、建設産業のみならず、その先にある原料メーカー、それを運ぶ物流など多様なセグメントに向き合い、そのセグメントに向けた事業をどんどん創ることになります。当社で言えばANDPADというサービスは一つでも、周辺のさまざまな領域に向けた新たな事業をスピーディに生み出す経験を確実に積むことができるのです。

また、今後産業において企業の統廃合と最適化の流れがますます進む中で、もっとも必要とされる産業変革のスキルやビジネスモデルを学ぶことは、皆さんのキャリアにとってプラスに働くはずです。

例えばバーティカルSaaSは今もっとも注目されており、これからどんどん産業を変えていくであろう新しいビジネスモデルの一つです。そのような知見を身につけることで転職や独立した際にも確実に活かせるスキルになり、自らのキャリアの希少性にも繋がるでしょう。

SECTION 5/6

経営陣に聞く、自らの価値を高める場所の選び方

──お2人のようにビジネスパーソンとして大きな価値を生み出したいと考えている学生はどのようにキャリア選択をすべきでしょうか。最後にアドバイスをお願いします。

荻野:人口ボーナスを享受できる産業に身を置くことをお勧めします。「人口ボーナス」とは、生産年齢、つまり若者の人口比率が絶対的に多い時期を指す用語です。人口ピラミッドで言うと正の三角形になっている時期のことを指します。

産業の担い手が年配者より若者の方が多ければ、その分皆さん自身が主役になれるチャンスが増え、成長機会に恵まれる可能性が高いといえるでしょう。新しい産業の方であれば人口ピラミッドが正の三角形になることが多いですね。

反対に古い産業では人口ピラミッドは逆三角形になり、上にたくさんの人がいるのでポジションが詰まってしまい、皆さんがチャンスを掴むまでに時間がかかりますし、事業の収益が退職したOB・OGに回ってしまうこともあります。

アンドパッドが属するバーティカルSaaSもその一例ですが、人口ボーナスを享受できる新しい領域や産業に行く方が成長できるスピードが早いのではないでしょうか。

稲田:ただし、いま荻野がお話ししたような新しい領域に目を付けても、優秀な人・すごい人はごまんといます。その中で自分の価値を高めるには、「グロースな環境であるか」と「他の人と違う場所で希少価値を高められるか」の2点が大切です。

グロースな環境といっても様々なレベルがあると思いますが、企業規模は小さくても、数百%レベルで伸びている企業に行くことは1つの選択肢だと思います。数百%レベルで成長している企業では、エキサイティングな環境の変化が常に起こっているからです。事業拡大もそうですし、企業価値が高まることで会社の価値が上がったり、人数が増えたり、本当にめまぐるしい日々の中で仕事をすることになります。

そのような環境では、私や荻野もそうですが、経営陣も毎日暗中模索な側面がありますよね。30代、40代のメンバーでも、自分の能力限界と戦いながら必死に事業貢献している。その姿を見ながら一緒に働けるのはキャリアにプラスに働くと思いますし、経営の悲喜こもごもを一緒に味わえるのではないかと思います。

また、希少性が市場価値に直結することは言うまでもありませんが、他の人と違う選択を取れる人は意外に多くありません。学生の皆さんは、いわゆる人気企業を選択するのも良いですが、「希少性を高めるために別の道はないか?」というのは自問自答してもらいたいですね。

SECTION 6/6

マクロ動向を知り、自分の目で成長環境を見定めよう

編集部:市場価値を高めたい、と考える就活生の多くは「コンサルティングファームなら汎用性の高いビジネススキルが身につきそう」「ベンチャー企業であれば早くから裁量のある仕事を任されて成長できそう」といった抽象度の高いイメージだけを元にエントリーする企業を選ぶ傾向にあります。

しかし稲田氏と荻野氏の言葉からも分かるように、自らの価値を高めるには、新しい領域にアーリーフェーズでジョインし、トレンドのビジネスを学びながら、キャリアの希少性を高めていくことが重要になります。一概にコンサルティング業界・ベンチャー企業・大手企業といった括りで考えることはできず、ビジネストレンドや、産業・企業ごとの成長可能性を具に見ていく必要があるのです。

アンドパッドの事例を元にお伝えしてきた「リアル産業のDX」というテーマで企業を見ることは、業界や企業規模といった選社軸とは違う、新しい企業の見方の一つになるのではないでしょうか。自らの価値を高める仕事に携わり早くから成長したいと思っている方は、是非参考にしてみてください。

編集:

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